Wi-Fi接続ができるHDD「LHR-DS05WU3」、スマートフォンのデータ保存先に

レビュー

2013/07/25 20:10

 PCに加え、スマートフォンやタブレット端末など一人が保有する機器の数が増えていくと、それに比例して保存するデータ量は大きくなっていく。この大容量データの保存先と共有、管理の方法は、個人にとって大きな課題になる。スマートフォンのカメラ機能でさえ1000万画素を超えるいま、数年分の家族写真ともなれば、軽く数十GBを超える。これらの大容量の写真・音楽・動画などのデータの保存に最適なツールが登場した。それが、ロジテックのWi-Fi対応外付けHDD「LHR-DS05WU3」だ。USB3.0接続とWi-Fi接続の両方に対応した「LHR-DS05WU3」の使い勝手をいち早く試した。

ロジテックのWi-Fi対応外付けHDD「LHR-DS05WU3」

PCとの接続はUSB 3.0とWi-Fiが選択できる



 「LHR-DS05WU3」は、PCとUSB 3.0インターフェースで接続する外付けHDDだ。容量は3TBで、好みの容量のHDDを組み込むことができるHDDケースも用意する。7月下旬に発売する。

micro USB 3.0端子を背面に装備

HDDケースモデルを選べば好きなHDDを装着できる

 「LHR-DS05WU3」はWi-Fi機能を搭載。PCはもちろん、スマートフォンやタブレット端末から専用アプリを利用して、ワイヤレスでHDDにデータを保存したり、HDD内のデータを表示したりできる。

 例えば、あらかじめPCと高速通信ができるUSB 3.0で接続し、大量の写真を「LHR-DS05WU3」に保存しておけば、家族が持っているスマートフォンやタブレット端末で写真を共有することができる。家族旅行の写真をすべて「LHR-DS05WU3」に保存しておけば、スマートフォン/タブレット端末で簡単に探すことができるわけだ。

大量のデータは転送速度の速いUSB 3.0接続を利用しよう

iPad/Android端末から保存したデータにアクセスする



 さっそくスマートフォン/タブレット端末から「LHR-DS05WU3」アクセスしよう。まず、iOS端末はiTunes App Storeから、Android端末はGooglePlayから専用の無料アプリ「Wi-cool」を検索してインストールする。

 アプリをインストールしたら、「LHR-DS05WU3」の背面スイッチを一番端の「WP」に切り替える。そして、スマートフォン/タブレット端末の設定画面からWi-Fi接続を選び、「LHR-DS 05WU3_xxx」という名前のSSIDに接続する。このSSIDが「LHR-DS05WU3」のアクセスポイントだ。アプリからファイルのコピーや表示、設定ができるようになる。事前にPCから画像データなどをコピーしている場合は、その画像などをアプリ上で表示することができる。

「LHR-DS 05WU3_xxx」をWi-Fi接続に選んで(上)、アクセスするデータの種類を選ぶ(下)

 アプリを起動すると、「写真」「音楽」「動画」など、カテゴリ別にデータを表示する。また「フォルダ」を選択すると、PCと同じようなフォルダツリーで表示できる。「写真」では左側に30枚ずつリストを表示し、選んだ画像は右側に表示。写真リストは、サムネイル一覧に切り替えることができ、写真をすばやく探したいときに便利だ。iOS版ではスワイプ操作で拡大縮小ができる。

リスト/サムネイルの表示切替えができる

 このほか、スライドショー表示や、表示している写真をスマートフォン/タブレット端末のメモリに保存することができる。

スライドショー表示の表示秒数や切替え効果が設定できる

 専用アプリ「Wi-cool」は、「LHR-DS05WU3」に保存した写真のを表示やダウンロードができるだけでなく、スマートフォン/タブレット端末に保存した写真をPCを介さずにワイヤレスで保存できて便利だ。

「フォルダ」機能から「写真をアップロードする」を選び(左)、「LHR-DS05WU3」に保存したい写真の格納場所を選択する(右)

 ここまではすべて「写真」で設定を行ってきたが、「音楽」や「動画」も同様の操作で表示や保存ができる。対応するファイル形式は、画像がjpg/png、音楽がmp3/mp4/wav、動画がmp4/mov(iOS)/avi(Android)。「フォルダ」メニューからのアクセスでは、PDFファイルやTXTファイル、doc、xlsファイルなどの認識もできる。

「LHR-DS05WU3」を家庭内ネットワークで共有



 「LHR-DS05WU3」は、スマートフォン/タブレット端末との一対一での接続のほか、無線LANルータを使ったブリッジ接続もできる。ブリッジ接続とは、「LHR-DS05WU3」がほかのワイヤレス機器と同じように無線LANルータからのネットワーク接続につながっている状態のこと。同じネットワークにつながっている機器から、自由に「LHR-DS05WU3」にアクセスできる。「LHR-DS05WU3」に接続したスマートフォン/タブレット端末が無線LANルータを介してインターネットにアクセスできるので、メールやインターネット環境が途切れないというメリットもある。

一対一での接続から「インターネットアクセス」を選び、ブリッジ接続に切り替える

 また、PCからもネットワークドライブとして認識するので、好きな端末からアクセスできる。ただし、データ転送速度はUSB 3.0接続と比べると圧倒的に遅いので、大量のデータコピーはUSBケーブルを接続して行いたい。

 このほか、「LHR-DS05WU3」はDLNAガイドラインに準拠し、DLNA対応機器からのアクセスができる。PCやスマートフォン/タブレット端末以外の機器からも保存したデータを表示・再生できるのだ。

写真や動画、音楽、文書などを簡単に共有できる



 「LHR-DS05WU3」を実際に使って感じたのは、大量のデータを保存するデバイスとして最適なのは、やはりHDDだったということ。最近では、多層対応で最大100GBものデータが記録できるBDXLや、クラウドサービスなどが普及し、さまざまなデータ保存方法が利用できる。しかし、TB単位でデータを保存するとなると、HDDしか選択肢はない。

 これまでの外付けHDDはあくまでも「PCの周辺機器」であり、ほかのデジタル機器からの使い勝手はよくなかった。かといって、本格的なNAS(ネットワークHDD)は、利用する際のハードルが高い。

 しかし、「LHR-DS05WU3」は、通常の外付けHDDとしての使い勝手と、スマートフォンやタブレット端末からWi-Fi接続でアクセスできる手軽さを両立した。家族みんなで共有したい成長記録の数々や、大切なデータを保存しておくのに非常に便利なドライブだ。(デジタル・家電ライター/コヤマタカヒロ)