<地域No.1店舗の売れる秘訣・ケーズデンキ柏中央店>柏市に多くの家電購入者を誘引 大人から子どもまで楽しめる店舗へ
2014年10月16日、ケーズデンキ柏中央店がオープンした。「中央」と銘打っているだけに、千葉県柏市でのシェア拡大を狙うケーズデンキにとって戦略的な店舗に位置づけており、近隣の競合店と激しいシェア争いを繰り広げている。同店が狙っているのは、広大な売り場面積を生かして柏市に家電の購入見込み客を数多く呼び込むこと。休日には、来店者を楽しませるイベントを開催し、大人から子どもまで楽しめる店舗を目指している。(取材・文/佐相彰彦)
ケーズデンキ柏中央店
店舗データ
住所:千葉県柏市十余二字庚塚276-60
オープン日:2014年10月16日
売り場面積:約7600m2
従業員数:約70人
ここ数年、人口が増え続けている柏市。柏市によれば、今年11月1日の時点で約40万8000人に達している。人口増の要因の一つとして挙げられるのは、首都圏新都市鉄道のつくばエクスプレスだ。2005年に開通して以来、柏たなか駅や柏の葉キャンパス駅の周辺でマンションや戸建て、大型複合商業施設の建設が相次ぎ、これまで交通の便が決していいとはいえなかった西部エリアが新興ベッドタウンとして認識されるようになった。とくに、柏の葉キャンパス駅近くのららぽーと柏の葉には、休日になると遠方から多くのファミリーが訪れるショッピングエリアとして賑わっている。また、駅周辺には東京大学柏キャンパスや千葉大学柏の葉キャンパスなど学園都市としても知られている。一方、東部エリアは、主要な駅としてJR常磐線や東武アーバンパークラインの停車駅、柏があって、多くの市民が利用している。
クルマでの移動は、神奈川から、東京・千葉を結ぶ国道16号があるので、非常に便利だ。平日・休日ともに交通量が多く、国道16号沿いにはレストランを中心に多くの店舗が建ち並んでいる。大山台には、ショッピングモールのイオンタウン松ヶ崎があって、休日にはクルマで訪れる人が多い。その周辺には、コジマ×ビックカメラ柏店やヤマダ電機テックランド柏店など、家電量販店が大型店舗を構えている。
国道16号をはさんで大山台の向かい側の十余二に出店したのがケーズデンキ柏中央店だ。10月16日にオープンし、「近くにお住まいの方は徒歩や自転車で、国道16号を通ってクルマで来られる方や、高速道路を使って来店してくださる方もおられる」と、執行役員も務める勝又浩一店長は幅広いエリアからの集客に手応えを感じている。現在も、40歳以上の年齢層が多く来店している。
ケーズデンキにとって、柏中央店が出店する前は柏店が市内で唯一の店舗だった。柏店は、柏中央店からクルマで10分程度の西柏台に所在する。この店舗でヤマダ電機テックランド柏店やコジマ×ビックカメラ柏店と競争を繰り広げていたが、売り場面積が約990m2の小型店舗なので、品揃えで勝負するには厳しかった。では柏中央店はどうか。もともと物流会社の流通センターだった跡地に出店し、売り場面積が約7600m2と群を抜く広さだ。そのため、「品揃えで他店に負けない」ことをコンセプトに売り場づくりに取り組んでいる。
その一つがデジタルカメラ関連の品揃えだ。昨年9月、コジマNEW柏店がビックカメラのコラボレーション店舗として、コジマ×ビックカメラ柏店として生まれ変わって以来、デジタルカメラの品揃えがかなり充実した。さらに、JR柏駅の駅前にはビックカメラ柏店があって、デジタルカメラについてはビックカメラグループがシェアを握っている状況だった。そこで、勝又店長は「近隣の店舗に負けない品揃え」をコンセプトに、デジタルカメラ関連の品揃えを充実。しかも、通常はショーケースに入れていることが多いカメラレンズを、本体の近くに置いて試し撮りができるようにした。これで、「カメラ愛好家の来店が多い」という効果が現れている。
また、勝又店長は「体感できる空間をさまざまな場所に設置しなければ、お客様の購入意欲を引き出すことはできない。話題になっているけれど実際には体感したことがない製品は、その傾向が強い」と判断。この問題を実演会によって解決した。例えば、低速搾汁方式で果物や野菜をしっかりと搾りきるヒューロムジューサーなどの試飲会を実施し、「お客様に試飲を勧めて、興味をもっていただくようにしている」。レンジなど調理家電などでも定期的に試食会を行っている。
デモコーナーについては、「いま最も力を入れているのはクリーナー。ロボット型では、広いスペースを確保して、どのように動き回っているのかを、お客様に理解してもらうようにしている」という。また、ダイソンのスティック型掃除機が人気を集めているということで「専用のコーナーを設けている」。
接客については、誰でも理解することができる商品説明を心がけたり、購入してもらった商品をレジやクルマまで運ぶ気配りをしたりするなどで、お客様から高い評価を受けている。ケーズデンキ柏中央店が取り組んでいるファンづくりは、一人の購入者に対してだけではなく、「ファミリーでご来店された際、お子様にも喜んでいただくためのもの」と捉えている。幅広い年齢層が気軽に来店する店舗を目指しているのだ。
競合店が近くにあるが、「十余二・大山台周辺を家電の街にしたい」との考えを示す。柏市や近隣市の住民が休日になると、国道16号沿いのケーズデンキ柏中央店を含めた3店舗を訪れる。この地域に行けば何でも揃うという意識を根づかせるために品揃えの充実を図っている。ケーズデンキの戦略的な店舗として自社のシェア拡大だけでなく、街の活性化に寄与することも視野に入れる。
※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2014年12月1日付 vol.1557より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは
ケーズデンキ柏中央店
店舗データ
住所:千葉県柏市十余二字庚塚276-60
オープン日:2014年10月16日
売り場面積:約7600m2
従業員数:約70人
人口が増え続ける柏市 群を抜く売り場面積でオープン
ここ数年、人口が増え続けている柏市。柏市によれば、今年11月1日の時点で約40万8000人に達している。人口増の要因の一つとして挙げられるのは、首都圏新都市鉄道のつくばエクスプレスだ。2005年に開通して以来、柏たなか駅や柏の葉キャンパス駅の周辺でマンションや戸建て、大型複合商業施設の建設が相次ぎ、これまで交通の便が決していいとはいえなかった西部エリアが新興ベッドタウンとして認識されるようになった。とくに、柏の葉キャンパス駅近くのららぽーと柏の葉には、休日になると遠方から多くのファミリーが訪れるショッピングエリアとして賑わっている。また、駅周辺には東京大学柏キャンパスや千葉大学柏の葉キャンパスなど学園都市としても知られている。一方、東部エリアは、主要な駅としてJR常磐線や東武アーバンパークラインの停車駅、柏があって、多くの市民が利用している。
つくばエクスプレスの柏の葉キャンパス駅前にあるららぽーと柏の葉には多くのファミリーが訪れる
柏市十余二周辺の国道16号には大型の家電量販店が密集
クルマでの移動は、神奈川から、東京・千葉を結ぶ国道16号があるので、非常に便利だ。平日・休日ともに交通量が多く、国道16号沿いにはレストランを中心に多くの店舗が建ち並んでいる。大山台には、ショッピングモールのイオンタウン松ヶ崎があって、休日にはクルマで訪れる人が多い。その周辺には、コジマ×ビックカメラ柏店やヤマダ電機テックランド柏店など、家電量販店が大型店舗を構えている。
国道16号をはさんで大山台の向かい側の十余二に出店したのがケーズデンキ柏中央店だ。10月16日にオープンし、「近くにお住まいの方は徒歩や自転車で、国道16号を通ってクルマで来られる方や、高速道路を使って来店してくださる方もおられる」と、執行役員も務める勝又浩一店長は幅広いエリアからの集客に手応えを感じている。現在も、40歳以上の年齢層が多く来店している。
カメラ関連製品の充実で差異化 体感や実演で購入意欲を促進
