国交樹立150周年、記念イベントでデンマーク企業が展覧会を開催

イベント

2017/10/12 19:00

 2016年に国連が実施した幸福度調査で1位にランクインした北欧の小国・デンマーク。近年は福祉国家としての成熟ぶりや、バイオテクノロジーの目覚ましい発展に注目が集まっている。実は日本とデンマークが国交を結んだ時期は意外にも早く、1867年に遡る。国交樹立150周年を記念して、10月11日に東京・目黒区のホテル雅叙園で「GATEWAY TO THE FUTURE 2017」を開催。両国のビジネス関係をさらに発展させるべく交流が図られた。


東京・目黒区のホテル雅叙園で開催された「GATEWAY TO THE FUTURE 2017」

 イベントにはデンマークのビジネス代表団55企業が参加。「医療」「食品・農業」「デザイン」の3分野ごとに、展示やセミナー、ラウンドテーブルが実施された。会場にはデンマーク王国皇太子同妃両殿下も訪問し、両国の企業間で新たに締結されたMOU調印式や展示を視察された。
 

参加企業は55社。デンマークに拠点を置くレゴの展示も

補聴器メーカーのオーティコンが出展 最先端テクノロジーを紹介

 医療機器や医療品の世界的メーカーが数多く拠点を置くデンマーク。ワールドワイドで補聴器を展開するオーティコンも代表的企業の一つ。展示ブースでは、周囲360°の音を自然に届ける補聴器「Oticon Opn」を紹介していた。
 

オーティコンブースでは「Oticon Opn」を紹介

 耳元で目立たない小型のフォルムやカラーは、従来のいかにも医療機器然としたイメージとはずいぶん異なる。ハイテク化した集音性能や他のデジタル機器と連携するIoT機能などを搭載している点も斬新だ。これまでは空気電池で駆動していたが、11月中旬以降には小型のミニ RITEスタイル用に充電器キットを発売する予定。電池ぶたを取り替えることで、電池式と充電式をスイッチできるハイブリット式なのが特徴だ。
 

11月中旬以降に発売する「オーティコン オープン ハイブリッド式充電器」

 オーティコンは、補聴器をより身近にするための活動にも注力しており、日本でも聴こえ方に悩みをもつ人に気軽に補聴器を試してもらうキャンペーンや、健聴者に音のない世界を体験してもらうイベントなどを実施している。今回の展示ブースでも、VRヘッドセットとヘッドホンを利用した「Oticon Opn」の装着で、どれだけ聴こえ方が変わるか、また聴こえ方が日常生活にどう影響を及ぼすかを疑似体験することができた。
 

VRヘッドセットとヘッドホンを利用した補聴器の疑似体験。一般的な補聴器は一方向からしか集音しないので、
周囲の音が聴こえず不安な気持ちになる。360°集音の「Oticon Opn」は聴こえ方以上に快適さをもたらしてくれる

DYNAUDIOは来年発売予定のスピーカーを展示

 北欧といえば、デザイン性の高いプロダクトも数多く輩出している。ハイオーディオブランドのDYNAUDIO(ディナウディオ)が来年発売予定の「Dynaudio Music」シリーズはまさに北欧らしい、上品な佇まいと機能性を両立したワイヤレススピーカー。きょう体を覆う高級ファブリックは同じデンマークの生地メーカーGabrielとコラボレーションしている。
 

来年発売予定の「Dynaudio Music」シリーズ

 機能もユニークだ。設置場所に合わせて音の周波数帯を変更してパフォーマンスを最適化するRoomAdaptや、周囲のノイズに合わせて音をクリアに補正するNoiseAdaptを搭載。また、専用無料アプリと連携すれば、プレイリストをチャンネル設定してワンタッチで再生することができる。

 サイズ別に「Music 1/3/5/7」の4機種を用意し、価格は7万~15万円を想定しているという。「5」「7」は前面・背面のファブリック部分を取り外して、カラーを変更することが可能。「7」はHDMI端子を備え、テレビに接続することでサウンドバーとして使用することもできる。
 

「5」「7」は前面・背面のファブリック部分が脱着可能

 これまでは専門店で販売されることが多いブランドだったが、今回のワイヤレススピーカーを機に、幅広い層が購入できる販路でも展開していく予定だという。(BCN・大蔵 大輔)