内部と外部のAIで賢く成長 アプリ連携機能も
学習・育成能力のキーになるのは、もちろんAIだ。aiboは本体のパーソナルAIとクラウド上のコモンAIが相互に作用することによって進化を遂げていく。前述したセンサやカメラで認識した情報をAIがインプット、全身の表現装置にアウトプットするというアーキテクチャになっている。クラウドは集合知としてだけでなく、バックアップの役割も果たす。本体が修理不可能な状態でも本体を買い替えれば、もとのaiboの情報をインストールできる。プロセッサにはQualcomm Snapdragon 820(APQ8096)を搭載。RAMは4GB、ROMは32GB、通信はLTE/Wi-Fi(IEEE802.11b/g/n)に対応する。今後はシステムアップデートで、IoT連携やaibo用のソフトウェア開発環境を提供していく予定だという。
aiboの学習・育成能力を支えるアーキテクチャ
設定やオーナー情報へのアクセスは、本体と同日に配信を開始する専用アプリ「My aibo」を利用する。このアプリは、撮影画像を閲覧できる「aiboフォト」、アプリ上でaiboとコミュニケーションをとれる「あそぶ」、ふるまいを追加できる「aiboストア」などの機能も備える。
アプリ「My aibo」と連携することでaiboとさらにコミュニケーションがとれる
フルセットで30万円弱 先代の出荷台数150万台を超えられるか
サイズは幅180×高さ293×奥行305mm、重量は約2.2kg。充電時間は約3時間で、連続駆動時間は約3時間。チャージステーション、ACアダプタ、電源コード、SIMカードに加えて、aiboとコミュニケーションをとるためのピンクボールが付属。aibo専用の玩具は別売で骨型の「アイボーン」(税別2980円予定)を用意する。aiboは現時点ではソニーストア限定で販売予定。気になる価格はいずれも税別で、本体が19万8000円、通信のための「aiboベーシックプラン3年」が一括払いで9万円、分割36回払いで2980円/月、修理費や健康診断費が半額になる「aiboケアサポート」が3年コースが5万4000円、1年コースが2万円。
通信・サポートプランや追加アクセサリを合わせると総額は30万円を超える
「市場規模が読みづらい部分もあるが、エンタテインメントロボット市場を切り開いたソニーとしては、今後さらに市場を拡大していきたい」(川西氏)。toB・toC含めて、aibo以外のロボット開発も構想にあるそうだ。前日の第2四半期決算では過去最高の最終利益を達成するなど、上昇気流を捉えつつあるソニーの本格回復を示すシンボルとなるか。まずは、先代AIBOが記録した出荷台数150万台が事業の成否を占う目安になりそうだ。(BCN・大蔵 大輔)