2013年1月の携帯電話ランキング、トップの「iPhone 5」に迫る”大画面”の足音
NTTドコモは、1月18日、学生とその家族を対象にした「応援学割2013」キャンペーンを開始した。KDDI(au)とソフトバンクモバイルも、同様の学生向けキャンペーンをスタート。「基本使用料3年間無料」という3社共通のキャンペーン内容が示す通り、最大のターゲットは中学生・高校生だ。
キャンペーン開始と前後して、ドコモは2013年春モデルを発表。発表会では、約5.0インチのフルHDディスプレイを搭載したXperiaの新モデル「Xperia Z SO-02E」を、イチオシ機種として強くアピールしていた。今回は、恒例の月間ランキングとともに、「AQUOS PHONE ZETA SH-02E」や「HTC J butterfly HTL21」「Xperia Z SO-02E」のヒットを受け、大画面化が進むスマートフォンの画面サイズの変化についてまとめた。
家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、SIMフリー端末を含む携帯電話全体の2013年1月の販売台数1位は、ソフトバンクモバイルの「iPhone 5」の16GBモデルだった。キャリアごとに容量の異なる3モデルをラインアップする「iPhone 5」のなかで、最も価格の安い16GBモデルの1位獲得は初めてだ。前月1位だったドコモのAndroidスマートフォン「AQUOS PHONE ZETA SH-02E」をはさんで、3位にはソフトバンクモバイルの「iPhone 5」の32GBモデルが、4位にはauの「iPhone 5」の16GBモデルが入った。
「iPhone 5」は、ソフトバンクモバイルとauを合算すると、2012年9月以来、5か月連続でトップを獲得している。販売台数自体は前月より減少したが、携帯電話全体の減少幅のほうが大きかったので、シェアは22.4%から26.1%へとアップした。ピークは過ぎたものの、依然として高い水準を維持している。端末の魅力やこれまで培ったブランドイメージに加え、ソフトバンクモバイル、auが競いあうように展開する各種キャンペーンの効果が大きいだろう。
続いて、主要3キャリア、ドコモ・au・ソフトバンクモバイルのキャリア別月間トップ10を紹介しよう。なお、「iPhone 5/4S」については、最初から容量を合算して1機種としてカウントしている。
売れ筋は年末とほとんど変わらず、ドコモは1位・2位、auは1位から3位まで、すべて前月と同じだった。ソフトバンクモバイルも、2位と3位が入れ替わった以外、変化はなかった。ドコモは、冬モデルで人気を二分した「AQUOS PHONE ZETA SH-02E」「Xperia AX SO-01E」に続き、3位にiモード対応ケータイ「P-01E」が入った。8位の「SH-03E」も、2012年発売のiモード対応ケータイの新製品だ。「新規・MNP一括0円」「2台以上の同時購入で割引」といった価格設定が最大の要因だと思われるが、使い勝手の変化や通信料金アップを懸念する層に、従来型携帯電話が支持されていることがうかがえる。
Android搭載スマートフォンでは、4.8~5.0インチの大画面ディスプレイを搭載した製品が増えている。ストレート型やスライド型・折りたたみ型などの形状を問わず、スマートフォン全体の画面サイズ帯別販売台数構成比を集計すると、1月は、「iPhone 5」を含む「4.0~4.5インチ」が最も多く60.9%。次は「AQUOS PHONE ZETA SH-02E」や「GALAXY S III α SC-03E」を含む「4.6~4.9インチ」の26.3%だった。
スマートフォンとしては最大サイズの5.5インチを含む「5インチ以上」は、2012年10月までは4%未満に過ぎなかったが、11月は4.1%、12月は6.4%、2013年1月は6.1%と、11月以降、増加している。さらに2月は「Xperia Z SO-02E」が加わり、一気に2割以上に拡大する見込みだ。「5インチ以上」は、2月1~17日の累計ですでに「4.6~4.9インチ」を抜いて2番手に躍り出ており、「Xperia Z SO-02E」の売れ行き次第では、もっと高まるかもしれない。
Android=大画面という図式が定着すると、4.0インチの「iPhone 5」と3.5インチの「iPhone 4S」しか選択肢がないiPhoneは分が悪い。画面サイズ帯別構成比は、販売台数の多い人気機種の売れ行きとリンクするので、「5インチ以上」の急拡大は一過性の現象で終わる可能性も高いが、画面サイズのトレンドは、携帯性より画面の見やすさや迫力を重視した4インチ台後半~5インチ台に傾いたといっていいだろう。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。
キャンペーン開始と前後して、ドコモは2013年春モデルを発表。発表会では、約5.0インチのフルHDディスプレイを搭載したXperiaの新モデル「Xperia Z SO-02E」を、イチオシ機種として強くアピールしていた。今回は、恒例の月間ランキングとともに、「AQUOS PHONE ZETA SH-02E」や「HTC J butterfly HTL21」「Xperia Z SO-02E」のヒットを受け、大画面化が進むスマートフォンの画面サイズの変化についてまとめた。
4.9インチ/5インチの大画面ディスプレイを搭載するスマートフォン。AQUOS PHONE ZETA SH-02EのRed(左)とXperia Z SO-02EのBlack、White、Purple
発売から5か月連続トップの「iPhone 5」、1月は機種別でも1位に
家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、SIMフリー端末を含む携帯電話全体の2013年1月の販売台数1位は、ソフトバンクモバイルの「iPhone 5」の16GBモデルだった。キャリアごとに容量の異なる3モデルをラインアップする「iPhone 5」のなかで、最も価格の安い16GBモデルの1位獲得は初めてだ。前月1位だったドコモのAndroidスマートフォン「AQUOS PHONE ZETA SH-02E」をはさんで、3位にはソフトバンクモバイルの「iPhone 5」の32GBモデルが、4位にはauの「iPhone 5」の16GBモデルが入った。
順位 | キャリア | メーカー | 品名 | 型番 | 販売台数 シェア(%) | 発売年月 |
1 | SoftBank | アップル | iPhone 5 16GB(SoftBank) | 同左 | 6.8 | 2012/09 |
2 | NTTドコモ | シャープ | AQUOS PHONE ZETA SH-02E | SH-02E | 6.4 | 2012/11 |
3 | SoftBank | アップル | iPhone 5 32GB(SoftBank) | 同左 | 6.1 | 2012/09 |
4 | au | アップル | iPhone 5 16GB(au) | 同左 | 5.6 | 2012/09 |
5 | NTTドコモ | ソニーモバイル コミュニケーションズ | Xperia AX | SO-01E | 4.7 | 2012/11 |
6 | au | アップル | iPhone 5 32GB(au) | 同左 | 4.2 | 2012/09 |
7 | NTTドコモ | パナソニック モバイル コミュニケーションズ | P-01E | P-01E | 3.6 | 2012/11 |
8 | NTTドコモ | SAMSUNG | GALAXY S III α | SC-03E | 3.2 | 2012/12 |
9 | NTTドコモ | 富士通 | ARROWS V | F-04E | 2.6 | 2012/11 |
10 | NTTドコモ | Huawei Technologies | キッズケータイ | HW-01D | 2.2 | 2012/09 |
「BCNランキング」2013年1月 月次<最大パネル>
「iPhone 5」は、ソフトバンクモバイルとauを合算すると、2012年9月以来、5か月連続でトップを獲得している。販売台数自体は前月より減少したが、携帯電話全体の減少幅のほうが大きかったので、シェアは22.4%から26.1%へとアップした。ピークは過ぎたものの、依然として高い水準を維持している。端末の魅力やこれまで培ったブランドイメージに加え、ソフトバンクモバイル、auが競いあうように展開する各種キャンペーンの効果が大きいだろう。
2キャリアを合算すると5か月連続トップの「iPhone 5」
春モデル発売前の1月は大きな変化なし ドコモはiモードケータイが3位に入る
続いて、主要3キャリア、ドコモ・au・ソフトバンクモバイルのキャリア別月間トップ10を紹介しよう。なお、「iPhone 5/4S」については、最初から容量を合算して1機種としてカウントしている。
売れ筋は年末とほとんど変わらず、ドコモは1位・2位、auは1位から3位まで、すべて前月と同じだった。ソフトバンクモバイルも、2位と3位が入れ替わった以外、変化はなかった。ドコモは、冬モデルで人気を二分した「AQUOS PHONE ZETA SH-02E」「Xperia AX SO-01E」に続き、3位にiモード対応ケータイ「P-01E」が入った。8位の「SH-03E」も、2012年発売のiモード対応ケータイの新製品だ。「新規・MNP一括0円」「2台以上の同時購入で割引」といった価格設定が最大の要因だと思われるが、使い勝手の変化や通信料金アップを懸念する層に、従来型携帯電話が支持されていることがうかがえる。
順位 | メーカー | 品名 | 型番 | メインカメラの有効画素数(万画素) | 販売台数 シェア(%) | 発売年月 |
1 | シャープ | AQUOS PHONE ZETA SH-02E | SH-02E | 1630 | 13.8 | 2012/11 |
2 | ソニーモバイル コミュニケーションズ | Xperia AX | SO-01E | 1300 | 10.2 | 2012/11 |
3 | パナソニック モバイルコミュニケーションズ | P-01E | P-01E | 510 | 7.8 | 2012/11 |
4 | SAMSUNG | GALAXY S III α | SC-03E | 810 | 6.9 | 2012/12 |
5 | 富士通 | ARROWS V | F-04E | 1310 | 5.7 | 2012/11 |
6 | Huawei Technologies | キッズケータイ | HW-01D | - | 4.8 | 2012/09 |
7 | SAMSUNG | GALAXY Note II | SC-02E | 810 | 4.4 | 2012/11 |
8 | シャープ | SH-03E | SH-03E | 500 | 3.9 | 2012/12 |
9 | 富士通 | らくらくホン ベーシック3 | F-08C | 510 | 3.5 | 2011/04 |
10 | NECカシオ モバイルコミュニケーションズ | Disney mobile on docomo N-03E | N-03E | 1310 | 3.5 | 2012/12 |
順位 | メーカー | 品名 | 型番 | メインカメラの有効画素数(万画素) | 販売台数 シェア(%) | 発売年月 |
1 | アップル | iPhone 5 (au) | - | 800 | 39.6 | 2012/09 |
2 | HTC | HTC J butterfly | HTL21 | 800 | 7.7 | 2012/12 |
3 | ソニーモバイルコミュニケーションズ | Xperia VL | SOL21 | 1300 | 4.7 | 2012/11 |
4 | HTC | HTC J | ISW13HT | 800 | 4.2 | 2012/05 |
5 | ソニーモバイルコミュニケーションズ | Xperia acro HD IS12S | IS12S | 1210 | 4.0 | 2012/03 |
6 | シャープ | AQUOS PHONE SERIE SHL21 | SHL21 | 1312 | 4.0 | 2012/11 |
7 | SAMSUNG | GALAXY S II WiMAX | ISW11SC | 808 | 3.2 | 2012/01 |
8 | 京セラ | 簡単ケータイ K012 | K012 | 515 | 3.1 | 2012/05 |
9 | シャープ | AQUOS PHONE CL | IS17SH | 804 | 3.0 | 2012/07 |
10 | 京セラ | K011 | K011 | 808 | 2.7 | 2012/06 |
順位 | メーカー | 品名 | 型番 | メインカメラの有効画素数(万画素) | 販売台数 シェア(%) | 発売年月 |
1 | アップル | iPhone 5 (SoftBank) | - | 800 | 59.0 | 2012/09 |
2 | ZTE | みまもりケータイ2 | 101Z | - | 7.4 | 2012/04 |
3 | アップル | iPhone 4S(SoftBank) | - | 800 | 6.5 | 2011/10 |
4 | シャープ | PANTONE 6 | 200SH | 1310 | 5.2 | 2012/12 |
5 | パナソニック モバイルコミュニケーションズ | COLOR LIFE 3 | 103P | 510 | 4.0 | 2012/07 |
6 | シャープ | PANTONE 4 | 105SH | 320 | 2.9 | 2012/03 |
7 | シャープ | かんたん携帯 108SH | 108SH | 320 | 2.7 | 2012/07 |
8 | シャープ | THE PREMIUM9 WATERPROOF | 109SH | 1210 | 1.6 | 2012/09 |
9 | シャープ | PANTONE 5 | 107SH | 490 | 1.5 | 2012/07 |
10 | シャープ | FULLFACE 913SH | 913SH | 200 | 1.2 | 2007/07 |
「BCNランキング」2013年1月 月次<最大パネル>
スマートフォンの画面サイズは4インチ台後半~5インチ台が主流に?
Android搭載スマートフォンでは、4.8~5.0インチの大画面ディスプレイを搭載した製品が増えている。ストレート型やスライド型・折りたたみ型などの形状を問わず、スマートフォン全体の画面サイズ帯別販売台数構成比を集計すると、1月は、「iPhone 5」を含む「4.0~4.5インチ」が最も多く60.9%。次は「AQUOS PHONE ZETA SH-02E」や「GALAXY S III α SC-03E」を含む「4.6~4.9インチ」の26.3%だった。
スマートフォンとしては最大サイズの5.5インチを含む「5インチ以上」は、2012年10月までは4%未満に過ぎなかったが、11月は4.1%、12月は6.4%、2013年1月は6.1%と、11月以降、増加している。さらに2月は「Xperia Z SO-02E」が加わり、一気に2割以上に拡大する見込みだ。「5インチ以上」は、2月1~17日の累計ですでに「4.6~4.9インチ」を抜いて2番手に躍り出ており、「Xperia Z SO-02E」の売れ行き次第では、もっと高まるかもしれない。
Android=大画面という図式が定着すると、4.0インチの「iPhone 5」と3.5インチの「iPhone 4S」しか選択肢がないiPhoneは分が悪い。画面サイズ帯別構成比は、販売台数の多い人気機種の売れ行きとリンクするので、「5インチ以上」の急拡大は一過性の現象で終わる可能性も高いが、画面サイズのトレンドは、携帯性より画面の見やすさや迫力を重視した4インチ台後半~5インチ台に傾いたといっていいだろう。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。