東芝の無線LAN対応SDHCメモリカード「FlashAir」 デジカメ写真をスマートフォンやタブレット端末で共有
クリスマス、そして年末年始と一年で最もイベントが集中する時期がやってきた。忘年会や新年会、同窓会などで人が集まる機会が増える。楽しい時間を写真に撮ることも多いだろう。そんなとき、デジタルカメラで撮った写真をその場で共有できる便利なメモリカードがある。それが東芝の「FlashAir」だ。
「FlashAir」は、無線LAN機能を搭載したSDHCメモリカード。カード容量は8GBで、転送速度はClass 6、対応する無線LAN規格はIEEE802.11b/g/n (2.4GHz SISO、20MHz)だ。無線LAN対応といっても、見た目は一般的なSDHCメモリカードとまったく変わらない。
「FlashAir」をデジタルカメラに差し込むと、スマートフォンやタブレット、ノートPCから無線LAN経由でカード内の写真にアクセスすることができる。デジタルカメラで撮った写真をその場でタブレット端末で確認したり、その場にいる複数の人がスマートフォンで写真を共有したり、といったことが簡単にできるのが「FlashAir」の大きな魅力だ。もちろん、ふつうのSDHCメモリカードとしても使うことができる。
最近は無線LAN機能を内蔵したカメラが登場しているが、まだ数は少ない。さらに、写真の共有には専用のサイトを経由する必要があるなど、使い勝手はまだ発展途上の段階だ。
無線LAN機能を搭載したSDメモリカードといえば、アイファイジャパンの「Eye-Fi」がある。「Eye-Fi」は、専用ソフトからアクセスして、基本的にカード内の写真を毎回すべて一括で保存するが、「FlashAir」は、ウェブブラウザでアクセスでき、選択した写真だけを保存できるという違いがある。使い方にもよるが、敷居が低くて誰にでも使いやすく、写真共有もしやすいのは、「FlashAir」のほうではないだろうか。
その「FlashAir」に、待望のAndroidアプリが登場した。これまではカメラで撮った写真の閲覧や保存はウェブブラウザから行っていたが、アプリを使えば閲覧・共有・一括保存などが簡単にできるうえ、自動接続が可能になる。
最初にGoogle Playストアから、無料の「FlashAir」Androidアプリをダウンロードして、スマートフォン/タブレット端末にインストールしておく。通常、無線LAN対応機器を接続する場合、スマートフォン/タブレット端末の「Wi-Fi設定」から接続先を切り替える作業が必要だ。「FlashAir」は専用アプリを使うことでアプリ上で接続先の切り替えが簡単にできる。
デジタルカメラに「FlashAir」を挿入して電源をオンにしたら、スマートフォン/タブレット端末の画面から「FlashAir」のアプリのアイコンをタップし、起動する。接続可能な「FlashAir」のSSIDが表示されるので、チェックを入れ、パスワードを入力すると「FlashAir」に保存したデータを見ることができる。設定手順はウェブマニュアル(http://www.toshiba.co.jp/p-media/flashair/app_howto.htm)で確認できる。パスワードは「FlashAir」アプリが記憶するので、二度目からはパスワード入力なしに接続できる。
なお、初期設定時のパスワードは簡単なものなので、他人にデータをのぞかれないよう英数字を取り混ぜたパスワードに変更しよう。また、カメラで撮影した写真は「DCIM」フォルダから閲覧できる。
一覧表示のなかから任意の写真をタップすると、選択状態になる。次々タップしていけば複数選択も可能だ。選択した状態で「ダウンロード」ボタンをタップすると、それらがスマートフォン/タブレット端末にコピーされる。
一つずつ選択せずに、一度にすべての写真をダウンロードするボタンもあるので、目的に応じて使い分けるといい。取り込んだ写真は、標準ではギャラリーに格納され、TwitterやFacebookなどのアプリで投稿画面に直接貼りつけることができる。
なお、写真を選択状態のまま長押しすると、閲覧モードに移行する。このときも画面には「ダウンロード」と表示されるが、実際にはキャッシュされているだけで、保存はされない。閲覧モードで表示した写真をダブルタップすると、タッチ操作で写真の拡大・縮小ができるようになる。写真のピントをチェックしたいときなどは、タブレットの大きな画面で見るほうが断然確認しやすい。
「FlashAir」とスマートフォン/タブレット端末の組み合わせで便利なのが、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)への投稿だ。デジタルカメラで写真を撮って、それを「FlashAir」アプリでスマートフォン/タブレット端末に保存したら、お気に入りの1枚にコメントを添えてTwitterやFacebookに投稿できる。スマートフォンで写真を撮ってもいいが、高級コンパクトデジカメやミラーレス一眼などで撮影した写真のほうが、より雰囲気のある写真に仕上がる。印象的な写真を使ったほうが、投稿への反響も期待できるだろう。
SNSへの投稿以外にも、撮ったその場で写真の詳細チェックができるのが便利だ。特にタブレットの大きな画面で拡大表示すれば、カメラの液晶モニタで見るよりも、ピントやブレのチェックが確実にできる。写真全体の見え方も、タブレットで確認するほうがよくわかる。例えば、カメラを三脚にセットして、少し離れたところからリモコン撮影を行い、撮った写真は手元のスマートフォン/タブレット端末で確認する、といった使い方ができるので、ネイチャーフォトの撮影などでは重宝するはずだ。
年末年始は、職場の同僚や気の合った仲間と、また久しぶりに会う旧友や親戚と一緒に写真を撮る機会が多いはず。「FlashAir」なら、撮ったその場で写真を共有することができる。
「FlashAir」は最大4台の機器を同時に接続できるほか、それぞれ別々の写真を閲覧することができる。相手にも「FlashAir」アプリをインストールしてもらえば、撮影した写真をそれぞれのスマートフォン/タブレット端末で自由に閲覧できるほか、気に入った写真を保存することができる。カメラの液晶モニタをみんなでのぞき込んだり、撮影者が写真を選んで、それぞれメールで送ったりする煩わしさが一気に解消する。
メモリカードを「FlashAir」に変えるだけで、カメラとスマートフォン/タブレット端末の連携は大きく変わってくる。わざわざPCに写真を取り込む必要がなくなるうえに、カメラで撮った高画質な写真を、撮ったその場で、ケーブルでつなぐ必要なしに、スマートフォン/タブレット端末で扱えるようになる。撮ったあとの楽しみ方の自由度が増すし、その場での写真共有も広がっていく。もちろん、写真のクオリティチェックにも有効だ。人が集まる場所で写真を撮る予定があるなら、「FlashAir」を使おう。(フリーライター・榎木秋彦)
デジカメ写真をさまざまな端末で共有できる東芝の「FlashAir」
デジタルカメラに話題の無線LAN機能をプラス
「FlashAir」は、無線LAN機能を搭載したSDHCメモリカード。カード容量は8GBで、転送速度はClass 6、対応する無線LAN規格はIEEE802.11b/g/n (2.4GHz SISO、20MHz)だ。無線LAN対応といっても、見た目は一般的なSDHCメモリカードとまったく変わらない。
無線LAN機能を搭載したSDHCメモリカード「FlashAir」
「FlashAir」をデジタルカメラに差し込むと、スマートフォンやタブレット、ノートPCから無線LAN経由でカード内の写真にアクセスすることができる。デジタルカメラで撮った写真をその場でタブレット端末で確認したり、その場にいる複数の人がスマートフォンで写真を共有したり、といったことが簡単にできるのが「FlashAir」の大きな魅力だ。もちろん、ふつうのSDHCメモリカードとしても使うことができる。
最近は無線LAN機能を内蔵したカメラが登場しているが、まだ数は少ない。さらに、写真の共有には専用のサイトを経由する必要があるなど、使い勝手はまだ発展途上の段階だ。
無線LAN機能を搭載したSDメモリカードといえば、アイファイジャパンの「Eye-Fi」がある。「Eye-Fi」は、専用ソフトからアクセスして、基本的にカード内の写真を毎回すべて一括で保存するが、「FlashAir」は、ウェブブラウザでアクセスでき、選択した写真だけを保存できるという違いがある。使い方にもよるが、敷居が低くて誰にでも使いやすく、写真共有もしやすいのは、「FlashAir」のほうではないだろうか。
その「FlashAir」に、待望のAndroidアプリが登場した。これまではカメラで撮った写真の閲覧や保存はウェブブラウザから行っていたが、アプリを使えば閲覧・共有・一括保存などが簡単にできるうえ、自動接続が可能になる。
専用アプリで写真の閲覧・共有・一括保存が超簡単
最初にGoogle Playストアから、無料の「FlashAir」Androidアプリをダウンロードして、スマートフォン/タブレット端末にインストールしておく。通常、無線LAN対応機器を接続する場合、スマートフォン/タブレット端末の「Wi-Fi設定」から接続先を切り替える作業が必要だ。「FlashAir」は専用アプリを使うことでアプリ上で接続先の切り替えが簡単にできる。
専用アプリ「FlashAir」をインストールする。左がスマートフォン、右がタブレットの画面
デジタルカメラに「FlashAir」を挿入して電源をオンにしたら、スマートフォン/タブレット端末の画面から「FlashAir」のアプリのアイコンをタップし、起動する。接続可能な「FlashAir」のSSIDが表示されるので、チェックを入れ、パスワードを入力すると「FlashAir」に保存したデータを見ることができる。設定手順はウェブマニュアル(http://www.toshiba.co.jp/p-media/flashair/app_howto.htm)で確認できる。パスワードは「FlashAir」アプリが記憶するので、二度目からはパスワード入力なしに接続できる。
アプリを起動してSSIDを選択、パスワードを入力する
なお、初期設定時のパスワードは簡単なものなので、他人にデータをのぞかれないよう英数字を取り混ぜたパスワードに変更しよう。また、カメラで撮影した写真は「DCIM」フォルダから閲覧できる。
アプリを起動してSSIDを設定。写真は「DCIM」フォルダから閲覧できる
一覧表示のなかから任意の写真をタップすると、選択状態になる。次々タップしていけば複数選択も可能だ。選択した状態で「ダウンロード」ボタンをタップすると、それらがスマートフォン/タブレット端末にコピーされる。
アプリで写真を一覧表示。タップして写真を選択できる
一つずつ選択せずに、一度にすべての写真をダウンロードするボタンもあるので、目的に応じて使い分けるといい。取り込んだ写真は、標準ではギャラリーに格納され、TwitterやFacebookなどのアプリで投稿画面に直接貼りつけることができる。
ダウンロードボタンをタップすると写真がスマートフォン/タブレット端末に保存される
なお、写真を選択状態のまま長押しすると、閲覧モードに移行する。このときも画面には「ダウンロード」と表示されるが、実際にはキャッシュされているだけで、保存はされない。閲覧モードで表示した写真をダブルタップすると、タッチ操作で写真の拡大・縮小ができるようになる。写真のピントをチェックしたいときなどは、タブレットの大きな画面で見るほうが断然確認しやすい。
閲覧表示でダブルタップすると、拡大・縮小が可能になる
カメラで撮ってスマートフォンからSNSに投稿
「FlashAir」とスマートフォン/タブレット端末の組み合わせで便利なのが、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)への投稿だ。デジタルカメラで写真を撮って、それを「FlashAir」アプリでスマートフォン/タブレット端末に保存したら、お気に入りの1枚にコメントを添えてTwitterやFacebookに投稿できる。スマートフォンで写真を撮ってもいいが、高級コンパクトデジカメやミラーレス一眼などで撮影した写真のほうが、より雰囲気のある写真に仕上がる。印象的な写真を使ったほうが、投稿への反響も期待できるだろう。
SNSへの投稿以外にも、撮ったその場で写真の詳細チェックができるのが便利だ。特にタブレットの大きな画面で拡大表示すれば、カメラの液晶モニタで見るよりも、ピントやブレのチェックが確実にできる。写真全体の見え方も、タブレットで確認するほうがよくわかる。例えば、カメラを三脚にセットして、少し離れたところからリモコン撮影を行い、撮った写真は手元のスマートフォン/タブレット端末で確認する、といった使い方ができるので、ネイチャーフォトの撮影などでは重宝するはずだ。
楽しい場所での楽しい瞬間を、その場でみんなと共有
年末年始は、職場の同僚や気の合った仲間と、また久しぶりに会う旧友や親戚と一緒に写真を撮る機会が多いはず。「FlashAir」なら、撮ったその場で写真を共有することができる。
「FlashAir」は最大4台の機器を同時に接続できるほか、それぞれ別々の写真を閲覧することができる。相手にも「FlashAir」アプリをインストールしてもらえば、撮影した写真をそれぞれのスマートフォン/タブレット端末で自由に閲覧できるほか、気に入った写真を保存することができる。カメラの液晶モニタをみんなでのぞき込んだり、撮影者が写真を選んで、それぞれメールで送ったりする煩わしさが一気に解消する。
メモリカードを「FlashAir」に変えるだけで、カメラとスマートフォン/タブレット端末の連携は大きく変わってくる。わざわざPCに写真を取り込む必要がなくなるうえに、カメラで撮った高画質な写真を、撮ったその場で、ケーブルでつなぐ必要なしに、スマートフォン/タブレット端末で扱えるようになる。撮ったあとの楽しみ方の自由度が増すし、その場での写真共有も広がっていく。もちろん、写真のクオリティチェックにも有効だ。人が集まる場所で写真を撮る予定があるなら、「FlashAir」を使おう。(フリーライター・榎木秋彦)