<地域No.1店舗の売れる秘訣・コジマ×ビックカメラ所沢店>リニューアルでファミリーが急増 デジカメと玩具で商圏を広げる
2014年11月29日、コジマNEW所沢店がコジマ×ビックカメラ所沢店に生まれ変わった。デジタルカメラなどデジタル機器の充実を図っただけでなく、幼児や小学生向け玩具の取り扱いを開始したことによって顧客層が広がり、とくに子ども連れのファミリーの来店が急増している。所沢市民の来店が多い店舗だったが、リニューアルによって、商圏が少なくても4~5kmは拡大した。これまでの地域に密着した店づくりを継続しながら、最新機種の充実によって来店者をわくわくさせる環境づくりにも力を入れている。
コジマ×ビックカメラ所沢店
店舗データ
住所 埼玉県所沢市牛沼2833-5
オープン日 2014年11月29日
売り場面積 約3000m2
従業員数 約35人
34万人規模と、埼玉県屈指の人口をもつ所沢市。ベッドタウンとして幅広い層が住居を構えている。西武池袋線の急行を使って池袋駅まで20分程度と、鉄道による都心へのアクセスは抜群。駅からのバス路線も発達しているという点などで、都心で働く人が住む割合が高い。実際、働き盛りの世代が50%程度を占めている。
西武池袋線や西武新宿線が通って所沢市で最も乗降客の多い所沢駅には、駅ナカ商業施設としてEmio所沢があることに加え、駅前に西武所沢店が店舗を構えている。しかし、埼玉県一の人口を誇るさいたま市にあるJR線の大宮駅や浦和駅などと比べれば、ベッドタウンのポジショニングから外れることなく、駅周辺は閑静だ。つまり、市民の多くは、鉄道を使って都心で買い物することを示している。デジタル機器や白物家電を購入するのも、本店をはじめとしてパソコン館やカメラ館、アウトレットなどを構えるビックカメラや、ヤマダ電機LABI1総本店池袋などがある池袋駅に出かける。また、新宿駅まで出向く人も少なくない。都心に近いだけに、最新機種が充実している駅前店舗に行くということだ。
このような事情で、所沢市では常連客を確保しているものの顧客の数をなかなか増やすことができない家電量販店が多いというのが実際のところだ。事実、コジマNEW所沢店も、新規顧客の開拓に苦戦を強いられていた。「近所に住む高齢の方々を常連客として確保していた」と鈴木健太郎店長は打ち明ける。そこで、ビックカメラグループはリニューアルを決断。コジマNEW所沢店は、2014年11月29日にコジマ×ビックカメラ所沢店として生まれ変わったのだ。
コジマ×ビックカメラ所沢店にリニューアルした後の顧客による店の評価を鈴木店長は、「常連のお客様から売り場が変わって来やすくなったとの声をよく聞く」とアピールする。リニューアル後はデジタル機器を1階に変更。入口近くに、ビックカメラが得意とするデジタルカメラコーナーを設置。とくに、デジタル一眼カメラ用交換レンズを約120種類取り揃えて「カメラが趣味のお客様にも対応できるようになった」と自己評価している。また、イヤホン・ヘッドホンも品揃えの充実を図って、通勤や通学で音楽を聴く会社員や若者の来店を促している。
デジタル機器の品揃えが充実したことによって、常連客を満足させるだけでなく、「子どもを連れたファミリーがいらっしゃるようになった」と、鈴木店長は新規顧客を獲得していることに満足している。とくに30代前半で子どもが幼児のファミリーが来店しているという。そのようなファミリーがデジタル機器の最新機種を購入することに加えて、「新しく取り扱いを始めた玩具も購入してくださる」という。これまでコジマ×ビックカメラでは、相性がいいという理由でデジタル機器と玩具を同じフロアで販売していたが、今回は白物家電と玩具を同じフロアに設置した。鈴木店長は、「子どもを玩具コーナーで遊ばせて、スタッフから白物家電について、しっかりと説明を聞いてくださる場面が多い。これまでと異なったレイアウトも、お客様を喜ばせることにつながるということがわかった」としている。
