<地域No.1店舗の売れる秘訣・コジマ×ビックカメラ習志野店>リニューアルで来店者は20%増 「楽しい接客」が固定客獲得のカギ
6月7日、千葉県船橋市のコジマNEW習志野店がコジマ×ビックカメラ習志野店としてリニューアルオープンした。来店者は、リニューアル前に比べて20%増。旧店舗で3km前後だった商圏は、5~7kmまで広がった。工場街からショッピングエリアに変わりつつある習志野で、気軽に来店できる環境づくりに力を入れ、お客様を楽しませる接客で固定客を獲得している。(取材・文/佐相彰彦)
コジマ×ビックカメラ習志野店
店舗データ
住所 千葉県船橋市習志野4-5-5
オープン日 2014年6月7日(リニューアル)
売り場面積 約4000m2
従業員数 45人
かつて習志野騎兵第一旅団の司令部が置かれていたことで、その地名がついた習志野。船橋市習志野の近くには、現在も自衛隊習志野駐屯部隊演習場があり、周辺には化学薬品や金属、建材関連の工場が建ち並んでいる。また、船橋市習志野は、市を南北に貫く実籾街道沿いを中心に、徐々にではあるが、ショッピングエリアに生まれ変わりつつある。習志野5丁目の大規模マンション、フェアロージュ津田沼の近くにはスーパーのマルエツ東習志野店のほか、複数のレストランが店を構える。家電量販店では、ヤマダ電機テックランド船橋店が出店している。
コジマ×ビックカメラ習志野店は、隣の習志野4丁目にある複合商業施設に入っている。同じ建物のなかには、中古デジタル機器販売のハードオフやスポーツ用品店、ファミリーレストランなどが出店し、平日の夕方や休日などは多くの人で賑わっている。
リニューアル前のコジマNEW習志野店は、白物家電中心の品揃え。商圏は3km程度で、近くに住む60歳前後のお客様が客層の中心だったという。ところが、同じ建物に入るハードオフやスポーツ店のお客様は、小学生の子どもをもつ家族や大学生などが中心。客層が異なることから、複合施設に出店しているメリットを享受していなかった。そこで、複合施設のお客様の来店を促すため、デジタルカメラを中心に、デジタル機器に強いビックカメラの要素を入れることにして、6月7日、コジマ×ビックカメラ習志野店として生まれ変わった。大高忠雄店長は、「オープンから3か月が経過した時点で、商圏は5~7kmに広がり、これまでとは異なる層のお客様が増えている」と、手応えを語る。
これまでとは異なる客層というのは、幼児や小学生の子どもをもつ家族だ。これまでも、施設内の他店を訪れたついでに来店するケースはあったが、購入に結びつくことは少なかった。購入者の中心は近所の住民で、白物家電の売上比率が圧倒的に高かった。しかし、リニューアル後は「白物家電の売上規模は変わらず、デジタル機器と白物家電の売上比率が逆転している」と、大高店長はリニューアルの効果を表現する。
デジタル機器の販売が増えているのは、品揃えの充実が理由。「なかでもテレビの品揃えをほかのコジマ×ビックカメラの2倍にした」という。しかも、テレビコーナーにはソファを置き、コンテンツを視聴できるようにしている。「自宅でくつろいでいる感覚で、ゆったりとリラックスして視聴できるようにした」(大高店長)。また、ビックカメラが得意とするデジタルカメラの品揃えを充実させ、さらに、カメラ周辺機器を拡充した。「現在は秋の運動会シーズンということで、三脚の品揃えをリニューアル前の2倍に増やしている」(大高店長)と、季節に応じて強化するジャンルを柔軟に変える作戦だ。
白物家電は、実機を体験・体感できるようにしている。「とくに、ご家庭によって好みが分かれるクリーナーコーナーに工夫を凝らした」(大高店長)。一般のクリーナーは、自宅と似た環境で試すことができるよう、コーナーの床にジュウタンを敷いた。また、人気のロボットクリーナーには専用のブースを設け、さらにスティック式クリーナーの品揃えを充実させた。これによって、リニューアル後はクリーナーの売れ行きが非常によく、「とくにスティック式クリーナーは昨年の2倍は売れている」という。
デジタル機器の充実と白物家電コーナーの工夫によって、商圏5~7kmの家族連れを新しいお客様として獲得し、「来店者はリニューアル前の20%増」(大高店長)と、幸先のいいスタートを切ったコジマ×ビックカメラ習志野店。それでも大高店長は、「せっかく獲得したお客様を減らしてはならない」と、気を引き締めている。お客様の固定化に向けて強化しているのは、やはり接客だ。「この地域のお客様は大らかで、会話を楽しむ方が多い。習志野近辺の『あるある話』や時事ネタなどで心をつかんで、お客様のデジタル機器や家電の『困りごと』を聞き出して、相談に乗っている」という。また、日用品コーナーのスペースを広く確保。大高店長は、「ご自宅に帰る途中に、気軽に立ち寄っていただく環境をつくることで、リピートにつなげる」という。このような取り組みで、新規のお客様と固定客を確保しているのだ。
※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2014年10月6日付 vol.1549より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは
コジマ×ビックカメラ習志野店
店舗データ
住所 千葉県船橋市習志野4-5-5
オープン日 2014年6月7日(リニューアル)
売り場面積 約4000m2
従業員数 45人
複合商業施設の店舗を改装 商圏が5~7kmに広がる
かつて習志野騎兵第一旅団の司令部が置かれていたことで、その地名がついた習志野。船橋市習志野の近くには、現在も自衛隊習志野駐屯部隊演習場があり、周辺には化学薬品や金属、建材関連の工場が建ち並んでいる。また、船橋市習志野は、市を南北に貫く実籾街道沿いを中心に、徐々にではあるが、ショッピングエリアに生まれ変わりつつある。習志野5丁目の大規模マンション、フェアロージュ津田沼の近くにはスーパーのマルエツ東習志野店のほか、複数のレストランが店を構える。家電量販店では、ヤマダ電機テックランド船橋店が出店している。
交通量が多い実籾街道はショッピングエリアに生まれ変わりつつある
コジマ×ビックカメラ習志野店は、隣の習志野4丁目にある複合商業施設に入っている。同じ建物のなかには、中古デジタル機器販売のハードオフやスポーツ用品店、ファミリーレストランなどが出店し、平日の夕方や休日などは多くの人で賑わっている。
コジマ×ビックカメラ習志野店のすぐ近くにはヤマダ電機テックランド船橋店が出店
リニューアル前のコジマNEW習志野店は、白物家電中心の品揃え。商圏は3km程度で、近くに住む60歳前後のお客様が客層の中心だったという。ところが、同じ建物に入るハードオフやスポーツ店のお客様は、小学生の子どもをもつ家族や大学生などが中心。客層が異なることから、複合施設に出店しているメリットを享受していなかった。そこで、複合施設のお客様の来店を促すため、デジタルカメラを中心に、デジタル機器に強いビックカメラの要素を入れることにして、6月7日、コジマ×ビックカメラ習志野店として生まれ変わった。大高忠雄店長は、「オープンから3か月が経過した時点で、商圏は5~7kmに広がり、これまでとは異なる層のお客様が増えている」と、手応えを語る。
テレビの品揃えを通常店舗の2倍に拡充 日用品で気軽に来店できる環境も
これまでとは異なる客層というのは、幼児や小学生の子どもをもつ家族だ。これまでも、施設内の他店を訪れたついでに来店するケースはあったが、購入に結びつくことは少なかった。購入者の中心は近所の住民で、白物家電の売上比率が圧倒的に高かった。しかし、リニューアル後は「白物家電の売上規模は変わらず、デジタル機器と白物家電の売上比率が逆転している」と、大高店長はリニューアルの効果を表現する。
デジタル機器の販売が増えているのは、品揃えの充実が理由。「なかでもテレビの品揃えをほかのコジマ×ビックカメラの2倍にした」という。しかも、テレビコーナーにはソファを置き、コンテンツを視聴できるようにしている。「自宅でくつろいでいる感覚で、ゆったりとリラックスして視聴できるようにした」(大高店長)。また、ビックカメラが得意とするデジタルカメラの品揃えを充実させ、さらに、カメラ周辺機器を拡充した。「現在は秋の運動会シーズンということで、三脚の品揃えをリニューアル前の2倍に増やしている」(大高店長)と、季節に応じて強化するジャンルを柔軟に変える作戦だ。
充実した品揃え
白物家電は、実機を体験・体感できるようにしている。「とくに、ご家庭によって好みが分かれるクリーナーコーナーに工夫を凝らした」(大高店長)。一般のクリーナーは、自宅と似た環境で試すことができるよう、コーナーの床にジュウタンを敷いた。また、人気のロボットクリーナーには専用のブースを設け、さらにスティック式クリーナーの品揃えを充実させた。これによって、リニューアル後はクリーナーの売れ行きが非常によく、「とくにスティック式クリーナーは昨年の2倍は売れている」という。
工夫を凝らしたクリーナーコーナー
デジタル機器の充実と白物家電コーナーの工夫によって、商圏5~7kmの家族連れを新しいお客様として獲得し、「来店者はリニューアル前の20%増」(大高店長)と、幸先のいいスタートを切ったコジマ×ビックカメラ習志野店。それでも大高店長は、「せっかく獲得したお客様を減らしてはならない」と、気を引き締めている。お客様の固定化に向けて強化しているのは、やはり接客だ。「この地域のお客様は大らかで、会話を楽しむ方が多い。習志野近辺の『あるある話』や時事ネタなどで心をつかんで、お客様のデジタル機器や家電の『困りごと』を聞き出して、相談に乗っている」という。また、日用品コーナーのスペースを広く確保。大高店長は、「ご自宅に帰る途中に、気軽に立ち寄っていただく環境をつくることで、リピートにつなげる」という。このような取り組みで、新規のお客様と固定客を確保しているのだ。
接客にも力を入れる
広く確保した日用品コーナー
店長が語る人気の理由――大高忠雄 店長
ビックカメラ新宿西口店で副店長を務め、コジマへの出向後は青森・弘前、神奈川・港北などのコジマ×ビックカメラの立ち上げに携わった。リニューアルを果たした店舗では店長代理や副店長として業務に従事し、コジマ×ビックカメラ習志野店の店長を任されることになった。店長ではあるが、「最初に現場ありき。スタッフには自分から挨拶するなど、活発なコミュニケーションを心がけている」。この習慣が店舗の雰囲気をつくり、お客様のほうからスタッフに話しかけることが多いという。近くに競合店があるが、「ライバルと切磋琢磨して、習志野を家電の街にする」。さらなる街の活性化が目標だ。
■人気の理由
・複合商業施設の客層にマッチしたリニューアル
・品揃えの充実と工夫を凝らしたコーナーづくり
・楽しい会話で接客
・複合商業施設の客層にマッチしたリニューアル
・品揃えの充実と工夫を凝らしたコーナーづくり
・楽しい会話で接客
※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2014年10月6日付 vol.1549より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは