話題のポケモンGOにも対応! 国内外のランキングを賑わす人気沸騰中のSIMフリースマホ「HUAWEI P9」レビュー
世界的なスマートフォン市場だけでなく、日本国内の家電量販店店頭を眺めてみても、ファーウェイの存在感は日に日に増している。ガートナーの調査で世界市場をみると、2015年のファーウェイ製スマートフォンの販売台数は1億台の大台を超えており、サムスン、アップルに次いで3位の座につけている。販売数の比較では、サムスンが約3億2000万台、アップルが約2億2600万台、ファーウェイが約1億800万台と、まだアップルとファーウェイの間には約2倍の差がある。しかし2014年から2015年にかけての成長率では、サムスンが4%、アップルが18%なのに対し、ファーウェイは53%と、あとを追うファーウェイの成長率は著しい。さらに、日本国内市場をBCNランキングでみても、ファーウェイは2016年6月にSIMフリースマートフォンの国内シェアで29%と、トップシェアを獲得しており、2016年にはさらなる大躍進を遂げるのは間違いない情勢だ。
今回短期間ではあるが「HUAWEI P9」と兄弟モデルの「HUAWEI P9 lite」を試用する機会を得た。大人気のPokemonGOを実際に遊んでみた結果や、主要機能の解説を皮切りに、最も注力されているカメラ機能を中心にレビューをお届けしよう。
左が「HUAWEI P9」、右が「HUAWEI P9 lite」。いずれもポケモンGOのプレイにぴったりだ。
最初に、今大人気のポケモンGOへの対応状況についてまとめてみよう。まず、ファーウェイのフラッグシップモデル「HUAWEI P9」だが、ポケモンGOをフルにプレイするのに満足な機能を搭載している。ジャイロセンサーやGPS機能搭載し、ポケモンの捕獲画面でARモードが利用可能。5.2インチのフルHDと大画面で、見やすく迫力のある画面でプレイできる。
CPUにはオクタコアのパワフルで省電力設計のHUAWEI Kirin 955チップセットを採用。RAMが3GB、ストレージが32GBと余裕の設計で、ストレスも発熱もなくプレイ中も快適だ。OSはAndroid OS 6.0と、推奨OSの最上位OSを搭載しアプリの動作も問題ない。さらに、キャリアアグリゲーションに対応し、LTE Advancedの高速通信ができるため、マップの読み込みも速く、ストレスなくゲームが楽しめた。
フラッグシップモデルの「HUAWEI P9」。余裕をもってポケモンGOをフルに楽しむことができる
ポケモンGOのプレイ時には消耗が激しいと言われているバッテリーだが、3000mAhの大型バッテリーを搭載しているので、長時間のプレイにも対応できる。また、スクリーン動画のキャプチャも可能で、ポケモン捕獲シーンや対戦シーンを動画にキャプチャしてSNSで友達に自慢することもできるのは楽しい。二本指でのダブルナックルタッチで簡単に録画を開始・終了できる。また、ナックルタッチでゲーム一発起動でき、たとえばモンスターの「m」を描いてポケモンGOを起動することもできる。
兄弟モデルでお手頃価格の「HUAWEI P9 lite」でも、問題なくポケモンGOを楽しむことが可能だ
兄弟モデルでお手頃価格の「HUAWEI P9 lite」についても、ポケモンGOの推奨環境をクリア、ノーマルモードで楽々とゲームが楽しめる。また、「P9」と同じく5.2インチのフルHD大画面、3000mAhの大型バッテリー、最新のAndroid OS 6.0、高精細GPS機能、スクリーン動画キャプチャ機能を備えており、存分にプレイを楽しめる。また、CPUはオクタコアCPUのHUAWEI Kirin 650チップセット、メモリは、RAMが2GBストレージが16GBと「P9」に比べてスペックはややライトだが、ポケモンGOを楽しむには十分なスペックだ。
ファーウエイのフラッグシップスマホ「HUAWEI P9」。
カラーはミスティックシルバー、チタニウムグレーの2色で税込み直販価格は6万4,584円
RGBセンサーでは色彩情報を、モノクロセンサーでは陰影やディテールを取り込み、「HUAWEI P9」独自のアルゴリズムで、豊かな色彩と細やかな解像感を併せ持った絵作りを可能にした。メインカメラの解像度はRGBセンサー、モノクロセンサーともに1200万画素、インカメラの解像度は800万画素。レンズはメインカメラがF2.2、インカメラがF2.4という仕様になっている。
RGB用とモノクローム用が独立した2つのセンサーを搭載するダブルレンズシステム。モノクロセンサーがRGBの3倍の光量を取り込めるため、暗所でも明るく撮影できるというメリットもある
ライカのノウハウは「フィルムモード」という撮影モードにも活かされており、ユーザーは「スタンダード(標準)」、「ビビッド(鮮明な色)」、「スムース(ソフトな色)」を選択するだけで、ライカならではの色彩やスタイルを忠実に再現することが可能だ。
「スタンダード(標準)」、「ビビッド(鮮明な色)」、「スムース(ソフトな色)」は「フィルムモード」から設定可能。「ウォーターマークを自動追加」を有効にすれば、撮影時に自動的に「Leica」のロゴが追加される
オートフォーカスの速度と精度も本製品のウリのひとつだ。「HUAWEI P9」にはコントラストフォーカス、レーザーフォーカス、被写体深度計の3つの手法を採用した「ハイブリッドオートフォーカス技術」が搭載されており、周囲の光量などに左右されず素早く、正確にピントを合わせてくれる。暗めの室内でなかなかピントが合わずにもどかしく思った経験は誰にでもあるだろうが、「HUAWEI P9」ではそのようなストレスから解放されるわけだ。
画面中央の黒い部分がレーザーセンサー。その上にあるのは2色フラッシュ。2色フラッシュは環境光や被写体に合わせて発光するので、自然な色合いで撮影できる
クリエイティブな絵作りをするために有効なのが背景ぼけの積極的な活用。絞り値(F値)を小さくすれば、より背景をぼかすことができる。「HUAWEI P9」のカメラアプリのメイン画面には「絞り値」を調整するためのアイコンが表示されており、メインの被写体にピントを合わせたままで、F0.95~F16の間で調整可能だ。
F0.95に近づくほど背景がぼけて、F16に近づくほど広い範囲でピントが合う。
画面全体の絵作りの意図に合わせてぼけの効果を自由自在に調整できる
メモリー(RAM)は3GB、ストレージ(ROM)は32GBを搭載し、外部ストレージとして最大128GBのマイクロSDカードを装着できる。多くのアプリを同時に立ち上げて酷使したとしても、メモリー不足、ストレージ不足に悩まされる心配は少ないはずだ。
128GBのマイクロSDカードを装着可能。ライカカメラでたくさんの写真を撮影するためにも、
できるだけ大容量のマイクロSDカードを装着したい
表面のサンドブラスト加工は角度によって光の反射が微妙に変わり、グラデーションが美しい。手の中で端末を回転させるように転がすと、ダイヤモンドエッジ加工部分がキラリと光る。所有感を満たしてくれるデザインだ
本製品は「Signal+ 2.0 仮想トリプルアンテナ」を搭載。
端末をどのように持っても、トリプルアンテナにより安定した通信が可能だ
画質面では、色彩の鮮やかさと、解像感の高さが非常に際立っていた。「HUAWEI P9」ではRGBセンサーで色彩情報を、モノクロセンサーで陰影やディテールを取り込んでいる。それにより忠実に色を再現しつつ、1200万画素というスペック以上の解像感を実現できているというのが率直な感想だ。
また暗所撮影機能も非常に優秀だというのが確認できた。RGBセンサーに加え、その3倍の光量を取り込めるモノクロセンサーも併せて使っていることが功を奏しているのだろう。かなり暗い環境でも三脚なしで撮影できた。もちろんISO感度が上がればそれに応じてノイズは増えるが、ファーウェイとライカが共同開発した画像アルゴリズムが絶妙なのか、パソコンのディスプレーなどで全画面表示しても気になることはなかった。
絞り値f/2.2、露出時間1/606秒、ISO速度ISO50。鮮やかな色彩が印象的だ
絞り値f/2.2、露出時間1/929秒、ISO速度ISO50。解像感の高さがよくわかる
絞り値f/2.2、露出時間1/109秒、ISO速度ISO50。明暗差が大きい写真だが不自然な白飛びは見られない
絞り値f/2.2、露出時間1/17秒、ISO速度ISO3200。
欄干に肘を乗せて撮影した。三脚なしでもこのような夜景撮影が楽しめる
スマートフォンの基本性能である処理スピードとバッテリー持続時間についても特に不満を感じる場面はなかった。今回試用する際にはカメラアプリをメインで利用しつつ、SNSアプリ、メールアプリを併用していたが、大容量の3000mAhのバッテリーを内蔵しているおかげか、余裕をもって丸1日利用できた。位置情報ゲームなどをよほどヘビーにプレイしないかぎりは、モバイルバッテリーは必要なさそうだ。
「HUAWEI P9 lite」、カラーはゴールド、ホワイト、ブラックの3色。税込み直販価格は3万2,378円
プロセッサーはオクタコア(8コア)の「HUAWEI Kirin 650」(2GHz×4、1.7GHz×4)、メモリー(RAM)は2GB、ストレージ(ROM)は16GBを搭載し、「HUAWEI P9」と同じく128GBのマイクロSDカードを増設可能だ。内蔵バッテリーの容量は3000mAhだが、低消費電力型のプロセッサーを搭載しているおかげで連続待ち受け時間(LTE)は「HUAWEI P9」の約566時間よりも長い約610時間を実現している。
ライカのダブルレンズシステムは搭載していないものの、「HUAWEI P9 lite」は指紋認証センサーが実装されており、使い勝手で比較すればまさにライト版としての位置づけのモデルだ。コストパフォーマンスを重要視する方には魅力的な選択肢となるだろう。
ポケモンGOもばっちり遊べる、世界中で人気の「HUAWEI P9」「HUAWEI P9 lite」の魅力を探る
6月17日に日本でも発売された「HUAWEI P9」は、製品名に「Platinum」の「P」を冠したファーウェイスマートフォンのフラッグシップモデル。発売後6週間以内に260万台以上が出荷されており、中国、フランス、フィンランド、イギリスで突出した販売数を記録しているが、特に中国ではグローバルでの発表後1週間で500万台を超えるオンライン受注が殺到したほどの超人気モデルだ。今回短期間ではあるが「HUAWEI P9」と兄弟モデルの「HUAWEI P9 lite」を試用する機会を得た。大人気のPokemonGOを実際に遊んでみた結果や、主要機能の解説を皮切りに、最も注力されているカメラ機能を中心にレビューをお届けしよう。
左が「HUAWEI P9」、右が「HUAWEI P9 lite」。いずれもポケモンGOのプレイにぴったりだ。
最初に、今大人気のポケモンGOへの対応状況についてまとめてみよう。まず、ファーウェイのフラッグシップモデル「HUAWEI P9」だが、ポケモンGOをフルにプレイするのに満足な機能を搭載している。ジャイロセンサーやGPS機能搭載し、ポケモンの捕獲画面でARモードが利用可能。5.2インチのフルHDと大画面で、見やすく迫力のある画面でプレイできる。
CPUにはオクタコアのパワフルで省電力設計のHUAWEI Kirin 955チップセットを採用。RAMが3GB、ストレージが32GBと余裕の設計で、ストレスも発熱もなくプレイ中も快適だ。OSはAndroid OS 6.0と、推奨OSの最上位OSを搭載しアプリの動作も問題ない。さらに、キャリアアグリゲーションに対応し、LTE Advancedの高速通信ができるため、マップの読み込みも速く、ストレスなくゲームが楽しめた。
フラッグシップモデルの「HUAWEI P9」。余裕をもってポケモンGOをフルに楽しむことができる
ポケモンGOのプレイ時には消耗が激しいと言われているバッテリーだが、3000mAhの大型バッテリーを搭載しているので、長時間のプレイにも対応できる。また、スクリーン動画のキャプチャも可能で、ポケモン捕獲シーンや対戦シーンを動画にキャプチャしてSNSで友達に自慢することもできるのは楽しい。二本指でのダブルナックルタッチで簡単に録画を開始・終了できる。また、ナックルタッチでゲーム一発起動でき、たとえばモンスターの「m」を描いてポケモンGOを起動することもできる。
兄弟モデルでお手頃価格の「HUAWEI P9 lite」でも、問題なくポケモンGOを楽しむことが可能だ
兄弟モデルでお手頃価格の「HUAWEI P9 lite」についても、ポケモンGOの推奨環境をクリア、ノーマルモードで楽々とゲームが楽しめる。また、「P9」と同じく5.2インチのフルHD大画面、3000mAhの大型バッテリー、最新のAndroid OS 6.0、高精細GPS機能、スクリーン動画キャプチャ機能を備えており、存分にプレイを楽しめる。また、CPUはオクタコアCPUのHUAWEI Kirin 650チップセット、メモリは、RAMが2GBストレージが16GBと「P9」に比べてスペックはややライトだが、ポケモンGOを楽しむには十分なスペックだ。
ライカと共同開発したカメラユニット
それでは次に、「HUAWEI P9」の特徴からみていこう。最大のポイントは、世界的なカメラメーカーであるライカと共同開発したカメラユニットが搭載されている、という点だ。このカメラユニットは非常にユニークで、RGBとモノクロームそれぞれに独立した光学系とイメージセンサーが実装されたダブルレンズ仕様となっている。ファーウエイのフラッグシップスマホ「HUAWEI P9」。
カラーはミスティックシルバー、チタニウムグレーの2色で税込み直販価格は6万4,584円
RGBセンサーでは色彩情報を、モノクロセンサーでは陰影やディテールを取り込み、「HUAWEI P9」独自のアルゴリズムで、豊かな色彩と細やかな解像感を併せ持った絵作りを可能にした。メインカメラの解像度はRGBセンサー、モノクロセンサーともに1200万画素、インカメラの解像度は800万画素。レンズはメインカメラがF2.2、インカメラがF2.4という仕様になっている。
本体背面には「LEICA」の文字が刻まれている。
共同開発はもとより、製造工程までライカの厳しい基準をクリアしている証しだ
共同開発はもとより、製造工程までライカの厳しい基準をクリアしている証しだ
RGB用とモノクローム用が独立した2つのセンサーを搭載するダブルレンズシステム。モノクロセンサーがRGBの3倍の光量を取り込めるため、暗所でも明るく撮影できるというメリットもある
ライカのノウハウは「フィルムモード」という撮影モードにも活かされており、ユーザーは「スタンダード(標準)」、「ビビッド(鮮明な色)」、「スムース(ソフトな色)」を選択するだけで、ライカならではの色彩やスタイルを忠実に再現することが可能だ。
「スタンダード(標準)」、「ビビッド(鮮明な色)」、「スムース(ソフトな色)」は「フィルムモード」から設定可能。「ウォーターマークを自動追加」を有効にすれば、撮影時に自動的に「Leica」のロゴが追加される
オートフォーカスの速度と精度も本製品のウリのひとつだ。「HUAWEI P9」にはコントラストフォーカス、レーザーフォーカス、被写体深度計の3つの手法を採用した「ハイブリッドオートフォーカス技術」が搭載されており、周囲の光量などに左右されず素早く、正確にピントを合わせてくれる。暗めの室内でなかなかピントが合わずにもどかしく思った経験は誰にでもあるだろうが、「HUAWEI P9」ではそのようなストレスから解放されるわけだ。
画面中央の黒い部分がレーザーセンサー。その上にあるのは2色フラッシュ。2色フラッシュは環境光や被写体に合わせて発光するので、自然な色合いで撮影できる
クリエイティブな絵作りをするために有効なのが背景ぼけの積極的な活用。絞り値(F値)を小さくすれば、より背景をぼかすことができる。「HUAWEI P9」のカメラアプリのメイン画面には「絞り値」を調整するためのアイコンが表示されており、メインの被写体にピントを合わせたままで、F0.95~F16の間で調整可能だ。
F0.95に近づくほど背景がぼけて、F16に近づくほど広い範囲でピントが合う。
画面全体の絵作りの意図に合わせてぼけの効果を自由自在に調整できる
指紋センサーやオクタコアプロセッサーを搭載した充実スペック
スマートフォンとしての基本性能にも抜かりはない。高感度の指紋認証センサーは触れるだけで素早くロック解除が可能で、どのような指の向きでも正確に認識する。搭載するプロセッサーはオクタコア(8コア)の「HUAWEI Kirin 955」(2.5GHz A72×4、1.8GHz A53×4)。3Dゲームのような重たい処理も難なくこなし、また低負荷時には最低限の消費電力で長時間動作が可能だ。メモリー(RAM)は3GB、ストレージ(ROM)は32GBを搭載し、外部ストレージとして最大128GBのマイクロSDカードを装着できる。多くのアプリを同時に立ち上げて酷使したとしても、メモリー不足、ストレージ不足に悩まされる心配は少ないはずだ。
128GBのマイクロSDカードを装着可能。ライカカメラでたくさんの写真を撮影するためにも、
できるだけ大容量のマイクロSDカードを装着したい
大人が所有するにふさわしい質感のデザイン
デザインは非常に上質に仕上げられている。約5.2インチのディスプレー面は2.5D曲線を描いており、側面はダイヤモンドエッジ加工が施されている。手に持ったときの感触は非常に滑らかで、しっくりと手の平の中に収まる。背面、側面には細かなサンドブラスト加工が施されており、光を鈍く美しく反射する。アクセサリー的な佇まいも持つ喜びを感じさせる。表面のサンドブラスト加工は角度によって光の反射が微妙に変わり、グラデーションが美しい。手の中で端末を回転させるように転がすと、ダイヤモンドエッジ加工部分がキラリと光る。所有感を満たしてくれるデザインだ
キャリアアグリゲーションに対応した高速データ通信機能
SIMフリースマートフォンでは、複数の電波を束ねてデータ通信の高速化を図る「キャリアアグリゲーション(CA)」に対応するのは、まだごく一部だが、「HUAWEI P9」は同社のSIMフリースマートフォンとしていち早くサポート。下り最大262.5Mbpsの高速データ通信が可能だ(LTE規格上の最大速度。実効速度はネットワーク側の規格、使用環境や電波状況、契約しているSIMのサービス内容により変動する)。リッチな動画コンテンツを楽しむ際や、大容量アプリをダウンロードするときなどに効果を発揮してくれる。本製品は「Signal+ 2.0 仮想トリプルアンテナ」を搭載。
端末をどのように持っても、トリプルアンテナにより安定した通信が可能だ
「HUAWEI P9」を実際に使ってみてわかったこと
「HUAWEI P9」をしばらく使ってみて印象的だったのはやはり突出したカメラ性能だ。まず、ほとんど失敗写真がなく、非常に安心感がある。従来のスマートフォン用カメラではピントがずれたり、不自然な色の写真になってしまうことも多いが、コントラストフォーカス、レーザーフォーカス、被写体深度計を組み合わせた「ハイブリッドフォーカス」を搭載した「HUAWEI P9」ではその心配はほとんどない。気軽にスナップ撮影できるのは嬉しいところだ。画質面では、色彩の鮮やかさと、解像感の高さが非常に際立っていた。「HUAWEI P9」ではRGBセンサーで色彩情報を、モノクロセンサーで陰影やディテールを取り込んでいる。それにより忠実に色を再現しつつ、1200万画素というスペック以上の解像感を実現できているというのが率直な感想だ。
また暗所撮影機能も非常に優秀だというのが確認できた。RGBセンサーに加え、その3倍の光量を取り込めるモノクロセンサーも併せて使っていることが功を奏しているのだろう。かなり暗い環境でも三脚なしで撮影できた。もちろんISO感度が上がればそれに応じてノイズは増えるが、ファーウェイとライカが共同開発した画像アルゴリズムが絶妙なのか、パソコンのディスプレーなどで全画面表示しても気になることはなかった。
絞り値f/2.2、露出時間1/606秒、ISO速度ISO50。鮮やかな色彩が印象的だ
絞り値f/2.2、露出時間1/929秒、ISO速度ISO50。解像感の高さがよくわかる
絞り値f/2.2、露出時間1/109秒、ISO速度ISO50。明暗差が大きい写真だが不自然な白飛びは見られない
絞り値f/2.2、露出時間1/17秒、ISO速度ISO3200。
欄干に肘を乗せて撮影した。三脚なしでもこのような夜景撮影が楽しめる
スマートフォンの基本性能である処理スピードとバッテリー持続時間についても特に不満を感じる場面はなかった。今回試用する際にはカメラアプリをメインで利用しつつ、SNSアプリ、メールアプリを併用していたが、大容量の3000mAhのバッテリーを内蔵しているおかげか、余裕をもって丸1日利用できた。位置情報ゲームなどをよほどヘビーにプレイしないかぎりは、モバイルバッテリーは必要なさそうだ。
「HUAWEI P9」の約半額で手に入る「HUAWEI P9 lite」
最後に、コストパフォーマンスを重視する方のために兄弟モデルの「HUAWEI P9 lite」のも特徴も紹介しておこう。「HUAWEI P9 lite」は「HUAWEI P9」と同じく約5.2インチのディスプレーを搭載したSIMスマートフォンだ。最も大きな違いはダブルレンズシステムを搭載していないこと。とは言ってもメインカメラはソニー製の1300万画素、インカメラは800万画素のイメージセンサーを採用しており、最新スマートフォンのなかでも平均以上のカメラ性能を備えている。「HUAWEI P9 lite」、カラーはゴールド、ホワイト、ブラックの3色。税込み直販価格は3万2,378円
プロセッサーはオクタコア(8コア)の「HUAWEI Kirin 650」(2GHz×4、1.7GHz×4)、メモリー(RAM)は2GB、ストレージ(ROM)は16GBを搭載し、「HUAWEI P9」と同じく128GBのマイクロSDカードを増設可能だ。内蔵バッテリーの容量は3000mAhだが、低消費電力型のプロセッサーを搭載しているおかげで連続待ち受け時間(LTE)は「HUAWEI P9」の約566時間よりも長い約610時間を実現している。
ライカのダブルレンズシステムは搭載していないものの、「HUAWEI P9 lite」は指紋認証センサーが実装されており、使い勝手で比較すればまさにライト版としての位置づけのモデルだ。コストパフォーマンスを重要視する方には魅力的な選択肢となるだろう。