ドコモのツートップ対決、夏商戦序盤は「Xperia A」がリード、安さが後押し?
「ドコモのツートップ」というキャッチコピーとともに、大々的に宣伝しているドコモの最新スマートフォン「GALAXY S4 SC-04E」と「Xperia A SO-04E」。家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、5月発売のドコモ夏モデル3機種のなかで、今のところ「Xperia A SO-04E」が最も多く売れている。
ドコモは、5月17日にソニーモバイルコミュニケーションズ製の「Xperia A SO-04E」、翌週の5月23日にサムスン電子製の「GALAXY S4 SC-04E」のBlack Mist、White Frost、5月24日にシャープ製の「AQUOS PHONE ZETA SH-06E」を発売した。このうち、「ツートップ」に位置づけられた「GALAXY S4 SC-04E」と「Xperia A SO-04E」の2機種について、発売初日の販売台数を比べると、「ドコモのスマートフォンの出足としては過去最速」と報じられた「GALAXY S4 SC-04E」のほうが多かった。しかし、6月3日までの累計販売台数を比べると、発売日が6日早い「Xperia A SO-04E」は「GALAXY S4 SC-04E」の2.3倍だ。
「Xperia A SO-04E」は、約4.6インチのHDディスプレイを搭載し、最近のAndroid搭載スマートフォンとしてはややコンパクトなサイズ。長押しするとスリープモードからでも写真や動画を撮影できるカメラキーを搭載するなど、使いやすさにこだわったという。新規契約・機種変更の場合、実質負担額は「GALAXY S4 SC-04E」より約1万円安い。好調な売れ行きは、これまで培ったXperiaのブランド力に加え、通常は割高な機種変更でも、条件を満たせば実質負担額5000円程度(適用条件など詳細は<ドコモの2013年夏モデル「ツートップ」、勝つのはどっちだ!?>を参照)という圧倒的な安さに後押しされたものだろう。一部の店舗では、現在、予約待ち・入荷時期未定となっているようだ。
「ツートップ」の2機種が出揃った5月第3週(2013年5月20~26日)の機種別ランキングは、「Xperia A SO-04E」がシェア19.6%で前週に引き続き1位、「GALAXY S4 SC-04E」がシェア12.0%で2位につけ、ドコモがワンツーフィニッシュを飾った。翌週の5月第4週(5月27日~6月2日)も、「Xperia A SO-04E」は、シェア20.0%でトップに立ち、「GALAXY S4 SC-04E」もシェア10.3%で2位を守った。
5月第2週・第3週・第4週とも、「Xperia A SO-04E」は、異なる容量を合算したソフトバンクモバイルの「iPhone 5」、auの「iPhone 5」の販売台数を上回り、iPhone超えを果たした。しばらく上位は「ドコモのツートップ」2機種と、2キャリアが販売する「iPhone 5」の4機種の争いになりそうだ。
「Xperia A SO-04E」をはじめとするドコモ、auの夏モデルが売れたために、週次集計では、昨年秋以降、70%台後半~80%台前半で推移していたスマートフォンの販売台数構成比(スマートフォン率)はさらに上昇し、5月第3週は、2012年10月最終週(2012年10月29日~11月4日)を上回る、過去最高の85.3%を記録した。従来型携帯電話は、ソフトバンクモバイルの「みまもりケータイ2」、auの「mamorino3」のような防犯ブザーつきのキッズ向け端末を含めても2割を切っている。
「どの機種を選べばいいのかわからない」と感じていたスマートフォン初心者や、過去のイメージを引きずり、スマートフォン本体の端末代を高いと感じる層に向けて、「安い」「おすすめを選べばハズレなし」というメッセージを打ち出したドコモの「ツートップ」戦略は、「スマートフォンの普及にさらに弾みをつける」という観点では、ひとまず成功したといえる。日本で根強い人気をもつiPhoneへの対抗という観点での成否は、もう少したってから改めて考えたい。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。
出揃ったドコモのツートップ 発売日の早い「Xperia A SO-04E」がリード
ドコモは、5月17日にソニーモバイルコミュニケーションズ製の「Xperia A SO-04E」、翌週の5月23日にサムスン電子製の「GALAXY S4 SC-04E」のBlack Mist、White Frost、5月24日にシャープ製の「AQUOS PHONE ZETA SH-06E」を発売した。このうち、「ツートップ」に位置づけられた「GALAXY S4 SC-04E」と「Xperia A SO-04E」の2機種について、発売初日の販売台数を比べると、「ドコモのスマートフォンの出足としては過去最速」と報じられた「GALAXY S4 SC-04E」のほうが多かった。しかし、6月3日までの累計販売台数を比べると、発売日が6日早い「Xperia A SO-04E」は「GALAXY S4 SC-04E」の2.3倍だ。
「Xperia A SO-04E」は、約4.6インチのHDディスプレイを搭載し、最近のAndroid搭載スマートフォンとしてはややコンパクトなサイズ。長押しするとスリープモードからでも写真や動画を撮影できるカメラキーを搭載するなど、使いやすさにこだわったという。新規契約・機種変更の場合、実質負担額は「GALAXY S4 SC-04E」より約1万円安い。好調な売れ行きは、これまで培ったXperiaのブランド力に加え、通常は割高な機種変更でも、条件を満たせば実質負担額5000円程度(適用条件など詳細は<ドコモの2013年夏モデル「ツートップ」、勝つのはどっちだ!?>を参照)という圧倒的な安さに後押しされたものだろう。一部の店舗では、現在、予約待ち・入荷時期未定となっているようだ。
4色のカラーバリエーションを揃えるXperia A SO-04E
「ツートップ」の2機種が出揃った5月第3週(2013年5月20~26日)の機種別ランキングは、「Xperia A SO-04E」がシェア19.6%で前週に引き続き1位、「GALAXY S4 SC-04E」がシェア12.0%で2位につけ、ドコモがワンツーフィニッシュを飾った。翌週の5月第4週(5月27日~6月2日)も、「Xperia A SO-04E」は、シェア20.0%でトップに立ち、「GALAXY S4 SC-04E」もシェア10.3%で2位を守った。
順位 | キャリア | メーカー | 品名 | 型番 | 販売台数 シェア(%) |
1 | NTTドコモ | ソニーモバイル コミュニケーションズ | Xperia A SO-04E | SO-04E | 20.0 |
2 | NTTドコモ | SAMSUNG | GALAXY S4 SC-04E | SC-04E | 10.3 |
3 | SoftBank | アップル | iPhone 5 16GB(SoftBank) | 同左 | 10.1 |
4 | au | アップル | iPhone 5 16GB(au) | 同左 | 8.1 |
5 | SoftBank | アップル | iPhone 5 32GB(SoftBank) | 同左 | 4.1 |
6 | au | ソニーモバイル コミュニケーションズ | Xperia UL | SOL22 | 3.8 |
7 | SoftBank | ZTE | みまもりケータイ2 | 101Z | 2.8 |
8 | au | HTC | HTC J butterfly | HTL21 | 2.7 |
9 | au | アップル | iPhone 5 32GB(au) | 同左 | 2.6 |
10 | NTTドコモ | パナソニックモバイル コミュニケーションズ | P-01E | P-01E | 2.3 |
※太字は2013年5月発売
「BCNランキング」2013年5月第4週 週次<最大パネル>
5月第2週・第3週・第4週とも、「Xperia A SO-04E」は、異なる容量を合算したソフトバンクモバイルの「iPhone 5」、auの「iPhone 5」の販売台数を上回り、iPhone超えを果たした。しばらく上位は「ドコモのツートップ」2機種と、2キャリアが販売する「iPhone 5」の4機種の争いになりそうだ。
順位 | キャリア | メーカー | 品名 | 販売台数 シェア(%) |
1 | NTTドコモ | ソニーモバイル コミュニケーションズ | Xperia A SO-04E | 20.0 |
2 | SoftBank | アップル | iPhone 5 | 15.1 |
3 | au | アップル | iPhone 5 | 11.3 |
4 | NTTドコモ | SAMSUNG | GALAXY S4 SC-04E | 10.3 |
5 | au | ソニーモバイル コミュニケーションズ | Xperia UL | 3.8 |
「BCNランキング」2013年5月第4週 週次<最大パネル>
「Xperia A SO-04E」をはじめとするドコモ、auの夏モデルが売れたために、週次集計では、昨年秋以降、70%台後半~80%台前半で推移していたスマートフォンの販売台数構成比(スマートフォン率)はさらに上昇し、5月第3週は、2012年10月最終週(2012年10月29日~11月4日)を上回る、過去最高の85.3%を記録した。従来型携帯電話は、ソフトバンクモバイルの「みまもりケータイ2」、auの「mamorino3」のような防犯ブザーつきのキッズ向け端末を含めても2割を切っている。
「どの機種を選べばいいのかわからない」と感じていたスマートフォン初心者や、過去のイメージを引きずり、スマートフォン本体の端末代を高いと感じる層に向けて、「安い」「おすすめを選べばハズレなし」というメッセージを打ち出したドコモの「ツートップ」戦略は、「スマートフォンの普及にさらに弾みをつける」という観点では、ひとまず成功したといえる。日本で根強い人気をもつiPhoneへの対抗という観点での成否は、もう少したってから改めて考えたい。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。