スマホ・PCをまとめてバックアップ - トランセンドのネットワークHDDを試す
ストレージ機器大手のトランセンドジャパンが、同社としては初めてのネットワークHDD「StoreJet Cloud」を発売する。一般にNAS(Network Attached Storage)と呼ばれるカテゴリの製品だが、スマートフォンなどのモバイル機器のデータ保存や、外出先から自宅のHDDにアクセスするための機能が充実しているのが特徴だ。発売前の製品を試用する機会を得たので、その使い勝手をお伝えしよう。
トランセンドジャパン初のネットワークHDD「StoreJet Cloud」(画像は2ベイモデル)
この解決策のひとつとして、「Dropbox」「OneDrive」「iCloud」といったクラウドストレージサービスを使うユーザーが増えている。クラウド上にデータを保存しておけば、インターネットを通じてどのデバイスからもアクセスできるので、特に写真や音楽、動画などのコンテンツの保存場所としては理想的だ。
しかし、クラウドストレージサービスにも弱点はある。ほとんどのサービスでは、一定以上の容量を使いたい場合、月額料金を払わなければならず、データが増えるほど費用がかかる。また、事業者の都合によってサービス内容が変更されたり、場合によっては将来的にサービスが終了してしまったりする可能性も考えられる。大事な思い出の写真などをずっと預ける先としては不安というユーザーもいるのではないか。
今回トランセンドジャパンが発売する「StoreJet Cloud」は、まさにこのような問題を解消する製品だ。ネットワークHDDは既に多くのメーカーから発売されているが、StoreJet Cloudは、自宅のPCのみならず、外出先からモバイル機器でアクセスすることも前提とした設計になっているのが特徴。自宅のインターネット回線に接続し、モバイル機器側にはアプリを入れるだけで、複雑な設定をしなくても、場所を選ばずどこからでもアクセスが可能になる。
製品ラインアップは「StoreJet Cloud 110」と同「210」の2機種。違いはHDDを装着するベイの数で、110が1ベイ、210が2ベイモデルとなっており、すべてのベイに4TBのHDDを搭載した状態で販売される。販売開始は5月中旬以降の予定。今回は、2ベイモデルのStoreJet Cloud 210を試用した。
・StoreJet Cloud 110(型番 TS4TSJC110K)1ベイ・4TB、24800円
・StoreJet Cloud 210(型番 TS8TSJC210K)2ベイ・8TB、49800円、RAID対応
(価格は消費税込みの市場想定価格)
HDDのベイ数とRAID機能の有無が異なる2モデルが用意される
ハードウェアの準備はLANケーブルでルーターに接続するだけ
次に、外出先で使用するスマートフォンを自宅のWi-Fiに接続し、iPhoneならアップルのApp Store、AndroidならグーグルのPlayストアから、StoreJet Cloudの専用アプリをインストールする。アプリを起動してユーザーアカウントを作成すると、自宅のネットワーク上にあるStoreJet Cloudを検出してアプリに登録することが可能になる。登録が済めば、自宅のStoreJet Cloudとスマートフォンのアプリが紐付けられた状態になるので、後はスマートフォンを外出先に持ち出しても、いつでもStoreJet Cloudにアクセスしてデータのダウンロードや、スマートフォンから自宅へのデータのアップロードが可能になる。
スマホを自宅のWi-Fiに接続し、専用アプリ上にStoreJet Cloudを登録する
後は、保存しておきたいデータをアップロードしていけばいいわけだが、スマートフォンからすぐに利用できる便利な機能として、写真データの自動バックアップが用意されている。アプリの設定メニュー内から自動バックアップをオンにしておけば、スマートフォンでたくさんの写真を撮影したとき、帰宅後に自宅のWi-Fiネットワークに接続してアプリを起動するだけで、新しい写真がStoreJet Cloudへ自動的にコピーされる。また、通信料金「セルラーネットワークを使う」をオンにしておけば外出中も3G/LTE回線を通じてバックアップが行われる。
新しく撮影した写真をStoreJet Cloudへ自動バックアップできる
StoreJet Cloudへアップロードした写真や動画はアプリ上で再生可能
