四川省の学生が開発したスマホゲームのコンテスト「GalBoa杯」成果発表会
中国・四川省の大学生を対象に実施したスマートフォン(スマホ)ゲームコンテストの成果をお披露目する「GalBoa杯成果発表会」が11月24日、成都市で開催された。会場は天府ソフトウェアパーク内にあるレクチャールーム。コンテストの参加者をはじめとした四川省の16の大学から教員や学生などおよそ160名が集まり、自分たちが発案したゲームがどのように完成し、どれほどの反響を得たかを見届けた。
中国・四川省成都市で開催された「GalBoa杯成果発表会」には、
四川省の16の大学から教員や学生などおよそ160名が集まった
スマホ向けのゲームの企画や開発の腕を競うコンテスト「GalBoa杯」は、これまで2014年と2015年の2回開催されてきた。単に優秀作品を評価するだけでなく、入賞作品をもとに完成度を高め、実際に日本のユーザーに公開することが最終ゴールとするユニークなコンテストだ。完成させたゲーム11作品を、App StoreやGoogle Playで公開してきた。発表会では、完成したゲームの概要やダウンロード数の公表に加え、世界規模でのゲーム市場の展望や日中ゲーム市場の現状などについての講演も行われた。
ダウンロード数で1位を獲得したスマホゲーム『鬼ごっこ~逃走中24時~』
ダウンロード数3万6238件で1位を獲得したのは15年11月にリリースされた『鬼ごっこ~逃走中24時~』。作者は成都大学の做的題全隊(高楊)さん。アクションホラーゲームで、誰もが子どもの頃に遊んだ鬼ごっこをスマホアプリにした。「鬼になって人を捕まえる」「人になって鬼から逃げる」というゲーム。ステージ上に落ちているアイテムを使ってステージクリアしいくというもの。シンプルながらも鬼ごっこのドキドキ感がダウンロード数を伸ばした。
そのほか、成都文理学院の李紹然さんのピタゴラスイッチ風アクションパズルゲーム『からくりころころ』が9559件で2位、3位は塗愷鋭さんの、妖怪に捕まったお姫様を助け出す戦術&タイミングゲーム『弱虫忍者』が3614件だった。
妖怪に捕まったお姫様を助け出す戦術&タイミングゲーム、『弱虫忍者』が3位
発表会では3位の弱虫忍者の作者塗愷鋭さんがゲーム制作の苦労話を披露。「日本で公開されるゲームということを意識し、デザインは日本風の物にこだわった。単にお姫様を救い出すだけではゲーム性が乏しいため、妖怪絵巻を完成させるという機能を付加し、妖怪集めも楽しめるよう工夫した」と話した。
『弱虫忍者』の作者塗愷鋭さんが「妖怪集めも楽しめるよう工夫した」とゲーム開発の苦労話を披露
成果発表に加え、GalBoa杯の仕かけ人でもある日本のゲーム制作会社ガルボアの中村文彦 専務執行役員が世界のスマホアプリ市場について講演した。「2016年、世界のモバイルアプリストア売上高は、前年比24%増の509億ドルに達すると予想される成長市場。ダウンロード数は33%増の1473億件に達する見込みだ。特に中国の成長は著しく14年、15年の売上高はアメリカ、日本、中国の順だったが、2016年に中国が一気にトップに躍り出て、急速に拡大している。中国ではGoogle Playはなく、App Storeのみであることを考えると驚異的な伸びだ」と話した。
「スマホアプリの中国での成長は著しい」と語る、ガルボアの中村文彦 専務執行役員
またガルボア杯を主催する成都サービスアウトソーシング協会の徐潔 秘書長が、日中のゲーム市場の違いについて講演。「ゲーム市場でも、アジア太平洋地域の販売金額は47%と大きな構成比を占める。なかでも8億人弱のオンライン人口を抱える中国は、2016年に240億ドルを超える売り上げになる見込みで、アメリカを追い抜き世界でトップの市場に躍り出た。また、日中のゲーム市場の違いは、その歴史にある。ゲーム専用機から広まった日本のゲーム市場はゲームの画質を筆頭にした高いクオリティーが特徴。一方、中国のゲーム市場は、まずモバイルゲームから始まり、近年急速に伸びている。日本とは全く異なる市場環境といえる」と話した。
「ゲーム機から広がった日本と異なり、中国ではスマホのゲームから市場が広がっている」と語る、
成都サービスアウトソーシング協会の徐潔 秘書長
新たな枠組みを模索するとして2016年の「GalBoa杯」は開催されなかったが、2017年は3回目の「GalBoa杯」が開催される。開発対象をゲーム「役に立つアプリ」に広げ、四川省の学生に参加を募る。また、今回の発表会でダウンロード数上位の作者に対しては、東京への旅行が副賞が贈られ、1月20日に東京・品川で開催される「BCN AWARD 2017 / BCN ITジュニア賞2017」会場で表彰する「ITジュニア特別賞」の対象としてノミネートされる。(BCN 道越一郎)
