ネットギア、日本初の60GHz帯対応・802.11ad無線LANルータを6月発売

新製品

2017/05/09 17:39

 ネットギアジャパンは5月9日、家庭用ネットワーク機器の新製品として、60GHz帯を使用する高速通信規格「802.11ad」に対応した無線LANルータ「Nighthawk X10 R9000」、802.11ac対応の無線LAN中継器「Nighthawk X4 EX7300」を発表した。いずれも6月9日発売。価格はオープンで、実勢価格は「Nighthawk X10 R9000」が5万7800円、「Nighthawk X4 EX7300」が1万4980円前後の見込み。


Nighthawk X10 R9000。10Gbps対応LANポートも搭載

 これまでの無線LANが2.4GHz/5GHz帯の電波を使用していたのに対し、802.11adはより波長の短い60GHz帯の電波を使用して通信を行う。60GHz帯は広い周波数帯域を確保できるためより高速な通信が可能で、今回発表したNighthawk X10 R9000では最大4600Mbps(規格上の理論値)に対応する。同社が行ったファイル転送試験では、最大1300Mbps対応の802.11ac対応機器に比べ、約3倍の転送速度が得られたという。

 ただし、従来の電波に比べ障害物に弱いため近距離での使用が中心となるほか、802.11adに対応するPCやタブレット端末は国内でまだ市販されていないため、現在はその性能を実際に活用することはできない。同社によれば、今年後半から来年にかけて802.11ad対応の端末が登場する見込みだという。Nighthawk X10 R9000は802.11ac(最大1733Mbps)にも対応するため、当面は従来速度での使用となる。

 製品発表にあわせて来日した米ネットギアのパトリック・ローCEOは、「Nighthawk X10 R9000は日本市場初、かつ唯一の802.11ad対応ルータ。低遅延でゲームを楽しむことができ、4K映像のストリーミングを行ってもコマ落ちすることがない」と述べ、ネットワークゲームや大容量のコンテンツを楽しむハイエンドユーザーに最高のネットワーク性能を提供するため、他社に先駆けて802.11ad対応製品を発売することをアピールした。
 

米ネットギアのパトリック・ローCEO

 同時発売のNighthawk X4 EX7300は、電源コンセントに直接差し込む形態の中継器で、無線LANルータ1台だけでは電波が届きにくい場所の通信速度や安定性を改善する。5GHz帯で最大1733Mbps、2.4GHz帯で最大450Mbpsの通信が可能。
 

コンセント直差し型の中継器「Nighthawk X4 EX7300」

 このほか、ネットギアジャパンでは無線ネットワークカメラ「Arlo(アーロ)」シリーズの新製品を発表。これまで日本市場では中小企業を中心とした法人向け製品の販売が全体の約8割を占めていたが、今後はコンシューマ向け製品の売り上げを伸ばし、2020年には日本法人としての売上高を16年から倍増させると説明した。(BCN・日高 彰)