ケーズデンキにとって、柏中央店が出店する前は柏店が市内で唯一の店舗だった。柏店は、柏中央店からクルマで10分程度の西柏台に所在する。この店舗でヤマダ電機テックランド柏店やコジマ×ビックカメラ柏店と競争を繰り広げていたが、売り場面積が約990m2の小型店舗なので、品揃えで勝負するには厳しかった。では柏中央店はどうか。もともと物流会社の流通センターだった跡地に出店し、売り場面積が約7600m2と群を抜く広さだ。そのため、「品揃えで他店に負けない」ことをコンセプトに売り場づくりに取り組んでいる。
その一つがデジタルカメラ関連の品揃えだ。昨年9月、コジマNEW柏店がビックカメラのコラボレーション店舗として、コジマ×ビックカメラ柏店として生まれ変わって以来、デジタルカメラの品揃えがかなり充実した。さらに、JR柏駅の駅前にはビックカメラ柏店があって、デジタルカメラについてはビックカメラグループがシェアを握っている状況だった。そこで、勝又店長は「近隣の店舗に負けない品揃え」をコンセプトに、デジタルカメラ関連の品揃えを充実。しかも、通常はショーケースに入れていることが多いカメラレンズを、本体の近くに置いて試し撮りができるようにした。これで、「カメラ愛好家の来店が多い」という効果が現れている。
通常はショーケースに入れていることが多いカメラレンズを、本体の近くに置いて試し撮りができるようにした
また、勝又店長は「体感できる空間をさまざまな場所に設置しなければ、お客様の購入意欲を引き出すことはできない。話題になっているけれど実際には体感したことがない製品は、その傾向が強い」と判断。この問題を実演会によって解決した。例えば、低速搾汁方式で果物や野菜をしっかりと搾りきるヒューロムジューサーなどの試飲会を実施し、「お客様に試飲を勧めて、興味をもっていただくようにしている」。レンジなど調理家電などでも定期的に試食会を行っている。
低速搾汁方式で果物や野菜をしっかりと搾りきるヒューロムジューサーなどの試飲会を実施
デモコーナーについては、「いま最も力を入れているのはクリーナー。ロボット型では、広いスペースを確保して、どのように動き回っているのかを、お客様に理解してもらうようにしている」という。また、ダイソンのスティック型掃除機が人気を集めているということで「専用のコーナーを設けている」。
ダイソンのスティック型掃除機が人気を集めているということで「専用のコーナーを設けている」
接客については、誰でも理解することができる商品説明を心がけたり、購入してもらった商品をレジやクルマまで運ぶ気配りをしたりするなどで、お客様から高い評価を受けている。ケーズデンキ柏中央店が取り組んでいるファンづくりは、一人の購入者に対してだけではなく、「ファミリーでご来店された際、お子様にも喜んでいただくためのもの」と捉えている。幅広い年齢層が気軽に来店する店舗を目指しているのだ。
誰でも理解することができる商品説明を心がける
店長が語る人気の理由――勝又浩一 店長
茨城県の日立市やつくば市、栃木県宇都宮市などで、8000m2級の大型店舗を経験し、柏中央店は立ち上げから参画した。他店に負けない品揃えと、来店しやすい環境づくりに力を入れ、幸先のいいスタートを切っている。
競合店が近くにあるが、「十余二・大山台周辺を家電の街にしたい」との考えを示す。柏市や近隣市の住民が休日になると、国道16号沿いのケーズデンキ柏中央店を含めた3店舗を訪れる。この地域に行けば何でも揃うという意識を根づかせるために品揃えの充実を図っている。ケーズデンキの戦略的な店舗として自社のシェア拡大だけでなく、街の活性化に寄与することも視野に入れる。
■人気の理由
・7600m2の広い売り場面積に応じた充実した品揃え
・体感できるコーナーを多く設置
・わかりやすい説明や細やかな気配りのある接客
・7600m2の広い売り場面積に応じた充実した品揃え
・体感できるコーナーを多く設置
・わかりやすい説明や細やかな気配りのある接客
※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2014年12月1日付 vol.1557より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは