キヤノン、5060万画素のフルサイズデジタル一眼レフ、高画素市場に本格参入
キヤノンは、2月6日、有効約5060万画素の35mmフルサイズCMOSセンサを搭載したデジタル一眼レフカメラのフラグシップモデル「EOS 5Ds」「EOS 5Ds R」を6月に発売すると発表した。価格はオープン。
2012年3月に発売した「5D Mark III」と比べ、有効画素数を約2230万画素から約5060万画素に引き上げた超高画素モデル。風景写真など、解像感が求められる領域で威力を発揮する。また、「EOS 5Ds R」は解像感を低下させるセンサ前の光学ローパスフィルターの効果をキャンセルする機構を搭載。約5060万画素の解像力を余すことなく引き出すことができる。なお、ローパスフィルター効果をキャンセルすることで偽色や色モアレは出やすくなる。「EOS 5Ds R」は解像度を優先する一部のユーザー向けの製品だ。
センサは35mmフルサイズ(約36.0×24.0mm)のCMOSセンサを採用。2基の映像エンジンを搭載した「デュアルDIGIC 6」が高速処理能力を発揮し、最高約5コマ/秒の高速連写や常用最高ISO感度6400(拡張ISO12800)などの優れた基本性能を実現する。
カメラの振動ブレ対策機構として、「ミラー振動制御システム」を採用。ミラーのアップ/ダウンをする機構を従来のバネ式ではなく「7D Mark II」と同様にモーターとカム駆動による新しいミラー機構を導入することで、ミラー駆動時に発生する振動を低減。カメラの振動ブレを抑制する。また、CMOSセンサの解像力を余すことなく引き出せるほか、静音化にも効果がある。
さらに、ミラーがアップした衝撃が収まってから露光を開始することで、振動ブレを低減する「レリーズタイムラグ任意設定」機能を搭載。「しない(デフォルト)」、「レリーズボタン全押しで2回撮影」、「1/8秒後に撮影」、「1/4秒後に撮影」~「2秒後に撮影」などを選択できる。従来のミラーアップ撮影と違い、レリーズのために再度シャッターボタンを全押しする必要がないこともカメラ振動ブレ対策に効果的だ。
「EOS」シリーズとして初めてピクチャースタイルに「ディテール重視」を追加した。細線や細かい部分のエッジ強調がかかりやすく、かつ輪郭を細く、拡大時の品位をよくすることができる。カスタマイズに対応し、シャープネスの項目に「細かさ」や「しきい値」を用意した。
また、高画素を活かし、擬似望遠撮影ができる「クロップ撮影機能」を備える。1.3倍、1.6倍、アスペクト比1:1のクロップができる。野鳥やスポーツ撮影など、望遠効果が欲しいシーンで活用できる。なお、1.6倍クロップ撮影時は、画面のほぼ全域で位相差AFが可能になる。
動画撮影機能では、「EOS」シリーズとして初めてとなる「タイムラプス動画」を搭載。撮影前に静止画を試し撮りし、構図や露出を確認できる。レリーズは電子先幕シャッターで制御しているので、シャッターの耐久回数に影響する事なく、3600回までの撮影枚数を設定できる。撮影間隔は1秒から99時間59分59秒まで指定可能。撮影した静止画は、つないで動画として記録する。
対応記録メディアはCFカード、SD/SDHC/SDXCメモリーカード。3.2インチの液晶モニタを備える。測距点は61点。サイズは幅約152.0×高さ116.4×奥行き76.4mm、本体のみの重量は約845g。
「EOS 5Ds」「EOS 5DsR」ともレンズキットは用意せず、ボディのみで販売する。税別の実勢価格は「EOS 5Ds」が46万8000円前後、EOS 5Ds Rが49万8000円前後の見込み。
今回、キヤノンはフルサイズセンサ搭載のデジタル一眼レフカメラとして世界最高画素数の「EOS 5Ds」「EOS 5DsR」を発表した。デジタル一眼レフカメラ市場は、高画素化がじわじわと広がっている。家電量販店の実売データを集計する「BCNランキング」では、2014年1月の画素数別販売台数シェアでは2400万画素以上が24.3%だったが、直近の2015年1月では34.9%まで拡大。今後もさらに伸びていきそうだ。
拡大が続く超高画素モデル市場の勢力図を見ていこう。有効2400万画素以上のデジタルカメラ市場のメーカー別販売台数シェアはニコンが96.5%と圧倒的なシェアを獲得している。その後をリコーイメージング、ソニーが追いかけるが、両メーカーともシェアは2%以下でニコンに大きく引き離されているのが現状だ。
今回、コンパクトデジタルカメラ、デジタル一眼レフカメラでNo.1を誇るキヤノンが参入することで、どのように勢力図が変わっていくか。今後のキヤノンの攻勢に注目したい。(BCN・山下彰子)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからPC本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベース(PCの場合)で、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。
左から「EOS 5Ds R」「EOS 5Ds」
2012年3月に発売した「5D Mark III」と比べ、有効画素数を約2230万画素から約5060万画素に引き上げた超高画素モデル。風景写真など、解像感が求められる領域で威力を発揮する。また、「EOS 5Ds R」は解像感を低下させるセンサ前の光学ローパスフィルターの効果をキャンセルする機構を搭載。約5060万画素の解像力を余すことなく引き出すことができる。なお、ローパスフィルター効果をキャンセルすることで偽色や色モアレは出やすくなる。「EOS 5Ds R」は解像度を優先する一部のユーザー向けの製品だ。
35mmフルサイズCMOSセンサを搭載
センサは35mmフルサイズ(約36.0×24.0mm)のCMOSセンサを採用。2基の映像エンジンを搭載した「デュアルDIGIC 6」が高速処理能力を発揮し、最高約5コマ/秒の高速連写や常用最高ISO感度6400(拡張ISO12800)などの優れた基本性能を実現する。
高速処理ができる「デュアルDIGIC 6」を採用
カメラの振動ブレ対策機構として、「ミラー振動制御システム」を採用。ミラーのアップ/ダウンをする機構を従来のバネ式ではなく「7D Mark II」と同様にモーターとカム駆動による新しいミラー機構を導入することで、ミラー駆動時に発生する振動を低減。カメラの振動ブレを抑制する。また、CMOSセンサの解像力を余すことなく引き出せるほか、静音化にも効果がある。
さらに、ミラーがアップした衝撃が収まってから露光を開始することで、振動ブレを低減する「レリーズタイムラグ任意設定」機能を搭載。「しない(デフォルト)」、「レリーズボタン全押しで2回撮影」、「1/8秒後に撮影」、「1/4秒後に撮影」~「2秒後に撮影」などを選択できる。従来のミラーアップ撮影と違い、レリーズのために再度シャッターボタンを全押しする必要がないこともカメラ振動ブレ対策に効果的だ。
「EOS」シリーズとして初めてピクチャースタイルに「ディテール重視」を追加した。細線や細かい部分のエッジ強調がかかりやすく、かつ輪郭を細く、拡大時の品位をよくすることができる。カスタマイズに対応し、シャープネスの項目に「細かさ」や「しきい値」を用意した。
また、高画素を活かし、擬似望遠撮影ができる「クロップ撮影機能」を備える。1.3倍、1.6倍、アスペクト比1:1のクロップができる。野鳥やスポーツ撮影など、望遠効果が欲しいシーンで活用できる。なお、1.6倍クロップ撮影時は、画面のほぼ全域で位相差AFが可能になる。
動画撮影機能では、「EOS」シリーズとして初めてとなる「タイムラプス動画」を搭載。撮影前に静止画を試し撮りし、構図や露出を確認できる。レリーズは電子先幕シャッターで制御しているので、シャッターの耐久回数に影響する事なく、3600回までの撮影枚数を設定できる。撮影間隔は1秒から99時間59分59秒まで指定可能。撮影した静止画は、つないで動画として記録する。
対応記録メディアはCFカード、SD/SDHC/SDXCメモリーカード。3.2インチの液晶モニタを備える。測距点は61点。サイズは幅約152.0×高さ116.4×奥行き76.4mm、本体のみの重量は約845g。
「EOS 5Ds」「EOS 5DsR」ともレンズキットは用意せず、ボディのみで販売する。税別の実勢価格は「EOS 5Ds」が46万8000円前後、EOS 5Ds Rが49万8000円前後の見込み。
ニコンが9割を占める超高画素市場にキヤノンが参入
今回、キヤノンはフルサイズセンサ搭載のデジタル一眼レフカメラとして世界最高画素数の「EOS 5Ds」「EOS 5DsR」を発表した。デジタル一眼レフカメラ市場は、高画素化がじわじわと広がっている。家電量販店の実売データを集計する「BCNランキング」では、2014年1月の画素数別販売台数シェアでは2400万画素以上が24.3%だったが、直近の2015年1月では34.9%まで拡大。今後もさらに伸びていきそうだ。
拡大が続く超高画素モデル市場の勢力図を見ていこう。有効2400万画素以上のデジタルカメラ市場のメーカー別販売台数シェアはニコンが96.5%と圧倒的なシェアを獲得している。その後をリコーイメージング、ソニーが追いかけるが、両メーカーともシェアは2%以下でニコンに大きく引き離されているのが現状だ。
今回、コンパクトデジタルカメラ、デジタル一眼レフカメラでNo.1を誇るキヤノンが参入することで、どのように勢力図が変わっていくか。今後のキヤノンの攻勢に注目したい。(BCN・山下彰子)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからPC本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベース(PCの場合)で、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。