矢野経済研究所、「日韓スマートフォンアプリビジネスマッチングセミナー」で日中韓のスマートフォン事情を解説
韓国の政府機関、放送通信委員会が、9月19日、「2012 日韓スマートフォンアプリビジネスマッチングセミナー」を開催した。後援した矢野経済研究所(水越孝社長)の朴澤理子情報通信・金融事業部情報通信担当上席研究員が、「各国モバイル・スマートフォンサービス市場比較」と題して講演。現地での調査をもとに、日中韓のスマートフォン事情を解説した。
日本国内のスマートフォン普及率は2012年年初の調査では約22%で、利用しているOSは、Androidが54.7%、iOSが47.3%、Windowsが5.7%だった。インフラ環境は3G回線が主で、高速データ通信のLTEはこれから普及していく。スマートフォン向けアプリケーションの市場規模は、12年末には前年比170%の139.9億円になると予測。急成長はしているがマーケット規模は小さく、朴澤上席研究員は「従量課金サービスでいかに収益を上げるかが課題だ」とした。
韓国では、11年のスマートフォンの普及率が約43%、利用OSは、Androidが約60%、iOSが約27%だった。回線は3Gまだ主ではあるが、LTEの導入が早かったことや公衆無線LANサービスが広く普及していること、低価格の機種が多数登場したことで、スマートフォンが浸透した。12年末には、キャリアがスマートフォンの契約獲得に力を入れ、普及率は約80%まで達すると予測した。
これに対して中国では、インフラ整備が遅れ、回線は2Gがいまだに約88%を占める。また、プリペイド端末の利用率が高いことから、スマートフォンの11年の普及率は約11%だった。利用OSは、Androidが約60%で、Symbian OSが約30%、iOSは約6%にとどまった。
11年の調査で。日本はスマートフォンとフィーチャーフォンの2台を所有しているユーザーは43.7%。これに対して韓国・中国では、「2台持ち」はほとんど浸透していない。日本は、従来型携帯電話特有のアプリケーションなど、利活用サービスが広く普及しているが、中国と韓国では携帯電話は「ただの電話」という位置づけで、「単純にスマートフォンに乗り換えるだけ」という。
スマートフォンの活用法では、韓国はゲーム・娯楽、コミュニケーションの利用が多く、エンタテインメント系のコンテンツに人気がある一方で、中国は電話、チャット、マイクロブログが多かった。朴澤上席研究員は、「中国はインフラの整備が遅れているので、エンタテインメント系のコンテンツの需要はあるものの、利用は遅れている」と分析した。
デバイス選択時に重要視するポイントでは、日本が機能・性能・速さで高付加価値を求めるのに対して、韓国では高付加価値と低価格のどちらかを重要視する傾向がある。中国は、端末・通信料・サービスが安いものを求めていた。これは、「スマートフォンを所有する目的が異なり、一方が利便性を求め、他方はスマートフォンを所有すること自体が目的になっているからだ」という。
朴澤上席研究員は、「日本企業が、中韓でのスマートフォンやスマートフォン用アプリケーション市場で成功するためには、日本国内での成功事例をそのまま輸出するのではなく、各国に合わせてローカライズすることが重要だ」と指摘した。
日本国内のスマートフォン普及率は2012年年初の調査では約22%で、利用しているOSは、Androidが54.7%、iOSが47.3%、Windowsが5.7%だった。インフラ環境は3G回線が主で、高速データ通信のLTEはこれから普及していく。スマートフォン向けアプリケーションの市場規模は、12年末には前年比170%の139.9億円になると予測。急成長はしているがマーケット規模は小さく、朴澤上席研究員は「従量課金サービスでいかに収益を上げるかが課題だ」とした。
矢野経済研究所の朴澤理子情報通信・金融事業部情報通信担当上席研究員
韓国では、11年のスマートフォンの普及率が約43%、利用OSは、Androidが約60%、iOSが約27%だった。回線は3Gまだ主ではあるが、LTEの導入が早かったことや公衆無線LANサービスが広く普及していること、低価格の機種が多数登場したことで、スマートフォンが浸透した。12年末には、キャリアがスマートフォンの契約獲得に力を入れ、普及率は約80%まで達すると予測した。
これに対して中国では、インフラ整備が遅れ、回線は2Gがいまだに約88%を占める。また、プリペイド端末の利用率が高いことから、スマートフォンの11年の普及率は約11%だった。利用OSは、Androidが約60%で、Symbian OSが約30%、iOSは約6%にとどまった。
11年の調査で。日本はスマートフォンとフィーチャーフォンの2台を所有しているユーザーは43.7%。これに対して韓国・中国では、「2台持ち」はほとんど浸透していない。日本は、従来型携帯電話特有のアプリケーションなど、利活用サービスが広く普及しているが、中国と韓国では携帯電話は「ただの電話」という位置づけで、「単純にスマートフォンに乗り換えるだけ」という。
スマートフォンの活用法では、韓国はゲーム・娯楽、コミュニケーションの利用が多く、エンタテインメント系のコンテンツに人気がある一方で、中国は電話、チャット、マイクロブログが多かった。朴澤上席研究員は、「中国はインフラの整備が遅れているので、エンタテインメント系のコンテンツの需要はあるものの、利用は遅れている」と分析した。
デバイス選択時に重要視するポイントでは、日本が機能・性能・速さで高付加価値を求めるのに対して、韓国では高付加価値と低価格のどちらかを重要視する傾向がある。中国は、端末・通信料・サービスが安いものを求めていた。これは、「スマートフォンを所有する目的が異なり、一方が利便性を求め、他方はスマートフォンを所有すること自体が目的になっているからだ」という。
3か国の比較
朴澤上席研究員は、「日本企業が、中韓でのスマートフォンやスマートフォン用アプリケーション市場で成功するためには、日本国内での成功事例をそのまま輸出するのではなく、各国に合わせてローカライズすることが重要だ」と指摘した。