ボーズの次世代ホームシアター、小型化と高音質化の限界に挑戦

新製品

2017/01/28 12:00

 ボーズは1月26日、次世代のホームシアターシステムとして、サウンドバー「SoundTouch 300 soundbar」と5.1chホームシアターシステム「Lifestyle 650 system」「Lifestyle 600 system」の3モデルを発表した。


ボーズのフラッグシップモデル「Lifestyle 650 system」

 映像音声向けオーディオ部門のピート・オグリー ゼネラルマネージャーは新製品を「日本のユーザーに最適」と評した。日本の居住空間は狭く、近隣への配慮からホームシアターシステムが設置しづらいという課題がある。新モデルでは、さらなる高音質化に挑みつつも、ボディの小型化にこだわった。“次世代”をうたうのも、サイズと音の関係性の常識を塗り替える成果を達成しているからだという。

ピート・オグリー ゼネラルマネージャー

ボーズ史上最小スピーカーが異彩を放つ「Lifestyle 650 system」

 「Lifestyle 650 system」は、ボーズのフラッグシップとなるホームシアターシステム。最大の特徴は、ボーズ史上最少サイズとなる全方向性のOmniJewelサテライトスピーカーだ。従来より一回り小さいながら、ボーズ独自のテクノロジーを多数搭載することで、さらなる臨場感の向上を実現した。
 

ボーズ史上最小サイズの全方向性OmniJewelサテライトスピーカー

 ボーズの持ち味である重低音も進化している。新搭載する「QuietPortテクノロジー」は、音を出力する際に発生する歪を解消。クリアかつ臨場感溢れる音を再現する。

 発表会では、プロダクトマネジメント部の大久保淳 部長が長い筒を用いたデモンストレーションを行った。密閉された筒を通して声を発すると、その音はこもって不自然な響きになる。ところが、「QuietPortテクノロジー」の構造をもつスリットの隙間が設けられた筒を通すと、音は鮮明に自然に響いて聞こえた。
 

「QuietPortテクノロジー」の効果を説明する大久保部長

 コンソールをはじめ各機器は、天面にガラス素材を採用しているが、これはデザイン性を追求しただけではない。ワイヤレス接続で各機器を連携する電波の透過性を高め、途切れることのない安定した接続が可能になる。
 

天面にガラス素材は電波の透過性を上げる効果もある

 テレビ画面にシステムの接続手順を表示する「Unify機能」や、部屋に合わせてサウンドを自動調整する「ADAPTiQ」を備えるので、セッティングは簡単。また、映像だけでなく音楽を楽しむための機能が拡充しているのもポイントだ。

 SoundTouch機能で、Wi-FiもしくはBluetoothでスマートフォンからワイヤレス再生ができるほか、16年11月に連携を発表したSpotifyに代表される音楽配信サービスにも手軽にアクセスできる。

 コンソール、OmniJewelスピーカー×4、OmniJewelセンタースピーカー、Acoustimassベースモジュール、ワイヤレスレシーバーで構成される「Lifestyle 650 system」の価格は49万円前後(税別)、従来モデル同様に、Jewel CubeスピーカーとJewel Cubeセンタースピーカーを採用する「Lifestyle 600 system」の価格は39万円前後(税別)の見込み。2月18日に発売する。

最小構成で上質サラウンドを実現、「SoundTouch 300 soundbar」

 サウンドバー「SoundTouch 300 soundbar」は、幅100cmを切るスリムな薄型ボディが目を引く。設置性の高いサウンドバーは市場で人気を高めているが、新モデルの売りは、サイズの常識を超えたサラウンドサウンドだ。
 

幅100cmを切る「SoundTouch 300 soundbar」

 秘密は独自の「フェーズガイド」というテクノロジー。再生音を部屋のスピーカーがない箇所に送り込み、任意の反射音を創出。前後左右で音に囲まれるような音場を生み出す。「Lifestyle」シリーズ同様に「QuietPortテクノロジー」を搭載するので、重低音も心地よく響く。
 

フェーズガイドの仕組みを説明するプロダクトマネジメント部の
大場雄 プロダクトマネージャー

 単体でも十分な性能をもつ「SoundTouch 300 soundbar」だが、別売のオプションとしてウーファー「Acoustimass 300 bass module」と5.1chサラウンドを実現する「Virtually invisible 300」と組み合わせることも可能。理想とする音場空間を構築できるよう、拡張性のあるシステムを採用する。

 「SoundTouch 300 soundbar」の価格は7万5000円前後(税別)、「Acoustimass 300 bass module」は7万5000円前後(税別)、「Acoustimass 300 bass module」は3万5000円前後(税別/1セット)の見込み。本体となる「SoundTouch 300 soundbar」は2月10日に、オプションの「Acoustimass 300 bass module」「Acoustimass 300 bass module」は2月18日に発売する。(BCN・大蔵 大輔)