ワコムの「Bamboo Pad」でWindows 8の魅力をフルに引き出す

レビュー

2013/11/22 10:36

 2012年に登場したOS、Windows 8。起動の速さや軽快な動作でユーザーの支持を集めている。最大の魅力は、スマートフォンやタブレット端末と同じようにタッチ操作に最適化したユーザーインターフェース(UI)だろう。しかし、タッチパネルを搭載したPCでないと、そのUIの魅力を感じることができない。Windows 8搭載PCを使いながらタッチ操作ができない、そんなもったいない人には、ぜひワコムの外付けタッチパッド「Bamboo Pad」を使っていただきたい。

「Bamboo Pad」

Windows 8対応のタッチパッド「Bamboo Pad」

 家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によれば、2013年10月に売れたノートPCのうち、タッチ対応モデルの台数シェアは38.2%と、全体の3分の1ほどだった。伸び悩んでいる理由の一つに、価格がある。タッチ非対応モデルの平均単価が7万4932円なのに対し、タッチ対応モデルの平均単価は10万2608円とやや割高。これが、タッチパネル搭載PCにブレーキをかけている。

 とはいえ、これではタッチ操作に最適化したWindows 8がもったいない。そこで、PCを買い替えずにタッチ操作をしたい人にオススメなのが、外付けのタッチパッドだ。ノートPCに搭載しているタッチパッドを取り出したような製品で、マウスのようにポインティングデバイスとして扱うことができる。さらに、Windows 8に対応したタッチパッドなら、マルチタッチのジェスチャー操作ができる。

 「Bamboo Pad」は、ペンタブレットの老舗メーカー、ワコムが開発した外付けのタッチパッドだ。もちろん、Windows 8のタッチ操作に対応している。ラインアップは、USBケーブルで接続してバスパワーで動作する有線モデルと、USBレシーバーを使うワイヤレスモデルの2モデル。接続方法以外の仕様はほぼ同じだが、ワイヤレスモデルはバッテリとして単4乾電池2本が必要だ。

快適なタッチ操作を実現する

快適なタッチ操作を実現する「Bamboo Pad」

セットアップ方法はPCに接続するだけ



 セットアップ方法は、有線モデルもワイヤレスモデルも非常に簡単。有線モデルはUSBケーブルを、ワイヤレスモデルはレシーバーをPCに接続するだけだ。

ワイヤレスモデルでもレシーバーを接続するだけですぐに使用できる

ワイヤレスモデルでもレシーバーを接続するだけですぐに使用できる

 ワイヤレスモデルのカラーバリエーションは豊富で、インテリアに合わせやすい。ワイヤレスモデルは、メタリックグレー・ブラックのほか、ポップなパールホワイト・ブルー、パールホワイト・グリーン、パールホワイト・パープルの4色があり、好みに合わせてチョイスできる。なお、有線モデルはシックなメタリックグレー・ブラックだけだ。

左側面にある電源ボタン

左側面にある電源ボタン

 さっそくWindows 8搭載PCにつなげて使ってみた。外付けタッチパッドには、手前から奥に向かって上りの傾斜をつけたモデルが多いが、「Bamboo Pad」は完全フラットで、さらに指滑りのいい質感だ。長時間使っていてもベタつくことがなく、スムーズに操作できるのがいい。反応範囲は115×78mmと広いので、ノートPCのタッチパッドよりもずっと快適に操作ができる。さらに、手前には左クリックと右クリックの機能を割り当てたボタンを備えている。

 ジェスチャー機能を試してみよう。マルチタッチに対応し、2本指のスクロールや2本の指を広げたりつまんだりするピンチイン/アウトや、2本の指を写真などの上に置き、そのまま両方の指で円をなぞるようにして回転させたりできる。

 Windows 8特有のタッチ操作にも対応し、右から左に指を動かしてチャームを表示したり、上から下に指を滑らせてアプリバーを表示したりする「エッジスワイプ」が可能だ。Windows 8をタッチディスプレイで操作しているような感覚で、快適に動かすことができる。

「エッジスワイプ」に対応

Windows 8でよく利用する「エッジスワイプ」に対応

付属のペンで書類に直接書込みができる



 タッチ操作だけではなく、付属のデジタルスタイラスペンを使ってペンタブレットと同じように手書き文字を書き込んだり、図やイラストを描いたりできる。ペンをタブレット上にかざすと、デスクトップ上にペンカーソルが表示され、指と同じように操作ができる。また、ペン使用中は手のひらには反応せず、誤作動を防ぐ。

本体にデジタルスタイラスペンを内蔵

本体にデジタルスタイラスペンを内蔵している

手のひらには反応しないので、ペン操作も快適

手のひらには反応しないので、ペン操作も快適

 ペン入力がもっとも活躍するシーンは、書類への書込みだろう。PowerPointやOneNoteなど、Officeソフトのドキュメントに直接手書きで文字や図を加えることができる。ミーティング中に修正点を書き込んだり、プレゼンテーションで意見を補強するために重要なところをマークしたりと、さまざまなシーンで活躍する。

PowerPointなどのOfficeソフトに手書き入力ができる

PowerPointなどのOfficeソフトに手書き入力ができる

 もちろん、デジタルイラストを楽しむのもOK。ワコムは、初心者でも使いやすいメモやお絵かき用のアプリ「Bamboo Page」をWindowsストアで配布している。「Bamboo Pad」ならズームジェスチャーで画面を拡大しながら描き込め、非常に便利だ。

 「Bamboo Pad」のサイズは、幅141.4×高さ15.7×奥行き166.5mmとコンパクトなので、PCの脇に置いてもまったくじゃまにならない。Windows 8のタッチ操作を試してみたい人や、ペンで画像やデジタル文書への書き込み、ちょっとしたお絵かきをしてみたい人にはぴったりだ。タッチディスプレイ非搭載のPCを使っている人なら、ぜひ購入を検討したい。(フリーライター・星政明)


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