DAZN、Jリーグの放映権を獲得、2017年から全試合をライブストリーミング

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2016/07/21 18:37

 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)は7月20日、スポーツのライブストリーミングサービス「DAZN(ダ・ゾーン)」と、約2100億円で、2017年 から10年間の放映権契約を締結したと発表した。日本国内でのJリーグの放映権を獲得した「DAZN」は、J1~J3すべての試合をストリーミング配信す る。


3社共同の記者会見でサッカーボールにそれぞれのサインを書いた

 さらに、JリーグとDAZNとNTTグループは、「スマートスタジアム事業」で協業する契約を締結した。J1クラブのホームスタジアムをはじめとした全国のスタジアムの高密度Wi-Fi環境整備、情報サービスなどを含めたICT化を行う。

 「DAZN」は、世界最大級のデジタルスポーツコンテンツ&メディア企業であるPerform Groupが提供する、スポーツに特化した動画配信サービス。テレビ、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機など、マルチデバイスに対応し、世界に先 駆け、日本では、今夏からサービスを開始する予定。Jリーグも番組制作に取り組み、日本国内のインターネットや有料放送などで、J1~J3すべての試合を 生中継する。地上波やBSの無料・ローカル放送は対象外。
 


締結した2017年から2026年までの放映権契約の概要

 約2100億円という高額で、DAZNと契約を結んだJリーグの村井満チェアマンは、「スポーツを日本の産業にするという国の方針をJリーグがけん引し ていきたい。スポーツ産業としては日本初の海外企業との巨額の契約は、期待の表れと考え、期待以上の成果を上げたい」と意気込みを語った。
 


Jリーグの村井満チェアマン

 Performno Investment Japanのジェームズ・ラシュトンCEOは「日本のファンはスポーツに対する思いもすばらしく、国内外の規則も整っているので、これからの成長は見込め る。今回の契約で、より多くの人へ公平にスポーツと接する機会を提供することができる」と喜んだ。
 


Performno Investment Japanのジェームズ・ラシュトンCEO

 また、スマートスタジアム事業を通じ、インターネットに快適につながるスタジアム作りを基礎として、観戦中にデバイスでチームや選手の成績を確認した り、プレイバック機能でリプレイを再生したりするなど、観戦環境を向上させる狙い。さらに、スタジアムに訪れたファンの興味が周辺地域にも向くように、周 辺の観光施設や商業施設との相互送客を行うなど、地域振興にも力を入れる。
 


ビッグデータなどを使った地域振興を企画する

 地域振興について、NTTの鵜浦博夫社長は「VR(仮想現実)でサッカー選手のPKを体験するなど、スタジアムで試合がない時も足を運んでもらって、 ファンを拡大していきたい。そして、スタジアムまでの道にある商業施設と顧客データを共有するなど、連携していくことで、地域の活性化にも貢献したい」と 語った。
 


NTTの鵜浦博夫社長

 「DAZN」は、ハイビジョンはもちろん、より高精細な4Kに対応する能力もあるという。Jリーグだけでなく、プロバレーボールのVリーグなど、さまざまなスポーツも配信し、ユーザーの拡大を図る。