PC用ディスプレイ初の「4Kで40インチ」、フィリップス「BDM4065UC/11」とは
フィリップスが昨年末に発売した40インチの大型液晶ディスプレイ「BDM4065UC/11」。40インチという画面サイズで、しかも高精細な4K画質という、PC用のディスプレイとしてはこれまでになかった新しいカテゴリーの製品が、コンシューマーのライフスタイルにどんなインパクトをもたらすのだろうか。
いま日本国内市場では、テレビとディスプレイ双方で「4K」の人気に火がつきはじめている。2014年の年末商戦にはテレビ、ディスプレイの主要メーカーによる4K対応の製品が出揃って大いに賑わった。中でも、フィリップスの28インチの4Kディスプレイ「288P6LJEB/11」は、高画質・高機能・ハイCPの三拍子が揃ったモデルとして市場の成長をリードしてきた。
今回「40インチで4K」という未踏の領域に踏み込んだフィリップスは、従来のPC用ディスプレイとしての用途に加え、様々な用途を想定している。例えばBDレコーダーを接続してパーソナルルームで4Kテレビのように利用したり、4Kのパーソナル動画や写真用のモニターとして活用することもできる。あるいは、高精細なグラフィックスを生かし、ゲーム用のスクリーンとして活用するなど、幅広い用途で4Kを楽しむことができるわけだ。4Kはもはやリビングで楽しむ大型テレビだけでなく、パーソナル用途でも活躍する製品になりつつある。
フィリップスの最新モデル「BDM4065UC/11」も、40インチの大型サイズながら28インチモデルの成功をベースに、画質・機能・デザインなどの要素をさらに磨き上げたディスプレイだ。
画質の面では「ウルトラクリア 4K UHD」のテクノロジーで、画面の隅々にまで広がる高精細な4K映像を実現。液晶パネルの駆動方式は、PC用ディスプレイに多く見られるTN型よりもさらに高画質なVA型を採用。反射防止タイプのノングレアパネルなので目に優しく、ワイドアングル表示による視認性も高い。
20インチ台の4Kディスプレイと比べると、40インチの場合は1画素あたりのドットサイズが大きくなるため、映像を長時間視聴しても目が疲れにくくなる利点もある。画面がより高精細になれば、例えばデジタル一眼レフカメラで撮影した写真をプレビューしながら、ピントや色味、ノイズ、ボケ具合などをしっかりとチェックすることも容易だ。詳細な描画と精度が要求されるCADの製図作業にも、本機の高精細な映像再現力が活きてくるだろう。
画面に表示されるコンテンツのジャンルに合わせて、予めディスプレイのパフォーマンスを最適化した映像モード「SmartImage」により映像調整もボタン一つで簡単に行えるのが特徴だ。
本体には4K/30p接続に対応するHDMI端子、およびDisplayPortを装備する。例えばHDMIで接続したBDレコーダーのチューナーを活用すれば本機でテレビを楽しむことも可能になる。パネルの応答速度は通常動作時で8.5ミリ秒、スマートレスポンス動作時で3ミリ秒とハイスペックなので、動画表示の安定性も十分に確保されている。
その他、一般的な用途としてはMHLにも対応しているので、同じ機能をサポートするスマートフォンやタブレットに保存した動画や写真を40インチの大画面で臨場感いっぱいに楽しめる。また、ディスプレイ本体には7W×2チャンネルのスピーカーも内蔵されているので、動画と音声が同時に再生できる。MHLで接続中はモバイル端末側に給電ができるので、電子書籍もバッテリー残量を気にせずゆったりと読めそうだ。
40インチの大画面をオフィスで活躍させるための機能も充実だ。本機にはHDMIとDisplayPort、D-subと3種類・5系統の映像入力端子を装備している。4Kの高精細な映像表示を活かして、それぞれ異なる4つの映像ソースを4分割された1つのディスプレイに同時に表示する「MultiView」機能は便利だ。例えば、4種類のグラフを1画面で比較しながら見たり、4箇所のウェブカメラの映像を表示しながらWeb会議もできる。1画面に2つのソースを表示する設定にもできるので、デザイナーやフォトグラファーにとっては作品のチェック用途にも便利に使える。画面のサイズが大きくなったことで、分割された画面の一つ一つも視認性が高くなる。
本体のデザインは4Kテレビのテイストに近くより洗練されたものに仕上がっている。ベゼルを狭い狭額縁化して4K映像の視認性を高め、本体のサイズをコンパクトに抑えた。4Kテレビにはよく見られるデザインだが、PC用途を想定した4Kディスプレイでは新しさを感じる。この一番のメリットは、画面のサイズを大きくしても20インチ台のディスプレイとあまり変わらないスペースに設置できるところだ。スタンドのデザインもよりスマートになったので、インテリアにも自然に溶け込むだろう。