発表会会場には実際にゲームで遊べるコーナーも設置。
四川省の各地から集まった大学生たちが、熱心に説明に聞き入っていた
中国・四川省成都市で開催された「GalBoa杯成果発表会」には、
四川省の16の大学から教員や学生などおよそ160名が集まった
スマホ向けのゲームの企画や開発の腕を競うコンテスト「GalBoa杯」は、これまで2014年と2015年の2回開催されてきた。単に優秀作品を評価するだけでなく、入賞作品をもとに完成度を高め、実際に日本のユーザーに公開することが最終ゴールとするユニークなコンテストだ。完成させたゲーム11作品を、App StoreやGoogle Playで公開してきた。発表会では、完成したゲームの概要やダウンロード数の公表に加え、世界規模でのゲーム市場の展望や日中ゲーム市場の現状などについての講演も行われた。
ダウンロード数で1位を獲得したスマホゲーム『鬼ごっこ~逃走中24時~』
ダウンロード数3万6238件で1位を獲得したのは15年11月にリリースされた『鬼ごっこ~逃走中24時~』。作者は成都大学の做的題全隊(高楊)さん。アクションホラーゲームで、誰もが子どもの頃に遊んだ鬼ごっこをスマホアプリにした。「鬼になって人を捕まえる」「人になって鬼から逃げる」というゲーム。ステージ上に落ちているアイテムを使ってステージクリアしいくというもの。シンプルながらも鬼ごっこのドキドキ感がダウンロード数を伸ばした。
そのほか、成都文理学院の李紹然さんのピタゴラスイッチ風アクションパズルゲーム『からくりころころ』が9559件で2位、3位は塗愷鋭さんの、妖怪に捕まったお姫様を助け出す戦術&タイミングゲーム『弱虫忍者』が3614件だった。
妖怪に捕まったお姫様を助け出す戦術&タイミングゲーム、『弱虫忍者』が3位
発表会では3位の弱虫忍者の作者塗愷鋭さんがゲーム制作の苦労話を披露。「日本で公開されるゲームということを意識し、デザインは日本風の物にこだわった。単にお姫様を救い出すだけではゲーム性が乏しいため、妖怪絵巻を完成させるという機能を付加し、妖怪集めも楽しめるよう工夫した」と話した。
『弱虫忍者』の作者塗愷鋭さんが「妖怪集めも楽しめるよう工夫した」とゲーム開発の苦労話を披露
成果発表に加え、GalBoa杯の仕かけ人でもある日本のゲーム制作会社ガルボアの中村文彦 専務執行役員が世界のスマホアプリ市場について講演した。「2016年、世界のモバイルアプリストア売上高は、前年比24%増の509億ドルに達すると予想される成長市場。ダウンロード数は33%増の1473億件に達する見込みだ。特に中国の成長は著しく14年、15年の売上高はアメリカ、日本、中国の順だったが、2016年に中国が一気にトップに躍り出て、急速に拡大している。中国ではGoogle Playはなく、App Storeのみであることを考えると驚異的な伸びだ」と話した。
「スマホアプリの中国での成長は著しい」と語る、ガルボアの中村文彦 専務執行役員
またガルボア杯を主催する成都サービスアウトソーシング協会の徐潔 秘書長が、日中のゲーム市場の違いについて講演。「ゲーム市場でも、アジア太平洋地域の販売金額は47%と大きな構成比を占める。なかでも8億人弱のオンライン人口を抱える中国は、2016年に240億ドルを超える売り上げになる見込みで、アメリカを追い抜き世界でトップの市場に躍り出た。また、日中のゲーム市場の違いは、その歴史にある。ゲーム専用機から広まった日本のゲーム市場はゲームの画質を筆頭にした高いクオリティーが特徴。一方、中国のゲーム市場は、まずモバイルゲームから始まり、近年急速に伸びている。日本とは全く異なる市場環境といえる」と話した。
「ゲーム機から広がった日本と異なり、中国ではスマホのゲームから市場が広がっている」と語る、
成都サービスアウトソーシング協会の徐潔 秘書長
新たな枠組みを模索するとして2016年の「GalBoa杯」は開催されなかったが、2017年は3回目の「GalBoa杯」が開催される。開発対象をゲーム「役に立つアプリ」に広げ、四川省の学生に参加を募る。また、今回の発表会でダウンロード数上位の作者に対しては、東京への旅行が副賞が贈られ、1月20日に東京・品川で開催される「BCN AWARD 2017 / BCN ITジュニア賞2017」会場で表彰する「ITジュニア特別賞」の対象としてノミネートされる。(BCN 道越一郎)
発表会会場には実際にゲームで遊べるコーナーも設置。
四川省の各地から集まった大学生たちが、熱心に説明に聞き入っていた