ドローン体験会に参加してみた! ドローンのマナーから選び方まで

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2016/03/24 15:48

 再びドローンブームがじわじわと高まっている。安定飛行ができ、フルHD/4Kの高精細な画質で、あたかも鳥になったかのような動画を撮影できる「空 撮」はやはり魅力的だ。ドローンのトップメーカー・DJIの正規代理店であるセキドが「ドローンの無料体験会」を開催したので、参加してみた。


空を飛ぶドローン

 ドローンなどの空撮機材、ラジコン商品、海中探索機材などを専門に取り扱うセキドは、2013年にいち早く中国のDJIのドローンの輸入販売を開始し た。製品を販売するだけではなく購入前後の相談やアフターサポートのサービスを提供するほか、定期的にドローン体験会や安全運用講習会などを開催してい る。今回は3月18日に横浜市・金沢産業振興センターで開催した無料体験会に出席した。
 


平日にもかかわらず多くの人が出席した

 ドローンを販売するショップは増え、製品数も増えた。高性能なモデルのなかには1台10万円以上もする高額製品もあり、なかなか試しで飛ばすことができない。また、最近は事故や事件になるケースもあり、飛行には正しい知識やマナーが必要だ。
 


コジマ×ビックカメラ八王子高倉店のドローンコーナー

 体験会の前半は、セキドの大下貴之代表取締役が講習を実施した。ドローンを飛ばすために理解しなくてはならないのは「電波法と航空法」だという。機体の操縦や、機体に取り付けたカメラからの映像は無線を使って送受信している。

 海外製のドローンが多いなか、注意したいのが日本で認可を受けている電波かどうかだ。国内で使用可能な電波の周波数帯は2.4GHz/900MHzで、それ以外の電波の場合、屋外での使用が禁止されている。
 


大下代表取締役がドローンについて説明した

 家電量販店などで販売しているドローンは2.4GHzを採用しているので問題ないが、インターネットや海外で購入する際は周波数帯の確認が必要だ。違法なドローンを飛行させた場合、「1年以下の懲役、または100万円以下の罰金」が課せられる。

 では、対応のドローンであれば、いつでもどこでも飛ばしていいか、というとそうではない。国土交通大臣(国土交通省本省)に許可・承認申請手続きをし、 許可を得る必要がある。大下代表取締役は「技能検定や講習受講の義務などはないが、フライト経験が10時間未満の場合は許可がおりにくい」と現状を教えて くれた。こういった手続き、審査をクリアして、やっとドローンを飛ばすことができるわけだ。
 

ドローンの選び方 最新の「Phantom 4」は4K動画に対応


 ドローンといえば、1万円未満で手に入る撮影機能がないミニホビーから、空撮ができる10万円以上のものまでさまざまある。デジタル一眼レフカメラを搭載できる大型ドローンもあるが、大下代表取締役は「バランスの取り方が難しく、初心者には扱いにくい」という。

 DJIの「Phantom」シリーズは、機体、コントローラー、カメラなどがセットになったオールインワンパッケージで、購入したらすぐ飛ばすことができるので、初心者にもお勧めだという。

 最新版の「Phantom 4」は、内蔵センサによる障害物回避機能や、動く被写体を常にカメラのフレーム内に収めるように機体が動く自動追尾機能などを搭載する。フライト時は、 GPSや光学センサ/超音波センサなどを利用する「ポジションモード」と、最大時速72kmを実現する「スポーツモード」を用意する。
 


最新の「Phantom 4」

 飛行時間は、「Phantom 3 Professional」と比べて25%向上し、最長28分となった。飛行距離は最長2km。本体下部に備えたカメラは1/2.3型の1200万画素セ ンサを搭載し、4K(4096×2160ドット)の撮影が可能。記録メディアはmicroSDカード。
 


「Phantom 4」の細部

 大下代表取締役は「ドローンの頭脳にあたるドローンコントロールシステムはDJIが大変すぐれている。法人ユーズ、空撮ドローンの世界市場では約7割がDJIのシステムを採用している」と優位性を説明した。
 

無理な操縦は故障の元、月300件の修理依頼が発生


 後半の体験会では、屋外で3機のドローンを飛ばし、スタッフから操縦のコツをマンツーマンで聞くことができた。機体の予期せぬ飛行を防ぐため、コント ローラの電源を入れてから機体の電源を入れること、飛行の際、周辺に人がいないか確認すること、下降時は機体に負担がかかるのでゆっくり下降/着陸するこ と……など、さまざまな注意事項が上げられた。
 


スタッフからマンツーマンで手ほどきを受けられる

 また、強風時の高度飛行や、過信による無理な飛行は機体に負担をかけ、故障の要因となる。大下代表取締役は「初期不良などではなく、無理な飛行の結果、修理に持ち込む人が多く、月300件ほど修理依頼を受けている」と話し、参加者に注意を促した。
 


コントローラーで機体を操縦する

 体験会は定期的に開催しているが、4月1日からはいつでもドローン飛行を試せるようになる。セキドは4月1日に日本初となるドローンのフライト練習場と 体験型店舗を立川にオープンする。大型量販店でも、なかなかドローンを飛ばすことは難しい。興味がある人は試運転に挑戦してみてはいかがだろうか。 (BCN・山下彰子)