気になるエアコン暖房の「風」、ダイキンが「垂直気流」搭載製品

新製品

2015/10/06 17:02

 ダイキンは10月1日、ルームエアコン「うるさら7(Rシリーズ)」を11月1日から順次発売すると発表した。暖房時の人の身体に対する不快な風当てをなくす独自の気流制御技術「垂直気流」を搭載した。


暖房時の風を壁と床に沿わせて送る「垂直気流」

壁を伝って足元から暖房、肌の乾燥も抑える

 新商品は、エアコン本体の気流を壁と床に沿って送る「垂直気流」を実現した。従来は温風が床に当たって跳ね返って、人に当たっていたが、壁伝いに垂直に送られる気流がそのまま床を伝う。

 風が椅子やソファなどの下を通って、足元から部屋全体を暖める。風速は従来の1.2m/sから0.3m/s以下にした。壁から1m以上、床上30cm以上のエリアで風を感じないほど、やさしく流れるという。

 16年間搭載しつづけているダイキン独自の無給水加湿による「うるる加湿」も加わることで、肌の乾燥が約40%低減する。
 


従来気流と垂直気流の比較

 冷房時の気流は、従来から天井を沿わせて、本体下の吸込口から空気を吸い込むことで風を循環させるサーキューレーション効果を生んでいた。暖房時の垂直気流は、これと逆の気流になる。

 本体の上から吸い込んだ空気が熱交換器で暖気になり、新開発「デュアルコアンダフラップ」を通じて壁を沿って垂直に床に落ちていく。「デュアルコアンダフラップ」は壁面に向かって反り返る補助フラップと、本体内部の風向板の二つからできている。
 


補助フラップと風向板から構成される「デュアルコアンダフラップ」で、壁と床を沿う垂直気流が生まれる

暖房時の補助フラップは壁側に反り返る


 もっとも、最初の約10分程度は床の冷えを暖めるために、「人・床温度センサー」で床面温度を検知する。冷えている床を斜め吹き気流や下吹き気流で暖めてから垂直気流運転に入る。
 

風量と吹き出し温度を抑えて「静か」で「節電」

 風量と吹き出し温度を抑えながら部屋全体を効率的に温める垂直気流の効果は、静音性と節電の二つ。従来、43dBだった騒音値は、最大9dB静かになり 34dBまで下がった。節電は、295Whあった従来の暖房気流と比較して、1時間当たり積算消費電力量は約30%削減の200Whに下がった。

  このほかにも、低外気温時の暖房性能を向上させた「タフネス暖房」を搭載。ダイキンの特徴である室外機の加湿ユニットを約半分のサイズに小型化した分、熱交換器が大きくなり暖房低温能力が約11%向上し、速暖性がアップした。

 価格はオープンで、税別の実勢価格はAN22TRS(2.2kW、6畳用)が約23万円、AN25TRS(2.5kW、8畳用)が約25万円、 AN28TRS(2.8kW、10畳用)が約27万円、AN36TRS(3.6kW、12畳用)が約28万円、AN40TRSと AN40TRP(4.0kW、14畳用)が約29万円、AN56TRP(5.6kW、18畳用)、AN63TRP(6.3kW、20畳用)、 AN71TRP(7.1kW、23畳用)が約37万円、AN80TRP(8.0kW、26畳用)が約39万円、AN90TRP(9.0kW、29畳用)が 約42万円となる。 (BCNランキング 細田立圭志)