2013年4月の携帯電話ランキング、2キャリアの「iPhone 5」が僅差で競う
2010年秋以降、携帯電話主要3キャリアは、スマートフォン中心のラインアップに舵を切った。きっかけは、10年4月にドコモが発売したAndroid搭載スマートフォン「Xperia SO-01B」のヒットだろう。当時、すでにスマートフォンの代名詞だった「iPhone」以外のスマートフォンでも国内で売れるとわかり、まずドコモが、少し遅れてKDDI(au)が、キャリア独自の仕様にできるAndroid OSのスマートフォンに力を入れはじめた。現在は、ドコモはAndroidだけ、auとソフトバンクモバイルは「iPhone」を主力に据えながらAndroid搭載スマートフォンも取り揃え、「iPhone」を巡ってし烈なユーザー獲得争いを繰り広げている。
家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、今年4月の携帯電話全体の販売台数1位は、ソフトバンクモバイルの「iPhone 5」の16GBモデル、2位はauの「iPhone 5」の16GBモデルだった。ソフトバンクモバイルの「iPhone 5」16GBモデルの1位獲得は、今年1月以来、2回目。ソフトバンクモバイルの「iPhone 5」としては、発売直後の12年10月・11月・12月と合わせ、5回目だ。
通常はキャリア・容量ごとにカウントしている「iPhone 5」をキャリアごとに合算すると、ソフトバンクモバイルの「iPhone 5」(14.7%)、auの「iPhone 5」(12.3%)、ドコモのAndroid搭載スマートフォン「Xperia Z SO-02E」(7.6%)の順となり、前月同様、僅差でソフトバンクモバイルの「iPhone 5」がトップを制した。
2キャリアを合わせた「iPhone 5」のシェアは、前月とほぼ同じ27.0%。ただし販売台数は、キャンペーンや季節需要によって大量に売れた3月の6割弱程度だった。今年1月以降、スマートフォンの販売台数は前年を下回り、モデルチェンジ前の端境期だった4月は前年同月比92.8%と大きく落ち込んだ。このなかで「iPhone」は、前年同月比120.6%~136.1%と継続して前年を上回り、好調を維持している。
スマートフォンに限った4月のキャリア別販売台数シェアは、契約数No.1のドコモが41.2%、auが32.2%、ソフトバンクモバイルが24.0%。12年12月以降、ドコモは4割以上、auも3割前後のシェアを保ち、キャリアはドコモだが、製品はドコモだけが取り扱っていない「iPhone 5」が最も多く売れているという不思議な状況が続いている。
主要3キャリア、ドコモ・au・ソフトバンクモバイルのキャリア別月間トップ10をみると、スマートフォンに混じって、キッズ向けの防犯ブザー付き端末を含め、従来型携帯電話がランクインしている。auとソフトバンクモバイルは、前月までと同じく「iPhone 5」がトップ。シェアはそれぞれ4割を超え、2位以下を大きく引き離している。
従来型携帯電話の全盛期、各キャリアは、好みやライフスタイル、予算などに合わせて選べるよう、豊富なラインアップを取り揃えていた。スマートフォン時代になっても、これまでと変わらず機種数を競い合っていたが、タッチパネル操作のスマートフォンは似たような外観・スペックの機種が多く、ユーザーから「どれを選べばいいのかわからない」という不満の声が上がっていたという。
5月に発表した夏モデルでは、各キャリアとも機種数を絞り、そのなかで、フルセグ(地上デジタル放送)対応、大画面フルHD、コンパクト、シニア向けなどの特徴をもたせた。シーズンごとに買い替えるようなスマートフォン愛好者にはもの足りないかもしれないが、2~3年に一度買い替える一般ユーザーにとっては十分だろう。もし気に入った機種がなければ、遜色のないスペックをもつ2013年春モデル、2012年秋冬モデルから選べばいい。
ドコモは、従来のiモードケータイからスマートフォンへの機種変更をうながすために、「ツートップ」と位置づけたおすすめの2機種を端末価格や宣伝などの面で優遇する方針を打ち出した。条件を満たしていれば、通常、MNP・新規契約に比べ、端末代が割高になる機種変更でも、かなり安い実質負担額で購入できる(詳しくは、<ドコモの2013年夏モデル「ツートップ」、勝つのはどっちだ!?>を参照)。この「ツートップ」戦略によって、これまでの「キャリアはドコモ、端末はiPhoneが人気」という状況が変わるのか、今後の動向に注目したい。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。
2012年9月の発売以来、売れ続けている「iPhone 5」
キャリアはドコモ、端末はアップルの「iPhone 5」がトップ
