トランセンドの無線LAN搭載SDHCカードならRAW画像の表示・転送ができる!
無線LAN(Wi-Fi)機能を搭載したSDHCメモリカードを利用すると、デジタルカメラで撮影した写真をすぐその場で、スマートフォンやタブレット端末、PCにワイヤレスで転送することができる。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などへ写真を投稿したり、高解像度の液晶画面で写真を鑑賞したり、といった連携がスムーズにできて、とても便利。なかでもトランセンドの「Wi-Fi SDカード」は、インターネット同時接続とRAW画像の表示・転送に対応している点で画期的だ。
トランセンドの「Wi-Fi SDカード」は、まだ日本では発売されていなかった今年1月に、いち早くレビュー記事で取り上げた。そこでは、アプリの設定方法や、撮影した画像をスマートフォンなどにリアルタイムに転送する「シュート&ビュー」機能を紹介した。動画でも紹介しているので、ぜひ参照してほしい。
「Wi-Fi SDカード」の現在のラインアップは、容量16GBと32GBの2モデル。専用アプリは、iOS用とAndroid用を無償で提供している。
前回のレビューでは触れなかったが、トランセンドの「Wi-Fi SDカード」は、実は他社に先駆けてインターネット同時接続に対応した通信モード「インターネットモード」を搭載している。このモードを利用すると、「Wi-Fi SDカード」にワイヤレス接続中のスマートフォンやタブレット端末で、そのまま同時にインターネットの無線LANアクセスポイントにも接続することができる。スマートフォンやタブレット端末の設定メニューで、Wi-Fi接続先をいちいち切り替える必要がなくなるのだ。だから、カメラから画像を転送してそのままSNSにアップするという一連の流れが、途切れることなくスムーズにできる。
実際に使ってみると実感するが、インターネット同時接続ができるかどうかは、こうした無線LAN搭載メモリカードの使い勝手を大きく左右する。同時接続ができる「Wi-Fi SDカード」は、間違いなく快適だ。
もう一つ、無線LAN搭載メモリカードの使い勝手を左右する大きな要素がある。それはRAW画像への対応だ。トランセンドの「Wi-Fi SDカード」は、RAW画像の表示・転送についても正式対応しているのだ。
RAW画像とは、デジタルカメラの撮像素子が捉えたそのままの、無加工の画像データのこと。RAW現像ソフトや画像編集ソフトを使って調整することで、狙い通りの写真に仕上げることができる。カメラ内部で調整が完了しているJPEG画像に比べて、RAW画像は加工の自由度が格段に高い。そのためミドルクラス以上のデジタルカメラには、撮影時にJPEG画像と同時にRAWデータを記録する機能が備わっている。写真を趣味にする人なら、画像データは「RAW+JPEG」で記録しておくのが常識、といってもいいくらいだ。
ところが、RAW画像に対応していない無線LAN搭載メモリカードだと、ワイヤレスで表示・転送ができるのはJPEG画像だけ。せっかくデジタル一眼レフカメラで撮影した会心の作品も、RAWデータが取り込めないのでは使い勝手はいまひとつだ。というのも、ミドルクラス以下の最新デジタルカメラでは、カメラ自体への無線LAN搭載が進んでいて、あえて無線LAN搭載メモリカードを使う必要性が減ってきていると思えるからだ。むしろ「RAW+JPEG」で撮影するミドルクラス以上のデジタル一眼レフカメラに、無線LAN機能をプラスしたくて、無線LAN搭載メモリカードを使うケースが増えているのではないだろうか。それなのにワイヤレスだとRAW画像の表示・転送ができないというのでは、不満が残る。
その点、トランセンドの「Wi-Fi SDカード」は、主要カメラメーカーのRAW画像の表示と転送に対応。RAWデータの形式はカメラメーカーによって異なるので、主要カメラメーカーすべてに対応するというのは、実はかなり大変なことなのだ。だから、使用するカメラを気にせずに、例えば撮影後にその場で「RAW+JPEG」の画像データをタブレット端末などにバックアップしたり、クラウドの画像編集ソフトを使ってRAW画像を加工したり、といった作業ができるようになる。写真好きなら、RAW画像を扱うことができる意義をよく理解できるはずだ。
「Wi-Fi SDカード」でのRAW画像の表示・転送は、カードのファームウエアがバージョン1.8以降、アプリのバージョンが1.14以降で対応している。バージョンアップはもちろん無償なので、もしすでに「Wi-Fi SDカード」を持っているなら、迷わず最新バージョンにアップデートしよう。
ところで、デジタルカメラのバッテリは、メモリカードであれ本体内蔵であれ、無線LAN機能を使用すると消耗が激しくなる。少しでもバッテリを長もちさせるには、こまめに無線LAN機能をオン/オフするしかない。しかし、いちいちメニューをたどって設定を切り替えるのは面倒。うっかりオフにするのを忘れて、気がつくとバッテリ残量ゼロ、などということにもなる。
この点についても、トランセンドの「Wi-Fi SDカード」なら安心。一定時間、カードへのワイヤレス接続がないときに、無線LAN機能を自動的にオフにするメニューがアプリに備わっているからだ。無線LAN機能のオンは、カメラの電源オンに連動している。これなら無理なく、忘れることなく、面倒なしに無線LAN機能のオン/オフができる。デジタルカメラの省エネにも配慮した無線LAN搭載メモリカード、それが「Wi-Fi SDカード」なのだ。
こうした無線LAN搭載メモリカードはデジタルカメラで使うもの、というのが一般的な認識だと思われるが、トランセンドの「Wi-Fi SDカード」だと裏技的な使い方もできてしまう。付属のUSBカードリーダーを使ってPCにセットすれば、無線LAN搭載のモバイルストレージとしても利用できるのだ。
USBカードリーダーでPCにセットした「Wi-Fi SDカード」に、他のPCやタブレット端末からワイヤレスで接続して、カード内のファイルを読み書きするという使い方である。同時に三つの機器からのワイヤレス接続に対応しているので、その場でデータ共有したいときなどに便利。メーカー推奨の使用方法ではないのだが、USBカードリーダーが付属する「Wi-Fi SDカード」なら、こんなこともできるという一例として紹介しておく。
ともあれ、デジタルカメラのSDHCメモリカードをトランセンドの「Wi-Fi SDカード」に変えると、その便利さ、快適さに、無線LAN搭載メモリカードの認識が一変させられる。「Wi-Fi SDカード」で、ぜひ一度、“目からウロコ”を体験してほしい。(フリーライター・榎木秋彦)
トランセンドの「Wi-Fi SDカード」
いち早く「シュート&ビュー」機能を動画で紹介
トランセンドの「Wi-Fi SDカード」は、まだ日本では発売されていなかった今年1月に、いち早くレビュー記事で取り上げた。そこでは、アプリの設定方法や、撮影した画像をスマートフォンなどにリアルタイムに転送する「シュート&ビュー」機能を紹介した。動画でも紹介しているので、ぜひ参照してほしい。
カメラに入っている「Wi-Fi SDカード」にiPhoneのアプリからアクセス
「Wi-Fi SDカード」の現在のラインアップは、容量16GBと32GBの2モデル。専用アプリは、iOS用とAndroid用を無償で提供している。
iOS用(左)とAndroid用の「Wi Fi SD」アプリ
インターネット同時接続ができるから便利
前回のレビューでは触れなかったが、トランセンドの「Wi-Fi SDカード」は、実は他社に先駆けてインターネット同時接続に対応した通信モード「インターネットモード」を搭載している。このモードを利用すると、「Wi-Fi SDカード」にワイヤレス接続中のスマートフォンやタブレット端末で、そのまま同時にインターネットの無線LANアクセスポイントにも接続することができる。スマートフォンやタブレット端末の設定メニューで、Wi-Fi接続先をいちいち切り替える必要がなくなるのだ。だから、カメラから画像を転送してそのままSNSにアップするという一連の流れが、途切れることなくスムーズにできる。
無線LANアクセスポイントのIDとパスワードを設定すると、インターネットモードで「Wi-Fi SDカード」とインターネットの同時接続ができる
実際に使ってみると実感するが、インターネット同時接続ができるかどうかは、こうした無線LAN搭載メモリカードの使い勝手を大きく左右する。同時接続ができる「Wi-Fi SDカード」は、間違いなく快適だ。
写真好きにはうれしいRAW画像への対応
もう一つ、無線LAN搭載メモリカードの使い勝手を左右する大きな要素がある。それはRAW画像への対応だ。トランセンドの「Wi-Fi SDカード」は、RAW画像の表示・転送についても正式対応しているのだ。
JPEG画像だけでなくRAW画像の表示・転送にも対応
RAW画像とは、デジタルカメラの撮像素子が捉えたそのままの、無加工の画像データのこと。RAW現像ソフトや画像編集ソフトを使って調整することで、狙い通りの写真に仕上げることができる。カメラ内部で調整が完了しているJPEG画像に比べて、RAW画像は加工の自由度が格段に高い。そのためミドルクラス以上のデジタルカメラには、撮影時にJPEG画像と同時にRAWデータを記録する機能が備わっている。写真を趣味にする人なら、画像データは「RAW+JPEG」で記録しておくのが常識、といってもいいくらいだ。
ところが、RAW画像に対応していない無線LAN搭載メモリカードだと、ワイヤレスで表示・転送ができるのはJPEG画像だけ。せっかくデジタル一眼レフカメラで撮影した会心の作品も、RAWデータが取り込めないのでは使い勝手はいまひとつだ。というのも、ミドルクラス以下の最新デジタルカメラでは、カメラ自体への無線LAN搭載が進んでいて、あえて無線LAN搭載メモリカードを使う必要性が減ってきていると思えるからだ。むしろ「RAW+JPEG」で撮影するミドルクラス以上のデジタル一眼レフカメラに、無線LAN機能をプラスしたくて、無線LAN搭載メモリカードを使うケースが増えているのではないだろうか。それなのにワイヤレスだとRAW画像の表示・転送ができないというのでは、不満が残る。
その点、トランセンドの「Wi-Fi SDカード」は、主要カメラメーカーのRAW画像の表示と転送に対応。RAWデータの形式はカメラメーカーによって異なるので、主要カメラメーカーすべてに対応するというのは、実はかなり大変なことなのだ。だから、使用するカメラを気にせずに、例えば撮影後にその場で「RAW+JPEG」の画像データをタブレット端末などにバックアップしたり、クラウドの画像編集ソフトを使ってRAW画像を加工したり、といった作業ができるようになる。写真好きなら、RAW画像を扱うことができる意義をよく理解できるはずだ。
拡張子「.ORF」はオリンパスのRAW画像。問題なく表示できている
「Wi-Fi SDカード」でのRAW画像の表示・転送は、カードのファームウエアがバージョン1.8以降、アプリのバージョンが1.14以降で対応している。バージョンアップはもちろん無償なので、もしすでに「Wi-Fi SDカード」を持っているなら、迷わず最新バージョンにアップデートしよう。
RAW画像もワイヤレス接続しているスマートフォンやタブレット端末にダウンロードすることができる
省電力モードで無線LAN機能を自動でオフ
ところで、デジタルカメラのバッテリは、メモリカードであれ本体内蔵であれ、無線LAN機能を使用すると消耗が激しくなる。少しでもバッテリを長もちさせるには、こまめに無線LAN機能をオン/オフするしかない。しかし、いちいちメニューをたどって設定を切り替えるのは面倒。うっかりオフにするのを忘れて、気がつくとバッテリ残量ゼロ、などということにもなる。
この点についても、トランセンドの「Wi-Fi SDカード」なら安心。一定時間、カードへのワイヤレス接続がないときに、無線LAN機能を自動的にオフにするメニューがアプリに備わっているからだ。無線LAN機能のオンは、カメラの電源オンに連動している。これなら無理なく、忘れることなく、面倒なしに無線LAN機能のオン/オフができる。デジタルカメラの省エネにも配慮した無線LAN搭載メモリカード、それが「Wi-Fi SDカード」なのだ。
「省電力モード」では、設定時間内にワイヤレス接続がないと無線LAN機能を自動でオフになる
ワイヤレスでデータを共有する使い方も
こうした無線LAN搭載メモリカードはデジタルカメラで使うもの、というのが一般的な認識だと思われるが、トランセンドの「Wi-Fi SDカード」だと裏技的な使い方もできてしまう。付属のUSBカードリーダーを使ってPCにセットすれば、無線LAN搭載のモバイルストレージとしても利用できるのだ。
「Wi-Fi SDカード」をPCにセットするUSBカードリーダーが標準で付属
USBカードリーダーでPCにセットした「Wi-Fi SDカード」に、他のPCやタブレット端末からワイヤレスで接続して、カード内のファイルを読み書きするという使い方である。同時に三つの機器からのワイヤレス接続に対応しているので、その場でデータ共有したいときなどに便利。メーカー推奨の使用方法ではないのだが、USBカードリーダーが付属する「Wi-Fi SDカード」なら、こんなこともできるという一例として紹介しておく。
レビューに使った32GBモデル
ともあれ、デジタルカメラのSDHCメモリカードをトランセンドの「Wi-Fi SDカード」に変えると、その便利さ、快適さに、無線LAN搭載メモリカードの認識が一変させられる。「Wi-Fi SDカード」で、ぜひ一度、“目からウロコ”を体験してほしい。(フリーライター・榎木秋彦)