激変するVOD市場、「レコメンド機能」で勝負するモバイル大手「dビデオ」
ユーザーが見たいときにいつでも動画を楽しめる動画配信サービス、「ビデオ・オン・デマンド(VOD)」。スマートフォンの普及により、モバイル通信が高速化し、外出先でも動画を楽しめるようになったことで爆発的に普及している。そんなVODサービス市場にとって2015年は激変の年になりそうだ。
2015年、秋には米大手の動画配信サービス「Netflix」が日本市場への参入を予定しており、さらに、民放キー局5社が10月にも番組の見逃し配信を開始すると発表している。サービス提供会社が増え、視聴できるコンテンツ数が増えることで、VODサービス市場はさらに拡大しそうだ。
モバイル向けの動画配信サービスの最大手はNTTドコモとエイベックス通信放送が配信している「dビデオ powered by BeeTV」だ。そもそも、2009年1月からドコモの携帯電話向けに「BeeTV」として動画配信サービスを開始し、2011年にはサービス名を「dビデオ」に変更。さらに、2014年4月にはキャリアフリー化し、ドコモ以外のユーザーでも利用できるようになった。
市場をリードし続ける「dビデオ」。VODサービス市場が大きく変わることが予想される2015年は、リニューアルを図り、サービス内容をさらに拡充する。4月22日からブランド名を「dビデオ」から「dTV」に変更。テレビでも「dTV」を楽しめるよう、専用のセットトップボックスを発売する。さらに、ユーザーインターフェイス(UI)を刷新するほか、コンテンツも強化する。ここまで盛り込みながらも、税別月額使用料は500円に据え置く。
4月2日に開催した発表会では、エイベックス通信放送の千葉龍平社長が、「動画配信サービスはたくさんあるが、コンテンツがたくさんありすぎていったい何を見ればいいのか、どうやって見ればいいのかわからない、という不満の声が聞かれる」と現状の課題について説明した。これに対する「dTV」の回答が、「レコメンドと検索性」と「対応端末の拡充」だ。
レコメンド機能として導入するのが、新たに追加した「オススメチャンネル」だ。ユーザーの視聴履歴や年齢、性別といった属性情報と各作品のメタデータを元に、ユーザーごとに最適化した作品を自動でリストアップする。
さらに「ザッピングUI」を導入する。スマートフォンのdTVアプリでは12個のジャンルチャンネルとオススメチャンネルで構成するが、それぞれのチャンネルをタイムライン状に表示。このタイムラインには各作品のサムネイルが表示されるが、このサムネイルは動画になっていて、ダイジェストや予告編の映像をそのまま見ることができる。まるでテレビのザッピングのように見たい番組を探すことができる。
視聴可能デバイスが拡充したことも大きなポイントだ。これまでAndroid/iOSのスマートフォン、タブレット端末、PCで視聴できたが、これにテレビが加わる。テレビで視聴する場合は、専用のセットトップボックス「dTVターミナル」をテレビに接続する必要がある。
「dTVターミナル」は、「dTV」とアニメ専用配信サービス「dアニメストア」の視聴に特化しており、付属の赤外線リモコンで操作する。テレビとはHDMI端子で接続し、無線/有線LANでインターネットに接続して利用する。docomo IDでログインすると、そのdocomo IDで契約しているdTVやdアニメストアの番組を視聴できる。
「dTVターミナル」にも、dTVアプリと同様、「ザッピングUI」を導入する。上下キーでチャンネルを、左右キーでチャンネル内のコンテンツを切り替える。ここで表示するダイジェストや予告編の映像は、操作レスポンスを落とさないよう、解像度を落としている。見たい作品を見つけたら、再生ボタンを押すと、HD解像度の本編のストリーミング再生を開始する。
OSはAndroid 4.2。Google Playによるアプリ追加やGmailといったAndroidの標準的な機能には対応していないが、YouTubeには独自対応し、MiracastやSDカード内のメディアファイルの再生といった機能も搭載する。発売は4月22日で、税込み価格は7538円。すでに予約受付中で、購入者を対象に先着で30万人に毎月1枚、500円相当のレンタルクーポンを最大14か月付与する発売記念キャンペーンを実施する。
今後、VODサービス市場は活性化と拡大が進んでいくだろう。競争が激化すれば、生き残るために必要となってくるのがユーザー数だ。視聴対応デバイスを増やすことで新規ユーザーを獲得し、「ザッピングUI」など使い勝手を高めることでサービスの利用を継続させたい「dTV」。新規参入会社が増える秋以降の動向に注目したい。
4月22日から「dTV」がスタート
2015年、秋には米大手の動画配信サービス「Netflix」が日本市場への参入を予定しており、さらに、民放キー局5社が10月にも番組の見逃し配信を開始すると発表している。サービス提供会社が増え、視聴できるコンテンツ数が増えることで、VODサービス市場はさらに拡大しそうだ。
モバイル向けの動画配信サービスの最大手はNTTドコモとエイベックス通信放送が配信している「dビデオ powered by BeeTV」だ。そもそも、2009年1月からドコモの携帯電話向けに「BeeTV」として動画配信サービスを開始し、2011年にはサービス名を「dビデオ」に変更。さらに、2014年4月にはキャリアフリー化し、ドコモ以外のユーザーでも利用できるようになった。
市場をリードし続ける「dビデオ」。VODサービス市場が大きく変わることが予想される2015年は、リニューアルを図り、サービス内容をさらに拡充する。4月22日からブランド名を「dビデオ」から「dTV」に変更。テレビでも「dTV」を楽しめるよう、専用のセットトップボックスを発売する。さらに、ユーザーインターフェイス(UI)を刷新するほか、コンテンツも強化する。ここまで盛り込みながらも、税別月額使用料は500円に据え置く。
4月2日に開催した発表会では、エイベックス通信放送の千葉龍平社長が、「動画配信サービスはたくさんあるが、コンテンツがたくさんありすぎていったい何を見ればいいのか、どうやって見ればいいのかわからない、という不満の声が聞かれる」と現状の課題について説明した。これに対する「dTV」の回答が、「レコメンドと検索性」と「対応端末の拡充」だ。
エイベックス通信放送の千葉龍平社長
レコメンド機能として導入するのが、新たに追加した「オススメチャンネル」だ。ユーザーの視聴履歴や年齢、性別といった属性情報と各作品のメタデータを元に、ユーザーごとに最適化した作品を自動でリストアップする。
ユーザーの属性からオススメのコンテンツを紹介
さらに「ザッピングUI」を導入する。スマートフォンのdTVアプリでは12個のジャンルチャンネルとオススメチャンネルで構成するが、それぞれのチャンネルをタイムライン状に表示。このタイムラインには各作品のサムネイルが表示されるが、このサムネイルは動画になっていて、ダイジェストや予告編の映像をそのまま見ることができる。まるでテレビのザッピングのように見たい番組を探すことができる。
視聴可能デバイスが拡充したことも大きなポイントだ。これまでAndroid/iOSのスマートフォン、タブレット端末、PCで視聴できたが、これにテレビが加わる。テレビで視聴する場合は、専用のセットトップボックス「dTVターミナル」をテレビに接続する必要がある。
4月22日発売の「dTVターミナル」
「dTVターミナル」は、「dTV」とアニメ専用配信サービス「dアニメストア」の視聴に特化しており、付属の赤外線リモコンで操作する。テレビとはHDMI端子で接続し、無線/有線LANでインターネットに接続して利用する。docomo IDでログインすると、そのdocomo IDで契約しているdTVやdアニメストアの番組を視聴できる。
「dTVターミナル」にも、dTVアプリと同様、「ザッピングUI」を導入する。上下キーでチャンネルを、左右キーでチャンネル内のコンテンツを切り替える。ここで表示するダイジェストや予告編の映像は、操作レスポンスを落とさないよう、解像度を落としている。見たい作品を見つけたら、再生ボタンを押すと、HD解像度の本編のストリーミング再生を開始する。
OSはAndroid 4.2。Google Playによるアプリ追加やGmailといったAndroidの標準的な機能には対応していないが、YouTubeには独自対応し、MiracastやSDカード内のメディアファイルの再生といった機能も搭載する。発売は4月22日で、税込み価格は7538円。すでに予約受付中で、購入者を対象に先着で30万人に毎月1枚、500円相当のレンタルクーポンを最大14か月付与する発売記念キャンペーンを実施する。
今後、VODサービス市場は活性化と拡大が進んでいくだろう。競争が激化すれば、生き残るために必要となってくるのがユーザー数だ。視聴対応デバイスを増やすことで新規ユーザーを獲得し、「ザッピングUI」など使い勝手を高めることでサービスの利用を継続させたい「dTV」。新規参入会社が増える秋以降の動向に注目したい。