フルHD対応ドライブレコーダー「DrivePro 200」で旅の思い出を撮る

レビュー

2014/03/31 20:58

 映像や音声を自動的に記録する車載用ビデオカメラ「ドライブレコーダー」が注目を集めている。これまでは事故などのアクシデントの様子を記録するために、タクシーやトラックなどの商用車に搭載するケースが多かった。しかし最近はより解像度の高いフルHD対応モデルが登場し、車窓に映るドライブシーンを録画して、旅の思い出として残す用途で注目を集めている。こうしたなかで、トランセンドがフルHD対応のドライブレコーダーを「DrivePro 200」を3月に発売すると発表。発売前に実機を借りることができたので、さっそく試した。

DrivePro 200

 現在店頭にあるドライブレコーダーのほとんどは、事故やアクシデントの記録を目的にした長時間録画対応の低解像度モデルで、映像記録メディアとしては、画質や音質がもの足りない。画素数1920×1080のフルHDに対応していても、フレームレートが10~15fpsと低く、デジタルビデオカメラやデジタルカメラの動画機能、スマートフォンの動画撮影機能と比べると半分以下だ。つまり、映像がスムーズではなく、カクカクしたものなってしまう。事実確認の記録用としては十分ではあるが、思い出を記録するとなると話は別だ。

 「DrivePro 200」のフレームレートは30fps。デジタルビデオカメラやデジタルカメラの動画機能並みで、ドライブの車窓を撮影し、家の大画面テレビで再生しても、ビデオカメラと遜色のない映像が楽しめる。最近は、アクションカムによる車載映像をはじめ、クルマにビデオカメラを搭載した映像を動画配信サイトにアップすることがちょっとしたブームになっている。こうした楽しみにも十分に耐える映像のクオリティでもある。

 レンズや撮像素子にもこだわっている。レンズにはF2.0の明るい大口径レンズを、撮像素子には低照度高感度CMOSセンサを採用。光量を補正して、昼夜を問わず、また悪天候でもきれいな映像を残すことができる。視野角は160°と広く、走行車線に加え、左右2車線ずつ、計5車線の様子を撮影することができる。
 

F2.0の明るいレンズを採用
 

常時録画と保存録画が簡単に切り替えできる



 「DrivePro 200」は、他社のドライブレコーダー同様、シガーライターソケットから電力を得るので、クルマのエンジンと連動。エンジンが始動すると自動で録画が開始し、パーキングなどでエンジンを停めているときなどは、録画もストップする。

 録画データは3分刻みで連続して保存。メモリカード容量が満杯に近づくと古いファイルから自動で消去し、新しい映像を記録する。つまり、録画のし忘れも、容量不足による録画ミスもなく、常時録画してくれるのだ。

 録画したデータは、上書きせずに残しておくこともできる。録画中にクイックボタンを押すと、「イベントモード」に切り替わり、映像は自動消去しないフォルダに保存される。もちろん、保存する映像が増えてしまうと、常時録画用の容量が少なくなるので、ほかのメディアにデータを移しておいたほうがいい。
 

赤いクイックボタンを押すと保護ファイルに保存する

 映像データのコピーは、「DrivePro 200」の記録メディアであるmicroSDをそのままPCに差し込むか、「DrivePro 200」本体とPCをUSBケーブルで接続して行う。Wi-Fi接続に対応しているので、「DrivePro 200」で録画したデータをワイヤレスでタブレットやスマートフォンに転送することもできる。
 

録画したデータをスマートフォン/タブレットで再生できる

 多くのドライブレコーダーがWi-Fiを積んでいないなかで、これに対応しているのはありがたい。Wi-Fi接続したタブレット端末やスマートフォンでは、映像データの移動のほかに「DrivePro 200」のリモート操作もでき、常時録画モードからイベントモードへの切替えや録画ファイルの再生や削除、リアルタイムで車窓が見られるストリーミングなどが楽しめる。専用アプリ「DrivePro」は、App StoreやGoogle Playですでに配信を開始している。無料なので、「DrivePro 200」を購入したらダウンロードしておこう。
 

タブレットのストリーミング画面
 

ドライブレコーダーとしての基本性能が充実



 もちろん、ドライブレコーダーとして必須の機能・性能もしっかり備えている。液晶モニタを備えるドライブレコーダーはまだ少ないが、「DrivePro 200」は2.4インチの液晶モニタを搭載。録画映像の確認のほか、細かい設定なども液晶画面の表示を確認しながらできる。これなら、何かの拍子にカメラ位置がずれてしまい、そのまま録画してしまう失敗を防ぐことができる。

 アクシデントの記録も万全。衝撃を自動感知するGセンサを備え、衝撃の前後を自動的に上書きしないイベントモードで記録する。感知する衝撃の度合いは4段階で設定でき、最も敏感な状態ではちょっとした急ブレーキにも反応してイベントモード録画がスタートする。

 ドライブレコーダーとアクションカムのいいとこ取りをしながら、1万7980円というリーズナブルな価格の「DrivePro 200」。ドライブレコーダーを取りつけると、安全意識が自然に高まるともいわれている。ドライブ好きならぜひ一台備えておきたい。(デジタルライター/岡安学)