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クラシカルな円形ボディーが優美なAndroidスマートウォッチの最上位モデル「HUAWEI WATCH」レビュー

レビュー

2015/11/04 11:00

 時計型、メガネ型、バンド型、ペンダント型と様々な形態のウェアラブルデバイスが各社から続々と登場してきている。そのなかでも2015年を元年と位置づけられるジャンルが、いまもっとも活況を呈しているスマートウォッチだ。今回は2015年の下半期に入り、Googleのリファレンススマホ「Nexus 6P」をリリースして注目を集めているファーウェイが発売したAndroidスマートウォッチ「HUAWEI WATCH」のレビューをお届けする。

高級腕時計に通じる上質なデザイン


 「HUAWEI WATCH」はGoogleのスマートウォッチ用OS「Android Wear」を搭載したスマートウォッチ。Googleストアのスマートウォッチカテゴリーでトップに表示されている最新の最上位モデルだけに、価格は税別5万1800円(Classic Stainless)と、ほかのAndroidスマートウォッチよりやや高めの値付けだが、特徴的な円形の金属ボディーはそれにふさわしいだけの質感を実現している。 
 


時計らしいデザインが特徴のファーウェイ「HUAWEI WATCH」(Classic Stainless)、
Googleストア価格は税別5万1800円

 「HUAWEI WATCH」をパッケージから取り出して最初に感じるのは、高級アクセサリーとしての所有感を満たしてくれる優美な質感だ。今回試用したのはメタルバンドと組み合わせた「W1 Classic Stainless」。メッシュ加工のメタルバンドのテクスチャーとあいまって、クラシカルな雰囲気を醸しつつも、現代の「高級情報腕時計」としての佇まいを演出している。 

 ディスプレーはフル円形で直径42ミリ(1.4インチ)。ベゼル(ディスプレイとフレームのギャップ)はわずか0.6ミリへとギリギリまで薄く追い込んでおり、表示している文字盤が映えるデザインだ。「HUAWEI WATCH」の外観を印象付けているのが美しいアーク形状の「ラグ」。ベルトをつなぐこのラグを含めたボディーには、Apple Watchの上位モデルと同じく冷間鍛造のステンレスが用いられており、艶やかに美しく光りつつも、ちょっとやそっとでは傷つかない強度・硬度が確保されている。 

 ディスプレーガラスの材質もApple Watchの上位モデルと同じく「サファイアクリスタル」。ダイヤモンドに次ぐ硬度を備えたサファイアクリスタルを採用することで、傷がつきにくいだけでなく、高い透明度によってより明るいディスプレー表示が可能となっている。 

 ボディー正面から見て2時方向には金属製の竜頭が設けられている。もちろんこの竜頭にも本体と同じく冷間鍛造のステンレスが奢られており、本体と同様に美しく光るアクセントとなっている。 
 


円形ボディーが特徴的な「HUAWEI WATCH」。腕時計としてスタンダードなデザインだ。ちなみに今回の記事で表示している文字盤(ウォッチフェイス)は、標準で40種類用意されているもののうちのひとつ「クラシック」。「HUAWEI WATCH」にはサードパーティーから多くの文字盤がリリースされており、カスタマイズアプリを使えばオリジナルの文字盤を作成することも可能だ。 
 


カーブを描いて柔らかな印象を与える「HUAWEI WATCH」のラグ。表面はなだらかに立体的に隆起しており、角度によって輝きが変わり、様々な表情を魅せてくれる。取り付けには腕時計で一般的に使われているバネ棒が採用されており、市販されている幅22ミリの時計用ベルトに付け替えることも可能だ 
 


Androidスマートウォッチには、画面のオン・オフや戻る機能が竜頭(サイドボタン)に割り当てられている。本製品の竜頭は押し込んでいくと最後にクリック感があり、節度のある感触が心地よい 

1.4インチディスプレーの解像度は400×400ドット(286dpi)。有機EL方式を採用しており、直射日光下でも明るく見える視認性が確保されている。なお1.4インチのディスプレーサイズと、400×400ドットの解像度は、現在発売されている円形スマートウォッチのなかで最大クラスだ。 

なお本機はホールレス仕様となっており、ボディーにUSB端子などは存在しない。付属の「マグネット式ポゴピン充電クレードル」にワンタッチで装着することによって、スマートに充電できる仕組みだ。 
 


付属する充電クレードルはマグネット式。時計本体をクレードルに近づければ、端子の位置合わせをしなくても「カチッ」と音を立てて合体し、充電が始まる。 
 

Android、iPhone両方と連携できる!


 Googleのスマートウォッチ用OS「Android Wear」を採用した「HUAWEI WATCH」の利点のひとつに、Android端末だけでなく、iPhoneとも連携できることが挙げられる。Apple WatchはiOSを搭載したiPhoneとしか連携することができないが、「HUAWEI WATCH」ならAndroidからiPhoneへと、iPhoneからAndroidへと機種変更したとしてもそのまま使い続けられるわけだ。 
 


AndroidスマートフォンならPlayストア、iPhoneならApp Storeから「Android Wear」アプリを入手することで、「HUAWEI WATCH」とペア設定することが可能だ。 

 Googleのスマートウォッチ用OS「Android Wear」のバージョンは現在5.1.1。Apple Watchより高い頻度でアップデートが提供され機能強化が図られてきており、Google Nowのコンテキストアウェアネスによる各種情報表示もApple Watchよりこなれているという印象だ。これは「HUAWEI WATCH」が膨大なユーザー情報を内包したGoogleサービスと紐付いている最大の利点と言えるだろう。さて、次に具体的な電話、メール、健康管理機能を見ていこう。 

 まずは電話アプリから。「HUAWEI WATCH」と接続したスマートフォンに電話がかかってくると、文字盤いっぱいにアドレス帳に設定している顔写真などが表示される。ここで画面を右にスワイプすれば電話を受けられ、左にスワイプすれば「現在電話を受けられない」と応答メッセージを相手に返してくれる。また、画面下にスワイプすれば「電話に出られません。ご用件をどうぞ」、「すぐに折り返しご連絡いたします」、「すぐに応答しますのでお待ちください」、「会議中です。5分後にご連絡します」のなかから応答メッセージを選択可能だ。「Android Wear」の仕様上、「HUAWEI WATCH」自体で通話する機能は搭載されていないが、Bluetoothヘッドセットと組み合わせれば画面右スワイプすれば即座に通話を始められる。 
 


着信すると設定している顔写真が画面いっぱいに表示される。ちらっと目を「HUAWEI WATCH」に走らせれば、誰からの通話かひと目で確認可能だ。 

 GmailやSMSは特にアプリをインストールしなくても「Android Wear」を設定した段階で、すぐに利用可能だ。Gmailは特に多機能で、「HUAWEI WATCH」から左スワイプで、「アーカイブ」、「削除」、「返信」、「端末で開く」の4つのコマンドを実行できる。ワンタップでメールの本文を読め、「返信」からは音声入力または「今向かっています」や「折り返し連絡します」などの定型メッセージを素早く入力できる。バッグのなかのスマートフォンをわざわざ取り出さなくても、大部分のメールは「HUAWEI WATCH」だけで処理できるだろう。大量に未読メールがたまり、うんざりすることはなくなるはずだ。 
 


メール画面で表示可能な文字数は9文字×10行(プラス約5文字×2行)。目安としてだいたい文章の一段落ぐらいは表示できるので、長文メールも快適に読むことが可能だ。 

 「HUAWEI WATCH」にはジャイロスコープ、加速度計、気圧計、PPG(心拍数モニター)などが内蔵されており、スマートフォン内のGPSなど各種センサーと同調し、マップと連動した位置情報サービスツール、歩数計などを始めとする活動量計、心拍数などを定期的に記録する健康管理アイテムとして活用できる。Googleの健康&フィットネスアプリ「Google Fit」と連携すれば、アクティビティや消費カロリーなどを、日、週、月単位で閲覧し、健康管理やダイエットなどに役立てられる。なお、PPG(心拍数モニター)についてはApple Watchより約3秒早く測定が可能なので、ちょっとした空き時間にまめに心拍数を確認することができるだろう。 
 


「HUAWEI WATCH」の裏面には、光電式容積脈波記録法 (フォトプレチスモグラフィ)のPPG(心拍数モニター)が実装されており、手首にはめたままで手軽に心拍数を記録することが可能。なお計測にかかる時間は約11秒だ。 
 

クリスマスギフトにも最適


 ファーウェイはGoogleスマートフォンのリファレンス機「Nexus 6P」を製造するなど、グローバルにおけるスマートフォンのスタンダードメーカーとしての地位を確固たるものにした感がある。そのファーウェイがAndroidスマートウォッチの最上位モデルとしてリリースした「HUAWEI WATCH」は、スペック的にはほぼすべてを網羅しつつ、製造品質や耐久性は高級腕時計やApple Watchの上位モデルと遜色ないクオリティーだ。Androidスマートウォッチを購入するにあたって、最初に検討するべき製品と言えるだろう。 

 「HUAWEI WATCH」は、ファーウェイ公式オンラインストア「Vモール」楽天市場店ほか、ビックカメラ、ヨドバシカメラなどの家電量販店、AmazonなどのECサイトで購入可能。また、伊勢丹新宿店メンズ館8階のクリスマスギフト展示スペースにおいて、12月2日(水)から12月25日(金)の24日間、特別展示が実施される。質感などを実際に確かめたり、腕にはめた感触などを試したりしたい方は訪れてみてはいかがだろうか? 高級アクセサリーとしてつねに身に着けられる「HUAWEI WATCH」は、クリスマスギフトとしても男女問わず喜ばれることだろう。 
 


【HUAWEI WATCHのラインアップと税別価格】左から、本体がシルバーでバンドがメタルの「Classic Stainless」が5万1800円、本体がシルバーでバンドがブラックレザーの「Classic leather」が4万5800円、
ブラックの「Active」が5万7800円、ゴールドの「Elite」が8万1800円