自宅のPCからブラウザ経由でアクセスできるホーム画面
新規ユーザーを作成すると自動的にそのユーザー用のフォルダが作成される
もちろんNASなので自宅のPCからはネットワーク上の共有フォルダとしてもアクセス可能
外出先のPCからはChromeブラウザ用アプリを利用して自宅のStoreJet Cloudへアクセスできる
StoreJet Cloudを制御するCPUはデュアルコアプロセッサを搭載しているほか、ギガビットイーサネットに対応しているため、データの転送はもたつくこともなくスムーズに行える。また、本体背面にはUSB 3.0ポートが用意されているが、これはUSBメモリなど他のストレージ機器を接続するためのもの。USBストレージ機器を接続し、その上のボタンを押すと、ストレージ機器内のすべてのファイルがStoreJet Cloudにバックアップされる。
自分で撮影した写真や動画など大切なデータをいつまでも確実に保存しておきたい場合は、今回使用した2ベイモデルのStoreJet Cloud 210を選択するのがよい。出荷時から、2台のHDDにそれぞれ同じデータを書き込むミラーリング(RAID 1)構成になっている。万が一どちらかのHDDが故障してしまった場合、アプリのディスク情報画面にエラーメッセージが表示されるため、もう1台のHDDが正常に動いている間にデータを別のストレージ機器にバックアップすればよい。このため、StoreJet Cloud 210は合計8TBのHDDを搭載しているが、標準で保存可能なデータの容量は半分の4TBとなっている。
データの確実な長期保管には2ベイモデルでのミラーリング保存を推奨
また、製品の保証期間は購入日から2年となっている。家庭用の電子機器では保証期間1年の製品がほとんどだが、長くデータを保存するための機器なので、これはありがたい部分だ。
トランセンドジャパン初のネットワークHDD「StoreJet Cloud」(画像は2ベイモデル)
NASをクラウドストレージとして使う提案
PCに加えてスマートフォンやタブレット端末など、一人のユーザーが複数のデバイスを使うのがあたりまえになったが、その場合に不便なのが、デバイスごとにデータが分散し、必要な情報のありかがわからなくなってしまうことだ。この解決策のひとつとして、「Dropbox」「OneDrive」「iCloud」といったクラウドストレージサービスを使うユーザーが増えている。クラウド上にデータを保存しておけば、インターネットを通じてどのデバイスからもアクセスできるので、特に写真や音楽、動画などのコンテンツの保存場所としては理想的だ。
しかし、クラウドストレージサービスにも弱点はある。ほとんどのサービスでは、一定以上の容量を使いたい場合、月額料金を払わなければならず、データが増えるほど費用がかかる。また、事業者の都合によってサービス内容が変更されたり、場合によっては将来的にサービスが終了してしまったりする可能性も考えられる。大事な思い出の写真などをずっと預ける先としては不安というユーザーもいるのではないか。
今回トランセンドジャパンが発売する「StoreJet Cloud」は、まさにこのような問題を解消する製品だ。ネットワークHDDは既に多くのメーカーから発売されているが、StoreJet Cloudは、自宅のPCのみならず、外出先からモバイル機器でアクセスすることも前提とした設計になっているのが特徴。自宅のインターネット回線に接続し、モバイル機器側にはアプリを入れるだけで、複雑な設定をしなくても、場所を選ばずどこからでもアクセスが可能になる。
製品ラインアップは「StoreJet Cloud 110」と同「210」の2機種。違いはHDDを装着するベイの数で、110が1ベイ、210が2ベイモデルとなっており、すべてのベイに4TBのHDDを搭載した状態で販売される。販売開始は5月中旬以降の予定。今回は、2ベイモデルのStoreJet Cloud 210を試用した。
・StoreJet Cloud 110(型番 TS4TSJC110K)1ベイ・4TB、24800円
・StoreJet Cloud 210(型番 TS8TSJC210K)2ベイ・8TB、49800円、RAID対応
(価格は消費税込みの市場想定価格)
HDDのベイ数とRAID機能の有無が異なる2モデルが用意される
スマホだけでセットアップが可能
使い始めるまでの準備はわずか数ステップだ。まず、自宅のWi-Fiルーターの空いている有線LANポートに、LANケーブルでStoreJet Cloud本体を接続し、電源を入れる。ハードウェアの準備はLANケーブルでルーターに接続するだけ
次に、外出先で使用するスマートフォンを自宅のWi-Fiに接続し、iPhoneならアップルのApp Store、AndroidならグーグルのPlayストアから、StoreJet Cloudの専用アプリをインストールする。アプリを起動してユーザーアカウントを作成すると、自宅のネットワーク上にあるStoreJet Cloudを検出してアプリに登録することが可能になる。登録が済めば、自宅のStoreJet Cloudとスマートフォンのアプリが紐付けられた状態になるので、後はスマートフォンを外出先に持ち出しても、いつでもStoreJet Cloudにアクセスしてデータのダウンロードや、スマートフォンから自宅へのデータのアップロードが可能になる。
スマホを自宅のWi-Fiに接続し、専用アプリ上にStoreJet Cloudを登録する
後は、保存しておきたいデータをアップロードしていけばいいわけだが、スマートフォンからすぐに利用できる便利な機能として、写真データの自動バックアップが用意されている。アプリの設定メニュー内から自動バックアップをオンにしておけば、スマートフォンでたくさんの写真を撮影したとき、帰宅後に自宅のWi-Fiネットワークに接続してアプリを起動するだけで、新しい写真がStoreJet Cloudへ自動的にコピーされる。また、通信料金「セルラーネットワークを使う」をオンにしておけば外出中も3G/LTE回線を通じてバックアップが行われる。
新しく撮影した写真をStoreJet Cloudへ自動バックアップできる
StoreJet Cloudへアップロードした写真や動画はアプリ上で再生可能
2ベイモデルは標準でデータを二重化して保存
自宅でPCからStoreJet Cloudへアクセスする場合は、ウェブブラウザで「http://find.storejetcloud.com/」を開くと、本体のホーム画面が表示される。ここではStoreJet Cloudに保存してあるファイルへのアクセスのほか、ユーザーの追加などの各種設定が可能だ。初期状態では管理者アカウントの1ユーザーで使用する状態になっているので、家族で共用する場合にはそれぞれのユーザーアカウントを作成するといいだろう。また、全ユーザーがアクセスできる共有フォルダも標準で用意されている。自宅のPCからブラウザ経由でアクセスできるホーム画面
新規ユーザーを作成すると自動的にそのユーザー用のフォルダが作成される
もちろんNASなので自宅のPCからはネットワーク上の共有フォルダとしてもアクセス可能
外出先のPCからはChromeブラウザ用アプリを利用して自宅のStoreJet Cloudへアクセスできる
StoreJet Cloudを制御するCPUはデュアルコアプロセッサを搭載しているほか、ギガビットイーサネットに対応しているため、データの転送はもたつくこともなくスムーズに行える。また、本体背面にはUSB 3.0ポートが用意されているが、これはUSBメモリなど他のストレージ機器を接続するためのもの。USBストレージ機器を接続し、その上のボタンを押すと、ストレージ機器内のすべてのファイルがStoreJet Cloudにバックアップされる。
自分で撮影した写真や動画など大切なデータをいつまでも確実に保存しておきたい場合は、今回使用した2ベイモデルのStoreJet Cloud 210を選択するのがよい。出荷時から、2台のHDDにそれぞれ同じデータを書き込むミラーリング(RAID 1)構成になっている。万が一どちらかのHDDが故障してしまった場合、アプリのディスク情報画面にエラーメッセージが表示されるため、もう1台のHDDが正常に動いている間にデータを別のストレージ機器にバックアップすればよい。このため、StoreJet Cloud 210は合計8TBのHDDを搭載しているが、標準で保存可能なデータの容量は半分の4TBとなっている。
データの確実な長期保管には2ベイモデルでのミラーリング保存を推奨
また、製品の保証期間は購入日から2年となっている。家庭用の電子機器では保証期間1年の製品がほとんどだが、長くデータを保存するための機器なので、これはありがたい部分だ。