サイクロン掃除機「風神 TC-ZXD30P」で暑い夏でも“スマート”に掃除しよう
重労働で、できればやりたくないと思う家事といえば掃除だろう。特に暑いこの季節、ひと部屋掃除機をかけるだけで汗だくになってしまう。この負担を減らし、スマートに掃除ができる三菱電機のサイクロン掃除機「風神 TC-ZXD30P」を試した。
「TC-ZXD30P」は、幅216×奥行き357×高さ283mmと、コンパクトな掃除機。重さはホースやブラシも含めて5.3kg、本体だけなら3.7kgと軽く、引き回しやすい。また、大きなハンドルを備え、ちょっと移動するにも重さが気にならない。
「Wクリーン自走式パワーブラシ」を採用し、ブラシ全体でしっかり吸い込む。また、ヘッドが軽いのも特徴の一つだ。店頭でぜひ試してほしいのだが、紙1枚分、床から浮いているような感じがするほど軽いかけごこちの不思議なパワーブラシだ。自ら前に進むというよりも、吸い込みながら押し・引きのパワーを最小限にしてくれている印象だ。あまり力を入れなくてもしっかり掃除できるので、負担がぐっと減少する。
ヘッド前面にすき間があり、大きめのゴミでもきちんと吸い取ることができる。また、吸引口が二つあるので、ブラシ全面で強力にゴミを吸引する。パワーブラシの大きさは特別小さいわけではないのだが、小回りが利き、高さ約10cmのすき間まで掃除ができる。
このパワーブラシには、「回転ブラシ」のロックを外して引き出すと、からみついた髪の毛が出口で取れる「毛がらみ除去」機能がある。実家で長年ネコの多頭飼いをしていたので経験があるが、ペットがいる家庭では、パワーブラシの手入れは毎日欠かせない作業。放置するとペットの毛がからみつき、ブラシが回転しなくなるからだ。回転ブラシのメンテナンスが頻繁に必要な家庭にとって、簡単に回転ブラシを取り外し、メンテナンスできるのは本当にありがたい。
「回転ブラシ」は抗菌加工を施し、アレル物質を抑制する数種類のブラシを植毛している。柔らかい毛からしっかりした堅めの毛まであるので、傷つきやすいフローリングや繊細なジュウタンに使う場合は、「ブラシスイッチ」をオフにして回転を止めて使うとよさそうだ。
引き出した回転ブラシは、汚れが気になるときは水洗いもできるし、グリップに取りつけてある「すみずみブラシ」を使って、掃除機でゴミを吸い取ることもできる。
もう一つ、らくに掃除ができる機能として、グリップに注目したい。「TC-ZXD30P」には、持ち方で使い分ける二つのグリップがある。「フィジ軽(かる)グリップ」というこのグリップは、人間工学にもとづいた設計で、からだに負担がかかりにくい。
通常使用する「メイングリップ」は、前後に動かすときに腰の負担が軽くなる。また、「TC-ZXD30P」からついた「サブグリップ」は、高い場所や左右に動かすときに便利に使えるつくりになっている。エアコンのフィルター掃除をする際などは、この「サブグリップ」を握ると掃除しやすい。
このほか、本体後方部にはホースやパイプをかける「サッとスタンド」で、掃除中にストッパーを差し込んで立てかけることができる。収納時には、本体底面の取りつけ穴を使ってまとめておくこともできる。どちらもしっかりした大型のストッパーで使いやすい。
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「TC-ZXD30P」はもう一つ、おもしろい機能がある。グリップ近くに「スマートフォン通信部」があって、スマートフォンと簡単に連携することができるのだ。おサイフケータイやNFC(近距離無線通信)に対応するスマートフォンに専用アプリ「カロナビ」をインストールして通信部にかざすと、掃除のときの消費カロリーや運動量、掃除した面積などをスマートフォンに表示できる。
・「カロナビ」対応スマートフォン一覧(PDF)
毎日汗をかきながら掃除をするなら、いっそのこと、掃除をエクササイズだと思った方が前向き。あくまでも目安ではあるが、消費カロリーなどの表示があると達成感が感じられていい。一つのスマートフォンで3人まで登録ができ、家族で楽しく掃除ができそうだ。
このアプリをちょっと進化させて、掃除をした広さに応じて開拓地が広がっていくとか、東海道五十三次で京を目指すとか、ゲーム化するともっとおもしろくなりそうだ。アプリなので、まだまだ進化するだろう。今後に期待したい。
最後に、「TC-ZXD30P」の掃除性能をチェックしよう。遠心力を補うためにフィルターを装備したサイクロン掃除機が多いなか、「TC-ZXD30P」はサイクロンボックスにフィルターがなく、吸引力が落ちにくい数少ない本格派サイクロンの一つだ。
