ノートPCの新しい選択肢・Chromebook、エイサーの「Chromebook C720」を試した
シェアがじわじわと伸びている第3のPC用OS、Chrome(クローム) OS。このグーグルのOSを搭載したノートPCを日本エイサー、デル、ASUSなどが続々と発売し、いま注目が集まっている。そもそもChromebookとは、どのようなノートPCなのだろうか。Windows PCとどこが違うのだろうか。人気の日本エイサーの「Chromebook C720」を使って、その特徴と利用法を紹介する。
Chromebookとは、米グーグルが開発したPC向けのOS、Chrome OSを搭載したノートPCのことだ。「Chrome」と聞いてウェブブラウザを連想した人も多いだろう。WindowsやMac OS上で利用できるウェブブラウザ、Chromeもグーグルが開発したもの。Chrome OSは、ウェブブラウザのChromeを拡張したものなのだ。
Chrome OSは、WindowsやMacのように、デスクトップ用のアプリケーションをPCに追加するのではなく、すべてクラウド上に存在するブラウザで動作するアプリケーションを利用する仕様となっている。インターネットに接続していないと使用できないアプリケーションもあるが、PCにアプリケ-ションをため込む必要がなく、PCが重くならないので常に快適に使用できる。アプリケーションは、Googleアカウントで管理しているので、PCやタブレット端末、スマートフォンとデバイスを変えても同一のGoogleアカウントでログインすることで共有できる。
アプリケーションだけではない。データもPC本体ではなくクラウドに保存する。写真や動画、音楽、テキストデータなどはオンラインストレージ「Googleドライブ」に保存できるので、PC本体に大容量の内蔵ストレージは必要ない。「Googleドライブ」は通常15GBを無料で利用できるが、Chromebook購入者は、100GBを2年間無料で利用できる。
また、ブラウジングが快適にできる程度のスペックがあれば十分なので、メモリやストレージ容量が少ないモデルが多い。だからコストを抑えることができ、「Chromebook」は比較的低価格で手に入れることができるのだ。これもChromebookの魅力の一つだ。
さっそく「Chromebook C720」を使った。電源ボタンを押すと、わずか約7秒で画面が点灯。起動画面で待たされる感覚はほとんどない。Windowsを搭載したノートPCのスリープからの復活よりも速い印象だった。
Chrome OSのデスクトップは、「シェルフ」と呼ばれるタスクバーにChromeランチャーとログイン情報があるだけのシンプルなデザインだ。シェルフは、ランチャーに入っているウェブアプリケーションのアイコンを表示したり、ランチャーから起動したウェブアプリケーションを表示したりできる。シェルフに表示されたアプリケーションのアイコンをクリックするとブラウザが立ち上がり、サービスを表示する仕組みだ。操作は一般的なノートPCとそれほど変わらず、初めてでもすぐ使うことができた。
「Googleドライブ」やオフィスソフト「Google スプレッドシート」などを使った限りでは、ブラウザ上の動作はWindowsやMacでChromeを使って操作するのとほとんど同じで、特に操作で悩むこともなく使用できた。また、Word、Excel、PowerPointのファイルを開くことができた。
キーボードは一部のキーが特殊なレイアウトだが、実際に使ったときはそれほど気にならなかった。唯一、タッチパッドのスクロール操作がWindowsとは逆向きで最初はとまどったが、これもすぐに慣れた。設定を変更できるので、気になるようなら設定画面から変更しよう。
「Chromebook C720」をしばらく使って感じたのが、通常のビジネスユースなら、まったく問題がないということ。オフィス文書の表示互換性などの課題はあるが、高度なマクロを組んだり、きっちりしたレイアウトを組んだりするのでなければ、それほど問題はなさそうだ。
Chromebookならではの使い方としてオススメなのが、家族との共有だ。アプリケーション、データをクラウドに保存しているので、ChromebookからGoogleにログインすると即座にブラウザ上で自分の作業環境が使える。また、メールや写真などのプライベートなデータを家族に見られる心配がない。
さらに、起動時にOSとセキュリティを自動でアップデートするので、常に最新のセキュリティ環境で作業することができるので安心だ。保護領域でプログラムを実行するサンドボックスや、データの暗号化、セキュアブートなどのマルチセキュリティも備えている。
Chromebookは、現在、米国のノートPCの約3割がChromebookというほど高い人気をもつノートPCのカテゴリ。Chromebook先進国の米国で最も支持を得ているPCメーカーがエイサーであり、そのエイサーの人気機種が、今回レビューに使った「Chromebook C720」だ。
「Chromebook C720」は、11.6型液晶を搭載したモバイルPCだ。CPUはインテルのCeleron 2955U(1.40GHz)を採用し、4GのBメモリ、16GBのSSDを搭載。ブラウジングに十分なスペックを備えている。
CPUの省エネ性能が高く、バッテリ駆動時間は最大8.5時間と、一日中安心して使うことができる。また、Bluetoothに対応し、ヘッドセットなどをワイヤレスで接続できる。本体左側面に、HDMI端子、USB3.0端子を、反対側にUSB2.0端子とSDメモリスロットと、十分なインターフェースを備えている。重量は1.25㎏と軽いので、カバンに入れて持ち歩くことができる。モバイルPCとして十分なスペックを備えながら、3万円前後で手に入れられるお手頃感も魅力の一つだ。
すでに「Chromeストア」には、便利に使うことができるアプリが多数登場している。これらのアプリを利用して、「Chromebook C720」の機能をさらに拡張できる。これからも進化を続ける「Chromebook」。日本エイサーの「Chromebook C720」を手に入れて、いち早く「Chrome OS」のよさを体験してほしい。(デジタル家電ライター/コヤマタカヒロ)
