SIMフリースマホが4分の1突破! au、ドコモは新料金プランでMVNOに対抗へ

 家計の節約策として、大手キャリアに比べ、1か月あたりの通信料金が安く済む「格安SIM」と呼ばれるMVNO(仮想移動体通信事業者)が注目を集めている。MVNOの認知度の高まりを受け、大手キャリア3社のうち、NTTドコモとKDDI(au)は、MVNOの料金体系を意識したと思われる新料金プランを発表した。

 ドコモは、「シェアパック」契約者向けの「シンプルプラン」に加え、対象機種の発売にあわせ、毎月ずっと利用料金から1500円割引く新たな料金プラン「docomo with」を開始。auは、7月14日から4G LTEスマートフォン向けの新料金プラン「auピタットプラン」と「auフラットプラン」と、その加入者向けの「アップグレードプログラムEX」を開始した。「docomo with」は対象機種が2機種に限定され、トライアル的な側面が強い。一方、auの新料金プランは、端末を購入しなくても加入でき、全面的な料金プラン刷新といえる。
 

新料金プランを刷新したau

「auピタットプラン」「auフラットプラン」とは?

 「auピタットプラン」は、データ利用量に応じて5段階の定額料金が自動的に適用される従量課金制プラン。音声通話の利用状況にあわせて、「auピタットプラン(スーパーカケホ)」「auピタットプラン(カケホ)」「auピタットプラン(シンプル)」の3タイプから選べる。

 「auピタットプラン(スーパーカケホ)」の場合、税別月額料金は、1GBまで2980円、2GBまで3980円、3GBまで4480円、5GBまで5480円、20GBまで5480円。
 

「auピタットプラン」の料金イメージ
(「誰でも割」「auスマートバリュー」「ビッグニュースキャンペーン」適用時)

 一方、「auフラットプラン」は、データ利用量を気にせず利用できる定額プランで、端末購入時の割引「毎月割」を適用しない代わりに、従来より、通信料金そのものを大幅に安く設定した。

 音声通話とデータ通信の利用状況に合わせて、月間20GBまでデータ通信を使い放題できる「auフラットプラン20(スーパーカケホ)」「auフラットプラン20(カケホ)」「auフラットプラン20(シンプル)」、30GBまで使い放題できる「auフラットプラン30(スーパーカケホ)」「auフラットプラン30(カケホ)」「auフラットプラン30(シンプル)」の6タイプから選べる。

 税別月額料金は、最安の「auフラットプラン20(シンプル)」の場合で6000円。「auフラットプラン20(スーパーカケホ)」は6500円、「auフラットプラン20(カケホ)」は7500円、、「auフラットプラン30(シンプル)」が8000円、「auフラットプラン30(スーパーカケホ)」は8500円、「auフラットプラン30(カケホ)」が9500円。
 

「auフラットプランの料金イメージ
(「誰でも割」「auスマートバリュー」「ビッグニュースキャンペーン」適用時)

 さらに、「auピタットプラン」「auフラットプラン」とも、今年12月31日までに、新規契約・機種変更時にあわせて加入すると、「ビッグニュースキャンペーン」として12か月間、利用料金から1000円割り引く。ただし、iPhoneは対象外。

 同時に開始した「アップグレードプログラムEX」は、5か月目以降の機種変更の際に、月額390円×24回のプログラム料を支払うことで、分割支払金の最大半額の支払いを不要にするプログラム。特典の適用を受けるには、対象機種を12か月間利用後に機種変更を行うこと、機種変更後も「アップグレードプログラムEX」に再加入すること、機種変更時に旧機種を回収することが条件となる。なお、こちらもiPhoneは対象外となる。
 

「アップグレードプログラムEX」の利用イメージ

 家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、スマートフォン全体の販売台数に占めるSIMフリー対応モデルの割合は、今年4月は23.4%、5月は21.3%、6月は24.4%と、2割を超える水準で推移し、7月には過去最高となる26.0%に達した。
 

ついにSIMフリーがスマホ全体の4分の1を突破した

 3社横並びだった従来のauの料金プランと、新しいauの料金プランの違いは、従量課金制と定額制の2つに分かれたこと。毎月のデータ利用量にあわせて選べるようになり、毎月、データ容量が余っていた人、つまり余分に払いすぎていた人にとっては値下げとなった。販売データが示す、SIMフリースマホ市場の拡大は、キャリアをついに動かしたといえるだろう。(BCN・嵯峨野 芙美)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。