<地域No.1店舗の売れる秘訣・コジマ×ビックカメラ池上店>東京初のコジマ×ビックカメラ 郊外店と駅前店のよさを融合
10月12日、東京・大田区池上のコジマNEW池上店が、コジマ×ビックカメラ池上店に生まれ変わってオープンした。ゆっくりと店内を回ることができる郊外店・コジマのよさと、さまざまな商品を展示する駅前店・ビックカメラのワクワク感をもつ両社にとって東京初のコラボレーション店舗だ。ビックカメラグループの連携強化を実現する取り組みとして、業界でも注目を集めている。(取材・文/佐相彰彦)
コジマ×ビックカメラ池上店
店舗データ
住所 東京都大田区池上3-2-1
売り場面積 約2400m2
主要客層 高齢者・ファミリー
従業員 50人(アルバイト含む)
東京23区の最南端に位置し、多摩川を挟んで神奈川県川崎市と接する大田区。区内には郊外型家電量販店が少なく、大田区民の家電・デジタル機器購入スポットは、JR川崎駅周辺が中心だ。駅前にビックカメラ ラゾーナ川崎店とヨドバシカメラ マルチメディア川崎ルフロンの大型店舗が、大田区民の需要を吸収している。
東急電鉄の池上駅から徒歩10分程度、国道1号線沿いに店を構えるコジマ×ビックカメラ池上店の前身、コジマNEW池上店は、区内の数少ない郊外型店舗で、近隣住民が主要なお客様だった。御代田了亮店長は、「お客様は近隣住民に限られ、平日・休日とも高齢の方が多かった」という。国道1号線沿いでクルマの便はいいが、神奈川県からのお客様は非常に少なく、逆に「常連のお客様でも、当店にない商品を求めて川崎まで足を伸ばすと聞いたことがある」と、御代田店長は打ち明ける。
一方、ビックカメラグループは、郊外型のコジマに都市型のビックカメラの要素を加えた店舗「コジマ×ビックカメラ」の全国展開に着手。店内をゆっくりと回ることができる広い通路を確保しながら、さまざまなカテゴリの最新機種や人気機種の展示を充実させることによって、常連客を維持し、新たなお客様を獲得する店舗づくりを進めている。
そして白羽の矢が立ったのが、一定の常連客を確保しているコジマNEW池上店で、10月12日、コジマ×ビックカメラ池上店としてリニューアルオープン。ビックカメラグループにとって東京初のコラボレーション店舗として生まれ変わった。
コジマ×ビックカメラ池上店は、売り場面積が約2400m2と郊外型店舗としては標準的な規模で、約120台を収容する駐車場を備える。
リニューアル後の状況について、御代田店長は、「オープンセール後の週末(10月12~13日)の来店者数は、いつもの土・日曜の2倍以上だった。幸先のいいスタートだ」と自信をみせる。とくに、幼児や小学生の子どもを連れたファミリーの来店が多かったという。オープンセール後の平日についても、「高齢の方に加え、ベビーカーの乳児を連れた主婦が来店している」という。周辺に勤務する会社員が昼休みを利用して来店するケースも増えた。
品揃えで変えたのは、デジタルカメラを増やしたこと。取り扱い機種は、リニューアル前の5倍に達するという。また、スマートフォンアクセサリやパソコン周辺機器、理美容品も充実させた。さらに、子ども向けのオモチャやスーツケースの取り扱いを開始。御代田店長は、「商品数はリニューアル前より全体で10~15%は増えている」という。
店舗面積はリニューアル前と同じなので、商品数が増えれば、必然的に自由になるスペースは限られる。しかし、高齢者や乳児を連れたお客様が多いことから、通路は一定の広さを確保しなければならない。そこで、「什器に工夫を施した。例えばパソコンやプリンタのコーナーでは、展示棚を使ってマウスやインクなどの関連機器を展示している」。スマートフォンアクセサリは、壁一面に商品を展示。什器を高くすることによって、スペースの問題を解決した。
また、お客様に「楽しさ」を提供するために、デモコーナーの充実を図った。理美容品コーナーでは、さまざまな商品を実際に体験することができる。これは、女性客の増加に対応した施策で、「平日にゆっくり試していただいて購入につながっている」という。
接客に関しても、ビックカメラに勤務するスタッフを一時的に出向させ、コラボレーション効果を高めようとしている。ビックカメラのスタッフは、デジタルカメラをはじめ、デジタル機器に関しての知識に長けている。「現場でいっしょに働くことで、知識を習得できる」としている。
同時に、旧コジマのスタッフがビックカメラの店舗でデジタル機器の接客を習得する活動を行っている。東京初のコラボレーション店舗として、成功への道を着実に歩み始めているといえるだろう。ビックカメラグループでは、この店舗で得たノウハウをもとに、コラボレーション店舗を増やしていく。
池上店の店長に就任して2年目。以前は横須賀で店長を務めていたが、「実はその前もここで店長をしていた」という。常連客とは顔馴染み。今回のリニューアルを「地元のお客様に価値を提供できるいい機会」と捉えている。
※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2013年11月4日付 vol.1504より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは
コジマ×ビックカメラ池上店
店舗データ
住所 東京都大田区池上3-2-1
売り場面積 約2400m2
主要客層 高齢者・ファミリー
従業員 50人(アルバイト含む)