フィリップスのディスプレイ製品にはすべて5年間の保証が付いてくる。バックライトや液晶パネルなどの部品、ケーブルやACアダプタなどの付属品までがケアの対象となる手厚い保証内容には定評があり、フィリップス製品が多くのユーザーから支持を集める大きな理由の一つになっている。
最近ではUSBを搭載するPCから、4K解像度の写真や静止画像を4KディスプレイのDisplayPortにつないで楽しめるようになる変換アダプターなども商品化され、4Kディスプレイの活躍の場面も広がりつつある。対応機器が増えれば単純なPC用ディスプレイとしてだけでなく、マルチメディア対応の表示機器として4Kディスプレイの可能性が高まるはずだ。フィリップスが40インチというこれまでに無かった大型サイズで4Kディスプレイを商品化した背景には、これからフルHDに代わって4Kがメインストリームになってきた時に、フィリップスが市場の先頭になって進化をリードしていこうとする決意があるのだろう。本機をクオリティと価格のバランスにおいてもインパクトの強い製品としてきた所からもその意気込みがよくわかる。
4Kのほかにも、フィリップスの勢いを物語るような、野心的なPC用ディスプレイ製品がある。昨年12月に発売した「19DP6QJNS/11」は、スクエアタイプの19インチの液晶ディスプレイを2枚、横に並べて一体化したようなユニークなデザインの製品だ。
昨今ではデザイナーやフォトグラファーをはじめとした専門性の高い用途でなくとも、ウェブを検索しながらドキュメントを作成したり、ノートPC+タブレットによる"デュアルディスプレイ"環境で作業をする一般の方々も増えている。この次のステップアップとして、本格的なディスプレイを2台並べてみたいけど、セットアップの手間や2台のディスプレイを購入する費用がかさんでしまうのでまだ実現できていないという方も多いだろう。本機であれば1台のディスプレイを導入するコストと設置スペースだけで手軽にデュアルディスプレイ環境が手に入る。このように市場のニーズを先読みしながら、いち早く商品としてかたちにできるところがフィリップスの大きな強みだ。(オーディオビジュアルライター 山本 敦)
フィリップスの40インチの大型液晶ディスプレイ「BDM4065UC/11」
いま日本国内市場では、テレビとディスプレイ双方で「4K」の人気に火がつきはじめている。2014年の年末商戦にはテレビ、ディスプレイの主要メーカーによる4K対応の製品が出揃って大いに賑わった。中でも、フィリップスの28インチの4Kディスプレイ「288P6LJEB/11」は、高画質・高機能・ハイCPの三拍子が揃ったモデルとして市場の成長をリードしてきた。
今回「40インチで4K」という未踏の領域に踏み込んだフィリップスは、従来のPC用ディスプレイとしての用途に加え、様々な用途を想定している。例えばBDレコーダーを接続してパーソナルルームで4Kテレビのように利用したり、4Kのパーソナル動画や写真用のモニターとして活用することもできる。あるいは、高精細なグラフィックスを生かし、ゲーム用のスクリーンとして活用するなど、幅広い用途で4Kを楽しむことができるわけだ。4Kはもはやリビングで楽しむ大型テレビだけでなく、パーソナル用途でも活躍する製品になりつつある。
4Kの高精細メリットを最大限に活かす機能満載、HD4画面を同時に映すことも
フィリップスの最新モデル「BDM4065UC/11」も、40インチの大型サイズながら28インチモデルの成功をベースに、画質・機能・デザインなどの要素をさらに磨き上げたディスプレイだ。
画質の面では「ウルトラクリア 4K UHD」のテクノロジーで、画面の隅々にまで広がる高精細な4K映像を実現。液晶パネルの駆動方式は、PC用ディスプレイに多く見られるTN型よりもさらに高画質なVA型を採用。反射防止タイプのノングレアパネルなので目に優しく、ワイドアングル表示による視認性も高い。
「ウルトラクリア 4K UHD」で、画面の隅々まで高精細
20インチ台の4Kディスプレイと比べると、40インチの場合は1画素あたりのドットサイズが大きくなるため、映像を長時間視聴しても目が疲れにくくなる利点もある。画面がより高精細になれば、例えばデジタル一眼レフカメラで撮影した写真をプレビューしながら、ピントや色味、ノイズ、ボケ具合などをしっかりとチェックすることも容易だ。詳細な描画と精度が要求されるCADの製図作業にも、本機の高精細な映像再現力が活きてくるだろう。
画面に表示されるコンテンツのジャンルに合わせて、予めディスプレイのパフォーマンスを最適化した映像モード「SmartImage」により映像調整もボタン一つで簡単に行えるのが特徴だ。
本体には4K/30p接続に対応するHDMI端子、およびDisplayPortを装備する。例えばHDMIで接続したBDレコーダーのチューナーを活用すれば本機でテレビを楽しむことも可能になる。パネルの応答速度は通常動作時で8.5ミリ秒、スマートレスポンス動作時で3ミリ秒とハイスペックなので、動画表示の安定性も十分に確保されている。
その他、一般的な用途としてはMHLにも対応しているので、同じ機能をサポートするスマートフォンやタブレットに保存した動画や写真を40インチの大画面で臨場感いっぱいに楽しめる。また、ディスプレイ本体には7W×2チャンネルのスピーカーも内蔵されているので、動画と音声が同時に再生できる。MHLで接続中はモバイル端末側に給電ができるので、電子書籍もバッテリー残量を気にせずゆったりと読めそうだ。
MHLにも対応しスマートフォンやタブレットにつないで動画や写真を楽しめる
40インチの大画面をオフィスで活躍させるための機能も充実だ。本機にはHDMIとDisplayPort、D-subと3種類・5系統の映像入力端子を装備している。4Kの高精細な映像表示を活かして、それぞれ異なる4つの映像ソースを4分割された1つのディスプレイに同時に表示する「MultiView」機能は便利だ。例えば、4種類のグラフを1画面で比較しながら見たり、4箇所のウェブカメラの映像を表示しながらWeb会議もできる。1画面に2つのソースを表示する設定にもできるので、デザイナーやフォトグラファーにとっては作品のチェック用途にも便利に使える。画面のサイズが大きくなったことで、分割された画面の一つ一つも視認性が高くなる。
4分割された1つのディスプレイに同時に表示する「MultiView」機能搭載
狭額縁で4Kテレビのようなコンパクトで洗練されたデザイン
本体のデザインは4Kテレビのテイストに近くより洗練されたものに仕上がっている。ベゼルを狭い狭額縁化して4K映像の視認性を高め、本体のサイズをコンパクトに抑えた。4Kテレビにはよく見られるデザインだが、PC用途を想定した4Kディスプレイでは新しさを感じる。この一番のメリットは、画面のサイズを大きくしても20インチ台のディスプレイとあまり変わらないスペースに設置できるところだ。スタンドのデザインもよりスマートになったので、インテリアにも自然に溶け込むだろう。
狭額縁で洗練されたデザイン
フィリップスのディスプレイ製品にはすべて5年間の保証が付いてくる。バックライトや液晶パネルなどの部品、ケーブルやACアダプタなどの付属品までがケアの対象となる手厚い保証内容には定評があり、フィリップス製品が多くのユーザーから支持を集める大きな理由の一つになっている。
最近ではUSBを搭載するPCから、4K解像度の写真や静止画像を4KディスプレイのDisplayPortにつないで楽しめるようになる変換アダプターなども商品化され、4Kディスプレイの活躍の場面も広がりつつある。対応機器が増えれば単純なPC用ディスプレイとしてだけでなく、マルチメディア対応の表示機器として4Kディスプレイの可能性が高まるはずだ。フィリップスが40インチというこれまでに無かった大型サイズで4Kディスプレイを商品化した背景には、これからフルHDに代わって4Kがメインストリームになってきた時に、フィリップスが市場の先頭になって進化をリードしていこうとする決意があるのだろう。本機をクオリティと価格のバランスにおいてもインパクトの強い製品としてきた所からもその意気込みがよくわかる。
液晶パネルやバックライトに加え、ACアダプタなどの付属品まで5年保証
ディスプレイを2枚並べた「19DP6QJNS/11」もユニーク
4Kのほかにも、フィリップスの勢いを物語るような、野心的なPC用ディスプレイ製品がある。昨年12月に発売した「19DP6QJNS/11」は、スクエアタイプの19インチの液晶ディスプレイを2枚、横に並べて一体化したようなユニークなデザインの製品だ。
省スペースでデユアルディスプレイを実現する「19DP6QJNS/11」
昨今ではデザイナーやフォトグラファーをはじめとした専門性の高い用途でなくとも、ウェブを検索しながらドキュメントを作成したり、ノートPC+タブレットによる"デュアルディスプレイ"環境で作業をする一般の方々も増えている。この次のステップアップとして、本格的なディスプレイを2台並べてみたいけど、セットアップの手間や2台のディスプレイを購入する費用がかさんでしまうのでまだ実現できていないという方も多いだろう。本機であれば1台のディスプレイを導入するコストと設置スペースだけで手軽にデュアルディスプレイ環境が手に入る。このように市場のニーズを先読みしながら、いち早く商品としてかたちにできるところがフィリップスの大きな強みだ。(オーディオビジュアルライター 山本 敦)