サイクロン方式は、旋回室という筒のなかに気流をつくって、その遠心力でゴミと空気を分離する仕組み。「TC-ZXD30P」は大きな旋回室を一つ備え、さらに旋回室とダストボックス(集じん室)が別になっている。風がダストボックス内のゴミのなかを通らないのでゴミの臭いが出にくく、いやな排気のニオイがほとんどない。
三菱電機による「排気のニオイ濃度比較(アンモニア臭)」では、08年度製の「TC-C3ZH」に比べて排気のニオイを約83%抑えているという。確かに実際に使っていても、ゴミの臭いは感じなかった。同じ部屋に誰かいるときでも、気がねなく掃除できるだろう。
「カートリッジセット」は、「クリーンカートリッジ」(HEPAフィルター)と「クリーンシート」のセット。さらに本体内部にはULPAフィルターも搭載する。「カートリッジセット」はふだんの手入れは必要ないが、2か月に一度程度、水洗いするといい。
赤ちゃんのいる家庭では掃除機の排気は気になるものだが、これだけ厳重なら、子どもが寝ている部屋も安心して掃除できる。
サイクロン掃除機で気になるメンテナンスをチェックしよう。ゴミをためる「集じん容積」はゴミすてラインまでで0.9L。ゴミがたまり過ぎた状態で掃除を続けると遠心力に影響してしまうので、容量は守ったほうがいい。我が家の場合は、1回の掃除で満杯になることはなく、2~3回に一回程度のゴミ捨て頻度だった。
実際にゴミを捨てる際は、まず本体のボタンを押してサイクロンボックスを取り外す。そのあとは「ゴミすてボタン」を押して、ダストボックスを外してゴミを捨てるだけ。このダストボックスだけでなく、旋回部のあるサイクロンボックス自体、丸ごと水洗いできる。構造がシンプルなので組立てに悩むこともなく、手入れはしやすい。
「TC-ZXD30P」は、見た目と機能がシンプルなので、主張があまり激しくないのだが、機能は本格派。三菱電機の掃除機は日本製で、安心感があるのもポイントだ。あまり悩まず長く使える硬派のサイクロン掃除機がほしい方におすすめしたい。(フリーライター・西村敦子)
サイクロン掃除機「TC-ZXD30P」
「TC-ZXD30P」は、幅216×奥行き357×高さ283mmと、コンパクトな掃除機。重さはホースやブラシも含めて5.3kg、本体だけなら3.7kgと軽く、引き回しやすい。また、大きなハンドルを備え、ちょっと移動するにも重さが気にならない。
本体の重さは3.7kg。ハンドルが大きいので持ちやすい
「Wクリーン自走式パワーブラシ」を採用し、ブラシ全体でしっかり吸い込む。また、ヘッドが軽いのも特徴の一つだ。店頭でぜひ試してほしいのだが、紙1枚分、床から浮いているような感じがするほど軽いかけごこちの不思議なパワーブラシだ。自ら前に進むというよりも、吸い込みながら押し・引きのパワーを最小限にしてくれている印象だ。あまり力を入れなくてもしっかり掃除できるので、負担がぐっと減少する。
かけごこちはとても軽く、ほとんど力がいらない。ストレスなく掃除ができる
ヘッド前面にすき間があり、大きめのゴミでもきちんと吸い取ることができる。また、吸引口が二つあるので、ブラシ全面で強力にゴミを吸引する。パワーブラシの大きさは特別小さいわけではないのだが、小回りが利き、高さ約10cmのすき間まで掃除ができる。
ダブルの吸引口構造はパワーブラシ内二つの吸引口で吸引するので、前面の幅いっぱいまで吸引の効果が届く
このパワーブラシには、「回転ブラシ」のロックを外して引き出すと、からみついた髪の毛が出口で取れる「毛がらみ除去」機能がある。実家で長年ネコの多頭飼いをしていたので経験があるが、ペットがいる家庭では、パワーブラシの手入れは毎日欠かせない作業。放置するとペットの毛がからみつき、ブラシが回転しなくなるからだ。回転ブラシのメンテナンスが頻繁に必要な家庭にとって、簡単に回転ブラシを取り外し、メンテナンスできるのは本当にありがたい。
「回転ブラシ」は抗菌加工を施し、アレル物質を抑制する数種類のブラシを植毛している。柔らかい毛からしっかりした堅めの毛まであるので、傷つきやすいフローリングや繊細なジュウタンに使う場合は、「ブラシスイッチ」をオフにして回転を止めて使うとよさそうだ。
回転ブラシは、ロックを外して引き出すだけで毛がらみが取れる。
ペットのいる家にはとても便利だ
ペットのいる家にはとても便利だ
引き出した回転ブラシは、汚れが気になるときは水洗いもできるし、グリップに取りつけてある「すみずみブラシ」を使って、掃除機でゴミを吸い取ることもできる。
パイプの二カ所に取り付けられた「すみずみブラシ」
人間工学に基づいた「フィジ軽グリップ」で腰や腕の負担を軽減
もう一つ、らくに掃除ができる機能として、グリップに注目したい。「TC-ZXD30P」には、持ち方で使い分ける二つのグリップがある。「フィジ軽(かる)グリップ」というこのグリップは、人間工学にもとづいた設計で、からだに負担がかかりにくい。
メイングリップは、ふだんの床掃除でする前後の動きがしやすい
通常使用する「メイングリップ」は、前後に動かすときに腰の負担が軽くなる。また、「TC-ZXD30P」からついた「サブグリップ」は、高い場所や左右に動かすときに便利に使えるつくりになっている。エアコンのフィルター掃除をする際などは、この「サブグリップ」を握ると掃除しやすい。
サブグリップのおかげで高い場所をらくに掃除できる
このほか、本体後方部にはホースやパイプをかける「サッとスタンド」で、掃除中にストッパーを差し込んで立てかけることができる。収納時には、本体底面の取りつけ穴を使ってまとめておくこともできる。どちらもしっかりした大型のストッパーで使いやすい。
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スマートフォンで運動量をチェックして掃除をエクササイズ代わりに
「TC-ZXD30P」はもう一つ、おもしろい機能がある。グリップ近くに「スマートフォン通信部」があって、スマートフォンと簡単に連携することができるのだ。おサイフケータイやNFC(近距離無線通信)に対応するスマートフォンに専用アプリ「カロナビ」をインストールして通信部にかざすと、掃除のときの消費カロリーや運動量、掃除した面積などをスマートフォンに表示できる。
掃除機から転送された記録をもとに消費カロリーや掃除面積を表示
・「カロナビ」対応スマートフォン一覧(PDF)
毎日汗をかきながら掃除をするなら、いっそのこと、掃除をエクササイズだと思った方が前向き。あくまでも目安ではあるが、消費カロリーなどの表示があると達成感が感じられていい。一つのスマートフォンで3人まで登録ができ、家族で楽しく掃除ができそうだ。
このアプリをちょっと進化させて、掃除をした広さに応じて開拓地が広がっていくとか、東海道五十三次で京を目指すとか、ゲーム化するともっとおもしろくなりそうだ。アプリなので、まだまだ進化するだろう。今後に期待したい。
掃除機の基本性能をチェック 本格派サイクロンでクリーン排気を実現
最後に、「TC-ZXD30P」の掃除性能をチェックしよう。遠心力を補うためにフィルターを装備したサイクロン掃除機が多いなか、「TC-ZXD30P」はサイクロンボックスにフィルターがなく、吸引力が落ちにくい数少ない本格派サイクロンの一つだ。
サイクロン方式は、旋回室という筒のなかに気流をつくって、その遠心力でゴミと空気を分離する仕組み。「TC-ZXD30P」は大きな旋回室を一つ備え、さらに旋回室とダストボックス(集じん室)が別になっている。風がダストボックス内のゴミのなかを通らないのでゴミの臭いが出にくく、いやな排気のニオイがほとんどない。
三菱電機による「排気のニオイ濃度比較(アンモニア臭)」では、08年度製の「TC-C3ZH」に比べて排気のニオイを約83%抑えているという。確かに実際に使っていても、ゴミの臭いは感じなかった。同じ部屋に誰かいるときでも、気がねなく掃除できるだろう。
本体排気口に排気をクリーンにする「カートリッジセット」を装備
「カートリッジセット」は、「クリーンカートリッジ」(HEPAフィルター)と「クリーンシート」のセット。さらに本体内部にはULPAフィルターも搭載する。「カートリッジセット」はふだんの手入れは必要ないが、2か月に一度程度、水洗いするといい。
カートリッジセットはクリーンカートリッジ(HEPAフィルター)とクリーンシートの二層構造
赤ちゃんのいる家庭では掃除機の排気は気になるものだが、これだけ厳重なら、子どもが寝ている部屋も安心して掃除できる。
サイクロン掃除機で気になるメンテナンスをチェックしよう。ゴミをためる「集じん容積」はゴミすてラインまでで0.9L。ゴミがたまり過ぎた状態で掃除を続けると遠心力に影響してしまうので、容量は守ったほうがいい。我が家の場合は、1回の掃除で満杯になることはなく、2~3回に一回程度のゴミ捨て頻度だった。
実際にゴミを捨てる際は、まず本体のボタンを押してサイクロンボックスを取り外す。そのあとは「ゴミすてボタン」を押して、ダストボックスを外してゴミを捨てるだけ。このダストボックスだけでなく、旋回部のあるサイクロンボックス自体、丸ごと水洗いできる。構造がシンプルなので組立てに悩むこともなく、手入れはしやすい。
サイクロンボックスには、ダストボックスとサイクロン部すべてがまとまる。構造はシンプル
「TC-ZXD30P」は、見た目と機能がシンプルなので、主張があまり激しくないのだが、機能は本格派。三菱電機の掃除機は日本製で、安心感があるのもポイントだ。あまり悩まず長く使える硬派のサイクロン掃除機がほしい方におすすめしたい。(フリーライター・西村敦子)