現在、デジタル機器と白物家電の売上構成比は「リニューアル前まで白物家電のほうが高かったが、今は逆転している」と、鈴木店長は言う。しかも、白物家電は前年と比べて伸びている。「各アイテムのラインアップが増えて選択肢が広がり、お客様は上位機種を購入されるようになった」(鈴木店長)という。また、買取カウンターの設置によって「お客様がお使いのデジタル機器を買い取りに出して、そのお金で新品を購入してくださる」。買取制度のおかげで顧客からの値下げ要求が少なく、「客単価は高いほう」とのことだ。
新規顧客の獲得に成功しているだけでなく、常連客である高齢者の来店頻度も増えている。これは、「地域密着型の郊外店であることが大前提で、サポート面を追求しているため」と、鈴木店長は自負する。地元に根づきながら最新機種を販売することによって、コジマ×ビックカメラ所沢店の顧客数は前年同期と比べて5%程度は確実にアップした。リニューアル前よりも商圏は確実に広がっている。新規顧客の開拓に引き続き力を入れながら、「リピーターを増やす取り組みを進めていく」と、鈴木店長は意気込む。
競合は昨年秋にオープンしたヤマダ電機テックランド東所沢店だが、「競合を意識するよりも、むしろ所沢市で家電を購入できるということを、市内や近隣の市にお住いの方に訴えていきたい」との考えを示す。所沢市を全国屈指の「家電の街」にすることが将来の目標だ。
コジマ×ビックカメラ所沢店
店舗データ
住所 埼玉県所沢市牛沼2833-5
オープン日 2014年11月29日
売り場面積 約3000m2
従業員数 約35人
市民は都心で買い物する「地元で購入」の浸透へ
34万人規模と、埼玉県屈指の人口をもつ所沢市。ベッドタウンとして幅広い層が住居を構えている。西武池袋線の急行を使って池袋駅まで20分程度と、鉄道による都心へのアクセスは抜群。駅からのバス路線も発達しているという点などで、都心で働く人が住む割合が高い。実際、働き盛りの世代が50%程度を占めている。
西武池袋線や西武新宿線が通って所沢市で最も乗降客の多い所沢駅には、駅ナカ商業施設としてEmio所沢があることに加え、駅前に西武所沢店が店舗を構えている。しかし、埼玉県一の人口を誇るさいたま市にあるJR線の大宮駅や浦和駅などと比べれば、ベッドタウンのポジショニングから外れることなく、駅周辺は閑静だ。つまり、市民の多くは、鉄道を使って都心で買い物することを示している。デジタル機器や白物家電を購入するのも、本店をはじめとしてパソコン館やカメラ館、アウトレットなどを構えるビックカメラや、ヤマダ電機LABI1総本店池袋などがある池袋駅に出かける。また、新宿駅まで出向く人も少なくない。都心に近いだけに、最新機種が充実している駅前店舗に行くということだ。
所沢市牛沼周辺は住宅街となっている
コジマ×ビックカメラ所沢店の近くにある道路はバス通りでクルマの交通量が多い
このような事情で、所沢市では常連客を確保しているものの顧客の数をなかなか増やすことができない家電量販店が多いというのが実際のところだ。事実、コジマNEW所沢店も、新規顧客の開拓に苦戦を強いられていた。「近所に住む高齢の方々を常連客として確保していた」と鈴木健太郎店長は打ち明ける。そこで、ビックカメラグループはリニューアルを決断。コジマNEW所沢店は、2014年11月29日にコジマ×ビックカメラ所沢店として生まれ変わったのだ。
上位機種の購入が多い 値下げせず高い客単価を確保
コジマ×ビックカメラ所沢店にリニューアルした後の顧客による店の評価を鈴木店長は、「常連のお客様から売り場が変わって来やすくなったとの声をよく聞く」とアピールする。リニューアル後はデジタル機器を1階に変更。入口近くに、ビックカメラが得意とするデジタルカメラコーナーを設置。とくに、デジタル一眼カメラ用交換レンズを約120種類取り揃えて「カメラが趣味のお客様にも対応できるようになった」と自己評価している。また、イヤホン・ヘッドホンも品揃えの充実を図って、通勤や通学で音楽を聴く会社員や若者の来店を促している。
ビックカメラが得意とするデジタルカメラコーナーを設置
デジタル機器の品揃えが充実したことによって、常連客を満足させるだけでなく、「子どもを連れたファミリーがいらっしゃるようになった」と、鈴木店長は新規顧客を獲得していることに満足している。とくに30代前半で子どもが幼児のファミリーが来店しているという。そのようなファミリーがデジタル機器の最新機種を購入することに加えて、「新しく取り扱いを始めた玩具も購入してくださる」という。これまでコジマ×ビックカメラでは、相性がいいという理由でデジタル機器と玩具を同じフロアで販売していたが、今回は白物家電と玩具を同じフロアに設置した。鈴木店長は、「子どもを玩具コーナーで遊ばせて、スタッフから白物家電について、しっかりと説明を聞いてくださる場面が多い。これまでと異なったレイアウトも、お客様を喜ばせることにつながるということがわかった」としている。
白物家電と玩具を同じフロアに設置した
現在、デジタル機器と白物家電の売上構成比は「リニューアル前まで白物家電のほうが高かったが、今は逆転している」と、鈴木店長は言う。しかも、白物家電は前年と比べて伸びている。「各アイテムのラインアップが増えて選択肢が広がり、お客様は上位機種を購入されるようになった」(鈴木店長)という。また、買取カウンターの設置によって「お客様がお使いのデジタル機器を買い取りに出して、そのお金で新品を購入してくださる」。買取制度のおかげで顧客からの値下げ要求が少なく、「客単価は高いほう」とのことだ。
買取カウンターの設置によって
新規顧客の獲得に成功しているだけでなく、常連客である高齢者の来店頻度も増えている。これは、「地域密着型の郊外店であることが大前提で、サポート面を追求しているため」と、鈴木店長は自負する。地元に根づきながら最新機種を販売することによって、コジマ×ビックカメラ所沢店の顧客数は前年同期と比べて5%程度は確実にアップした。リニューアル前よりも商圏は確実に広がっている。新規顧客の開拓に引き続き力を入れながら、「リピーターを増やす取り組みを進めていく」と、鈴木店長は意気込む。
常連客である高齢者の来店頻度も増えている
店長が語る人気の理由――鈴木健太郎 店長
千葉・柏や埼玉・和光、宮城・仙台などで活躍し、昨年7月にコジマNEW所沢店の店長に就任した。経験した店舗について、「柏は競合店が多く価格要求が激しい。和光は常連のお客様が多く、仙台は高齢の方が多い」という。コジマ×ビックカメラ所沢店については、「これまで携わった店舗を足して割ったような店舗」と捉えている。
競合は昨年秋にオープンしたヤマダ電機テックランド東所沢店だが、「競合を意識するよりも、むしろ所沢市で家電を購入できるということを、市内や近隣の市にお住いの方に訴えていきたい」との考えを示す。所沢市を全国屈指の「家電の街」にすることが将来の目標だ。
■人気の理由
・最新機種の品揃えを大幅に増加
・子ども向けに玩具の取り扱いを開始
・常連客の信頼を高めるサポート
※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2015年3月23日付 vol.1572より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは
・最新機種の品揃えを大幅に増加
・子ども向けに玩具の取り扱いを開始
・常連客の信頼を高めるサポート
※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2015年3月23日付 vol.1572より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは