ソニーのバー型スピーカー「ホームシアター HT-CT260」の音質を検証 大好きなアーティストが目の前に!?
年を追うごとに、薄型化が進む液晶テレビ。それとともに、スピーカーも小さく、薄くなり、音の迫力が失われている。画質は飛躍的にアップした薄型テレビだが、残念ながら音に関してはブラウン管テレビの方がよかった……なんて声も聞こえてくる。そこでテレビの音を簡単にパワーアップするサラウンドシステムを追加して、迫力の音を楽しもう。
サラウンドシステムのなかで、いま特に人気を集めているのが、バータイプのモデルだ。テレビの前に設置するのでスペースを取らず、手頃な価格にもかかわらず、音はいい。量販店の実売データを集計した2012年10月の「BCNランキング」によると、サラウンドシステムの上位10位以内に5機種のバータイプモデルが入っている。
なかでも10月20日発売のソニーの「HT-CT260」は発売前から注目を集め、他社を抑え、圧倒的人気でシェア1位を獲得。そこでソニーのショールームに出かけて、「HT-CT260」の実力を確かめてきた。
「HT-CT260」は、サイズは幅約940×高さ約102×奥行き89mmとコンパクトで、液晶テレビの前に設置できるバータイプのスピーカーだ。横から見ると鉛筆のような六角形になっている。そもそもスピーカーは内部で音を反響させて音を鳴らすので、体積が大きければ大きいほど、音はよくなる。特にしっかりとした低音を鳴らすには、どうしてもある程度の体積が必要だ。
そこで「HT-CT260」は、バータイプのスピーカーとは別に、ワイヤレスでつなぐサブウーファーを用意した。サブウーファーとは、通常のスピーカーでは十分に再生できない重低音を受け持つスピーカー。「HT-CT260」は、低音域をこのサブウーファーに任せることで、本体部を中~高音に特化し、最適な音の分布と本体のコンパクト化を実現しているのだ。
実際に視聴室でサブウーファーの電源をオン/オフして音を聴き比べると、迫力はもとより、音の締まりなどがまったく異なって聴こえる。しっかりとしたサブウーファーが、中域以上の音を引き締めているのだ。
音を豊かにしてくれるサブウーファーだが、設置場所に悩む人も少なくない。バータイプのスピーカーであれば、テレビといっしょにテレビ台の上に置くことができるが、サブウーファーはテレビ台に置くにはちょっと大きすぎる。また、テレビの回りに設置スペースがない部屋もある。しかし、「HT-CT260」はスピーカー本体とサブウーファーの接続がワイヤレスなので、リビングルームのどこにでも置くことができる。
さらに、サブウーファーが鳴らす低音域の音は指向性が低く、設置場所をそれほど問わないというメリットがある。大きさは幅約271×高さ390×奥行き271mmと、こちらもコンパクトで、どこに置いてもじゃまにならない。
リビングルームにできたせっかくの高音質のサラウンド環境。テレビ番組や映画の視聴だけでも十分だが、音楽を存分に楽しむこともできる。「HT-CT260」は、Bluetoothのワイヤレス接続機能を備え、スマートフォンに保存してある音楽の再生ができるのだ。
最近は、リビングにCDプレーヤーなどの音楽再生環境がない家庭も少なくない。「HT-CT260」がリビングにあれば、Androidスマートフォンはもちろん、iPhoneのなかの音楽を、実用最大出力270W(フロント85W+85W+サブウーファー100W)の大迫力で楽しめる。
音楽番組や映画などを視聴するときはテレビと「HT-CT260」で、また音楽を楽しむときはテレビを消してモードをBluetooth接続に切り替えて、と、「HT-CT260」一台で、多彩なエンタテインメントが楽しめるのだ。Bluetoothのペアリング設定は簡単なので、いろんな人のスマートフォンを接続して楽しむこともできる。
ここまでは、使い勝手を中心に語ってきた。しかし、サラウンドシステムで最も重要なのは音質だ。では「HT-CT260」の音質はどうだろう。視聴室で、「HT-CT260」から約2~3mの位置に座って、映画や音楽を聴いた。
映画の視聴では、背後への音の回り方や広がり感などを十分に楽しむことができた。特にサブウーファーによる低音の響きが、臨場感を高めてくれた。音楽の試聴では、スピーカーの中央からはっきりと、ボーカルの音声を再現。音の定位がしっかりしていて、まるでアーティストが目の前で歌っているかのようなクッキリとしたサラウンドが楽しめた。これなら、ライブ音源なども臨場感豊かに楽しむことができそうだ。
さらに「HT-CT260」は、その形状を生かしてスピーカーの向きを調整することができる。本体をそのまま置くとスピーカーは斜め30°上に向く。AVラックの下段などに「HT-CT260」を設置する場合や、ソファなど高い位置に座る場合、音を視聴者の高さまで届けることができる。逆にAVラックの位置が高い場合には、専用スタンドを利用することで音をまっすぐ前方へ届けることができるのだ。
「HT-CT260」は高いデザイン性とワイヤレスサブウーファーの採用による取り回しのよさ、そして高音質を兼ね備え、リビングのサウンド環境を数ランクレベルアップさせるサラウンドシステムだ。さらにはスマートフォンとの連携で、プラスアルファの価値を見出している。これだけ充実した機能と実力を備えながら、実勢価格が3万円前後というのだから驚きだ。
音は実際に聴いてみないと、その違いがわかりづらい。ぜひ、ショールームや家電量販店の店頭で、「HT-CT260」が鳴らす音を聴いてほしい。きっと、あなたのリビングに置きたくなるはずだ。(デジタル&家電ライター/コヤマタカヒロ)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。
10月20日発売のソニー「HT-CT260」
サラウンドシステムのなかで、いま特に人気を集めているのが、バータイプのモデルだ。テレビの前に設置するのでスペースを取らず、手頃な価格にもかかわらず、音はいい。量販店の実売データを集計した2012年10月の「BCNランキング」によると、サラウンドシステムの上位10位以内に5機種のバータイプモデルが入っている。
順位 | メーカー | 品名 | 型番 | 製品写真 |
1 | ソニー | ホームシアターシステム | HT-CT260 | |
2 | ソニー | ホームシアターシステム | HT-FS30 | |
3 | ヤマハ | フロントサラウンドシステム | YAS-101(B) | |
4 | ソニー | シアタースタンドシステム | RHT-G10EX | |
5 | ヤマハ | デジタル・サウンド・プロジェクター | YSP-2200 | |
6 | ソニー | ホームシアターシステム | HT-SS380 | - |
7 | ヤマハ | AVレシーバー | RX-V473(B) | - |
8 | ヤマハ | Cinema Station mini | TSS-20 | - |
9 | デノン | フロントサラウンドシアターシステム | DHT-S311-K | - |
10 | ヤマハ | ホームシアターパッケージ | YHT-S401(B) | - |
※赤字はバータイプ
「BCNランキング」2012年10月 月次<最大パネル>
なかでも10月20日発売のソニーの「HT-CT260」は発売前から注目を集め、他社を抑え、圧倒的人気でシェア1位を獲得。そこでソニーのショールームに出かけて、「HT-CT260」の実力を確かめてきた。
ショールームを案内してくれたのはソニーマーケティング ホームオーディオカテゴリー マーケティングマネジャー 油井薫
良質のサウンド&迫力の秘密はワイヤレスサブウーファー
「HT-CT260」は、サイズは幅約940×高さ約102×奥行き89mmとコンパクトで、液晶テレビの前に設置できるバータイプのスピーカーだ。横から見ると鉛筆のような六角形になっている。そもそもスピーカーは内部で音を反響させて音を鳴らすので、体積が大きければ大きいほど、音はよくなる。特にしっかりとした低音を鳴らすには、どうしてもある程度の体積が必要だ。
テレビの前に設置できるバータイプ。六角形のデザインが特徴的
そこで「HT-CT260」は、バータイプのスピーカーとは別に、ワイヤレスでつなぐサブウーファーを用意した。サブウーファーとは、通常のスピーカーでは十分に再生できない重低音を受け持つスピーカー。「HT-CT260」は、低音域をこのサブウーファーに任せることで、本体部を中~高音に特化し、最適な音の分布と本体のコンパクト化を実現しているのだ。
実際に視聴室でサブウーファーの電源をオン/オフして音を聴き比べると、迫力はもとより、音の締まりなどがまったく異なって聴こえる。しっかりとしたサブウーファーが、中域以上の音を引き締めているのだ。
音を豊かにしてくれるサブウーファーだが、設置場所に悩む人も少なくない。バータイプのスピーカーであれば、テレビといっしょにテレビ台の上に置くことができるが、サブウーファーはテレビ台に置くにはちょっと大きすぎる。また、テレビの回りに設置スペースがない部屋もある。しかし、「HT-CT260」はスピーカー本体とサブウーファーの接続がワイヤレスなので、リビングルームのどこにでも置くことができる。
ワイヤレスで接続するので、どこにでも置ける
さらに、サブウーファーが鳴らす低音域の音は指向性が低く、設置場所をそれほど問わないというメリットがある。大きさは幅約271×高さ390×奥行き271mmと、こちらもコンパクトで、どこに置いてもじゃまにならない。
サブウーファーはコンパクト&ワイヤレスなのでどこにでも置ける
テレビだけじゃない! スマートフォンともワイヤレス連携
リビングルームにできたせっかくの高音質のサラウンド環境。テレビ番組や映画の視聴だけでも十分だが、音楽を存分に楽しむこともできる。「HT-CT260」は、Bluetoothのワイヤレス接続機能を備え、スマートフォンに保存してある音楽の再生ができるのだ。
Bluetooth接続でスマートフォン内の楽曲を楽しめる
最近は、リビングにCDプレーヤーなどの音楽再生環境がない家庭も少なくない。「HT-CT260」がリビングにあれば、Androidスマートフォンはもちろん、iPhoneのなかの音楽を、実用最大出力270W(フロント85W+85W+サブウーファー100W)の大迫力で楽しめる。
音楽番組や映画などを視聴するときはテレビと「HT-CT260」で、また音楽を楽しむときはテレビを消してモードをBluetooth接続に切り替えて、と、「HT-CT260」一台で、多彩なエンタテインメントが楽しめるのだ。Bluetoothのペアリング設定は簡単なので、いろんな人のスマートフォンを接続して楽しむこともできる。
目の前で歌っているかのような臨場感豊かなサウンド
ここまでは、使い勝手を中心に語ってきた。しかし、サラウンドシステムで最も重要なのは音質だ。では「HT-CT260」の音質はどうだろう。視聴室で、「HT-CT260」から約2~3mの位置に座って、映画や音楽を聴いた。
映画の視聴では、背後への音の回り方や広がり感などを十分に楽しむことができた。特にサブウーファーによる低音の響きが、臨場感を高めてくれた。音楽の試聴では、スピーカーの中央からはっきりと、ボーカルの音声を再現。音の定位がしっかりしていて、まるでアーティストが目の前で歌っているかのようなクッキリとしたサラウンドが楽しめた。これなら、ライブ音源なども臨場感豊かに楽しむことができそうだ。
ボーカルの声が中央からはっきりと響く
さらに「HT-CT260」は、その形状を生かしてスピーカーの向きを調整することができる。本体をそのまま置くとスピーカーは斜め30°上に向く。AVラックの下段などに「HT-CT260」を設置する場合や、ソファなど高い位置に座る場合、音を視聴者の高さまで届けることができる。逆にAVラックの位置が高い場合には、専用スタンドを利用することで音をまっすぐ前方へ届けることができるのだ。
六角柱のスピーカーの角度を変えて最適な視聴位置を調整できる
リビングのサウンド環境を数ランクレベルアップ
「HT-CT260」は高いデザイン性とワイヤレスサブウーファーの採用による取り回しのよさ、そして高音質を兼ね備え、リビングのサウンド環境を数ランクレベルアップさせるサラウンドシステムだ。さらにはスマートフォンとの連携で、プラスアルファの価値を見出している。これだけ充実した機能と実力を備えながら、実勢価格が3万円前後というのだから驚きだ。
音は実際に聴いてみないと、その違いがわかりづらい。ぜひ、ショールームや家電量販店の店頭で、「HT-CT260」が鳴らす音を聴いてほしい。きっと、あなたのリビングに置きたくなるはずだ。(デジタル&家電ライター/コヤマタカヒロ)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。