停滞続くインクジェットプリンタ、3社3様の新製品で巻き返しなるか
キヤノン、エプソン、ブラザーと、インクジェットプリンタ上位3社の2015年新製品が出そろった。今年は例年にも増して3社それぞれが特色のある製品を打ち出している。市場は販売台数の伸び悩みが続き、販売金額は17か月連続で前年割れ。平均単価もジリ下げの状況でさえないが、新製品効果で市場を活性化できるだろうか。
インクジェットプリンタ市場をみる上で欠かせないのはインクの存在だ。プリンタ本体とインクの販売金額を合計して一つの市場としてみると、8月では実に69.1%とほぼ7割がインクの売り上げで占めている。メーカー別では、本体の販売台数が多いキヤノンが68.1ともっともインクの販売金額構成比が高い。エプソンは67.2%とやや小さい。ブラザーは56.9%で、早く本体の販売を積み上げてインクの売り上げにつなげたいところだ。
特色のある今年の新作インクジェット
PIXUS(ピクサス)ブランドでシェアトップのキヤノンは、プレミアムモデルのMG7730を筆頭にMG6930、MG5730、MG3630に加え、MG7730をベースに女性向けのカラーリングを施したMG7730Fの5機種13モデルを9月3日に発売した。新製品ではプリントをしない層を最重要ターゲットに据え販売を強化。スマホからのプリントの強化やインテリアになじむデザインを採用するなどで、プリンタの利便性向上とプリント価値の再認識を促す。特にスマホからのプリント比率が上がっていることを背景に、専用アプリ「Canon Print Inkjet」をリニューアルし使いやすさを向上させた。
スマホ連携を重視するキヤノンの新ピクサス(MG7730)
カラリオシリーズで写真出力にこだわったEP-10VA
ファックス機能を搭載したMFC-J880N
市場は足踏み、値下げで売り上げ維持する構図、インク構成比は7割
現在までのメーカー別販売動向を見ると、キヤノンとエプソンの2社で販売台数シェア8割前後を占める寡占状態が続いている。8月のシェアではキヤノンが45.2%とトップで、エプソンが37.3%と続いている。この2社に割って入ろうとしているのが、最後発のブラザーで、シェアは10.8%だ。年間シェア15%が目標としているが、2桁シェアが安定的に確保できるようになってきており、年末商戦の結果しだいでは、目標に手が届きそうだ。
インクジェットプリンタ市場をみる上で欠かせないのはインクの存在だ。プリンタ本体とインクの販売金額を合計して一つの市場としてみると、8月では実に69.1%とほぼ7割がインクの売り上げで占めている。メーカー別では、本体の販売台数が多いキヤノンが68.1ともっともインクの販売金額構成比が高い。エプソンは67.2%とやや小さい。ブラザーは56.9%で、早く本体の販売を積み上げてインクの売り上げにつなげたいところだ。