川崎がショッピングスポット 郊外店のお客様は近隣住民
東京23区の最南端に位置し、多摩川を挟んで神奈川県川崎市と接する大田区。区内には郊外型家電量販店が少なく、大田区民の家電・デジタル機器購入スポットは、JR川崎駅周辺が中心だ。駅前にビックカメラ ラゾーナ川崎店とヨドバシカメラ マルチメディア川崎ルフロンの大型店舗が、大田区民の需要を吸収している。
JR川崎駅前のヨドバシカメラ マルチメディア川崎ルフロン
東急電鉄の池上駅から徒歩10分程度、国道1号線沿いに店を構えるコジマ×ビックカメラ池上店の前身、コジマNEW池上店は、区内の数少ない郊外型店舗で、近隣住民が主要なお客様だった。御代田了亮店長は、「お客様は近隣住民に限られ、平日・休日とも高齢の方が多かった」という。国道1号線沿いでクルマの便はいいが、神奈川県からのお客様は非常に少なく、逆に「常連のお客様でも、当店にない商品を求めて川崎まで足を伸ばすと聞いたことがある」と、御代田店長は打ち明ける。
交通量が多い国道1号線沿いに店を構える
一方、ビックカメラグループは、郊外型のコジマに都市型のビックカメラの要素を加えた店舗「コジマ×ビックカメラ」の全国展開に着手。店内をゆっくりと回ることができる広い通路を確保しながら、さまざまなカテゴリの最新機種や人気機種の展示を充実させることによって、常連客を維持し、新たなお客様を獲得する店舗づくりを進めている。
そして白羽の矢が立ったのが、一定の常連客を確保しているコジマNEW池上店で、10月12日、コジマ×ビックカメラ池上店としてリニューアルオープン。ビックカメラグループにとって東京初のコラボレーション店舗として生まれ変わった。
ファミリー客が急増 固定客の来店頻度も高まる
コジマ×ビックカメラ池上店は、売り場面積が約2400m2と郊外型店舗としては標準的な規模で、約120台を収容する駐車場を備える。
リニューアル後の状況について、御代田店長は、「オープンセール後の週末(10月12~13日)の来店者数は、いつもの土・日曜の2倍以上だった。幸先のいいスタートだ」と自信をみせる。とくに、幼児や小学生の子どもを連れたファミリーの来店が多かったという。オープンセール後の平日についても、「高齢の方に加え、ベビーカーの乳児を連れた主婦が来店している」という。周辺に勤務する会社員が昼休みを利用して来店するケースも増えた。
品揃えで変えたのは、デジタルカメラを増やしたこと。取り扱い機種は、リニューアル前の5倍に達するという。また、スマートフォンアクセサリやパソコン周辺機器、理美容品も充実させた。さらに、子ども向けのオモチャやスーツケースの取り扱いを開始。御代田店長は、「商品数はリニューアル前より全体で10~15%は増えている」という。
店舗面積はリニューアル前と同じなので、商品数が増えれば、必然的に自由になるスペースは限られる。しかし、高齢者や乳児を連れたお客様が多いことから、通路は一定の広さを確保しなければならない。そこで、「什器に工夫を施した。例えばパソコンやプリンタのコーナーでは、展示棚を使ってマウスやインクなどの関連機器を展示している」。スマートフォンアクセサリは、壁一面に商品を展示。什器を高くすることによって、スペースの問題を解決した。
また、お客様に「楽しさ」を提供するために、デモコーナーの充実を図った。理美容品コーナーでは、さまざまな商品を実際に体験することができる。これは、女性客の増加に対応した施策で、「平日にゆっくり試していただいて購入につながっている」という。
接客に関しても、ビックカメラに勤務するスタッフを一時的に出向させ、コラボレーション効果を高めようとしている。ビックカメラのスタッフは、デジタルカメラをはじめ、デジタル機器に関しての知識に長けている。「現場でいっしょに働くことで、知識を習得できる」としている。
同時に、旧コジマのスタッフがビックカメラの店舗でデジタル機器の接客を習得する活動を行っている。東京初のコラボレーション店舗として、成功への道を着実に歩み始めているといえるだろう。ビックカメラグループでは、この店舗で得たノウハウをもとに、コラボレーション店舗を増やしていく。
店長が語る人気の理由――御代田 了亮 店長
コジマNEW池上店のオープンは2004年11月で、以来10年近く、池上の住民をお客様として獲得してきた。地元に密着した店舗で、常連客が多い。しかし、さまざまな製品が登場するなかで、お客様から「この店にはないの?」と聞かれることが多くなった。そんなこともあって、「リニューアルの話がもち上がったときは、これをぜひ成功させたいという気持ちが高まった」という。
池上店の店長に就任して2年目。以前は横須賀で店長を務めていたが、「実はその前もここで店長をしていた」という。常連客とは顔馴染み。今回のリニューアルを「地元のお客様に価値を提供できるいい機会」と捉えている。
■人気の理由
・商品数の増加とデモコーナーの充実
・広い通路を確保するための什器の工夫
・コジマとビックカメラのスタッフ連携
・商品数の増加とデモコーナーの充実
・広い通路を確保するための什器の工夫
・コジマとビックカメラのスタッフ連携
※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2013年11月4日付 vol.1504より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは