Wi-Fiカードリーダーにモバイルバッテリをプラス! 全部入りの「MeoBankSD Plus」
デジタルカメラで撮影していると、撮った写真をその場でタブレット端末やスマートフォンに取り込みたくなるときがある。傑作が撮れたので、すぐにSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)にアップしたい、一緒にいる仲間に大きな画面で見てもらいたい、といったケースだ。そんなときに便利なのが、Wi-Fiカードリーダー。このところ製品数が増え、人気を集めているが、なかでも特に人気が高いのが加賀ハイテックの「TAXAN MeoBankSD(タクサン ミオバンクエスディ)」だ。9月27日には、その後継機「MeoBankSD Plus(MBSD-SURP02/BK)」が登場する。ひと足先にその使い心地を試した。
撮影した写真を手軽にワイヤレスでタブレット端末やスマートフォンに送るには、いくつかの方法がある。カメラ自体にWi-Fi機能を搭載したモデルも出ているが、使っているカメラにWi-Fi機能がない場合は、Wi-Fi機能をもつSDカードを使うという手がある。しかし、Wi-Fi機能をもつSDカードには、接続している間にカメラのバッテリを消費してしまうという難点がある。
自分自身、Wi-Fi機能搭載デジタルカメラにもWi-Fi機能搭載SDカードにも、これまで手を出さなかった。そんなときに出会ったのが、2012年11月発売のWi-Fiカードリーダー「MeoBankSD MBSD-SUR01/W」だ。一見すると小型のSDカードリーダーのようだが、これがなかなかのスグレモノだった。
「MeoBankSD」は、無線LAN規格IEEE802.11b/g/nに対応し、カードスロットに装着したSDカード内の写真や動画、音声データ、PDFファイル、Officeファイルなどをスマートフォンやタブレット端末に取り込んだり、逆にSDカードに書き込んだりできるカードリーダー。iTunesかクラウド経由でないとデータの受け渡しができないiOS搭載のデバイスだと、これがかなり便利なのだ。
また、有線LANポートにLANケーブルをつなげば、Wi-Fiルータとしても利用できる。自宅のインターネット接続を無線LANにしたいときや、旅行先や出張先の有線LANしかないホテルでWi-Fi機器からインターネットを利用したいときなど、これ1台でOKなのだ。
ネット通販大手のAmazon co.jpで検索すると、「MeoBankSD」には70件を超えるカスタマーレビューがついていて、かなりの高評価を得ている。とはいえ、「MeoBankSD」にも不満がないわけではない。内蔵バッテリで3時間駆動するが、外部電源につないだままの使用をメーカーは推奨していない。つまり、バッテリを使い切ったら使用を止めて充電しなければならない。これは面倒だった。また、本体に厚みがあってゴロッとしているので、カバンのなかでの収まりが悪く、ポケットに入れて持ち歩くにもよろしくない。
Amazon co.jpでは、「Android端末向けのアプリがほしい」「充電ポートをminiUSBではなくスマートフォンやタブレット端末が採用するmicro USBにしてほしい」といった要望が挙がっていた。こうした要望に応えながら、さらに機能を追加して磨きをかけたのが、9月27日発売の「MeoBankSD Plus」だ。さっそく入手して使用した。
「MeoBankSD Plus」は、外観からして前機種とは大きく異なる。カラーはホワイトからつや消し塗装を施したマットブラックになり、大きさは名刺をわずかに大きくしたくらい。最薄部の厚みは13mmで、前機種のほぼ半分だ。これならポケットにも無理なく収まる。有線LANポートがあるので、これ以上薄くするのは物理的に無理だったのだろう。ポートがある側にほんの少し厚みを足すことで、ギリギリの薄さに迫っている。重さはわずか90g。Wi-Fiカードリーダーのなかでも最軽量だ。
この薄く軽いボディに2000mAhのバッテリを内蔵し、最長5時間のバッテリ駆動時間を実現した。さらに、外部電源につないで本体に給電しながら使用できるようになった。バッテリ駆動での最大の懸案をみごとに解消している。
また、容量をアップしたバッテリの電力を生かして、USB経由でスマートフォンやデジタルカメラなどを充電することができるモバイルバッテリ機能を搭載。5V/1.0Aの電圧で給電する。本体側面にあるスイッチを切り替えることでWi-Fi機能を停止して給電だけが働くようになり、「MeoBankSD Plus」を充電用モバイルバッテリとしてだけ使うことができるようになる。ムダな電力消費が抑えられるので、これはよく考えられていると思う。
専用アプリは、iOS用に加えてAndroid用もリリースされた。Androidユーザーは、これまでウェブブラウザで「MeoBankSD」にアクセスして操作する「ブラウザモード」で利用していたが、これでAndroidアプリを使ってより簡単に操作ができる。「ブラウザモード」は「MeoBankSD Plus」にも継承しているので、iOSやAndroid以外の、例えば携帯ゲーム機などからでも「MeoBankSD Plus」にアクセスすることができる。
さらに、Android用アプリはSDカード内の写真をスピーディーに表示する「画像先読み機能」を搭載。SDカード内の写真を表示したときに、その前後の写真をバックグラウンドで読み込んでおいて、進む・戻る操作をしたときの写真の表示を快適にできる。Wi-Fi機能搭載SDカードだと、前後の写真への移動がもたつくことがよくあるが、「MeoBankSD Plus」と専用アプリの組み合わせはサクサク表示。スマートフォンやタブレット端末上での写真の拡大・縮小にもすばやく反応する。これは、写真を撮る者としては非常にありがたい機能だ。ストレスなく写真の表示や取り込みができるというのは、カードリーダーとして重要な要件だと思う。
iOSアプリでは、iPhoneから「MeoBankSD Plus」にアクセスするとき、iPhoneの「連絡先」をSDカードに書き出す「iPhone連絡先バックアップ機能」が新たに加わった。SDカードにCSV形式のファイルとして書き出し、バックアップすることができる。もちろん、SDカードのデータを使ってiPhoneの「連絡先」を復元することもできる。連絡先のデータは暗号化して保存できるので安心だ。
「iPhone連絡先バックアップ機能」を備えるWi-Fiカードリーダーは、通信キャリアが発売する純正品を除けば、「MeoBankSD Plus」だけだ。連絡先データの機種間移動にも利用でき、iPhone 5からiPhone 5S/5Cへ買替えを考えている方にも便利な機能である。
「MeoBankSD Plus」は、ほかにも画期的な機能を搭載している。「Wi-Fiリピーターモード」もその一つ。これは、無線LANアクセスポイントに「MeoBankSD Plus」を接続してブリッジ(中継機)として使い、スマートフォンやタブレット端末をWi-Fiでインターネットに接続しながら、ワイヤレスでSDカードの読み書きをする機能。他社のWi-FiカードリーダーやWi-Fi搭載SDカード、Wi-Fi機能搭載デジタルカメラなどは、無線LANでインターネット接続に利用するときと、Wi-Fiカードリーダーとして利用するときとでは、スマートフォンやタブレット端末のWi-Fi設定をいちいち変更しなければならなかったが、「MeoBankSD Plus」なら、そうした面倒なことはない。インターネットもSDカードの読み書きも、ワイヤレスでシームレスに利用することができるというのは、使ってみると本当に便利だと感じ入った。
SDカードが読み書きできるWi-Fiカードリーダー、モバイルで使える無線LANルータ、スマートフォンやデジタルカメラの充電ができるモバイルバッテリという1台で3役をこなす「MeoBankSD Plus」。Wi-Fiカードリーダーのなかでは最も多機能で、他の製品が搭載している機能で「MeoBankSD Plus」が対応していない機能はないほどだ。
「わざわざ手間をかけなくても、最初からスマートフォンやタブレット端末のカメラで撮影すれば簡単なのに」という人もいるだろう。しかし、やっぱり写真はちゃんとしたカメラで撮りたいものなのである。気に入ったカメラで、こだわりの写真を撮る。撮った写真は、その場でスマートフォンやタブレット端末の高解像度画面で確認したい。筆者のようなニーズを持つ人にとっては、「MeoBankSD Plus」は現時点でベストチョイスの製品といえる。(フリーライター・榎木秋彦)
9月27日発売のWi-Fiカードリーダー「TAXAN MeoBankSD Plus」
LANケーブルをつなげばWi-Fiルータにもなる
撮影した写真を手軽にワイヤレスでタブレット端末やスマートフォンに送るには、いくつかの方法がある。カメラ自体にWi-Fi機能を搭載したモデルも出ているが、使っているカメラにWi-Fi機能がない場合は、Wi-Fi機能をもつSDカードを使うという手がある。しかし、Wi-Fi機能をもつSDカードには、接続している間にカメラのバッテリを消費してしまうという難点がある。
自分自身、Wi-Fi機能搭載デジタルカメラにもWi-Fi機能搭載SDカードにも、これまで手を出さなかった。そんなときに出会ったのが、2012年11月発売のWi-Fiカードリーダー「MeoBankSD MBSD-SUR01/W」だ。一見すると小型のSDカードリーダーのようだが、これがなかなかのスグレモノだった。
2012年11月発売の「TAXAN MeoBankSD」
「MeoBankSD」は、無線LAN規格IEEE802.11b/g/nに対応し、カードスロットに装着したSDカード内の写真や動画、音声データ、PDFファイル、Officeファイルなどをスマートフォンやタブレット端末に取り込んだり、逆にSDカードに書き込んだりできるカードリーダー。iTunesかクラウド経由でないとデータの受け渡しができないiOS搭載のデバイスだと、これがかなり便利なのだ。
SDカード内の写真を一覧表示(MeoBankSD+)
また、有線LANポートにLANケーブルをつなげば、Wi-Fiルータとしても利用できる。自宅のインターネット接続を無線LANにしたいときや、旅行先や出張先の有線LANしかないホテルでWi-Fi機器からインターネットを利用したいときなど、これ1台でOKなのだ。
ネット通販大手のAmazon co.jpで検索すると、「MeoBankSD」には70件を超えるカスタマーレビューがついていて、かなりの高評価を得ている。とはいえ、「MeoBankSD」にも不満がないわけではない。内蔵バッテリで3時間駆動するが、外部電源につないだままの使用をメーカーは推奨していない。つまり、バッテリを使い切ったら使用を止めて充電しなければならない。これは面倒だった。また、本体に厚みがあってゴロッとしているので、カバンのなかでの収まりが悪く、ポケットに入れて持ち歩くにもよろしくない。
Amazon co.jpでは、「Android端末向けのアプリがほしい」「充電ポートをminiUSBではなくスマートフォンやタブレット端末が採用するmicro USBにしてほしい」といった要望が挙がっていた。こうした要望に応えながら、さらに機能を追加して磨きをかけたのが、9月27日発売の「MeoBankSD Plus」だ。さっそく入手して使用した。
薄く、軽く、モバイルバッテリにもなる
「MeoBankSD Plus」は、外観からして前機種とは大きく異なる。カラーはホワイトからつや消し塗装を施したマットブラックになり、大きさは名刺をわずかに大きくしたくらい。最薄部の厚みは13mmで、前機種のほぼ半分だ。これならポケットにも無理なく収まる。有線LANポートがあるので、これ以上薄くするのは物理的に無理だったのだろう。ポートがある側にほんの少し厚みを足すことで、ギリギリの薄さに迫っている。重さはわずか90g。Wi-Fiカードリーダーのなかでも最軽量だ。
「MeoBankSD」(左)と「MeoBankSD Plus」
この薄く軽いボディに2000mAhのバッテリを内蔵し、最長5時間のバッテリ駆動時間を実現した。さらに、外部電源につないで本体に給電しながら使用できるようになった。バッテリ駆動での最大の懸案をみごとに解消している。
また、容量をアップしたバッテリの電力を生かして、USB経由でスマートフォンやデジタルカメラなどを充電することができるモバイルバッテリ機能を搭載。5V/1.0Aの電圧で給電する。本体側面にあるスイッチを切り替えることでWi-Fi機能を停止して給電だけが働くようになり、「MeoBankSD Plus」を充電用モバイルバッテリとしてだけ使うことができるようになる。ムダな電力消費が抑えられるので、これはよく考えられていると思う。
iPhoneを充電できる
Androidアプリをリリース 先読み機能で画像をサクサク表示
専用アプリは、iOS用に加えてAndroid用もリリースされた。Androidユーザーは、これまでウェブブラウザで「MeoBankSD」にアクセスして操作する「ブラウザモード」で利用していたが、これでAndroidアプリを使ってより簡単に操作ができる。「ブラウザモード」は「MeoBankSD Plus」にも継承しているので、iOSやAndroid以外の、例えば携帯ゲーム機などからでも「MeoBankSD Plus」にアクセスすることができる。
さらに、Android用アプリはSDカード内の写真をスピーディーに表示する「画像先読み機能」を搭載。SDカード内の写真を表示したときに、その前後の写真をバックグラウンドで読み込んでおいて、進む・戻る操作をしたときの写真の表示を快適にできる。Wi-Fi機能搭載SDカードだと、前後の写真への移動がもたつくことがよくあるが、「MeoBankSD Plus」と専用アプリの組み合わせはサクサク表示。スマートフォンやタブレット端末上での写真の拡大・縮小にもすばやく反応する。これは、写真を撮る者としては非常にありがたい機能だ。ストレスなく写真の表示や取り込みができるというのは、カードリーダーとして重要な要件だと思う。
iPhoneの連絡先をSDカードにバックアップ
iOSアプリでは、iPhoneから「MeoBankSD Plus」にアクセスするとき、iPhoneの「連絡先」をSDカードに書き出す「iPhone連絡先バックアップ機能」が新たに加わった。SDカードにCSV形式のファイルとして書き出し、バックアップすることができる。もちろん、SDカードのデータを使ってiPhoneの「連絡先」を復元することもできる。連絡先のデータは暗号化して保存できるので安心だ。
「iPhone連絡先バックアップ機能」を備えるWi-Fiカードリーダーは、通信キャリアが発売する純正品を除けば、「MeoBankSD Plus」だけだ。連絡先データの機種間移動にも利用でき、iPhone 5からiPhone 5S/5Cへ買替えを考えている方にも便利な機能である。
「連絡先管理」をタップして保存や復元の操作ができる
「MeoBankSD Plus」は、ほかにも画期的な機能を搭載している。「Wi-Fiリピーターモード」もその一つ。これは、無線LANアクセスポイントに「MeoBankSD Plus」を接続してブリッジ(中継機)として使い、スマートフォンやタブレット端末をWi-Fiでインターネットに接続しながら、ワイヤレスでSDカードの読み書きをする機能。他社のWi-FiカードリーダーやWi-Fi搭載SDカード、Wi-Fi機能搭載デジタルカメラなどは、無線LANでインターネット接続に利用するときと、Wi-Fiカードリーダーとして利用するときとでは、スマートフォンやタブレット端末のWi-Fi設定をいちいち変更しなければならなかったが、「MeoBankSD Plus」なら、そうした面倒なことはない。インターネットもSDカードの読み書きも、ワイヤレスでシームレスに利用することができるというのは、使ってみると本当に便利だと感じ入った。
選んで満足の1台3役、しかも一番多機能!
SDカードが読み書きできるWi-Fiカードリーダー、モバイルで使える無線LANルータ、スマートフォンやデジタルカメラの充電ができるモバイルバッテリという1台で3役をこなす「MeoBankSD Plus」。Wi-Fiカードリーダーのなかでは最も多機能で、他の製品が搭載している機能で「MeoBankSD Plus」が対応していない機能はないほどだ。
「わざわざ手間をかけなくても、最初からスマートフォンやタブレット端末のカメラで撮影すれば簡単なのに」という人もいるだろう。しかし、やっぱり写真はちゃんとしたカメラで撮りたいものなのである。気に入ったカメラで、こだわりの写真を撮る。撮った写真は、その場でスマートフォンやタブレット端末の高解像度画面で確認したい。筆者のようなニーズを持つ人にとっては、「MeoBankSD Plus」は現時点でベストチョイスの製品といえる。(フリーライター・榎木秋彦)