<地域No.1店舗の売れる秘訣・ケーズデンキ水戸本店>圧倒的な知名度でトップを維持 情に厚い市民からの絶対的な信頼
ケーズホールディングスは、本拠地・茨城県では他社を寄せつけない圧倒的な知名度を誇る。このブランド力の根源が、旗艦店であるケーズデンキ水戸本店だ。水戸市には、ヤマダ電機が都市型と郊外型の店舗を出店しているほか、ビックカメラも水戸駅店と郊外のコジマのグループで連携し、シェアを拡大しようと懸命だが、情に厚い水戸市民から絶対的な信頼を得るケーズデンキ水戸本店が大きくリードしている格好だ。(取材・文/佐相彰彦)
ケーズデンキ水戸本店
店舗データ
住所 茨城県水戸市元吉田町字上千束1944-12
主要客層 50~60歳台
売り場面積 約6600m2
従業員 約130人(アルバイト含む)
クルマ社会の水戸市で多くの市民がショッピングに訪れるのが、国道6号と国道50号をつなぐ水戸バイパスだ。大手家電量販店では、ケーズデンキ水戸本店が国道6号側の水戸バイパスの酒門町交差点に店を構える。付近には、国道50号側の水戸バイパス沿いにヤマダ電機テックランド水戸本店、コジマNEW水戸本店などが出店している。水戸市では、ケーズデンキとヤマダ電機、コジマを傘下に収めるビックカメラの3社が激しく競争している。
また、ヤマダ電機とビックカメラは、水戸市でのシェア拡大に向けて大胆な策に打って出た。それが、百貨店や繁華街がなく、買い物客が少なかったJR水戸駅前への出店だ。ヤマダ電機は2008年11月にLABI水戸をオープン。ビックカメラは2011年6月に水戸駅店をオープンした。両店舗とも、多層階で郊外とは一線を画している。
ヤマダ電機とビックカメラの進出によって、水戸駅前は、電車で通学する高校生や大学生が学校帰りに立ち寄ったり、駅北側の住民がわざわざ南側の水戸バイパスまで行かずに家電を購入できたりする便利なエリアとして認識されている。水戸市には、郊外と駅前に家電街があるのだ。
それでも、水戸市に本社を置くケーズホールディングスの地位は揺るがない。これは、江戸時代に城下町だった城東、三の丸、本町に住む古くからの市民にケーズデンキのブランドが定着していることや、メインのショッピングエリアである水戸バイパスにあるケーズデンキ水戸本店の存在が大きく影響している。
ケーズデンキ水戸本店は、お客様から信頼されるための店づくりで固定客をがっちり確保しているのだ。
ケーズデンキ水戸本店の主要客層について、川澄真一店長は「50~60代のお客様が圧倒的に多い」とする。その多くが水戸市に長く居住し、ケーズデンキに信頼を寄せる「ケーズファン」だ。その信頼は、1947年に水戸市で加藤電機商会として設立して以来、地道に築き上げてきたもので、川澄店長は、「ケーズデンキへのお客様の信頼に応えなければならないと常に意識している」という。
信頼を高めるために徹底しているのは、「お客様の声をしっかりと聞いて、親切に接客すること」という。お客様が家電やデジタル機器を使って、どんなことをしたいのか、何を解決したいのか、困っていることは何かを聞き出して、最適な商品を提案する。スタッフ一人ひとりが担当コーナーをもち、深く商品知識を習得していることで、しっかりと製品の機能を説明できることが、ていねいな接客につながっている。また、ときには担当するコーナーの配置換えを実施することで新たな知識を得させて、用途提案に広がりをもたせている。
商品を購入したお客様は、レジまでの案内はもとより、購入後、出口まで見送る。持ち運びに苦労する大型商品の場合、クルマまで商品を運ぶのはあたりまえだ。こうした接客によって、「スタッフ一人あたりに2ケタの固定客がついている」という。お客様の多くは、スタッフを指名して商品を購入する。好きなスタッフが出勤しているかどうか電話で問い合わせてくるお客様もいる。さらには「固定客が新しいお客様を連れてきてくださる」そうだ。
店舗は、1階が白物家電で、2階がパソコンや薄型テレビなどデジタル機器という2フロア構成。お客様がゆったり店内を回ることができるよう、広い通路を確保している。また、展示棚は150cm以下と低くして「お客様が最適な位置から商品を選ぶことができる」(川澄店長)。さらに、展示商品の下には在庫を置いて、「在庫があることを確認していただく」陳列も、お客様を増やしている要因だ。店側にとっては、広い通路でお客様を見つけやすいほか、棚が低いので、お客様がスタッフを探している様子を把握することができ、また在庫の陳列でスタッフがバックヤードに商品を取りに行く手間を省くことができる。お客様への気配りと業務効率につながっているわけだ。
品揃えについては、「最新製品や話題の製品を競合店よりも早く展示するようにしている」という。お客様の生の声が聞きたいということで、新製品発売イベントのタイアップを求めるメーカーも多い。ケーズデンキ水戸本店は、業界が認めるアンテナ店舗でもあるのだ。
※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2013年10月14日付 vol.1501より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは
ケーズデンキ水戸本店
店舗データ
住所 茨城県水戸市元吉田町字上千束1944-12
主要客層 50~60歳台
売り場面積 約6600m2
従業員 約130人(アルバイト含む)
郊外と駅前が家電の街 クルマで買い回りが定着
クルマ社会の水戸市で多くの市民がショッピングに訪れるのが、国道6号と国道50号をつなぐ水戸バイパスだ。大手家電量販店では、ケーズデンキ水戸本店が国道6号側の水戸バイパスの酒門町交差点に店を構える。付近には、国道50号側の水戸バイパス沿いにヤマダ電機テックランド水戸本店、コジマNEW水戸本店などが出店している。水戸市では、ケーズデンキとヤマダ電機、コジマを傘下に収めるビックカメラの3社が激しく競争している。
ケーズデンキ水戸本店の付近はショッピングエリアで交通量が多い
また、ヤマダ電機とビックカメラは、水戸市でのシェア拡大に向けて大胆な策に打って出た。それが、百貨店や繁華街がなく、買い物客が少なかったJR水戸駅前への出店だ。ヤマダ電機は2008年11月にLABI水戸をオープン。ビックカメラは2011年6月に水戸駅店をオープンした。両店舗とも、多層階で郊外とは一線を画している。
JR水戸駅前にはヤマダ電機とビックカメラが大型店を出店
ヤマダ電機とビックカメラの進出によって、水戸駅前は、電車で通学する高校生や大学生が学校帰りに立ち寄ったり、駅北側の住民がわざわざ南側の水戸バイパスまで行かずに家電を購入できたりする便利なエリアとして認識されている。水戸市には、郊外と駅前に家電街があるのだ。
それでも、水戸市に本社を置くケーズホールディングスの地位は揺るがない。これは、江戸時代に城下町だった城東、三の丸、本町に住む古くからの市民にケーズデンキのブランドが定着していることや、メインのショッピングエリアである水戸バイパスにあるケーズデンキ水戸本店の存在が大きく影響している。
ケーズデンキ水戸本店は、お客様から信頼されるための店づくりで固定客をがっちり確保しているのだ。
1人のスタッフに2ケタの固定客 お客様がお客様を呼ぶ
ケーズデンキ水戸本店の主要客層について、川澄真一店長は「50~60代のお客様が圧倒的に多い」とする。その多くが水戸市に長く居住し、ケーズデンキに信頼を寄せる「ケーズファン」だ。その信頼は、1947年に水戸市で加藤電機商会として設立して以来、地道に築き上げてきたもので、川澄店長は、「ケーズデンキへのお客様の信頼に応えなければならないと常に意識している」という。
信頼を高めるために徹底しているのは、「お客様の声をしっかりと聞いて、親切に接客すること」という。お客様が家電やデジタル機器を使って、どんなことをしたいのか、何を解決したいのか、困っていることは何かを聞き出して、最適な商品を提案する。スタッフ一人ひとりが担当コーナーをもち、深く商品知識を習得していることで、しっかりと製品の機能を説明できることが、ていねいな接客につながっている。また、ときには担当するコーナーの配置換えを実施することで新たな知識を得させて、用途提案に広がりをもたせている。
商品を購入したお客様は、レジまでの案内はもとより、購入後、出口まで見送る。持ち運びに苦労する大型商品の場合、クルマまで商品を運ぶのはあたりまえだ。こうした接客によって、「スタッフ一人あたりに2ケタの固定客がついている」という。お客様の多くは、スタッフを指名して商品を購入する。好きなスタッフが出勤しているかどうか電話で問い合わせてくるお客様もいる。さらには「固定客が新しいお客様を連れてきてくださる」そうだ。
店舗は、1階が白物家電で、2階がパソコンや薄型テレビなどデジタル機器という2フロア構成。お客様がゆったり店内を回ることができるよう、広い通路を確保している。また、展示棚は150cm以下と低くして「お客様が最適な位置から商品を選ぶことができる」(川澄店長)。さらに、展示商品の下には在庫を置いて、「在庫があることを確認していただく」陳列も、お客様を増やしている要因だ。店側にとっては、広い通路でお客様を見つけやすいほか、棚が低いので、お客様がスタッフを探している様子を把握することができ、また在庫の陳列でスタッフがバックヤードに商品を取りに行く手間を省くことができる。お客様への気配りと業務効率につながっているわけだ。
品揃えについては、「最新製品や話題の製品を競合店よりも早く展示するようにしている」という。お客様の生の声が聞きたいということで、新製品発売イベントのタイアップを求めるメーカーも多い。ケーズデンキ水戸本店は、業界が認めるアンテナ店舗でもあるのだ。
店長が語る人気の理由――川澄真一店長
川澄店長の信条は、「お客様に対して『できません』『ありません』を絶対に言わない」こと。埼玉・川越店で店長を務め売上増に貢献したほか、さまざまな地域の店舗を経験してきた。「水戸はホームグラウンドということで、ケーズデンキに対してはお客様が親切にしてくれる。ただし、それに甘えたり、おごったりしてはいけない」。だから、お客様のために何ができるのかを考えて行動することをスタッフに求め続け、実践している。
■人気の理由
・お客様の声をしっかりと聞いて対応するスタッフの親切な接客
・低い棚で視認性がよく、在庫の有無がわかる陳列
・最新機種を競合店より早く展示
・お客様の声をしっかりと聞いて対応するスタッフの親切な接客
・低い棚で視認性がよく、在庫の有無がわかる陳列
・最新機種を競合店より早く展示
※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2013年10月14日付 vol.1501より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは