<地域No.1店舗の売れる秘訣・OAナガシマ浜松本店>期待を裏切らない品揃え 「おもしろい」を意識した店づくり
静岡県浜松市のOAナガシマ浜松本店は、沼津市に本社を置くパソコン専門店ZOAの旗艦店の一つだ。力を注いでいるのは、お客様が店を何度訪れても飽きない品揃え。パソコンや関連商品の充実はもちろんだが、お客様がほしいという商品は、業界の枠を越えて仕入れているという。大人もワクワクする「おもしろい店」づくりで競合店と一線を画し、浜松市民の信頼を勝ち取っている。(取材・文/佐相彰彦)
OAナガシマ浜松本店
店舗データ
住所 静岡県浜松市東区中田町815
オープン日 2000年11月2日
売り場面積 953.87m2
従業員数 約20人
かつて近藤紡績所の工場などがあって工業地区だった浜松市東区中田町は、今、休日になると多くの浜松市民が訪れるショッピング街になっている。2005年6月にオープンしたショッピングモールのイオンモール浜松市野(はままついちの)がそのきっかけ。オープン当初は近藤紡績所が施設を一部残していたが、2008年に撤退し、それに伴ってショッピングモールの面積を1.5倍に広げ、駐車場も増床。同時に、付近に飲食店などの大型店舗の出店が相次ぎ、今では「イオン渋滞」が発生するほどの賑わいぶりをみせている。家電量販店では、ケーズデンキが浜松市野店を出店した。
静岡県沼津市に本社を置き、現在、県下に12店舗を展開するZOAは、2000年の時点ですでにパソコン専門店のOAナガシマ浜松本店を中田町に出店していた。場所は、道路を挟んでイオンモール浜松市野の向かい側。鈴木俊伸店長は、「イオンモール浜松市野が出店する前までは工業地帯のイメージがあって、お客様も工場で働く人が多かった。当時はパソコンがブームで、自作パソコンユーザーを中心に多くのお客様に来店していただいた」と振り返る。
その後、パソコン市場の縮小によって厳しい状況の時期があったが、イオンの進出によって復活。新たな客層が来店するようになった。7年ほど前からは、パソコン関連商品に加えてバイク用品も取り扱い、「ツーリングが趣味のお客様からクチコミで広まり、バイク用品店として一気に有名になった」という。以来、今日まで堅実に成長してきており、鈴木店長は「パソコン+バイク用品の販売店として地域に定着している」と自信をみせる。
パソコン専門店でありながら、バイク用品も販売するというユニークな業態のOAナガシマ浜松本店が、いま力を入れているのは、「業界を問わず、さまざまな商品を仕入れる」(鈴木店長)ことだ。大きな集客力をもつイオンモール浜松市野の影響もあって、OAナガシマ浜松本店にはさまざまなお客様が来る。だから、「パソコン専門店の枠にとらわれてはいけない」というのが鈴木店長の考えだ。実際に、多種多様なカテゴリの商品を取り扱っている。バイク用品は、ショップインショップ「BYQ-PLAZA」として展開し、品揃えを強化している。とくにヘルメットは他店に負けないほど充実。お菓子なども扱い、「誰でも気軽に利用できる店づくりに力を入れている」という。このほか、タコ焼き器や虫捕り道具、ピクニック用のカバンなども揃えている。
ZOAの商品の仕入れは、各店舗の現場の意見を最大限に採り入れている。とくにOAナガシマ浜松本店は、旗艦店として新しい商品を販売し、他店舗に横展開する役割を担っている。「お客様とのコミュニケーションのなかで『これがあればいいのに』という声を吸い上げて、業者と交渉する」という。
こうして仕入れた商品は、ただ陳列するだけではない。例えば、お客様からの要望で仕入れたラジコンのヘリコプターは、さらにひと工夫を加えて、ドライブレコーダーとの連携に取り組み、ヘリにドライブレコーダーを装着して撮影した映像のデモを実演した。ラジコンヘリが売れたのはもちろんだが、「新しい用途を提案したドライブレコーダーも爆発的な売れ行き」という。
もちろんパソコンや関連商品についても積極的で、「とくに自作パソコンのユーザーを掘り起こしている」(鈴木店長)。父親になった常連客の自作パソコンユーザーが、わが子に自作を教えるための「らくらく組み立てキット」を提案したり、ゲームユーザーにハイスペックモデルを勧めたりしている。
品揃えを最も充実させているのは、メディアやUSBメモリ、プリンタのインクなどの消耗品だ。鈴木店長は、「ついで買いの商品を他店よりも多く展示して、リピーターの増加につなげている」と目的を語ってくれた。
OAナガシマ浜松本店は、まずパソコンとはかけ離れた商品で興味を引いてリピートにつなげ、商品知識に長けたスタッフの接客がこれを後押しして、パソコンを拡販するというサイクルを構築している。最近は、「Windows XPのサポート終了による買い替えで、さらに新しいお客様が増えた」という。さまざまなカテゴリの商品を取り扱うことで、お客様に「おもしろい」と意識させる店づくりで常連客を確保している。
現場が好きで、常に店内を回っている。鈴木店長いわく「スタッフを厳しく指導するため」ということだが、そのスタッフとのやり取りは実に楽しそうだ。笑顔が絶えない店というのも、お客様が定着している理由だろう。
※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2014年5月26日付 vol.1531より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは
OAナガシマ浜松本店
店舗データ
住所 静岡県浜松市東区中田町815
オープン日 2000年11月2日
売り場面積 953.87m2
従業員数 約20人
工場エリアからショッピング街へ 地域の活性化で客層が変化
かつて近藤紡績所の工場などがあって工業地区だった浜松市東区中田町は、今、休日になると多くの浜松市民が訪れるショッピング街になっている。2005年6月にオープンしたショッピングモールのイオンモール浜松市野(はままついちの)がそのきっかけ。オープン当初は近藤紡績所が施設を一部残していたが、2008年に撤退し、それに伴ってショッピングモールの面積を1.5倍に広げ、駐車場も増床。同時に、付近に飲食店などの大型店舗の出店が相次ぎ、今では「イオン渋滞」が発生するほどの賑わいぶりをみせている。家電量販店では、ケーズデンキが浜松市野店を出店した。
イオンモール浜松市野を中心にショッピング街として発展
静岡県沼津市に本社を置き、現在、県下に12店舗を展開するZOAは、2000年の時点ですでにパソコン専門店のOAナガシマ浜松本店を中田町に出店していた。場所は、道路を挟んでイオンモール浜松市野の向かい側。鈴木俊伸店長は、「イオンモール浜松市野が出店する前までは工業地帯のイメージがあって、お客様も工場で働く人が多かった。当時はパソコンがブームで、自作パソコンユーザーを中心に多くのお客様に来店していただいた」と振り返る。
その後、パソコン市場の縮小によって厳しい状況の時期があったが、イオンの進出によって復活。新たな客層が来店するようになった。7年ほど前からは、パソコン関連商品に加えてバイク用品も取り扱い、「ツーリングが趣味のお客様からクチコミで広まり、バイク用品店として一気に有名になった」という。以来、今日まで堅実に成長してきており、鈴木店長は「パソコン+バイク用品の販売店として地域に定着している」と自信をみせる。
売り場面積8000m2の大型店舗、ケーズデンキ浜松市野店が近くにある
業界を問わない商品の仕入れ パソコン関連は消耗品で勝負
パソコン専門店でありながら、バイク用品も販売するというユニークな業態のOAナガシマ浜松本店が、いま力を入れているのは、「業界を問わず、さまざまな商品を仕入れる」(鈴木店長)ことだ。大きな集客力をもつイオンモール浜松市野の影響もあって、OAナガシマ浜松本店にはさまざまなお客様が来る。だから、「パソコン専門店の枠にとらわれてはいけない」というのが鈴木店長の考えだ。実際に、多種多様なカテゴリの商品を取り扱っている。バイク用品は、ショップインショップ「BYQ-PLAZA」として展開し、品揃えを強化している。とくにヘルメットは他店に負けないほど充実。お菓子なども扱い、「誰でも気軽に利用できる店づくりに力を入れている」という。このほか、タコ焼き器や虫捕り道具、ピクニック用のカバンなども揃えている。
バイク用品、なかでもヘルメットは他店に負けないほど充実
ZOAの商品の仕入れは、各店舗の現場の意見を最大限に採り入れている。とくにOAナガシマ浜松本店は、旗艦店として新しい商品を販売し、他店舗に横展開する役割を担っている。「お客様とのコミュニケーションのなかで『これがあればいいのに』という声を吸い上げて、業者と交渉する」という。
お菓子なども扱い、誰でも気軽に利用できる店づくりに力を入れている
こうして仕入れた商品は、ただ陳列するだけではない。例えば、お客様からの要望で仕入れたラジコンのヘリコプターは、さらにひと工夫を加えて、ドライブレコーダーとの連携に取り組み、ヘリにドライブレコーダーを装着して撮影した映像のデモを実演した。ラジコンヘリが売れたのはもちろんだが、「新しい用途を提案したドライブレコーダーも爆発的な売れ行き」という。
ラジコンのヘリコプターとドライブレコーダーを連携して新しい用途を提案
もちろんパソコンや関連商品についても積極的で、「とくに自作パソコンのユーザーを掘り起こしている」(鈴木店長)。父親になった常連客の自作パソコンユーザーが、わが子に自作を教えるための「らくらく組み立てキット」を提案したり、ゲームユーザーにハイスペックモデルを勧めたりしている。
品揃えを最も充実させているのは、メディアやUSBメモリ、プリンタのインクなどの消耗品だ。鈴木店長は、「ついで買いの商品を他店よりも多く展示して、リピーターの増加につなげている」と目的を語ってくれた。
消耗品の品揃えも充実させている
OAナガシマ浜松本店は、まずパソコンとはかけ離れた商品で興味を引いてリピートにつなげ、商品知識に長けたスタッフの接客がこれを後押しして、パソコンを拡販するというサイクルを構築している。最近は、「Windows XPのサポート終了による買い替えで、さらに新しいお客様が増えた」という。さまざまなカテゴリの商品を取り扱うことで、お客様に「おもしろい」と意識させる店づくりで常連客を確保している。
店長が語る人気の理由――鈴木俊伸 店長
入社して初めての配属先がOAナガシマ浜松本店。オープンして1年が過ぎた頃だった。以来、ほかの店舗に異動することなく、店長に就任して約10年が過ぎた。常連客のほとんどは顔見知りで、「最近は、結婚して父親になった方々にも来店いただく」という。多様なカテゴリの商品を仕入れるのは、新規顧客を獲得するだけでなく、常連客の期待を裏切らず、飽きのこない店であり続けるためだ。
現場が好きで、常に店内を回っている。鈴木店長いわく「スタッフを厳しく指導するため」ということだが、そのスタッフとのやり取りは実に楽しそうだ。笑顔が絶えない店というのも、お客様が定着している理由だろう。
■人気の理由
・バイク専門店に負けない関連商品の品揃え
・業界の垣根を越える商品の取り扱い
・リピーターを増やしてパソコンを拡販
・バイク専門店に負けない関連商品の品揃え
・業界の垣根を越える商品の取り扱い
・リピーターを増やしてパソコンを拡販
※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2014年5月26日付 vol.1531より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは