キヤノン、満を持してミラーレス一眼市場に参入、後発でも「十分追いつける」

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2012/07/23 19:28

 デジタルカメラ市場で注目を集めるミラーレス一眼。2008年にパナソニックとオリンパスが市場を切り開き、その後、ソニー、ペンタックス、ニコンが参入して、いま市場には活気がある。2012年6月の「BCNランキング」では、レンズ交換型デジタルカメラ市場でミラーレス一眼は47.0%のシェアを獲得。半数を超える日も近いだろう。そんなミラーレス一眼市場に、キヤノンが参入を表明した。


 7月23日に開催した記者会見で、キヤノンマーケティングジャパンの川崎正己社長は「ミラーレス一眼を含むレンズ交換式デジタルカメラ市場で、キヤノンは2012年上半期のNo.1を獲得した。さらに写真表現を左右する交換レンズでは、業界最多のラインアップを揃えている。EOSシリーズ誕生から25年を迎えた今年、ミラーレス一眼『EOS M』シリーズを加える」と市場参入を高らかに宣言した。

ミラーレス一眼市場参入を表明する川崎正己社長

 キヤノンは「EOS M」シリーズを、デジタル一眼レフカメラ「EOS」のエントリモデルとして位置づけ、コンパクトデジタルカメラからのステップアップや、デジタル一眼レフカメラのサブカメラとして、20~30代をメインターゲットに提案していく。

キヤノンのミラーレス一眼「EOS M」シリーズ

 デジタル一眼レフ市場でのライバル、ニコンがミラーレス一眼「Nikon 1 J1/V1」を発売したのは2011年10月。「EOS M」の発売は9月なので、実に11か月も後れを取ったことになる。イメージコミュニケーション事業本部の眞榮田雅也本部長は、「高画質化と小型・軽量化は相反する要素。美しい画像を実現するためには多くの部品やユニットを搭載しなくてはならず、サイズが大きくなってしまう。高画質と小型・軽量の両立を実現するのに時間がかかってしまった」と開発の苦労を明かした。

「EOS M」開発の苦労を語る眞榮田事業本部長

 会見で、報道陣からこうした状況について問われた眞榮田事業本部長は、「十分追いつけると思っている。一眼レフ、ミラーレス一眼の両市場でシェアを伸ばす」と自信をみせた。


 6月のミラーレス一眼市場のメーカー別販売台数シェア1位は、「PEN」シリーズが人気のオリンパスで33.8%。以下、29.2%のパナソニック、15.1%のソニーと続く。先行メーカーが高いシェアをもつミラーレス一眼市場で、キヤノンの巻き返しに注目したい。(BCN・山下彰子)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。

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