BCN発表、タブレット端末がデスクトップPCを抜く! 変貌しつつあるパソコン市場

特集

2012/11/08 17:57

 BCNは、11月7日、販売店の実売データ「BCNランキング」をもとに、薄型テレビやパソコンなどのデジタル家電について、2012年10月までの最新の販売動向を解説する記者会見を開催した。テーマは、「スマホ化するPC、取り残されるテレビ――激化するデジタル家電の主導権争い」。

アナリストが最新の販売動向を解説

前年実績を下回るパソコン市場 厳しい状況のなかタブレット端末が好調



 会見の冒頭、道越一郎アナリストは「先月発売したWindows 8の出足が鈍い。OSが新しくなったタイミングでPCを買い替える時代ではなくなった」と、パソコン市場の厳しい状況に触れた。パソコン(デスクトップPC・ノートPC・タブレット端末)の対前年比は、台数ベースで9月が102.0%、10月が101.8%とかろうじて前年実績を上回ったが、金額ベースでは9月が95.1%、新OSのWindows 8を搭載したPCが登場した10月は89.7%と落ち込んでいる。

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 厳しいパソコン市場のなかで唯一好調なのがタブレット端末だ。パソコン全体の販売台数に占める構成比は、9月はデスクトップがPC15.3%、タブレット端末が14.9%と僅差だったが、10月にはデスクトップPCが14.7%、タブレット端末が19.5%と、ついにタブレットがデスクトップを上回った。タブレット端末が2割を超える日もそう遠くないだろう。

 タブレット端末は、2012年3月発売の第3世代iPadの影響で、3月の販売台数は前年同月比654.7%という驚異的な伸びを見せ、その後も150%前後で好調に推移。10月も154.0%だった。

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 メーカー別では、これまで「iPad」を擁するアップルの独壇場だったタブレット端末市場に、10月、変化が起きた。ASUSTeK Computerが7インチのAndroid搭載タブレット端末「Nexus 7」を発売し、アップルの40.2%に迫る37.1%のシェアを獲得した。新モデルの発売直後のことなので、割り引いて考えなければならないが、市場の様相が変化しつつあるのは間違いない。年末には、Amazonの「Kindle Fire」やWindows 8搭載タブレットなどが続々登場する予定だ。アップルの独走に終止符が打たれ、今後は混戦模様になっていくだろう。

 タブレットの画面サイズ別では、これまで「iPad」を含む「8~10インチ未満」が主流だったが、「iPad mini」や「Nexus 7」が出てきたことで、「8インチ未満」が10月に52.0%と急激にシェアを伸ばし、小型にシフトしている。これまで主に自宅やオフィスなどで使用していたタブレット端末が、外出先でも活躍するようになるだろう。

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低調が続く薄型テレビ 50型以上のモデルが健闘



 薄型テレビ(液晶/プラズマ/有機ELテレビ)は、この1年間、販売台数/金額とも前年実績を大きく下回って推移した。

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 低空飛行を続ける薄型テレビ市場のなかで、画面サイズ別では50型以上が台数ベース、金額ベースとも前年実績を上回り、健闘している。台数ベースでは、9月に前年同月比143.6%、10月に124.0%をマークし、金額ベースでも9月に135.7%、10月に113.0%と、ともに2ケタ伸長で推移している。

 機能では、録画機能搭載モデルが89.1%と9割を占めた。そのうち外付けHDD用の端子だけを備えたモデルが9割に近づき、2年ほど前に見かけたHDD内蔵モデル、BDドライブ搭載モデルのシェアは縮小している。いまや、テレビで録画した番組は外付けHDDに保存する時代といえる。

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*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。