iPad Cellularモデルも三つ巴の争いに 「iPad Air/iPad mini Retina」のシェアトップのキャリアは?
「iPad」が登場して、来年で5年。メインはWi-Fiモデルだが、単体でインターネットに接続でき、外出先や移動中など、さまざまな場所で利用できるWi-Fi + Cellularモデル(セルラーモデル)も一定のニーズを集め、コンスタントに売れている。今回は、iPhone同様にドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルの3キャリアが販売する「iPad Air」と「iPad mini Retinaディスプレイモデル(iPad mini Retina)」のセルラーモデルの売れ行きを振り返った。
※「iPad mini Retinaディスプレイモデル」は、「iPad mini 3」の発表にあわせ、「iPad mini 2」に名称が変更されましたが、本記事では当初の名称で記載します。
家電量販店の実売データを集計する「BCNランキング」によると、「iPad Air」と「iPad mini Retina」のセルラーモデルを合算した2013年11月1日から今年10月12日の累計でのキャリア別販売台数シェアは、ソフトバンク47.7%、au36.6%、ドコモ15.7%。ソフトバンクが2位のauに10ポイント以上の大差をつけ、トップに立っている。
オリジナルの「iPad」と同じ9.7インチの「iPad Air」に限ると、ソフトバンク50.8%、au36.4%、ドコモ12.9%で、ソフトバンクのリードはさらに広がる。このサイズが気に入り、当時、ソフトバンクだけが販売していた「第3世代iPad」や「iPad 2」などから機種変更する人が多いからだろう。逆に、7.9インチの「iPad mini Retina」は、ソフトバンク43.2%、au36.9%、ドコモ20.0%と、3社の差は縮まる。
とはいえ、以前からiPhone/iPadを取り扱ってきたソフトバンク、auと、昨年秋のiPhoneに続き、今年6月から新たに「iPad」の取扱いを開始したドコモでは、販売開始時期が異なるので、発売日を起点とした累計でのシェアは、各キャリアの実力を示しているとは言い難く、評価は難しい。
ドコモの参入を受け、6月1日以降、ソフトバンク、auのシェアは下がった。しかし、アップルの最新スマートフォン「iPhone 6/6 Plus」発売後、ソフトバンクのシェアは再び40%台後半に上昇し、他社を引き離した。この数値は、日本時間10月17日に発表された新モデル「iPad Air 2」「iPad mini 2」のセルラーモデルのシェア争いの結果を予想する際の参考になるだろう。販売台数自体も、「iPhone 6/6 Plus」の発売前に比べ、やや増加している。新しい「iPhone」をきっかけに「iPad」にも興味をもち、店員に薦められて「iPhone」と「iPad」を同時に購入するケースが増えたようだ。
各社とも、同じiOSを搭載した「iPhone」と「iPad」の組み合わせを中心に、スマートフォンと通信機能つきタブレット端末のセット利用の拡販に力を入れている。今回のソフトバンクの大幅なシェア上昇は、9月19日に開始した「iPadセット割」のキャンペーン効果によるものかもしれない。
「iPadセット割」は、新料金プラン「スマ放題」に加入し、スマートフォンまたは従来型携帯電話(ケータイ)とiPad(iPad Air/iPad mini Retina)をセットで利用すると、最大1年間、通常は合計2500円かかるiPadを0円で使用できるキャンペーン。他社の同様のセット割引とは異なり、「ケータイ+iPad」という組み合わせでも適用される。割引額は月2500円から1000円に減るが、最も月額料金の安い「データ定額パック・小容量(2GB)」もOKだ。「解約・機種変更時にiPadを下取りに出す」などの条件があるものの、契約しているデータ容量の上限まで使い放題にも関わらず、「通信料金ゼロ」のインパクトは大きい。
便利だが、割高というイメージのあるセルラーモデルに対するニーズを引き出すためには、ソフトバンク独自の「iPadセット割」のように、ケータイユーザーもターゲットに含めたキャンペーンが必要だろう。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベース(パソコンの場合)で、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。
※「iPad mini Retinaディスプレイモデル」は、「iPad mini 3」の発表にあわせ、「iPad mini 2」に名称が変更されましたが、本記事では当初の名称で記載します。
約1年間の累計ではソフトバンクがトップ シェアは約5割
家電量販店の実売データを集計する「BCNランキング」によると、「iPad Air」と「iPad mini Retina」のセルラーモデルを合算した2013年11月1日から今年10月12日の累計でのキャリア別販売台数シェアは、ソフトバンク47.7%、au36.6%、ドコモ15.7%。ソフトバンクが2位のauに10ポイント以上の大差をつけ、トップに立っている。
iPad AirとiPad mini Retinaディスプレイモデル(iPad mini 2)
とはいえ、以前からiPhone/iPadを取り扱ってきたソフトバンク、auと、昨年秋のiPhoneに続き、今年6月から新たに「iPad」の取扱いを開始したドコモでは、販売開始時期が異なるので、発売日を起点とした累計でのシェアは、各キャリアの実力を示しているとは言い難く、評価は難しい。
新iPhone発売後、iPadの販売台数がやや増加 セット購入が増える?
ドコモの参入を受け、6月1日以降、ソフトバンク、auのシェアは下がった。しかし、アップルの最新スマートフォン「iPhone 6/6 Plus」発売後、ソフトバンクのシェアは再び40%台後半に上昇し、他社を引き離した。この数値は、日本時間10月17日に発表された新モデル「iPad Air 2」「iPad mini 2」のセルラーモデルのシェア争いの結果を予想する際の参考になるだろう。販売台数自体も、「iPhone 6/6 Plus」の発売前に比べ、やや増加している。新しい「iPhone」をきっかけに「iPad」にも興味をもち、店員に薦められて「iPhone」と「iPad」を同時に購入するケースが増えたようだ。
期間 | 新iPhone発売前・直近3か月間 (2014年6月1日~9月18日) |
新iPhone発売後 (2014年9月19日~10月12日) |
SoftBank | 35.1% | 45.5% |
au | 34.9% | 23.6% |
ドコモ | 29.9% | 30.9% |
「BCNランキング」 日次合算<最大パネル>
各社とも、同じiOSを搭載した「iPhone」と「iPad」の組み合わせを中心に、スマートフォンと通信機能つきタブレット端末のセット利用の拡販に力を入れている。今回のソフトバンクの大幅なシェア上昇は、9月19日に開始した「iPadセット割」のキャンペーン効果によるものかもしれない。
「iPadセット割」は、新料金プラン「スマ放題」に加入し、スマートフォンまたは従来型携帯電話(ケータイ)とiPad(iPad Air/iPad mini Retina)をセットで利用すると、最大1年間、通常は合計2500円かかるiPadを0円で使用できるキャンペーン。他社の同様のセット割引とは異なり、「ケータイ+iPad」という組み合わせでも適用される。割引額は月2500円から1000円に減るが、最も月額料金の安い「データ定額パック・小容量(2GB)」もOKだ。「解約・機種変更時にiPadを下取りに出す」などの条件があるものの、契約しているデータ容量の上限まで使い放題にも関わらず、「通信料金ゼロ」のインパクトは大きい。
便利だが、割高というイメージのあるセルラーモデルに対するニーズを引き出すためには、ソフトバンク独自の「iPadセット割」のように、ケータイユーザーもターゲットに含めたキャンペーンが必要だろう。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベース(パソコンの場合)で、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。