競技空間まるごと伝送へ、2020年に向けNTTが研究開発

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2015/02/23 11:59

 日本電信電話(NTT)は、2020年に向け、競技空間をまるごと、リアルタイムに世界に配信し、極めて高い臨場感で音や映像を再現する「Kirari!」の研究開発を推進すると発表した。さまざまなパートナーとのコラボレーションを通じて、スポーツなどをその場で観戦しているような感覚を世界中の人々が体感できるシステムを目指す。まずは2015年度中に、国内のスポーツ大会の遠隔ライブ観戦をトライアル実施する予定。

「イマーシブテレプレゼンス技術Kirari!」のイメージ

 「Kirari!」は、プロジェクションマッピングで音とともに映像を3D再現する技術。NTTが開発した次世代映像圧縮規格(HEVC)などと、新たに開発に着手した高臨場感メディア同期技術「Advanced MMT」を組み合わせたもので、選手の映像・音声だけでなく、選手の置かれた空間や環境の情報も併せて電送することで実現する。

 4Kや8Kが普及しても、テレビやパブリックビューイングでスポーツの感動を共有する際、平面ディスプレイで創出できる臨場感には限界がある。そこで、照明やロボットなど環境に存在するリアルな物を連動させて表現し、これまでにない高い臨場感を創出する。

 今後は、遠隔の複数の体育館やライブ会場向けに、競技空間をまるごと伝送することで、世界中の観戦者が目の前で競技を観戦しているようなリアルな感覚の実現を目指す。また、地方の祭りや無形文化財などでの活用の検討も進めていく。