「巡音ルカ」や「結月ゆかり」など「VOCALOID4」対応の音声ライブラリ、来年続々登場
ヤマハは、「初音ミク」などで知られる音声合成ソフト「VOCALOID」の新バージョン「VOCALOID4」を12月下旬に発売する。2011年発売の「VOCALOID3」以来、3年ぶりのバージョンアップだ。
「VOCALOID」は、歌詞とメロディを入力するだけで楽曲のボーカルパートを制作できるソフトウェア。最新版の「VOCALOID4」は、音声合成品質の向上に加え、新たに「グロウル機能」「クロスシンセシス機能」を搭載する。
「グロウル」は、声を激しく震わせて唸るような効果。「あ゛あ゛あ゛あ゛……」というような唸り声やがなり声を実現でき、ロックやジャズなどの楽曲を歌わせたいときに最適だ。唸り具合は、歌声パラメータに追加した「グロウル(GWL)」で調整できる。
なお、歌声ライブラリごとに収録したグロウル波形を合成することで実現しているので、「VOCALOID4」対応の歌声ライブラリでのみ使用できる。
「クロスシンセシス」は、音声ライブラリ間で自由に音色をコントロール。例えば、これまで「初音ミク V3」では「ORIGINAL」「SWEET」「DARK」「SOFT」「SOLID」と、五つの異なる音質データベースがあった。
「クロスシンセシス」を使うことで、例えば、序盤をやさしい声で歌わせ、曲が盛り上がってきたところで徐々にパワフルな声へ変化させることができる。「VOCALOID4/3」対応音声ライブラリで使用できる。
「VOCALOID4」上で「VOCALOID2」対応音声ライブラリを利用することは可能だが、音声ライブラリ側がグロウル、クロスシンセシスに対応していないため、両機能を使うことができない。そこで、音声ライブラリを発売するメーカーは新たに「VOCALOID4」対応音声ライブラリの開発を発表した。
「初音ミク」「鏡音リン/レン」などを展開するクリプトン・フューチャー・メディアは、「巡音ルカ」を「VOCALOID4」に対応させ、「巡音ルカV4X」として2015年2月下旬に発売する。税込み価格は1万7280円。
「初音ミク」の生みの親、クリプトン・フューチャー・メディアの佐々木渉さんは「『巡音ルカ』の『VOCALOID3』版を開発しているとき、今年の夏から秋ぐらいに『VOCALOID4』の発売の話を聞き、『VOCALOID4』版に切り替えて開発を進めている」と経緯を語った。現在、「巡音ルカ」のなかの人こと、声優の浅川悠さんが収録に勤しんでいるという。
「巡音ルカV4X」は、「VOCALOID4」の新機能である「グロウル」や「クロスシンセシス」に対応するほか、独自機能として「E.V.E.C.(Enhanced Voice Expression Control) Voice Color」「E.V.E.C. Voice Release」を搭載する。「E.V.E.C.) Voice Color」は音符一つひとつに「強い」や「ささやき」などの表情を設定でき、「E.V.E.C. Voice Release」はフレーズの語尾に吐息を加えることができる。
また、「巡音ルカ V4X」をインストールすることで、「Piapro Studio」のエンジンが「VOCALOID3エンジン」から「VOCALOID4エンジン」にアップグレードし、「初音ミク V3」「KAITO V3」「MEIKO V3」でも、「VOCALOID4エンジン」の機能を使うことができる。
AHSは、「VOCALOID2」対応音声ライブラリ「ボカロ小学生 歌愛ユキ」「ボカロ先生 氷山キヨテル」「SF-A2 開発コード miki」「猫村いろは」の4タイトルを「VOCALOID4」に対応させる。
AHSの尾形友秀代表取締役は「『VOCALOID2』対応音声ライブラリでも『VOCALOID3』で使うことができたので、これまであえて新しいパッケージを発売しなかった。だが、昨年『VOCALOID3』のMac版が登場し、『VOCALOID2』対応音声ライブラリが使えなくなったので、『VOCALOID3』版を開発しようと思っていた。そのとき、ちょうど『VOCALOID4』の話を(ヤマハから)聞いた」と話し、「VOCALOID4」対応版の開発に乗り出した経緯を説明した。発売は2015年の予定だ。
また、「結月ゆかり」の「VOCALOID4」プロジェクトも始動する。ウィスパー系ボイスの新音源「穏(おん)」を搭載し、これまでよりもやさしい歌い声を楽しめる。「柔らかい、ささやくような歌い方を究極まで追求しようと作成中」と尾形代表取締役は話す。発売は2015年第1四半期の予定だ。
左から浅川さん、ヤマハの剣持秀紀VOCALOIDプロジェクト リーダー、クリプトンの佐々木さん、AHSの尾形代表取締役
「VOCALOID」は、歌詞とメロディを入力するだけで楽曲のボーカルパートを制作できるソフトウェア。最新版の「VOCALOID4」は、音声合成品質の向上に加え、新たに「グロウル機能」「クロスシンセシス機能」を搭載する。
「グロウル」は、声を激しく震わせて唸るような効果。「あ゛あ゛あ゛あ゛……」というような唸り声やがなり声を実現でき、ロックやジャズなどの楽曲を歌わせたいときに最適だ。唸り具合は、歌声パラメータに追加した「グロウル(GWL)」で調整できる。
「VOCALOID4」の操作画面
なお、歌声ライブラリごとに収録したグロウル波形を合成することで実現しているので、「VOCALOID4」対応の歌声ライブラリでのみ使用できる。
「クロスシンセシス」は、音声ライブラリ間で自由に音色をコントロール。例えば、これまで「初音ミク V3」では「ORIGINAL」「SWEET」「DARK」「SOFT」「SOLID」と、五つの異なる音質データベースがあった。
「クロスシンセシス」を使うことで、例えば、序盤をやさしい声で歌わせ、曲が盛り上がってきたところで徐々にパワフルな声へ変化させることができる。「VOCALOID4/3」対応音声ライブラリで使用できる。
音声ライブラリの対応表
「VOCALOID4」上で「VOCALOID2」対応音声ライブラリを利用することは可能だが、音声ライブラリ側がグロウル、クロスシンセシスに対応していないため、両機能を使うことができない。そこで、音声ライブラリを発売するメーカーは新たに「VOCALOID4」対応音声ライブラリの開発を発表した。
クリプトンは「VOCALOID4」対応の「巡音ルカ」を来年2月に
「初音ミク」「鏡音リン/レン」などを展開するクリプトン・フューチャー・メディアは、「巡音ルカ」を「VOCALOID4」に対応させ、「巡音ルカV4X」として2015年2月下旬に発売する。税込み価格は1万7280円。
「初音ミク」の生みの親、佐々木 渉さん
「初音ミク」の生みの親、クリプトン・フューチャー・メディアの佐々木渉さんは「『巡音ルカ』の『VOCALOID3』版を開発しているとき、今年の夏から秋ぐらいに『VOCALOID4』の発売の話を聞き、『VOCALOID4』版に切り替えて開発を進めている」と経緯を語った。現在、「巡音ルカ」のなかの人こと、声優の浅川悠さんが収録に勤しんでいるという。
「巡音ルカ」の声を担当している浅川悠さん
「巡音ルカV4X」は、「VOCALOID4」の新機能である「グロウル」や「クロスシンセシス」に対応するほか、独自機能として「E.V.E.C.(Enhanced Voice Expression Control) Voice Color」「E.V.E.C. Voice Release」を搭載する。「E.V.E.C.) Voice Color」は音符一つひとつに「強い」や「ささやき」などの表情を設定でき、「E.V.E.C. Voice Release」はフレーズの語尾に吐息を加えることができる。
また、「巡音ルカ V4X」をインストールすることで、「Piapro Studio」のエンジンが「VOCALOID3エンジン」から「VOCALOID4エンジン」にアップグレードし、「初音ミク V3」「KAITO V3」「MEIKO V3」でも、「VOCALOID4エンジン」の機能を使うことができる。
巡音ルカV4X
「VOCALOID2」対応の4タイトルを「VOCALOID4」対応にバージョンアップ
AHSは、「VOCALOID2」対応音声ライブラリ「ボカロ小学生 歌愛ユキ」「ボカロ先生 氷山キヨテル」「SF-A2 開発コード miki」「猫村いろは」の4タイトルを「VOCALOID4」に対応させる。
4タイトルが「VOCALOID4」対応にバージョンアップ
AHSの尾形友秀代表取締役は「『VOCALOID2』対応音声ライブラリでも『VOCALOID3』で使うことができたので、これまであえて新しいパッケージを発売しなかった。だが、昨年『VOCALOID3』のMac版が登場し、『VOCALOID2』対応音声ライブラリが使えなくなったので、『VOCALOID3』版を開発しようと思っていた。そのとき、ちょうど『VOCALOID4』の話を(ヤマハから)聞いた」と話し、「VOCALOID4」対応版の開発に乗り出した経緯を説明した。発売は2015年の予定だ。
開発の経緯を語る尾形代表取締役
また、「結月ゆかり」の「VOCALOID4」プロジェクトも始動する。ウィスパー系ボイスの新音源「穏(おん)」を搭載し、これまでよりもやさしい歌い声を楽しめる。「柔らかい、ささやくような歌い方を究極まで追求しようと作成中」と尾形代表取締役は話す。発売は2015年第1四半期の予定だ。
結月ゆかり