日本エイサーの「Chromebook C720」
グーグルが開発した新クラウドOS ブラウザ上でさまざまな作業ができる
Chromebookとは、米グーグルが開発したPC向けのOS、Chrome OSを搭載したノートPCのことだ。「Chrome」と聞いてウェブブラウザを連想した人も多いだろう。WindowsやMac OS上で利用できるウェブブラウザ、Chromeもグーグルが開発したもの。Chrome OSは、ウェブブラウザのChromeを拡張したものなのだ。
Chrome OSは、WindowsやMacのように、デスクトップ用のアプリケーションをPCに追加するのではなく、すべてクラウド上に存在するブラウザで動作するアプリケーションを利用する仕様となっている。インターネットに接続していないと使用できないアプリケーションもあるが、PCにアプリケ-ションをため込む必要がなく、PCが重くならないので常に快適に使用できる。アプリケーションは、Googleアカウントで管理しているので、PCやタブレット端末、スマートフォンとデバイスを変えても同一のGoogleアカウントでログインすることで共有できる。
「Googleドライブ」でデータを共有する
アプリケーションだけではない。データもPC本体ではなくクラウドに保存する。写真や動画、音楽、テキストデータなどはオンラインストレージ「Googleドライブ」に保存できるので、PC本体に大容量の内蔵ストレージは必要ない。「Googleドライブ」は通常15GBを無料で利用できるが、Chromebook購入者は、100GBを2年間無料で利用できる。
また、ブラウジングが快適にできる程度のスペックがあれば十分なので、メモリやストレージ容量が少ないモデルが多い。だからコストを抑えることができ、「Chromebook」は比較的低価格で手に入れることができるのだ。これもChromebookの魅力の一つだ。
起動が速く手軽に使える 一台を複数人で共有するのに最適
さっそく「Chromebook C720」を使った。電源ボタンを押すと、わずか約7秒で画面が点灯。起動画面で待たされる感覚はほとんどない。Windowsを搭載したノートPCのスリープからの復活よりも速い印象だった。
Chromebookを起動
Chrome OSのデスクトップは、「シェルフ」と呼ばれるタスクバーにChromeランチャーとログイン情報があるだけのシンプルなデザインだ。シェルフは、ランチャーに入っているウェブアプリケーションのアイコンを表示したり、ランチャーから起動したウェブアプリケーションを表示したりできる。シェルフに表示されたアプリケーションのアイコンをクリックするとブラウザが立ち上がり、サービスを表示する仕組みだ。操作は一般的なノートPCとそれほど変わらず、初めてでもすぐ使うことができた。
アプリ一覧を開いたところ
「Googleドライブ」やオフィスソフト「Google スプレッドシート」などを使った限りでは、ブラウザ上の動作はWindowsやMacでChromeを使って操作するのとほとんど同じで、特に操作で悩むこともなく使用できた。また、Word、Excel、PowerPointのファイルを開くことができた。
キーボードは一部のキーが特殊なレイアウトだが、実際に使ったときはそれほど気にならなかった。唯一、タッチパッドのスクロール操作がWindowsとは逆向きで最初はとまどったが、これもすぐに慣れた。設定を変更できるので、気になるようなら設定画面から変更しよう。
「Chromebook C720」のキーボード
「Chromebook C720」をしばらく使って感じたのが、通常のビジネスユースなら、まったく問題がないということ。オフィス文書の表示互換性などの課題はあるが、高度なマクロを組んだり、きっちりしたレイアウトを組んだりするのでなければ、それほど問題はなさそうだ。
Chromebookならではの使い方としてオススメなのが、家族との共有だ。アプリケーション、データをクラウドに保存しているので、ChromebookからGoogleにログインすると即座にブラウザ上で自分の作業環境が使える。また、メールや写真などのプライベートなデータを家族に見られる心配がない。
さらに、起動時にOSとセキュリティを自動でアップデートするので、常に最新のセキュリティ環境で作業することができるので安心だ。保護領域でプログラムを実行するサンドボックスや、データの暗号化、セキュアブートなどのマルチセキュリティも備えている。
米国1位の高いシェアを誇るエイサー 人気モデルの「Chromebook C720」
Chromebookは、現在、米国のノートPCの約3割がChromebookというほど高い人気をもつノートPCのカテゴリ。Chromebook先進国の米国で最も支持を得ているPCメーカーがエイサーであり、そのエイサーの人気機種が、今回レビューに使った「Chromebook C720」だ。
「Chromebook C720」は、11.6型液晶を搭載したモバイルPCだ。CPUはインテルのCeleron 2955U(1.40GHz)を採用し、4GのBメモリ、16GBのSSDを搭載。ブラウジングに十分なスペックを備えている。
インターフェースを豊富に備えている
CPUの省エネ性能が高く、バッテリ駆動時間は最大8.5時間と、一日中安心して使うことができる。また、Bluetoothに対応し、ヘッドセットなどをワイヤレスで接続できる。本体左側面に、HDMI端子、USB3.0端子を、反対側にUSB2.0端子とSDメモリスロットと、十分なインターフェースを備えている。重量は1.25㎏と軽いので、カバンに入れて持ち歩くことができる。モバイルPCとして十分なスペックを備えながら、3万円前後で手に入れられるお手頃感も魅力の一つだ。
重量は1.25㎏と軽く、携帯性は高い
すでに「Chromeストア」には、便利に使うことができるアプリが多数登場している。これらのアプリを利用して、「Chromebook C720」の機能をさらに拡張できる。これからも進化を続ける「Chromebook」。日本エイサーの「Chromebook C720」を手に入れて、いち早く「Chrome OS」のよさを体験してほしい。(デジタル家電ライター/コヤマタカヒロ)