家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、今年4月の携帯電話全体の販売台数1位は、ソフトバンクモバイルの「iPhone 5」の16GBモデル、2位はauの「iPhone 5」の16GBモデルだった。ソフトバンクモバイルの「iPhone 5」16GBモデルの1位獲得は、今年1月以来、2回目。ソフトバンクモバイルの「iPhone 5」としては、発売直後の12年10月・11月・12月と合わせ、5回目だ。
順位 | キャリア | メーカー | 品名 | 型番 | 販売台数 シェア(%) | 発売年月 |
1 | SoftBank | アップル | iPhone 5 16GB(SoftBank) | 同左 | 9.0 | 2012/09 |
2 | au | アップル | iPhone 5 16GB(au) | 同左 | 7.8 | 2012/09 |
3 | NTTドコモ | ソニーモバイル コミュニケーションズ | Xperia Z | SO-02E | 7.6 | 2013/02 |
4 | SoftBank | アップル | iPhone 5 32GB(SoftBank) | 同左 | 4.6 | 2012/09 |
5 | NTTドコモ | パナソニック モバイルコミュニケーションズ | P-01E | P-01E | 4.1 | 2012/11 |
6 | au | アップル | iPhone 5 32GB(au) | 同左 | 3.6 | 2012/09 |
7 | SoftBank | ZTE | みまもりケータイ2 | 101Z | 3.2 | 2012/04 |
8 | NTTドコモ | シャープ | AQUOS PHONE EX | SH-04E | 3.1 | 2013/01 |
9 | NTTドコモ | ソニーモバイル コミュニケーションズ | Xperia acro HD | SO-03D | 2.8 | 2012/03 |
10 | NTTドコモ | シャープ | SH-03E | SH-03E | 2.5 | 2012/12 |
「BCNランキング」2013年4月 月次<最大パネル>
通常はキャリア・容量ごとにカウントしている「iPhone 5」をキャリアごとに合算すると、ソフトバンクモバイルの「iPhone 5」(14.7%)、auの「iPhone 5」(12.3%)、ドコモのAndroid搭載スマートフォン「Xperia Z SO-02E」(7.6%)の順となり、前月同様、僅差でソフトバンクモバイルの「iPhone 5」がトップを制した。
2キャリアを合わせた「iPhone 5」のシェアは、前月とほぼ同じ27.0%。ただし販売台数は、キャンペーンや季節需要によって大量に売れた3月の6割弱程度だった。今年1月以降、スマートフォンの販売台数は前年を下回り、モデルチェンジ前の端境期だった4月は前年同月比92.8%と大きく落ち込んだ。このなかで「iPhone」は、前年同月比120.6%~136.1%と継続して前年を上回り、好調を維持している。
スマートフォンに限った4月のキャリア別販売台数シェアは、契約数No.1のドコモが41.2%、auが32.2%、ソフトバンクモバイルが24.0%。12年12月以降、ドコモは4割以上、auも3割前後のシェアを保ち、キャリアはドコモだが、製品はドコモだけが取り扱っていない「iPhone 5」が最も多く売れているという不思議な状況が続いている。
主要3キャリア、ドコモ・au・ソフトバンクモバイルのキャリア別月間トップ10をみると、スマートフォンに混じって、キッズ向けの防犯ブザー付き端末を含め、従来型携帯電話がランクインしている。auとソフトバンクモバイルは、前月までと同じく「iPhone 5」がトップ。シェアはそれぞれ4割を超え、2位以下を大きく引き離している。
順位 | メーカー | 品名 | 型番 | メインカメラの有効画素数(万画素) | 販売台数 シェア(%) | 発売年月 |
1 | ソニーモバイルコミュニケーションズ | Xperia Z | SO-02E | 1310 | 17.3 | 2013/02 |
2 | パナソニック モバイルコミュニケーションズ | P-01E | P-01E | 510 | 9.3 | 2012/11 |
3 | シャープ | AQUOS PHONE EX | SH-04E | 1310 | 7.1 | 2013/01 |
4 | ソニーモバイルコミュニケーションズ | Xperia acro HD | SO-03D | 1210 | 6.4 | 2012/03 |
5 | シャープ | SH-03E | SH-03E | 500 | 5.7 | 2012/12 |
6 | 富士通 | ARROWS X | F-02E | 1630 | 5.2 | 2013/02 |
7 | Huawei Technologies | キッズケータイ | HW-01D | - | 4.8 | 2012/09 |
8 | SAMSUNG | GALAXY S III α | SC-03E | 810 | 4.5 | 2012/12 |
9 | パナソニック モバイルコミュニケーションズ | ELUGA X | P-02E | 1320 | 4.3 | 2013/01 |
10 | シャープ | AQUOS PHONE ZETA SH-02E | SH-02E | 1630 | 3.4 | 2012/11 |
順位 | メーカー | 品名 | 型番 | メインカメラの有効画素数(万画素) | 販売台数 シェア(%) | 発売年月 |
1 | アップル | iPhone 5 (au) | - | 800 | 41.6 | 2012/09 |
2 | HTC | HTC J butterfly | HTL21 | 800 | 8.0 | 2012/12 |
3 | 京セラ | mamorino3 | KYY05 | - | 4.7 | 2013/01 |
4 | 富士通モバイル コミュニケーションズ | ARROWS ef | FJL21 | 810 | 4.5 | 2012/11 |
5 | ソニーモバイル コミュニケーションズ | Xperia VL | SOL21 | 1300 | 4.3 | 2012/11 |
6 | HTC | INFOBAR A02 | HTX21 | 800 | 3.8 | 2013/02 |
7 | 京セラ | K011 | K011 | 808 | 3.6 | 2012/06 |
8 | 京セラ | 簡単ケータイ K012 | K012 | 515 | 3.3 | 2012/05 |
9 | シャープ | AQUOS PHONE SERIE SHL21 | SHL21 | 1312 | 3.1 | 2012/11 |
10 | Pantech Wireless Japan | PT003 | PT003 | 511 | 3.1 | 2012/09 |
順位 | メーカー | 品名 | 型番 | メインカメラの有効画素数(万画素) | 販売台数 シェア(%) | 発売年月 |
1 | アップル | iPhone 5 (SoftBank) | - | 800 | 59.1 | 2012/09 |
2 | ZTE | みまもりケータイ2 | 101Z | - | 12.8 | 2012/04 |
3 | シャープ | PANTONE WATERPROOF | 202SH | 320 | 5.9 | 2013/01 |
4 | シャープ | PANTONE 6 | 200SH | 1310 | 3.9 | 2012/12 |
5 | シャープ | AQUOS PHONE Xx 203SH | 203SH | 1630 | 3.9 | 2013/03 |
6 | シャープ | かんたん携帯 108SH | 108SH | 320 | 2.9 | 2012/07 |
7 | パナソニック モバイルコミュニケーションズ | COLOR LIFE 3 | 103P | 510 | 1.9 | 2012/07 |
8 | シャープ | THE PREMIUM9 WATERPROOF | 109SH | 1210 | 1.3 | 2012/09 |
9 | 京セラ | HONEY BEE 201K | 201K | 800 | 1.0 | 2013/01 |
10 | シャープ | PANTONE 5 | 107SH | 490 | 1.0 | 2012/07 |
「BCNランキング」2013年4月 月次<最大パネル>
夏モデルは機種を厳選 流れは変わるか?
従来型携帯電話の全盛期、各キャリアは、好みやライフスタイル、予算などに合わせて選べるよう、豊富なラインアップを取り揃えていた。スマートフォン時代になっても、これまでと変わらず機種数を競い合っていたが、タッチパネル操作のスマートフォンは似たような外観・スペックの機種が多く、ユーザーから「どれを選べばいいのかわからない」という不満の声が上がっていたという。
5月に発表した夏モデルでは、各キャリアとも機種数を絞り、そのなかで、フルセグ(地上デジタル放送)対応、大画面フルHD、コンパクト、シニア向けなどの特徴をもたせた。シーズンごとに買い替えるようなスマートフォン愛好者にはもの足りないかもしれないが、2~3年に一度買い替える一般ユーザーにとっては十分だろう。もし気に入った機種がなければ、遜色のないスペックをもつ2013年春モデル、2012年秋冬モデルから選べばいい。
ドコモは、従来のiモードケータイからスマートフォンへの機種変更をうながすために、「ツートップ」と位置づけたおすすめの2機種を端末価格や宣伝などの面で優遇する方針を打ち出した。条件を満たしていれば、通常、MNP・新規契約に比べ、端末代が割高になる機種変更でも、かなり安い実質負担額で購入できる(詳しくは、<ドコモの2013年夏モデル「ツートップ」、勝つのはどっちだ!?>を参照)。この「ツートップ」戦略によって、これまでの「キャリアはドコモ、端末はiPhoneが人気」という状況が変わるのか、今後の動向に注目したい。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。