補聴器のリーディングカンパニーであるオーティコンは、難聴者の苦労や補聴器に対する一般の理解を促進するために、さまざまなイベントやキャンペーンを通じた啓蒙活動を積極的に行っている。その活動の一環として、10月27日に東京銀座・王子ホールで同社主催の「みみともコンサート2017」を開催した。
今年で4回目を迎える「みみともコンサート2017」
「難聴者の方にも最上の音楽を楽しんでもらいたい」という思いから2014年にスタートした「みみともコンサート」は、今年で4回目。“みみとも”とは「補聴器」を指すオーティコンが考案した呼称で、「もっと補聴器を身近なものにしたい」という思いから提唱している。
「みみともコンサート」にも同じ思いを込め、子どもから大人まで、難聴者から健聴者まで、誰でも音楽を楽しめるよう、例えば、ステージには話者のスピーチ内容を要約して字幕表示するモニター、観客席にはテレコイル対応の磁気ループシステムを設置するなど、誰もが気兼ねすることなくコンサートを楽しむことができるよう配慮した。
話者のスピーチ内容を要約表示するステージ上の字幕モニター
あまり聞きなれない用語だが、磁気ループシステムとは、難聴者をサポートすることを目的としたコンサートホールやスタジアムで導入されている仕組みだ。音声信号を磁気誘導アンプに通して、電気信号に変換。ホールの床に張り巡らされたループアンテナ内に誘導磁場を発生させることで、クリアな音声を磁気コイル付き補聴器や人工内耳に届ける。
観客席のテレコイル対応の磁気ループシステム。
マットの下にはループアンテナの配線ボックスが隠れており、ケーブルがホール全体に張り巡らされている
会場の入口付近にはオーティコンの補聴器の展示や、VRを駆使した難聴者が聴こえている音と補聴器で聴こえる音の世界を疑似体験するコーナーも設置。コンサートには、応募者から抽選で無料招待した大勢の観客が集まり、ホールは終始、和やかな雰囲気に包まれた。
オーティコン補聴器の展示ブースとVRによる疑似体験コーナー
補聴器の使用者だけでなく、一般のクラシックファンから未就学児を連れた親子連れまで、幅広い層が来場した
公演前にはオーティコン補聴器の木下聡プレジデントが「みみとも」という言葉の由来やオーティコンの活動を説明。「今日は補聴器を装着している方もそうではない方も一緒になって良い音楽を楽しんでほしい」と思いを伝えた。
オーティコン補聴器の木下聡プレジデント
演奏は、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の前コンサートマスターであるダニエル・ゲーデ氏が率いる「ゲーデ・ピアノ五重奏団」。ゲーデ氏が結成した弦楽四重奏団に、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の名ヴァイオリニストであるギュンター・ザイフェルト氏がゲスト演奏者として参加した。
日本人作曲家の高橋幸代氏が書き下ろした弦楽四重奏曲「“ゲーテ”の情景」で幕を開けたコンサートは、クラシックの名曲から有名映画のテーマ曲、日本人になじみ深い歌謡曲など、バリエーション豊かな楽曲が演奏され、アップテンポの曲では手拍子が、ユーモアのある曲では笑いがこぼれる場面もあった。
「ゲーデ・ピアノ五重奏団」による演奏の様子
公演後に数人の来場者に感想を聞いた。友人と来場した60代の女性は、最近になって聴こえに不自由を感じるようになり、補聴器を装着するようになったという。補聴器はすでに手放せない存在で「聴こえないことはないが、あるのとないのでは大違い」とのこと。「今日は運よく最前列の席だったので、耳と肌で存分に音楽を楽しめた」と話し、聴こえにはまだ不便はないという友人とともに、超一流の奏者たちの生演奏の余韻を分かち合っていた。
今年で3回目の参加という親子は、通常のクラシックコンサートとは一味違う選曲が印象に残ったという。「日本の歌メドレー」では星野源さんの「恋」が演奏されるなどのサプライズもあった。「子どもが退屈しないで音楽を楽しむことができる最高の機会」と、親子ともに満足げな様子だった。
今年で4回目を迎える「みみともコンサート2017」
「難聴者の方にも最上の音楽を楽しんでもらいたい」という思いから2014年にスタートした「みみともコンサート」は、今年で4回目。“みみとも”とは「補聴器」を指すオーティコンが考案した呼称で、「もっと補聴器を身近なものにしたい」という思いから提唱している。
「みみともコンサート」にも同じ思いを込め、子どもから大人まで、難聴者から健聴者まで、誰でも音楽を楽しめるよう、例えば、ステージには話者のスピーチ内容を要約して字幕表示するモニター、観客席にはテレコイル対応の磁気ループシステムを設置するなど、誰もが気兼ねすることなくコンサートを楽しむことができるよう配慮した。
話者のスピーチ内容を要約表示するステージ上の字幕モニター
あまり聞きなれない用語だが、磁気ループシステムとは、難聴者をサポートすることを目的としたコンサートホールやスタジアムで導入されている仕組みだ。音声信号を磁気誘導アンプに通して、電気信号に変換。ホールの床に張り巡らされたループアンテナ内に誘導磁場を発生させることで、クリアな音声を磁気コイル付き補聴器や人工内耳に届ける。
観客席のテレコイル対応の磁気ループシステム。
マットの下にはループアンテナの配線ボックスが隠れており、ケーブルがホール全体に張り巡らされている
会場の入口付近にはオーティコンの補聴器の展示や、VRを駆使した難聴者が聴こえている音と補聴器で聴こえる音の世界を疑似体験するコーナーも設置。コンサートには、応募者から抽選で無料招待した大勢の観客が集まり、ホールは終始、和やかな雰囲気に包まれた。
オーティコン補聴器の展示ブースとVRによる疑似体験コーナー
補聴器の使用者だけでなく、一般のクラシックファンから未就学児を連れた親子連れまで、幅広い層が来場した
公演前にはオーティコン補聴器の木下聡プレジデントが「みみとも」という言葉の由来やオーティコンの活動を説明。「今日は補聴器を装着している方もそうではない方も一緒になって良い音楽を楽しんでほしい」と思いを伝えた。
オーティコン補聴器の木下聡プレジデント
演奏は、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の前コンサートマスターであるダニエル・ゲーデ氏が率いる「ゲーデ・ピアノ五重奏団」。ゲーデ氏が結成した弦楽四重奏団に、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の名ヴァイオリニストであるギュンター・ザイフェルト氏がゲスト演奏者として参加した。
日本人作曲家の高橋幸代氏が書き下ろした弦楽四重奏曲「“ゲーテ”の情景」で幕を開けたコンサートは、クラシックの名曲から有名映画のテーマ曲、日本人になじみ深い歌謡曲など、バリエーション豊かな楽曲が演奏され、アップテンポの曲では手拍子が、ユーモアのある曲では笑いがこぼれる場面もあった。
「ゲーデ・ピアノ五重奏団」による演奏の様子
公演後に数人の来場者に感想を聞いた。友人と来場した60代の女性は、最近になって聴こえに不自由を感じるようになり、補聴器を装着するようになったという。補聴器はすでに手放せない存在で「聴こえないことはないが、あるのとないのでは大違い」とのこと。「今日は運よく最前列の席だったので、耳と肌で存分に音楽を楽しめた」と話し、聴こえにはまだ不便はないという友人とともに、超一流の奏者たちの生演奏の余韻を分かち合っていた。
今年で3回目の参加という親子は、通常のクラシックコンサートとは一味違う選曲が印象に残ったという。「日本の歌メドレー」では星野源さんの「恋」が演奏されるなどのサプライズもあった。「子どもが退屈しないで音楽を楽しむことができる最高の機会」と、親子ともに満足げな様子だった。