【CP+2015】写真でレポート、5000万画素カメラや撮影後にピントが変えられるカメラなど
2月12日、カメラや映像機器のアジア最大級の見本市「CP+ 2015」が開幕した。今年は「FOCUS! フレームの向こうにある感動」をテーマに、横浜市のパシフィコ横浜で15日まで開催する。日本のカメラメーカーは、世界のカメラ市場で販売台数の85%を占めるだけに、世界中の関係者の注目が集まる。今回も、開催に合わせて多数の新製品が発表された。今年の目玉展示を、写真を中心に駆け足でご紹介しよう。
最も注目が集まったメーカーはキヤノン。CP+開催に先立って、6日にキヤノン史上最多の13機種を一気に発表した。なかでも特に関心を集めたのは、5060万画素の35mmフルサイズ撮像素子を備えた一眼レフ「EOS 5DS・5DSR」のコーナーだ。35mmフルサイズ一眼レフとしては現時点で最も画素数が多い話題のカメラとあって、開場直後から実機に触れようとする人が途絶えることがなかった。また、ピント合わせのスピードが飛躍的に向上したミラーレス一眼の3代目「EOS M3」なども注目を集めていた。
一方、ニコンは、望遠300mmでF4の明るさながら、従来製品に比べて大幅に小型化した「AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR」が注目を浴びた。PF(位相フレネル)レンズという特殊なレンズを採用したことで、従来モデルより全長で75mmも短い147.5mm、重さも42%軽い755gと小型・軽量。プロカメラマン御用達の定番標準ズーム「AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED」より少し大きい程度で145gも軽いとあって、レンズコーナーでは引っ張りだこだった。また、天体撮影用専用の一眼レフとして発表されたばかりで、5月下旬に発売予定の「D810A」も、実機がガラスケース内に展示されていた。
パナソニックで人気だったのは、デジタルカメラとスマートフォンが融合した新スタイルのコンパクトカメラ「LUMIX CM1」だ。昨年ドイツで開催されたフォトキナで発表されたモデルだが、欧州でのテスト販売を経て、いよいよこの3月、2000台限定ながら日本でも発売される。1型の本格的な撮像素子を搭載したカメラと、4.7型のモニタを備えたSIMロックフリーのAndroidスマートフォンを合体させた製品だ。大きなセンサを搭載しているので、他のスマートフォンよりも高画質でボケ味を楽しむ撮影もできる。スマートフォンつきカメラという新しいジャンルを切り開く製品だ。
注目度の高さでいえば、昨年12月に日本上陸を果たしたばかりの「LYTRO ILLUM」も引けをとらない。被写体が一定の距離の範囲に収まっていれば、あとからピント位置を自由に変えることができるというカメラだ。これからのカメラのあり方を変えてしまうかもしれない画期的な製品といえる。F2.8のレンズを搭載しているが、絞りはなく、常に開放状態で撮影する。撮影後に、背面液晶でピントを合わせたい位置をタップすると、そこにピントが合った画像を見ることができる。また、専用ソフトでPC上でピント位置を自由に動かして出力することもできる。
力が入った新製品を投入したのはオリンパス。撮像素子を磁力で浮かせてコントロールすることで、5段分の手ブレ補正ができる「5軸VCM手ブレ補正機能」を搭載した「OM-D E-M5 MarkII」が目玉だ。開発本部の鈴木隆副本部長によれば、「CIPA(カメラ映像機器工業会)の基準では5段相当の手ブレ補正効果だが、利用シーンによってはそれよりさらに大きな効果が期待できる」という。また、人だかりが絶えなかったのが、レンズスタイルのレンズ交換式カメラ「AIR」だ。すでにソニーが同様の製品を販売しているが、このカメラはマイクロフォーサーズ規格で、既存の豊富なレンズ群をそのまま使うことができる。そのうえ、オリンパスの技術をオープンにする「OPC Hack & Make Project」で、クリエイターやユーザーといっしょに新しい使い方を模索していくという試みが新しい。会場には、先立って開発に加わったユーザーのアイデアを採り入れたカメラの遠隔操作システムなどが展示されていた。
このほか、カシオはレンズ側に液晶画面を開くことで、いわゆる「自撮り」が簡単にでき、シャッターを押すと同時にスマートフォンに写真を自動転送するコンパクトカメラ「EXILIM ZR1600」を大きなスペースを割いて展示している。また富士フイルムは、発表したばかりの新製品で、「自撮り」がしやすい175°回転チルト式液晶を採用した「X-A2」や、206gと「Xシリーズ」最軽量の「XQ2」などが注目を浴びていた。ソニーは現在開発中の4本のレンズと二つのコンバータの展示を含め、豊富なレンズ群のアピールが目立った。
主催者のCIPAによれば、初目の12日12時現在で、ウェブサイト上での事前等登録者数はすでに5万2907名。昨年の入場者(4万2000人)を大きく上回っている。今年は興味深い新製品が数多く発表になっていることもあって、例年にも増して多くの来場者が訪れそうだ。13・14日は10時から18時まで、最終日の2月15日は10時から17時まで開催する。(道越一郎)
最も注目が集まったメーカーはキヤノン。CP+開催に先立って、6日にキヤノン史上最多の13機種を一気に発表した。なかでも特に関心を集めたのは、5060万画素の35mmフルサイズ撮像素子を備えた一眼レフ「EOS 5DS・5DSR」のコーナーだ。35mmフルサイズ一眼レフとしては現時点で最も画素数が多い話題のカメラとあって、開場直後から実機に触れようとする人が途絶えることがなかった。また、ピント合わせのスピードが飛躍的に向上したミラーレス一眼の3代目「EOS M3」なども注目を集めていた。
5060万画素の「EOS 5DSR」を手に熱心に質問する来場者。「5DSR」はローパスフィルターの効果をキャンセルするタイプだ
一方、ニコンは、望遠300mmでF4の明るさながら、従来製品に比べて大幅に小型化した「AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR」が注目を浴びた。PF(位相フレネル)レンズという特殊なレンズを採用したことで、従来モデルより全長で75mmも短い147.5mm、重さも42%軽い755gと小型・軽量。プロカメラマン御用達の定番標準ズーム「AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED」より少し大きい程度で145gも軽いとあって、レンズコーナーでは引っ張りだこだった。また、天体撮影用専用の一眼レフとして発表されたばかりで、5月下旬に発売予定の「D810A」も、実機がガラスケース内に展示されていた。
28mm-70mmのズームレンズ(奥)とほとんど変わらない大きさの300mm「AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR」。いずれも「D750」に装着
天文写真専用の「D810A」。発売は5月下旬の予定
パナソニックで人気だったのは、デジタルカメラとスマートフォンが融合した新スタイルのコンパクトカメラ「LUMIX CM1」だ。昨年ドイツで開催されたフォトキナで発表されたモデルだが、欧州でのテスト販売を経て、いよいよこの3月、2000台限定ながら日本でも発売される。1型の本格的な撮像素子を搭載したカメラと、4.7型のモニタを備えたSIMロックフリーのAndroidスマートフォンを合体させた製品だ。大きなセンサを搭載しているので、他のスマートフォンよりも高画質でボケ味を楽しむ撮影もできる。スマートフォンつきカメラという新しいジャンルを切り開く製品だ。
カメラとSIMロックフリーのスマートフォンを融合した「LUMIX CM1」。3月に2000台限定で発売
1型の撮像素子を搭載しているので、後ろがボケた写真を撮ることができる
注目度の高さでいえば、昨年12月に日本上陸を果たしたばかりの「LYTRO ILLUM」も引けをとらない。被写体が一定の距離の範囲に収まっていれば、あとからピント位置を自由に変えることができるというカメラだ。これからのカメラのあり方を変えてしまうかもしれない画期的な製品といえる。F2.8のレンズを搭載しているが、絞りはなく、常に開放状態で撮影する。撮影後に、背面液晶でピントを合わせたい位置をタップすると、そこにピントが合った画像を見ることができる。また、専用ソフトでPC上でピント位置を自由に動かして出力することもできる。
撮影した後にピントの位置を変えることができる「LYTRO ILLUM」
手前にピントを合わせて撮影しても
撮影した後に奥の塀にピントを合わせ直すことができる
力が入った新製品を投入したのはオリンパス。撮像素子を磁力で浮かせてコントロールすることで、5段分の手ブレ補正ができる「5軸VCM手ブレ補正機能」を搭載した「OM-D E-M5 MarkII」が目玉だ。開発本部の鈴木隆副本部長によれば、「CIPA(カメラ映像機器工業会)の基準では5段相当の手ブレ補正効果だが、利用シーンによってはそれよりさらに大きな効果が期待できる」という。また、人だかりが絶えなかったのが、レンズスタイルのレンズ交換式カメラ「AIR」だ。すでにソニーが同様の製品を販売しているが、このカメラはマイクロフォーサーズ規格で、既存の豊富なレンズ群をそのまま使うことができる。そのうえ、オリンパスの技術をオープンにする「OPC Hack & Make Project」で、クリエイターやユーザーといっしょに新しい使い方を模索していくという試みが新しい。会場には、先立って開発に加わったユーザーのアイデアを採り入れたカメラの遠隔操作システムなどが展示されていた。
「5軸VCM手ブレ補正機能」を搭載した「OM-D E-M5 MarkII」
レンズスタイルのレンズ交換式カメラ「AIR」
マイクロフォーサーズ規格のレンズを使うことができる
「OPC Hack & Make Project」による遠隔撮影システム
このほか、カシオはレンズ側に液晶画面を開くことで、いわゆる「自撮り」が簡単にでき、シャッターを押すと同時にスマートフォンに写真を自動転送するコンパクトカメラ「EXILIM ZR1600」を大きなスペースを割いて展示している。また富士フイルムは、発表したばかりの新製品で、「自撮り」がしやすい175°回転チルト式液晶を採用した「X-A2」や、206gと「Xシリーズ」最軽量の「XQ2」などが注目を浴びていた。ソニーは現在開発中の4本のレンズと二つのコンバータの展示を含め、豊富なレンズ群のアピールが目立った。
「自撮り」が簡単にできるカシオのコンパクトカメラ「EXILIM ZR1600」
富士フイルムの「X-A2」も「自撮り」がしやすい175°回転チルト式液晶が特徴
206gとXシリーズ最軽量の富士フイルムの「XQ2」
ソニーは現在開発中の4本のレンズと2つのコンバーター
開発中のEF28mm f2には、レンズ前端にコンバーターを付けることができる
主催者のCIPAによれば、初目の12日12時現在で、ウェブサイト上での事前等登録者数はすでに5万2907名。昨年の入場者(4万2000人)を大きく上回っている。今年は興味深い新製品が数多く発表になっていることもあって、例年にも増して多くの来場者が訪れそうだ。13・14日は10時から18時まで、最終日の2月15日は10時から17時まで開催する。(道越一郎)