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NTT、歓声に埋もれたスポーツの競技音をクリアに抽出する「ターゲットマイク技術」を開発

ニュース

2015/01/30 11:15

 日本電信電話(NTT)は、サッカーのシュート音など、歓声に埋もれたスポーツの競技音をクリアに抽出する音声処理ソフトウェア技術「ターゲットマイク技術」を開発した。1年以内の実用化を目指す。

技術イメージ

 現在、スポーツ中継で使われているガンマイクでの集音は、歓声や応援などの周囲の騒音を十分に抑制できず、狙った競技音が埋もれてしまうという課題があった。新たに開発したターゲットマイク技術は、音源の到来方向(空間情報)に加えて、各種競技音の特性を利用して競技音をクリアに抽出するソフトウェア技術で、一般的に用いられる複数のマイクロホンで観測した音声信号にこの技術を適用することで、競技音をクリアに集音できる。集音範囲は、サッカーの場合、マイクをゴール裏に設置すると、ペナルティエリア内をカバーする。

 2014年7月以降、日本放送協会(NHK)と共同で、実際のスポーツ大会などでターゲットマイク技術を用いた競技音の抽出実験を実施。「サッカーのシュート音」「相撲の力士がぶつかり合う音、行司の声」「ゴルフのショット音、落下音」「野球の打撃音」を抽出し、競技音を10~30dB(10~1000倍)強調し、より臨場感のあるダイナミックな音が出力できることを実証した。

 今後、グループ会社を通じて1年以内の実用化を目指すほか、さまざまなパートナーとのコラボレーションを通じて、2020年までにスポーツ観戦でより臨場感ある競技音の体験を、世界中の人々に提供できるよう取り組んでいく。目的音の抽出性能や音質の向上を目指して技術改良を図るとともに、他のスポーツも含めた実証実験をNHKと共同で実施し、技術の性能検証を進める。