変換エンジンを10年ぶりに刷新、誤変換を削減した「ATOK 2017 for Windows」

新製品

2016/12/02 14:07

 ジャストシステムは12月1日、変換エンジンを10年ぶりに刷新し、誤変換率を削減して作業効率を高めた日本語入力システム「ATOK 2017 for Windows」シリーズを2017年2月3日に発売すると発表した。税別価格はベーシック版が8000円、プレミアム版が1万2000円。


最新の「ATOK 2017 for Windows」と「一太郎2017」シリーズ

 最新の人工知能(AI)技術であるディープラーニングを採り入れた新しい変換エンジン「ATOKハイブリッドコア」を搭載。同音異義語ごとの出現確率や、前方単語との距離を考慮した組み合わせの確率を総合的に計算することで、より自然な文節区切りでの変換を実現した。
 

「ATOK 2017」のベーシック版、プレミアム版の製品パッケージ

 さらに、「ATOKディープコアエンジン」を新たに開発した。従来の変換アルゴリズムが選択した候補と、新しい変換アルゴリズムが選択した候補を比較し、より自然な変換候補を提示する。これまで文節区切りや同音語の第一候補として適切に提示できていた賢さはそのままに、不自然であった変換を自然な日本語に変換するようチューニングした。

 変換精度を向上するはずの学習情報の蓄積が、場合によっては思い通りの変換を妨げていた事象を解消することで、前バージョン「ATOK 2016」に比べ、誤変換の30%削減を実現し、これまで以上にストレスのない入力が可能という。

 操作を忘れた場合や機能自体を知らない場合でも使いこなせるように「インプットアシスト」機能を搭載。例えば、日本語入力オフに気づかず、英字で入力してしまった場合に日本語変換する操作を、変換中の状態に戻す「再変換」の操作と統一し、その方法をガイダンスで表示。入力モードが意図せず切り替わった場合は、「半角/全角」キーの2度押しで通常モードに戻せるなどの見直しを図った。
 

「インプットアシスト」機能のイメージ

 変換辞書の語彙の拡充として、時事用語に加えて、珍しい犬・猫などの品種名や、外国人名、海外地名を増強した。確定後のことばなどに対して範囲指定して「Ctrl」キーを2回押すと辞典検索がすばやく行える「ATOKイミクル」を強化し、辞典検索結果を常に表示か、ほかのアプリケーションに切り替えた場合に非表示にするか選択できる。

 プレミアム版は、ATOK連携電子辞典として「ジーニアス英和/和英辞典 for ATOK」に加えて、「岩波国語辞典 for ATOK」「明鏡ことわざ成句使い方辞典 for ATOK」「大修館四字熟語辞典 for ATOK」を初収録した。また、変換中のことばからリアルタイム翻訳が行える「8カ国語クラウド翻訳変換 for ATOK」(2018年5月までの期間限定提供)や、Excel内の単語やフレーズを変換候補として表示する「ATOKダイレクト for Excel」も利用できる。

 このほか、ベーシック版、プレミアム版とも、ATOK登録ユーザーを対象としたAAA優待版、学生や学校関係者向けのアカデミック版を用意する。また、「ATOK 2017」のプレミアム版「角川類語新辞典 for ATOK」「ロングマン英英/英和辞典 for ATOK」「広辞苑 第六版 for ATOK」をセットにした「ATOK 2017 for Windows オールインワンパック」のAAA優待版を「Just MyShop」で販売する。対応OSはWindows 10/8.1/7。