パナソニック、ひざに悩みをかかえる人やシニア向けの「ひざトレーナー」

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2015/06/02 11:53

 パナソニックは、久留米大学医学部志波直人主任教授を中心とした研究グループが研究を進めてきた新しいトレーニング方法「ハイブリッドトレーニング」とパナソニックのセンシング技術を融合した筋力トレーニング機器「ひざトレーナー EU-JLM50S」を共同開発し、8月21日に発売する。税別価格は、14万8000円。「認定店制度」を設け、ユーザーの状態に合わせた試着を含むカウンセリングを認定店で実施したうえで販売し、購入後のサポートも提供する。

筋力トレーニング機器「ひざトレーナー」。新しいトレーニング方法「ハイブリッドトレーニング」とパナソニックのセンシング技術を融合した

 装着して歩くと、動作時の脚の動きをボディモーションセンサがセンシングし、交互に伸びる筋肉に電気刺激がかかり、通常歩行よりもひざ周りの前と後の筋肉を効果的に鍛えることができる筋力トレーニング機器。脚力低下やひざに悩みをかかえる人、シニア層の無理のない歩行運動を応援する。

装着イメージ。通常歩行よりもひざ周りの前と後の筋肉を効果的に鍛えることができる

 自身の体力や体調、その日の気分や天気に合わせてトレーニングができるように、さまざまなコースを搭載。歩行時にひざ周りの筋肉を安定させながら、筋力をアップできる「いきいき歩くコース」、ウォーキングしながら効率良く筋力アップできる「歩いて筋トレコース」、スクワットとももあげを組み合わせて行う「家で筋トレコース」、運動をしない時の筋力維持を目的にした「座って刺激コース」、スクワットだけを行う単独コース「スクワットコース」、ももあげだけみを行う単独コース「ももあげコース」を備える。

 操作器サイズは、幅約60×高さ約125×厚さ約30mmで重さは約130g。サポーターサイズは、幅約565×高さ約325mmで重さは約170g。電源は充電式で、リチウムイオン電池を搭載する。カラーはブラック。

 志波主任教授が研究を進めてきた「ハイブリッドトレーニング」は、人間の動作と電気刺激を融合させた新しいトレーニング方法。パナソニック(旧松下電工)は、研究当初から試作モデルの回路設計を担当し、産学協同で開発を進めてきた。研究を続けるなかで、2010年から、ハイブリッドトレーニングを搭載したひざ周りの筋力トレーニング機器の開発を行い、歩きながらひざ周りを効果的に鍛えることを目的とする機器の研究を積み重ね、久留米大学では臨床評価で3か月の使用で効果が現れることも実証した。

 久留米大学とJAXA(宇宙航空研究開発機構)の共同研究では、国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟で長期宇宙滞在における筋量低下への対処手法の検証実験を実施。志波主任教授のハイブリッドトレーニングのコンセプトを取り入れた特殊な実験機器を使用した結果、宇宙で支障なく使用でき、微小重力における筋肉萎縮の予防効果が期待できることを確かめた。特殊環境である南極でも実験機器の操作性検証が行われた。

 パナソニックは、「ひざトレーナー」によって、日常習慣のなかで効果的にひざ周りの筋肉を鍛え、将来にわたって快適な自力歩行と年齢にとらわれず自由で生き生きとした生活を送る「エイジレス・ライフ」の支援を目指し、需要拡大を図る。