高性能マイク搭載のリニアPCMレコーダー「ICD-SX1000」 会議も音楽もクリアに録音
会議の議事録作成や商談のメモ、インタビューなど、ビジネスシーンで活躍するデジタル機器がICレコーダーだ。近年、より高音質で録音できるモデルが続々と登場。ビジネスシーン以外にも活用シーンが広がり、バンドの生演奏から野鳥のさえずり、列車の音など、さまざまな音源の録音に利用されている。
最新ICレコーダーのなかでも特に注目したいのが、音楽CDよりも高音質で録音できるリニアPCMに対応したモデルだ。ソニーのリニアPCM対応「ICD-SX1000」は、高音質録音だけでなく、録音した空間の空気感まで記録できると評判。さっそく借りだして、さまざまなシーンで試した。
ICレコーダーの性能を最も左右するのがマイクだ。必要な音をしっかり拾うかどうかは、マイクの性能にかかっている。また、集音性能だけではなく、空調やざわめきなど、ノイズとなる音をカットする機能も求められている。
「ICD-SX1000」は、広範囲の音を定位感を失わずに録音できる2つの「ステレオマイク」、特定の話し手の音声をクリアに録音する「ズームマイク」の3つのマイクを備える「3マイクシステム」を採用。2種類のマイクをシーンに応じて使い分けることで、高音質での録音を実現している。
小さい音を拾いつつもノイズを抑える「Sマイク・システム」を搭載。高性能マイクとしっかりと録音する内部の録音システムを組み合わせることでダイナミックレンジが広がり、ノイズを抑えながら遠くの声や小さい音をより聞きやすい自然な音で録音することができる。
録音機能も多彩だ。「シーンセレクト」は、「会議」「講演」「インタビュー」「ボイスメモ」「音楽」などを用意しており、シーンを選択するだけで「録音モード」や「内蔵マイク設定」を一括で適切な設定値に切り替えることができる。シーンの設定は、液晶画面下の「シーン」ボタンを押すだけと簡単だ。
仕事柄、取材をすることが多く、よく「インタビュー」モードで録音したのだが、話をしている人の声が聞きやすい。また展示会取材など、周囲に大勢の人がいる環境では、人のざわめきをノイズとし認識して抑制し、話をしている人の声がより際立った。
「会議」モードは、ICレコーダーの傍にいる人だけでなく、席が離れた参加者の声もきちんととらえる。会議室のエアコンや空気清浄機、プロジェクターの駆動音などは、しっかりカットしていた。
電源を入れたらすぐ録音を開始したいときや、どのシーンに設定したらいいのか迷うときは、「おまかせボイス」モードに設定しておくといい。「おまかせボイス」は、録音の際、入力音声レベルを判断して最適なマイク感度に自動で設定し、録音する。多くの場合、このモードで問題なく録音できた。
内蔵マイクの設定は、カスタマイズに対応。ズームマイクの感度は3段階に、ステレオマイクは音声用、音楽用、そしてマニュアル設定ができる。自分好みにカスタマイズした設定は「Myシーン」として二つ登録することができる。「おまかせボイス」や各シーンモードよりもさらに高音質での録音を考えるなら、マニュアルで設定するといいだろう。
「ICD-SX1000」は、コンパクトながら、リニアPCM形式(96kHz/24bit)での録音にも対応している。一般的なMP3形式とは異なり、音声データを圧縮しない非圧縮形式なので、音の細かなディテールや空気感までしっかりと記録することができる。生バンドの演奏や、野鳥のさえずりを録音するなど、ビジネス以外のシーンでも活用できるのだ。
再生機能で注目したいのが、192kHz/24bitのハイレゾリューション(ハイレゾ)音源の再生に対応している点だ。最近ではハイレゾ音源での楽曲配信もスタートし、インターネット上で簡単に入手できる。「ICD-SX1000」は、フルデジタルアンプ「S-Master」を搭載し、音のひずみや劣化を抑え、音源を忠実に再現することができる。
「ICD-SX1000」で、バンド練習中の様子を録音したハイレゾ音源とCD音源を聞き比べたところ、ハイレゾ音源は楽器を鳴らしている後ろで話している人の声や楽譜をめくる音などまで聞き取ることができた。楽曲で聞き比べると、CD音源では消えてしまった弦楽器の音の伸びや歌手の息継ぎなどが手に取るように伝わってきた。
ハイレゾ音源に対応するオーディオプレーヤーはまだ高価で、5万円前後はする。対して、リニアPCMレコーダーとしてもハイレゾ音源対応のオーディオプレーヤーとしても利用できる「ICD-SX1000」の実勢価格は2万円台半ばで、コストパフォーマンスの高さは驚くばかりだ。
このほか、リニアPCM形式とMP3形式の両方で同時に録音する「デュアルレコーディング」や、10秒の早送り/3秒の早戻しで議事録の書き起こしに便利な「書き起こし用再生」、音程はそのままに再生スピードを自在に調整できる「デジタルピッチコントロール」など、便利な録音・再生機能を搭載する。
シーンに応じて、高音質で録る。そして高音質で再生する――「ICD-SX1000」は、手軽に使えるコンパクトなICレコーダーながら、最高の録音・再生機能を備えているのだ。
最新ICレコーダーのなかでも特に注目したいのが、音楽CDよりも高音質で録音できるリニアPCMに対応したモデルだ。ソニーのリニアPCM対応「ICD-SX1000」は、高音質録音だけでなく、録音した空間の空気感まで記録できると評判。さっそく借りだして、さまざまなシーンで試した。
リニアPCMレコーダー「ICD-SX1000」
「3マイクシステム」と「シーンセレクト」で高音質収録に対応
ICレコーダーの性能を最も左右するのがマイクだ。必要な音をしっかり拾うかどうかは、マイクの性能にかかっている。また、集音性能だけではなく、空調やざわめきなど、ノイズとなる音をカットする機能も求められている。
「ICD-SX1000」は、広範囲の音を定位感を失わずに録音できる2つの「ステレオマイク」、特定の話し手の音声をクリアに録音する「ズームマイク」の3つのマイクを備える「3マイクシステム」を採用。2種類のマイクをシーンに応じて使い分けることで、高音質での録音を実現している。
上部に配置する「3マイクシステム」。
センターにズームマイクを、両サイドにステレオマイクを配置
センターにズームマイクを、両サイドにステレオマイクを配置
小さい音を拾いつつもノイズを抑える「Sマイク・システム」を搭載。高性能マイクとしっかりと録音する内部の録音システムを組み合わせることでダイナミックレンジが広がり、ノイズを抑えながら遠くの声や小さい音をより聞きやすい自然な音で録音することができる。
録音機能も多彩だ。「シーンセレクト」は、「会議」「講演」「インタビュー」「ボイスメモ」「音楽」などを用意しており、シーンを選択するだけで「録音モード」や「内蔵マイク設定」を一括で適切な設定値に切り替えることができる。シーンの設定は、液晶画面下の「シーン」ボタンを押すだけと簡単だ。
仕事柄、取材をすることが多く、よく「インタビュー」モードで録音したのだが、話をしている人の声が聞きやすい。また展示会取材など、周囲に大勢の人がいる環境では、人のざわめきをノイズとし認識して抑制し、話をしている人の声がより際立った。
「会議」モードは、ICレコーダーの傍にいる人だけでなく、席が離れた参加者の声もきちんととらえる。会議室のエアコンや空気清浄機、プロジェクターの駆動音などは、しっかりカットしていた。
「会議」モード。席が離れた人の声もしっかりと拾った
電源を入れたらすぐ録音を開始したいときや、どのシーンに設定したらいいのか迷うときは、「おまかせボイス」モードに設定しておくといい。「おまかせボイス」は、録音の際、入力音声レベルを判断して最適なマイク感度に自動で設定し、録音する。多くの場合、このモードで問題なく録音できた。
内蔵マイクの設定は、カスタマイズに対応。ズームマイクの感度は3段階に、ステレオマイクは音声用、音楽用、そしてマニュアル設定ができる。自分好みにカスタマイズした設定は「Myシーン」として二つ登録することができる。「おまかせボイス」や各シーンモードよりもさらに高音質での録音を考えるなら、マニュアルで設定するといいだろう。
ズームマイクの感度は1~3まで設定できる。感度を上げるとより音声がクリアになる
よい音で録る そしてよい音で聞く
「ICD-SX1000」は、コンパクトながら、リニアPCM形式(96kHz/24bit)での録音にも対応している。一般的なMP3形式とは異なり、音声データを圧縮しない非圧縮形式なので、音の細かなディテールや空気感までしっかりと記録することができる。生バンドの演奏や、野鳥のさえずりを録音するなど、ビジネス以外のシーンでも活用できるのだ。
リニアPCMの設定画面。非圧縮の高音質で録音できる
再生機能で注目したいのが、192kHz/24bitのハイレゾリューション(ハイレゾ)音源の再生に対応している点だ。最近ではハイレゾ音源での楽曲配信もスタートし、インターネット上で簡単に入手できる。「ICD-SX1000」は、フルデジタルアンプ「S-Master」を搭載し、音のひずみや劣化を抑え、音源を忠実に再現することができる。
「ICD-SX1000」で、バンド練習中の様子を録音したハイレゾ音源とCD音源を聞き比べたところ、ハイレゾ音源は楽器を鳴らしている後ろで話している人の声や楽譜をめくる音などまで聞き取ることができた。楽曲で聞き比べると、CD音源では消えてしまった弦楽器の音の伸びや歌手の息継ぎなどが手に取るように伝わってきた。
ハイレゾ音源に対応するオーディオプレーヤーはまだ高価で、5万円前後はする。対して、リニアPCMレコーダーとしてもハイレゾ音源対応のオーディオプレーヤーとしても利用できる「ICD-SX1000」の実勢価格は2万円台半ばで、コストパフォーマンスの高さは驚くばかりだ。
このほか、リニアPCM形式とMP3形式の両方で同時に録音する「デュアルレコーディング」や、10秒の早送り/3秒の早戻しで議事録の書き起こしに便利な「書き起こし用再生」、音程はそのままに再生スピードを自在に調整できる「デジタルピッチコントロール」など、便利な録音・再生機能を搭載する。
十字キーの左右ボタンで早送り/早戻しができる「書き起こし用再生」
シーンに応じて、高音質で録る。そして高音質で再生する――「ICD-SX1000」は、手軽に使えるコンパクトなICレコーダーながら、最高の録音・再生機能を備えているのだ。