Mac用の外付けストレージ「StoreJet for Mac」 Thunderbolt×SSDの超高速を体感!

レビュー

2014/11/28 12:36

 Mac用の外付けストレージ「StoreJet for Mac」シリーズが11月中旬に登場した。その名の通り「Mac専用」を高らかにうたう外付けストレージで、Macのデザインに合わせたアルミニウムのボディを採用している。

SSD搭載の「StoreJet 500」

 「StoreJet for Mac」シリーズは、記憶ストレージにSSDを採用した「StoreJet 500」、HDDを採用した「StoreJet 300」「StoreJet 100」がある。「StoreJet 500」「StoreJet 300」は、アルミニウムの上質な手触りのシャーシを採用し、エッジをシャープに仕上げることでMacとの親和性を高めた。一方、下位モデルの「StoreJet 100」は内部サスペンション構造でシリコーン製素材の耐衝撃性にすぐれたシャーシを採用している。

 スタイリッシュな外観は、アップルのノートPC、Macbookシリーズや一体型のiMacと並べて置くとよくマッチする。筆者が使っているMacbook Pro Retina(Mid 2014)と「StoreJet 500」を並べたところ、見事なデザインマッチングだった。

Macbookとデザインがマッチする

 Macの高速インターフェース、Thunderboltに対応している点もポイント。Thunderboltは、アップルとインテルが共同開発したコンピュータに周辺機器を接続するためのシリアルバス規格の一つだ。

 近年、アップルがリリースしたデスクトップPC/ノートPCは、Tunderboltを標準装備している。端子部分に小さな稲妻のマークがついているのが目印だ。規格の転送速度は読込み/書込みともに理論値で最大10Gbpsで、一般に普及しているUSB2.0の480Mbpsの約20倍、USB3.0の5Gbpsと比べても2倍のハイスピードでデータを転送する。

最新のMacはThunderboltを備えている

 Macを使っていて、ストレスなくデータのやり取りをしたい人にとって、Thunderbolt対応の「StoreJet for Mac」シリーズはまさにオススメ。さらにSSDの「StoreJet 500」なら、サクサクとデータ転送できる。手持ちのMacのThunderboltに「StoreJet 500」を接続して、データの転送がどれほど速いか試した。

Thunderbolt×SSDで驚きの速さ



 SSDはHDDのように内部に駆動部がないので、データアクセスが速く、動作が静かで衝撃に強い。しかし、これまで比較的価格が高かったことから、128GBなどの小容量のものをPCに内蔵し、システムの起動時間を短縮する目的で使われてきた。だが、最近はSSDの低価格化が進み、さらに大容量モデルも増えたことで、ひと昔前に比べ、驚くほど低価格で大容量モデルを手に入れることができるようになった。

 「StoreJet 500」も、256GBモデルだけではなく512GB/1TBの大容量モデルをラインアップ。1TBモデルなら、高画素のデジタルカメラで撮影した写真もフルハイビジョンの動画も、たっぷりと保存できる。この1TBモデルで、転送速度を測った。

 筆者は、職業柄、オーディオ製品を試聴・評価するためにハイレゾリューション(ハイレゾ)の音源をよく購入する。ハイレゾは情報量の多いファイルで、アルバムを一つダウンロードすると容量が1~2GBを平気で超えてしまうストレージ泣かせのデータだ。当然ながら、PCの内蔵ストレージに保存するとあっという間に空き領域がなくなってしまうので、いまはUSB2.0の外付けHDDにデータをバックアップしている。

「StoreJet 500」をMacに接続

 今回は、容量2.77GBのアルバムデータを、所有しているUSB2.0対応のHDDと「StoreJet 500」にそれぞれMacからコピーして、転送が完了するまでの時間をストップウォッチで計った。

 結果は、USB2.0対応のHDDが1分4秒72だったのに対して、「StoreJet 500」は10秒98と驚異的な速さを記録した。「StoreJet 500」の最大転送速度(理論値)は読込みで440MB/s、書込みで300MB/s。スペック比較ではもちろんのこと、体感でもそのスピードの差を実感できた。これで、一気に購買意欲に火がついた!

上が「StoreJet 500」、下がUSB2.0対応HDD

 では、もう少しデータ容量を増やして、10GB前後のデータではどうだろうか。RAWデータを中心に、10GBほどの画像データをフォルダに格納して「StoreJet 500」にコピーしたところ、転送にかかった時間はたったの34秒13だった。

10GBのデータも34秒13でコピーが完了

 「StoreJet 500」は136gととても軽いうえ、SSDなのでHDDよりも耐衝撃性能にすぐれている。例えば、カメラマンが常時携帯するポータブルストレージとしても最適だ。1本あたりのファイル容量が大きくなる動画やCAD、グラフィックデザインのデータを保存して持ち歩くのにも、「StoreJet 500」のようにポータビリティが高く、超高速のポータブルストレージがあれば非常に心強い。デザインはスタイリッシュだし、まさにクリエイター必携のアイテムといえる。

手のひらに収まるコンパクトサイズ

 もう一つ、Mac用として便利なのが、「StoreJet for Mac」シリーズがMac OSが使っている主要ファイルシステムのHFS+にあらかじめフォーマット済みであること。Thunderboltケーブルが付属しているので、買ってすぐMacにつないで、バックアップなどの用途に利用できる。もちろん、ドライバのインストールも不要だ。さらに、トランセンドのサイトからバックアップのデータマネージメント・アプリケーション「Transcend Elite(Mac/Win両対応)」をダウンロードすれば、より簡単にバックアップなどのタスク管理ができる。

無料のバックアップ管理アプリケーション「Transcend Elite」

 さらに、Thunderboltのほか、USB3.0のインターフェースに対応している点は見逃せない。「StoreJet for Mac」シリーズは、USB3.0をさらに高速化するUASP(USB Attached SCSI Protocol)の機能を搭載する。UASPによる高速データ転送を利用するには、ストレージとPCの双方がUASPに対応している必要があるが、2012年の後半以降に発売された0S X 10.8以降のMacなら利用できるはずだ。

「StoreJet 500」はThunderboltとUSB端子を備える

 「StoreJet for Mac」シリーズは、FAT32/exFAT/NTFSのいずれかに再フォーマットをかければWindows PCでも使うことができる。USB3.0のインターフェースとWindows 8搭載のPCなら、こちらもUASPによる高速転送を使える場合がある。

 大容量で信頼性が高く、さらに驚くほどの転送速度をもつ「StoreJet 500」があれば、ビジネスの効率は飛躍的に上がり、音楽リスニングや動画鑑賞などエンタテインメント用のふだん使いでも、ひと味ちがう快適さを実感できるはずだ。(オーディオ・ビジュアルライター 山本敦)