<地域No.1店舗の売れる秘訣・ケーズデンキたまプラーザ店>ライバルがいない地域の大型店 駅前で地域密着型店舗をつくる
2014年3月20日のオープンから約2か月。ケーズデンキたまプラーザ店は、東急田園都市線たまプラーザ駅から徒歩約5分という好立地で、電車利用者や駅周辺に買い物に来る人たちを固定客として取り込むべく、ていねいで親切な接客に心を配っている。220台程度を収容できる駐車場を完備し、遠方からの来店にも対応。たまプラーザ駅周辺にはライバルとなる家電量販店がなく、現段階では地域のシェアを独占する勢いだ。(取材・文/佐相彰彦)
ケーズデンキたまプラーザ店
店舗データ
住所 神奈川県横浜市青葉区新石川2-5-1
オープン日 2014年3月20日
売り場面積 約3855m2
従業員数 約65人
東急百貨店たまプラーザ店が開業したのは30年以上前。いま、田園都市線たまプラーザ駅は、駅前再開発によって賑わいをみせている。直近では、複合商業施設のたまプラーザテラスがオープンしたことで、人通りが増えた。まず、2007年にサウスプラザがオープンし、その後、2009年にショッピングセンターのたまプラーザ東急SCがノースプラザに名称を変えてリニューアル。駅の上にさまざまな店が軒を連ねるゲートプラザが2010年に全面開業し、多くの人が駅周辺を訪れるようになった。また、渋谷駅まで30分以内と交通の便がよく、ベッドタウンとして人気の地域で、駅周辺ではマンションの建設が相次いでいる。
こうした再開発のなかで、たまプラーザ駅周辺になかったのが家電量販店。住民は、ヤマダ電機が2店舗を構える青葉台駅周辺まで足を運んでいた。こうした環境から、ケーズホールディングスは南関東で出店攻勢をかけようと、この地域に着目。3月20日にケーズデンキたまプラーザ店をオープンした。
高萩治郎店長は、「オープンの木曜日から週末にかけての4日間、セール品を掲載したチラシの効果もあって、多くのお客様にご来店いただいた。予想以上の人出だった」と振り返る。ニュータウンが建設され始めた頃から住む駅周辺の高齢者をはじめ、ほかの地域から引っ越してきた幼児のいる家族など、主に地元の住民が来店したという。高萩店長は、「近くに家電量販店がないということで、出店に期待してくれていたのではないか」と捉えている。会員制度の「あんしんパスポート」に加入するお客様が多く、「加入者数はオープンセール期間だけで2800件だった」(高萩店長)と、上々のスタートを切った。
ケーズデンキたまプラーザ店は、たまプラーザ駅から徒歩約5分の青葉区新石川2丁目にある。ロードサイドでの出店が多いケーズホールディングスにとっては、珍しい立地だ。駐車場の収容台数は約220台。電車でもクルマでも気軽に来店できる環境を整えた。高萩店長は、「郊外店と同じく、クルマでご来店いただける。さらに、電車でも来ていただける店」と表現する。
売り場面積は約3855m2と、大型郊外店並みの規模。2階に白物家電や関連機器、AV(音響・映像)機器関連、3階にパソコンを中心としたデジタル機器関連を置いている。現在、堅調に推移しているのがパソコンだ。Windows XPのサポートが4月9日で終了したことが追い風になった。高萩店長は「お客様の多くが『近くに家電量販店がなく、サポート切れについて気軽に相談できなかった』とおっしゃっている」と現場での手応えを語る。パソコン拡販に適した時期のオープンを、見事に生かした。
さらに3月末までは、消費税アップの影響で冷蔵庫や洗濯機など大型の白物家電や薄型テレビの駆け込み需要が旺盛だったという。高萩店長は、「顕著だったのは、当店ではほかの店に比べて上位機種が売れたこと」という。とくに薄型テレビは、4Kテレビがよく売れたそうだ。高萩店長は、「たまプラーザ駅の周辺地域は、高所得者層が多いと聞いている。それが影響しているのではないか」と分析する。
スタッフは、10年以上勤務しているベテランが揃う。高萩店長は、「神奈川県では、ケーズデンキの知名度は低い。スタッフを信頼していただけるよう、他社に負けない接客を強化するために、ベテランのスタッフを集めた」という。実際、ていねいで親切な接客が評判で、「すでにお客様からご指名をいただくスタッフも出てきている」ということだ。
オープンから約2か月、平日・休日とも、安定してお客様が来店するようになった。しかし、そのなかで課題も浮き彫りになってきた。その一つが、平日と休日の客層の違いだ。高萩店長は、「平日の午前中は高齢者、休日は家族連れが多い。今後は、とくに平日の来店者として、夕方に主婦、夜に会社員など、仕事や買い物で自宅に帰る途中に気軽に立ち寄っていただける環境をつくっていきたい」という。そして、「そのためには、競合店やネットショップに負けないよう、価格での勝負にももちろん対応していくが、それよりもまず、ケーズデンキのカラーを出していくことが大事だ」と戦略を語る。「地域密着型の駅前店舗」を目指して、ブランド力を高めていく方針だ。
再開発によって、賑わいを取り戻したたまプラーザ駅前で、「広い範囲からお客様にご来店いただけるよう、駐車場完備の家電量販店が駅前にあることをアピールする」。駅周辺の活性化の一翼を担う存在になることが当面の目標でもある。
※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2014年5月19日付 vol.1530より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは
ケーズデンキたまプラーザ店
店舗データ
住所 神奈川県横浜市青葉区新石川2-5-1
オープン日 2014年3月20日
売り場面積 約3855m2
従業員数 約65人
再開発で賑わう駅前地区 ケーズでは珍しい店舗形態
東急百貨店たまプラーザ店が開業したのは30年以上前。いま、田園都市線たまプラーザ駅は、駅前再開発によって賑わいをみせている。直近では、複合商業施設のたまプラーザテラスがオープンしたことで、人通りが増えた。まず、2007年にサウスプラザがオープンし、その後、2009年にショッピングセンターのたまプラーザ東急SCがノースプラザに名称を変えてリニューアル。駅の上にさまざまな店が軒を連ねるゲートプラザが2010年に全面開業し、多くの人が駅周辺を訪れるようになった。また、渋谷駅まで30分以内と交通の便がよく、ベッドタウンとして人気の地域で、駅周辺ではマンションの建設が相次いでいる。
多くの人が利用するたまプラーザ駅の近隣に立地
こうした再開発のなかで、たまプラーザ駅周辺になかったのが家電量販店。住民は、ヤマダ電機が2店舗を構える青葉台駅周辺まで足を運んでいた。こうした環境から、ケーズホールディングスは南関東で出店攻勢をかけようと、この地域に着目。3月20日にケーズデンキたまプラーザ店をオープンした。
駅周辺では集合住宅の建設が進む
高萩治郎店長は、「オープンの木曜日から週末にかけての4日間、セール品を掲載したチラシの効果もあって、多くのお客様にご来店いただいた。予想以上の人出だった」と振り返る。ニュータウンが建設され始めた頃から住む駅周辺の高齢者をはじめ、ほかの地域から引っ越してきた幼児のいる家族など、主に地元の住民が来店したという。高萩店長は、「近くに家電量販店がないということで、出店に期待してくれていたのではないか」と捉えている。会員制度の「あんしんパスポート」に加入するお客様が多く、「加入者数はオープンセール期間だけで2800件だった」(高萩店長)と、上々のスタートを切った。
高所得者層が多く住む街 課題は店舗ブランドの構築
ケーズデンキたまプラーザ店は、たまプラーザ駅から徒歩約5分の青葉区新石川2丁目にある。ロードサイドでの出店が多いケーズホールディングスにとっては、珍しい立地だ。駐車場の収容台数は約220台。電車でもクルマでも気軽に来店できる環境を整えた。高萩店長は、「郊外店と同じく、クルマでご来店いただける。さらに、電車でも来ていただける店」と表現する。
約220台収容の駐車場を完備し、クルマでも来店できる
売り場面積は約3855m2と、大型郊外店並みの規模。2階に白物家電や関連機器、AV(音響・映像)機器関連、3階にパソコンを中心としたデジタル機器関連を置いている。現在、堅調に推移しているのがパソコンだ。Windows XPのサポートが4月9日で終了したことが追い風になった。高萩店長は「お客様の多くが『近くに家電量販店がなく、サポート切れについて気軽に相談できなかった』とおっしゃっている」と現場での手応えを語る。パソコン拡販に適した時期のオープンを、見事に生かした。
3階のパソコンコーナー。現在、堅調に推移しているという
さらに3月末までは、消費税アップの影響で冷蔵庫や洗濯機など大型の白物家電や薄型テレビの駆け込み需要が旺盛だったという。高萩店長は、「顕著だったのは、当店ではほかの店に比べて上位機種が売れたこと」という。とくに薄型テレビは、4Kテレビがよく売れたそうだ。高萩店長は、「たまプラーザ駅の周辺地域は、高所得者層が多いと聞いている。それが影響しているのではないか」と分析する。
3月末までは、大型の白物家電や薄型テレビの駆け込み需要が旺盛だった
スタッフは、10年以上勤務しているベテランが揃う。高萩店長は、「神奈川県では、ケーズデンキの知名度は低い。スタッフを信頼していただけるよう、他社に負けない接客を強化するために、ベテランのスタッフを集めた」という。実際、ていねいで親切な接客が評判で、「すでにお客様からご指名をいただくスタッフも出てきている」ということだ。
接客を強化するため、ベテランスタッフを集めた
オープンから約2か月、平日・休日とも、安定してお客様が来店するようになった。しかし、そのなかで課題も浮き彫りになってきた。その一つが、平日と休日の客層の違いだ。高萩店長は、「平日の午前中は高齢者、休日は家族連れが多い。今後は、とくに平日の来店者として、夕方に主婦、夜に会社員など、仕事や買い物で自宅に帰る途中に気軽に立ち寄っていただける環境をつくっていきたい」という。そして、「そのためには、競合店やネットショップに負けないよう、価格での勝負にももちろん対応していくが、それよりもまず、ケーズデンキのカラーを出していくことが大事だ」と戦略を語る。「地域密着型の駅前店舗」を目指して、ブランド力を高めていく方針だ。
店長が語る人気の理由――高萩治郎 店長
千葉県の柏や市原、おゆみ野などの店舗のほか、埼玉・東京でも勤務した。茨城県の水戸内原店では、オープンから店長として手腕を振るった。これらのノウハウをもって、自社・他社ともに出店経験のない地域で店長を任されることになった。「ケーズデンキを知らなかったというお客様が多い。満足して購入いただけるよう、店の雰囲気、品揃え、接客を強化していく」と抱負を述べる。
再開発によって、賑わいを取り戻したたまプラーザ駅前で、「広い範囲からお客様にご来店いただけるよう、駐車場完備の家電量販店が駅前にあることをアピールする」。駅周辺の活性化の一翼を担う存在になることが当面の目標でもある。
■人気の理由
・たまプラーザ駅から徒歩5分の好立地
・約220台収容の大型駐車場を完備
・ベテランのスタッフが揃う
・たまプラーザ駅から徒歩5分の好立地
・約220台収容の大型駐車場を完備
・ベテランのスタッフが揃う
※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2014年5月19日付 vol.1530より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは