Bluetoothキーボード、コンパクトタイプが伸びる 価格も手頃に
パソコン用キーボードのうち、Bluetooth接続のワイヤレスキーボードが伸びている。売れているのは、パソコンだけではなくiOSやAndroidを搭載したタブレット端末・スマートフォンでも使えるコンパクトタイプ。いまやBluetoothキーボード全体の販売台数の7~8割を占めている。一部の製品を除いて、おおむね2000~3000円台と価格も手頃だ。
2.4Ghz帯などの無線を使用したワイヤレスキーボードと違って、Bluetoothキーボードは、パソコン、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機など、さまざまな機器に対応する。ただし、Bluetoothにはいくつかのバージョン・プロファイルがあって、すべてのBluetooth対応機器で利用できるわけではない。購入する際は、事前に対応機種・対応OSや使用上の注意事項などを確認しよう。通常のキーボードと同じ大きさか、ひと回り小さいスタンダードモデル以外にも、携帯に便利な折りたたみ式、丸めて持ち運べるシリコン製、タブレット・スマートフォン専用ケースにキーボードをつけたケース一体型キーボードなど、種類は豊富だ。
家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、マウスとキーボードのセット製品を含めたBluetoothキーボードの販売台数は、スマートフォンが本格的に普及し始めた2010年冬頃から徐々に増え、11年12月から大きく増加した。販売台数は他の方式より少ないが、前年同月比は11年5月以降は毎月100%を超え、一時は180%以上だった。3年前の10年5月の販売台数を1とすると、パソコン向けの有線キーボードはおおむね横ばいか微増、無線式のワイヤレスキーボードは最大2.6倍にとどまっており、伸び率はBluetoothキーボードが最も大きい。
通常/Mac用通常/コンパクト/特殊形状の4分類のうち、コンパクトタイプに限ると伸び率はさらに大きく、同じく3年前の10年5月の販売台数を1とすると、12年12月、13年1月、3月~5月は11倍以上に達した。103キーなどの通常タイプはほぼ横ばいだったので、Bluetoothキーボード全体に占めるコンパクトタイプの割合は20%台から70%台まで上昇し、今や8割近くを占めている。
要因は、スマ―フォンやタブレット端末など、パソコン以外のBluetooth対応機器の普及にあるだろう。総務省の「平成24年通信利用動向調査」によると、12年末時点の世帯保有率はスマートフォンが49.5%、タブレット端末が15.3%。そのうちの数%が買っただけでも、一気に販売台数は跳ね上がる。
以前に比べて価格が下がり、「試し買い」のハードルが低くなったことも大きい。以前は6000~7000円台だったコンパクトタイプのBluetoothキーボードの平均単価は、11年秋頃には5000円前後に下がり、今は4000円台前半。実際には、第3・4世代iPad/iPad 2専用のケース一体型キーボード「TK710」などの6000円以上の高価格帯と、2000~3000円台の低価格帯に分かれ、全体の約半数が4000円未満だ。
外付けキーボードの購入を検討しているタブレット端末・スマートフォンユーザー向けに、コンパクトタイプとiPad/iPhone/iPod touchでも利用できるMac用に限ったBluetoothキーボードのランキングを紹介しよう。
2013年5月の販売台数1位は、ロジクールのケース一体型キーボード「TK710」のホワイトモデル「TK710WH」だった。2~4位には、アップル純正の超薄型キーボード「Apple Wireless Keyboard(MC184J/B)」、「TK710」のブラックモデル、Windows用モードとiOS用モードを「切り替えキー」で簡単に切り替えられるエレコムのスタンダードキーボード「TK-FBP052BK」が僅差で並び、少し離れてバッファローの節電タイプのスタンダードキーボード「BSKBB06BK」が入った。
カラーバリエーションを合算すると、ロジクールの「TK710」のシェアは18.8%で、オンラインストア価格で9980円と高額にもかかわらず、実売2000~3000円台のエレコムの「TK-FBP052」(10.0%)やバッファローの「BSKBB06」(8.4%)を大きく引き離している。
「TK710」を除く上位10以内の製品は、すべて折りたたみ式ではないごく普通の形状で、折りたたみ式は13位に入ったバッファローの「BSKBB15BK」が最上位だった。iPad専用の「TK710」はもちろん、他の製品も、主な購入者はノートPCと同じように使いたいと思ったタブレット端末・スマートフォンのユーザーだろう。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。
※「Bluetoothキーボード」のデータに関して
現在、キーボード一体型スマートフォン・タブレット専用ケースの一部製品は「スマートフォンアクセサリ」に分類しており、「Bluetoothキーボード」には含まれておりません。該当する製品の分類を変更した場合、販売台数指数や前年比などの数値や、ランキングの順位・シェアなどが変わる可能性があります。分類は随時、変更・見直しを行っております。何卒ご了承ください。
主流はコンパクトタイプ、販売台数は3年前の10倍以上の水準に
2.4Ghz帯などの無線を使用したワイヤレスキーボードと違って、Bluetoothキーボードは、パソコン、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機など、さまざまな機器に対応する。ただし、Bluetoothにはいくつかのバージョン・プロファイルがあって、すべてのBluetooth対応機器で利用できるわけではない。購入する際は、事前に対応機種・対応OSや使用上の注意事項などを確認しよう。通常のキーボードと同じ大きさか、ひと回り小さいスタンダードモデル以外にも、携帯に便利な折りたたみ式、丸めて持ち運べるシリコン製、タブレット・スマートフォン専用ケースにキーボードをつけたケース一体型キーボードなど、種類は豊富だ。
さまざまなBluetoothキーボード
(左から時計回りに、エレコムの「TK-FBP052BK」、バッファローの「BSKBB15BK」「BSKBB06WH」、アップルの「Apple Wireless Keyboard」)
(左から時計回りに、エレコムの「TK-FBP052BK」、バッファローの「BSKBB15BK」「BSKBB06WH」、アップルの「Apple Wireless Keyboard」)
家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、マウスとキーボードのセット製品を含めたBluetoothキーボードの販売台数は、スマートフォンが本格的に普及し始めた2010年冬頃から徐々に増え、11年12月から大きく増加した。販売台数は他の方式より少ないが、前年同月比は11年5月以降は毎月100%を超え、一時は180%以上だった。3年前の10年5月の販売台数を1とすると、パソコン向けの有線キーボードはおおむね横ばいか微増、無線式のワイヤレスキーボードは最大2.6倍にとどまっており、伸び率はBluetoothキーボードが最も大きい。
通常/Mac用通常/コンパクト/特殊形状の4分類のうち、コンパクトタイプに限ると伸び率はさらに大きく、同じく3年前の10年5月の販売台数を1とすると、12年12月、13年1月、3月~5月は11倍以上に達した。103キーなどの通常タイプはほぼ横ばいだったので、Bluetoothキーボード全体に占めるコンパクトタイプの割合は20%台から70%台まで上昇し、今や8割近くを占めている。
要因は、スマ―フォンやタブレット端末など、パソコン以外のBluetooth対応機器の普及にあるだろう。総務省の「平成24年通信利用動向調査」によると、12年末時点の世帯保有率はスマートフォンが49.5%、タブレット端末が15.3%。そのうちの数%が買っただけでも、一気に販売台数は跳ね上がる。
以前に比べて価格が下がり、「試し買い」のハードルが低くなったことも大きい。以前は6000~7000円台だったコンパクトタイプのBluetoothキーボードの平均単価は、11年秋頃には5000円前後に下がり、今は4000円台前半。実際には、第3・4世代iPad/iPad 2専用のケース一体型キーボード「TK710」などの6000円以上の高価格帯と、2000~3000円台の低価格帯に分かれ、全体の約半数が4000円未満だ。
1位はiPad専用の「TK710」 他の製品も主な購入者はタブレットユーザーか
外付けキーボードの購入を検討しているタブレット端末・スマートフォンユーザー向けに、コンパクトタイプとiPad/iPhone/iPod touchでも利用できるMac用に限ったBluetoothキーボードのランキングを紹介しよう。
2013年5月の販売台数1位は、ロジクールのケース一体型キーボード「TK710」のホワイトモデル「TK710WH」だった。2~4位には、アップル純正の超薄型キーボード「Apple Wireless Keyboard(MC184J/B)」、「TK710」のブラックモデル、Windows用モードとiOS用モードを「切り替えキー」で簡単に切り替えられるエレコムのスタンダードキーボード「TK-FBP052BK」が僅差で並び、少し離れてバッファローの節電タイプのスタンダードキーボード「BSKBB06BK」が入った。
順位 | メーカー | 品名(カラー) | 型番 | カラー | 販売台数 シェア(%) | 備考 |
1 | ロジクール | Ultrathin Keyboard Cover | TK710WH | ホワイト | 11.1 | 第3・4世代iPad iPad 2専用 |
2 | アップル | Apple Wireless Keyboard (JIS) | MC184J/B | ホワイト& シルバー | 8.5 | |
3 | ロジクール | Ultrathin Keyboard Cover | TK710 | ブラック | 7.7 | 第3・4世代iPad/ iPad 2専用 |
4 | エレコム | Bluetooth3.0対応 ワイヤレスキーボード | TK-FBP052BK | ブラック | 7.3 | |
5 | バッファロー | Bluetooth3.0対応 コンパクトキーボード 節電モデル | BSKBB06BK | ブラック | 5.2 | |
6 | エレコム | Bluetooth ワイヤレス フルキーボード (コンパクトサイズ) | TK-FBP013BK | ブラック | 3.9 | |
7 | バッファロー | Bluetooth3.0対応 コンパクトキーボード 節電モデル | BSKBB06WH | ホワイト | 3.1 | |
8 | エレコム | Bluetooth ワイヤレス フルキーボード 日本語82キー配列 | TK-FBM023BK | ブラック | 2.9 | |
9 | エレコム | Bluetooth3.0対応 ワイヤレスキーボード | TK-FBP052WH | ホワイト | 2.7 | スタンド付属 |
10 | マイクロソフト | Wedge Mobile Keyboard for Business | U7R-00022 | ブラック | 2.5 | スタンドになる カバー付属 |
※カラーバリエーションは別製品としてカウント
※iPad/iPhone/iPod touchに対応したMacタイプを含む
※現在、キーボード一体型スマートフォン・タブレット専用ケースの一部製品は「スマートフォンアクセサリ」に分類しており、「Bluetoothキーボード」には含まれておりません。
※iPad/iPhone/iPod touchに対応したMacタイプを含む
※現在、キーボード一体型スマートフォン・タブレット専用ケースの一部製品は「スマートフォンアクセサリ」に分類しており、「Bluetoothキーボード」には含まれておりません。
「BCNランキング」2013年5月 月次<最大パネル>
カラーバリエーションを合算すると、ロジクールの「TK710」のシェアは18.8%で、オンラインストア価格で9980円と高額にもかかわらず、実売2000~3000円台のエレコムの「TK-FBP052」(10.0%)やバッファローの「BSKBB06」(8.4%)を大きく引き離している。
iPad用ケース・スタンド・キーボードを兼ね備えたロジクールのキーボードカバー「TK710」(ホワイト・ブラック)
「TK710」を除く上位10以内の製品は、すべて折りたたみ式ではないごく普通の形状で、折りたたみ式は13位に入ったバッファローの「BSKBB15BK」が最上位だった。iPad専用の「TK710」はもちろん、他の製品も、主な購入者はノートPCと同じように使いたいと思ったタブレット端末・スマートフォンのユーザーだろう。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。
※「Bluetoothキーボード」のデータに関して
現在、キーボード一体型スマートフォン・タブレット専用ケースの一部製品は「スマートフォンアクセサリ」に分類しており、「Bluetoothキーボード」には含まれておりません。該当する製品の分類を変更した場合、販売台数指数や前年比などの数値や、ランキングの順位・シェアなどが変わる可能性があります。分類は随時、変更・見直しを行っております。何卒ご了承ください。