発売から2か月、「iPhone 5c」のシェアはソフトバンクがダントツ、「5s」も優勢
いま一番売れている携帯電話は、アップルのiPhoneだ。家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、11月第1週(2013年11月4~10日)に続き、11月第2週(11月11~17日)も、携帯電話の機種別ランキングのトップ10を「iPhone 5s/5c」が独占した。3キャリア合わせて15機種という製品数から予想できたこととはいえ、2週連続の”快挙”には驚くばかりだ。
1位・2位は、ソフトバンクモバイルの「iPhone 5s」の32/16GBがワンツーフィニッシュ。このほか、上位20位以内に、ソフトバンクモバイルからは、7位に「iPhone 5c」の16GB、8位に「iPhone 5s」の64GB、18位に「iPhone 5c」の32GBがランクイン。キャリアごとにモデルの容量を合算した数値でみると、トップ5は、ソフトバンクモバイルの「iPhone 5s」(19.3%)、ドコモの「iPhone 5s」(13.6%)、auの「iPhone 5s」(11.4%)、ソフトバンクモバイルの「iPhone 5c」(5.5%)、auの「iPhone 5c」(4.3%)となり、旧機種を含めたiPhone全体のシェアは59.1%に達した。期間中に売れた携帯電話(従来型を含む)10台のうち、約6台がiPhoneだった計算だ。
9月20日の発売以来、「iPhone 5s」と「iPhone 5c」を合わせた新iPhoneの販売台数は、3キャリアのなかでソフトバンクモバイルが最も多く、特に「iPhone 5c」では他キャリアを大きく引き離している。今回は、これまでと視点を変えて、評価の分かれる「iPhone 5c」を中心に取り上げたい。
「iPhone 5s/5c」の発売2か月の11月20日までの累計でのキャリア別販売台数シェアは、ソフトバンクモバイル40.7%、ドコモ31.9%、au27.4%。発売1か月の10月20日までの時点に比べ、1位のソフトバンクモバイルと2位のドコモの差は広がり、2位のドコモと3位のauの差が縮まった。
新モデル「iPhone 5c」に限るとソフトバンクモバイルが46.9%を占め、ダントツのトップ。発売1か月の10月20日までの時点よりも、シェアは2.2ポイント上昇し、5割近くに迫った。「バンバンのりかえ割」などのMNP向けキャンペーンやキャッシュバック、「MNP一括○○円」といった安さが後押ししているようだ。一方、ドコモはシェア20.7%と低迷している。もはや逆転は難しく、「iPhone 5c」でのシェア争いは、上位2社に絞られたといっていい。
「iPhone 5c」と上位機種の「iPhone 5s」の主な違いは、デザイン・カラーと容量のバリエーション、そして、毎月の維持費とほぼ等しい「端末代」の3点。ほかにもいくつかスペック面の違いがあるが、カメラの性能・機能以外は、実用上は差を感じないだろう。LTE対応周波数帯など、ネットワーク関連の仕様は共通で、同じキャリアなら通信速度やつながりやすさは同じと思っていい。最近は、電車内で「iPhone 5c」を使っている人を見かける機会が増えてきた。累計販売台数の伸びが示す通り、徐々にユーザーを増やしているのだろう。スマートフォンをファッション感覚で楽しみたい層や、できるだけ維持費を抑えたい層のニーズをつかんでいるようだ。
「iPhone 5s」に限ると、キャリア別販売台数シェアは、ソフトバンクモバイル38.8%、ドコモ35.3%、au25.9%となり、上位2社をスタートダッシュに遅れたauが追うという展開になっている。
「iPhone 5c」「iPhone 5s」ともシェアトップのソフトバンクモバイルは、MNP向けに、月額980円の基本使用料が2年または3年間、0円になるキャンペーン「バンバンのりかえ割」「のりかえ学割」を実施している。学生限定の「のりかえ学割」は、基本使用料0円に加え、パケット定額料(または2段階プランのパケット定額サービスの上限額)も、最大3年間、月額1050円割り引き、通常より少ない負担で利用できる。さらにMNP・新規限定で、「iPhone 5c」を購入すると「キャッシュバック」として請求額から合計1万円を割り引くキャンペーン「iPhone 5c 購入サポート」を実施し、一部の店舗では、さらにキャッシュバック金額を上乗せしているようだ。このほか、「iPhone 家族感謝割」「スマホ紹介割」「スマホファミリー割」といった紹介割引や、機種変更向けの「かいかえ割」も提供している。こうしたさまざまなキャンペーンがあってこその高いシェアだろう。特に、廉価版の位置づけの「iPhone 5c」は、キャンペーンの効果が大きそうだ。それに加え、これまで培ってきたイメージや、現状に満足している既存ユーザーの機種変更の多さなども要因の一つといえるだろう。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。
1位・2位は、ソフトバンクモバイルの「iPhone 5s」の32/16GBがワンツーフィニッシュ。このほか、上位20位以内に、ソフトバンクモバイルからは、7位に「iPhone 5c」の16GB、8位に「iPhone 5s」の64GB、18位に「iPhone 5c」の32GBがランクイン。キャリアごとにモデルの容量を合算した数値でみると、トップ5は、ソフトバンクモバイルの「iPhone 5s」(19.3%)、ドコモの「iPhone 5s」(13.6%)、auの「iPhone 5s」(11.4%)、ソフトバンクモバイルの「iPhone 5c」(5.5%)、auの「iPhone 5c」(4.3%)となり、旧機種を含めたiPhone全体のシェアは59.1%に達した。期間中に売れた携帯電話(従来型を含む)10台のうち、約6台がiPhoneだった計算だ。
順位 | キャリア | メーカー | 品名 | 販売台数 シェア(%) |
1 | SoftBank | アップル | iPhone 5s 32GB | 8.8 |
2 | SoftBank | アップル | iPhone 5s 16GB | 6.7 |
3 | ドコモ | アップル | iPhone 5s 32GB | 6.2 |
4 | au | アップル | iPhone 5s 32GB | 4.9 |
5 | au | アップル | iPhone 5s 16GB | 4.1 |
6 | ドコモ | アップル | iPhone 5s 16GB | 4.0 |
7 | SoftBank | アップル | iPhone 5c 16GB | 3.9 |
8 | SoftBank | アップル | iPhone 5s 64GB | 3.7 |
9 | au | アップル | iPhone 5s 64GB | 3.4 |
10 | au | アップル | iPhone 5c 16GB | 3.0 |
- | ドコモ iPhone 5s合計 | 13.6 | ||
- | ドコモ iPhone 5c合計 | 1.8 | ||
- | au iPhone 5s合計 | 11.4 | ||
- | au iPhone 5c合計 | 2.5 | ||
- | SoftBank iPhone 5s合計 | 19.3 | ||
- | SoftBank iPhone 5c合計 | 5.5 | ||
- | iPhone 5s合計 | 44.3 | ||
- | iPhone 5c合計 | 11.5 | ||
「BCNランキング」2013年11月第2週 週次<最大パネル>
9月20日の発売以来、「iPhone 5s」と「iPhone 5c」を合わせた新iPhoneの販売台数は、3キャリアのなかでソフトバンクモバイルが最も多く、特に「iPhone 5c」では他キャリアを大きく引き離している。今回は、これまでと視点を変えて、評価の分かれる「iPhone 5c」を中心に取り上げたい。
カラフルでポップなデザインの「iPhone 5c」
キャリアによって異なる「iPhone 5c」の売れ行き
「iPhone 5s/5c」の発売2か月の11月20日までの累計でのキャリア別販売台数シェアは、ソフトバンクモバイル40.7%、ドコモ31.9%、au27.4%。発売1か月の10月20日までの時点に比べ、1位のソフトバンクモバイルと2位のドコモの差は広がり、2位のドコモと3位のauの差が縮まった。
新モデル「iPhone 5c」に限るとソフトバンクモバイルが46.9%を占め、ダントツのトップ。発売1か月の10月20日までの時点よりも、シェアは2.2ポイント上昇し、5割近くに迫った。「バンバンのりかえ割」などのMNP向けキャンペーンやキャッシュバック、「MNP一括○○円」といった安さが後押ししているようだ。一方、ドコモはシェア20.7%と低迷している。もはや逆転は難しく、「iPhone 5c」でのシェア争いは、上位2社に絞られたといっていい。
「iPhone 5c」と上位機種の「iPhone 5s」の主な違いは、デザイン・カラーと容量のバリエーション、そして、毎月の維持費とほぼ等しい「端末代」の3点。ほかにもいくつかスペック面の違いがあるが、カメラの性能・機能以外は、実用上は差を感じないだろう。LTE対応周波数帯など、ネットワーク関連の仕様は共通で、同じキャリアなら通信速度やつながりやすさは同じと思っていい。最近は、電車内で「iPhone 5c」を使っている人を見かける機会が増えてきた。累計販売台数の伸びが示す通り、徐々にユーザーを増やしているのだろう。スマートフォンをファッション感覚で楽しみたい層や、できるだけ維持費を抑えたい層のニーズをつかんでいるようだ。
「iPhone 5s」に限ると、キャリア別販売台数シェアは、ソフトバンクモバイル38.8%、ドコモ35.3%、au25.9%となり、上位2社をスタートダッシュに遅れたauが追うという展開になっている。
多彩なキャンペーンでシェアを拡大するソフトバンク
「iPhone 5c」「iPhone 5s」ともシェアトップのソフトバンクモバイルは、MNP向けに、月額980円の基本使用料が2年または3年間、0円になるキャンペーン「バンバンのりかえ割」「のりかえ学割」を実施している。学生限定の「のりかえ学割」は、基本使用料0円に加え、パケット定額料(または2段階プランのパケット定額サービスの上限額)も、最大3年間、月額1050円割り引き、通常より少ない負担で利用できる。さらにMNP・新規限定で、「iPhone 5c」を購入すると「キャッシュバック」として請求額から合計1万円を割り引くキャンペーン「iPhone 5c 購入サポート」を実施し、一部の店舗では、さらにキャッシュバック金額を上乗せしているようだ。このほか、「iPhone 家族感謝割」「スマホ紹介割」「スマホファミリー割」といった紹介割引や、機種変更向けの「かいかえ割」も提供している。こうしたさまざまなキャンペーンがあってこその高いシェアだろう。特に、廉価版の位置づけの「iPhone 5c」は、キャンペーンの効果が大きそうだ。それに加え、これまで培ってきたイメージや、現状に満足している既存ユーザーの機種変更の多さなども要因の一つといえるだろう。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。